Empfohlen
Weitere ähnliche Inhalte
Was ist angesagt?
Was ist angesagt? (20)
Andere mochten auch
Andere mochten auch (20)
Ähnlich wie プライベートクラウドへの準備はできていますか？[ホワイトペーパー]
Ähnlich wie プライベートクラウドへの準備はできていますか？[ホワイトペーパー] (20)
Mehr von KVH Co. Ltd.
Mehr von KVH Co. Ltd. (20)
Kürzlich hochgeladen
Kürzlich hochgeladen (9)
プライベートクラウドへの準備はできていますか？[ホワイトペーパー]
- 1. ホワイ トペーパー： KVH クラウ ドサービス プライベートクラウドへの 準備はできていますか？ 自社ビジネスに最適なプライベートクラウドの 評価と主要な考察点 目次 2 はじめに 3 なぜプライベートクラウドか？ 4 意思決定までのステップ 7 サービスプロバイダーにどのような要件が必要か？ 8 まとめ 10 ケーススタディ：金融業界におけるプライベートクラウド導入例 12 KVH について Copyright© 2012 by KVH Co. LTD All Rights Reserved. Not to be copied or reproduced without express permission of KVH Co LTD Page 1 of 12
- 2. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ 一方、インターネットの隆盛にこのようなITのコン はじめに シューマ化が加わることによって、企業は数多くのセ キュリティの脅威に直面することにもなりました。さら 世界中で生成されているデータ量は2年ごとに倍増して に、ソーシャルメディアの台頭が、こうした脅威に一層 おり、企業には、データ処理やデータ保護を確実に行う 多くの流通経路を与え、社員のネットワークを通じて脅 ことのできる信頼性の高いシステムを早急に確保する 威が拡散し拡大していく可能性が高まりました。その結 ことが強く求められています。同時に、各企業のCIOは 果、金融サービス業界など、ミッションクリティカルな 非常に限られたIT予算でこうした新たな技術ニーズへ データを保有する業種を中心に、多くの企業でデータの の対応を迫られ、極めて大きな重圧にさらされています。 安全性やプライバシーの問題が最優先課題となり、最大 先ごろ発表されたガートナーの調査報告書「Amplifying の関心事となっています。こうした背景が、自社インフ the Enterprise: The 2012 CIO Agenda」によれば、 ラを独立したクラウド環境で利用でき、サービスプロバ 2012年の企業のIT予算はわずか0.5％の伸びに留まる イダーによって提供される高性能なホスティングやセ 見通しで、46％のCIOが、実際のIT支出は間違いなく予 キュリティ、ネットワーク、マネージドサービスを活用 算を上回ると考えています。 できるプライベートクラウドの発達をもたらしました。 残念なことに、プライベートクラウドスペースに多数の 1 クラウドコンピューティング の出現は、企業がこうし 企業が参入し、テクノロジーの進化や高度化が進むに たニーズに対応する新たな手段をもたらしました。デー 従って、クラウドコンピューティングにまつわるさまざ タをオフサイトのマシンに保管して、インターネットや まな用語が混乱をきたし、具体的にクラウドに何が実現 プライベート接続でアクセスできるようになることで、 できるのか、新しいこの技術を自社に導入すべきか否か インフラや維持管理コストを大幅に削減することがで について、多くの企業では未だに明確に把握できていな きます。クラウドコンピューティングの出現により、企 いのが実情です。 業のIT環境管理のコスト効率は、大幅に向上しました。 そのため、各社のCIOが2012年の優先技術課題のトッ 一方、データやテクノロジーに関する市場動向では、最 プ3の1つに「クラウドコンピューティング（SaaS, IaaS, 終的にほぼすべての企業が、何らかの形でクラウドコン PaaS等）」を挙げていることは当然とも言えます。 ピューティングを導入する必要があることを示してい ることも事実です。 ITのコンシューマ化に伴って、ビジネスの生産性を高め るために、ユーザーはクラウドサービスを利用していつ このホワイトペーパーは、プライベートクラウドの導入 でもどこでもデータにアクセスできるようになりまし を検討する企業に対して、クラウドコンピューティング た。また、ITやビジネスニーズが常に変化する中、クラ の潜在的なメリット、クラウドへの移行やサービスプロ ウドサービスは、ビジネスの成長や製品ニーズの変動に バイダーの選定に際しての、適切な意思決定方法を説明 対応できる柔軟性や拡張性を提供します。 することを目的としています。 1 クラウドコンピューティングとは、コンピューティングリソース （ネットワーク、サーバー、ストレージなど）に、いつでもどこでも、 便利にオンデマンドでアクセスできる利用形態で、迅速な設定、構築 および管理負荷の軽減を実現します。 Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 2 of 12
- 3. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ 新たに確認されたマルウェアの 85％が、インターネッ なぜプライベートクラウドか？ トを主要な攻撃対象としており、企業や組織からは信頼 性が高く、企業活動の全てをカバーできる完全なセキュ このセクションでは、現在、企業が直面している重要な リティ・ソリューションが切実に求められています。特 IT 課題とそうした課題にプライベートクラウドがどの に、金融サービスなど機密性の非常に高いデータを扱う ように対応できるのか。さらに、導入後にプライベート 企業にとっては、データ漏えいやセキュリティ侵害の問 クラウドの利点を十分活用するために、企業はどのよう 題は、会社の評判を傷つけ、企業活動の将来に大きな損 な体制を整え計画を立てるべきか、について取り上げま 害を与えることにもなりかねません。 す。プライベートクラウドの利点をどこまで実感できる かは、それぞれの企業がすでに保有している IT システ インターネットベースでパブリッククラウド環境にア ムや社内人材リソース、スタッフのスキルセット、デー クセスすることは、未知の外部ソースによるデータ感染 タサービスの必要性の度合いによって変わります。この リスクを上昇させます。一方、プライベートクラウド環 ため、その成否は、企業がスムーズにプライベートクラ 境は、安全な環境で、企業のインフラを他社のネット ウドに移行できるかどうかということと、これをサポー ワークやサーバーと確実に分離して稼働させます。この トするサービスプロバイダーがその企業特有の課題や ように、プライベートクラウド環境によって、社外ユー ニーズを把握し、これに対処する能力を備えているかど ザーによるデータの汚染や感染リスクを最小限に抑え うかに大きく依存します。 ることができ、インフラは保証されたパフォーマンスを 確実に実現できます。 セキュリティとプライバシー コスト効率の最大化 世界の IP トラフィックは年々爆発的に増加し、2013 年には現在の 5 倍の量になると予測されています。こう IT 予算は一層削減傾向にあり、企業は「more with less したトラフィックの増加に加え、ソーシャルメディアや （少ない資源でより多くを実現）」を実践して、コスト デスクトップ仮想化、 のコンシューマ化などによって、 効率の高い方法で IT ニーズに対処する方法を、懸命に IT 社員のネットワークを通じて悪質なソフトウェア（マル 模索しています。つまり大半の企業が、ビジネス生産性 ウェア）が拡散する新たな経路が大量に発生しています。 の向上をめざす一方で、ハードウェア、ソフトウェア、 Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 3 of 12
- 4. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ 情報セキュリティサービスへの支出を削減する方策を 管理性の向上 求めています。 プライベートクラウドは、高い水準で IT 環境をコント ほとんどのクラウドコンピューティング環境はサー ロールすることを求める企業にとって、理想的な環境を バー・オーケストレーション機能を持ち、消費に対する 提供します。セキュリティに対して強い関心を持つ企業 課金、計量、チャージバックなどサーバーを一元管理す や、機密性の高い情報やミッションクリティカルなデー るリソースプールを提供しています。サーバー・オーケ タを扱う企業が、これに当たります。プライベートクラ ストレーションは、自動化されたワークフローやプロビ ウドは高度にカスタマイズが可能なため、企業は自社に ジョニング、変更管理などを通じてポリシーやサービス 最適な仕様に基づいて、サーバーやネットワーク機器を レベルの定義付けも行い、アプリケーションに合わせた 配置して、独自の要件を満たすことができます。特定の インフラを生成して、アプリケーションのニーズに基づ 規定に基づく要件、コンプライアンス要件、海外本社に いて規模の拡大・縮小を行うことができます。従来環境 指定された要件など、プライベートクラウド環境は、さ ではサーバーの利用率が極めて低く、稼働率が 15∼ まざまなニーズに合わせてカスタマイズが可能です。ま 20％程度に留まるのに対し、サーバー・オーケストレー た、レポーティング、モニタリング、対応サーバーイメー ションを行うことによって遊休サーバー数を削減し、 ジなど、サーバー自体の機能以外でも多くの場合カスタ サーバー全体の稼働率を 80％以上に押し上げることが マイズできます。 できます。例えば、夜間に、ある組み合わせのアプリケー ションを稼働させるようにサーバーを設定し、朝には全 さらに、他の企業と環境を共有することがないため、プ く別のアプリケーションを稼働するように再設定する ライベートクラウドの導入企業は、稼働させたままクラ ことも可能です。このように、利用率の低いリソースを ウド環境にアクセスおよび変更ができ、設定を希望通り 再利用することによって設備投資を削減できるだけで に調整することができます。また、24 時間 365 日体制 なく、電力消費量も 70∼80％低減し、電力料金やサー で、モニタリングやテクニカルサポートの恩恵が受けら バーメンテナンス費用を削減できます。 れ、データセンターサービスのプロバイダーからオンデ マンドで専門的なコンサルティングを受けることもで 社内にプライベートクラウドを導入する場合、コスト削 きます。 減が可能な分野を特定できる経験や専門知識が社内に 十分に無いと、自社ビジネス特有の要件を満たすソ 拡張性と柔軟性 リューションを開発することで、総所有コスト（TCO） が極めて高くなってしまう恐れがあります。プライベー プライベートクラウドサービスを活用することによっ トクラウドを専門とするシステムインテグレーター て、企業はビジネスニーズに合わせて自社の IT インフ （SIer）は、適切なスキルセットを持った専門家、最も ラを拡張できます。たとえば市場の需要予測が極めて困 コスト効率の良い機器を提供するビジネスパートナー、 難な新製品を立ち上げる際、発売後の実際の需要動向に プライベートクラウド環境を効率化できる高性能で高 応じて、使用する IT リソースを拡大縮小できます。需 度なセキュリティを有しています。また、同時に、導入 要の拡大が見られない場合には、大幅にコストを節約で 企業の CAPEX を OPEX に移行させて、長期的なコスト きる一方、高い需要が見られる場合には、事業の拡大に 効率を最大化させるインフラも有しています。 合わせて効率的に業務をサポートすることができます。 さらに、顧客の要求や市場トレンドの進化に伴い急激に Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 4 of 12
- 5. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ 変化するビジネスニーズに対して、柔軟なプロビジョニ ベートクラウドの構築からカスタマイズ、導入を進める ングサービスの活用により、ワークフローに支障をきた 中で、ほぼ間違いなく予期せぬ問題に直面することにな すことなく、企業の IT 環境をシームレスに変更できま ります。 す。 さらにクラウドへの移行にあたっては、社内の役割や基 本的社内手続きの大幅な変更が必要になります。こうし 意思決定までのステップ た変化に対して各部門・部署が適切に対応できる体制を 整えていなければ、プロジェクトが失敗に終わるだけで プライベートクラウドのあらゆる能力について知り、 なく、チーム間でさまざまなしこりや問題を引き起こす サービスプロバイダーにこれまで述べてきたようなメ 可能性があり、クラウドコンピューティングによるコス リットを約束されると、すぐに契約の段階に到達してし トや効率のメリットの実現はさらに遅れることになり まうケースがあります。しかし、業種や業界ごとに、よ ます。特に、社内に他部門や他のチームに対して非協力 り適したサービスプロバイダーがあり、プライベートク 的で、効果的な連携が図れないサイロ化した部署やチー ラウドの利点をどれだけ実現できるかは、サービスプロ ムが存在する場合は、プライベートクラウドへの移行プ バイダーのビジネスニーズへの対応能力に掛かってい ロセスにおいて大きな障害となりかねません。社内の組 ることを、認識しておくべきです。プライベートクラウ 織構造や既存の社内プロセスの評価を行い、全社的にプ ドに移行すべきかどうかの判断や、移行すべき時期に自 ライベートクラウドの導入を受け入れられる態勢に 社に最適なサービスプロバイダーを選定するために、考 なっているかどうかを見極めることが非常に重要です。 慮するべきいくつかの基本的な検討項目を以下に挙げ ます。 社内に対応できるスタッフはいるか？ 組織として、変化に対応できる態勢になってい 社内で誰がプライベートクラウドを稼働させるので るか？ しょうか？このプロジェクトを常に効率的に管理する ことのできる十分なスキルと専門知識を持った人材が クラウドへの移行の過程で、社内の IT システムやネッ 社内にいるでしょうか？技術的なバックグラウンドだ トワークアーキテクチャを大幅に変更することが考え けでなく、ビジネスを十分に理解し、サービスプロバイ られます。InformationWeek 誌の「2012 State of ダーと効果的に連携を図って、導入にあたり、発生する Cloud Computing Survey（クラウドコンピューティ あらゆる問題に対応できることが重要です。このように、 ング動向調査）」によれば、調査対象の組織の 71％で社 ビジネスの変化に伴って、クラウド環境にどのような変 内ネットワークの再構築にかかわる何らかのプロジェ 更を行わなければならないかを把握できる専門の担当 クトが進行中である。あるいは、今後 2 年間のうちに計 者、あるいは会社の規模によっては担当チームが社内に 画しているにもかかわらず、クラウドサービスの導入が いることは、非常に大きな利点になります。さらに、サー 自社アーキテクチャに与える影響について、 部門によ IT ビスプロバイダーは、顧客企業の中核ビジネスや直面す る評価が行われた企業は、全体のわずか 28％に過ぎな る課題に対する知識を持っているだけでなく、プライ いという結果が示されています。このような重要なアセ ベートクラウド環境を稼働させる上での専門知識を実 スメントなしでは、クラウドサービス導入後のモニタリ 際に示すことができなければなりません。そうした際に、 ングや効果測定が困難なことは言うまでもなく、プライ Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 5 of 12
- 6. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ 社内担当者が十分な訓練を積んでおらず、また社内ス えることができます。一部の企業にとって、これはプラ タッフに不足しているスキルをサービスプロバイダー イベートクラウドを独自にホスティングする強力な理 が補うこともできなければ、必要以上に長い時間とコス 由になるかもしれません。しかし、このことが社内の別 トをプライベートクラウドへの移行に費やすことにな の分野に影響を与えることも、念頭に置いておかなけれ ります。 ばなりません。 パブリッククラウドやハイブリッドクラウドの方がビ 例えば、プライベートクラウドを自社の施設内でホス ジネスモデルに適しているのではないか？ ティングする場合、社内に十分なスキルセットを持ち、 システムの停止やハードウェア交換の必要性に備えて、 多数のサーバーを活用したり、ホスティングソリュー 1 年を通じて 24 時間対応でクラウド環境に対応できる ションを利用したりしている企業にとっては、大量の 人材がいるでしょうか？セキュリティの観点から、プラ データを処理できる低コストのサービスを利用できる イベートクラウドの選択を検討している企業は、最高水 パブリッククラウドの方が適している場合があります。 準のセキュリティサービスや、必要に応じて素早く効率 一方、これまで述べてきたように、セキュリティに強い 的な行動を取ることのできる専門の担当者とともに、自 懸念を持つ企業や、厳密なコンプライアンスや各種の規 社インフラを常に監視しておく必要があります。さらに、 制要素への対応を考慮しなければならない企業には、プ 自社施設や社内担当者には、停電の発生に備えて必要な ライベートクラウドの方が適していると言えます。 無停電電源システム（UPS あるいは自社発電装置など） のサポートや管理を行う能力が求められ、建物全体での しかし、今後のデータ量の増加やインターネットトラ 電力テストを行う必要もあります。 フィックの拡大については、予測がつかない要素が多く、 必然的に企業の多くがパブリックとプライベートの両 また、インフラ管理を中核事業とする企業でない限り、 方を取り入れた「ハイブリッドクラウド」ソリューショ プライベートクラウド環境を構築し維持するために時 ンを導入せざるを得なくなることが、次第に明らかに 間やコスト、リソースを費やすことは無益な努力となる なってきました。例えば、あるアプリケーションについ 可能性があります。セキュリティやプライバシーの点で てはプライベートクラウドを使用しておき、需要が急激 メリットを得ても、ビジネスの生産性やコスト効率の面 に高まった際にはパブリッククラウドに依存して超過 で相殺されてしまうことにもなりかねません。 分のデータフローを処理することもできます。プライ ベートクラウドを導入する前に、まず自社のニーズに対 プライベートクラウドを専門とするサービスプロバイ してパブリックやハイブリッドのソリューションの方 ダーは、顧客のセキュリティやデータボリューム、予算要 が適している可能性について検討することが重要です。 件に合わせてカスタマイズされた低コストのソリュー ションを提供できるだけでなく、プロフェッショナルサー どこにホスティングするのか？ ビスやコンサルティングサービスを通じてあらゆる能力 を効果的に活用し、可能な限りシームレスにプロジェクト プライベートクラウドを自社で運用管理し維持すれば、 を実行させることができます。企業はアウトソーシングに クラウド環境全体を自社で確実にコントロールできま よって時間と費用を節約し、社内リソースを中核ビジネス す。他のクラウド環境やネットワークから分離されてい のコンピテンシー強化に集中させることができます。 るので、理論的にはセキュリティのリスクを最小限に抑 Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 6 of 12
- 7. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ コンプライアンスの問題は？ まず、プロセスニーズや応答時間を含め、パフォーマン ス目標を確認します。これは、地理的近接性やクラウド 自社でプライベートクラウド環境を構築し管理しよう 環境の内外でのネットワークのパフォーマンスニーズ とする企業にとって、コンプライアンス遵守を徹底させ に関わります。また、CPU やディスク、ストレージデ ることは、非常に困難な問題となります。このような場 バイスなどのコンピューティングリソースも、この目標 合、特に金融業界の企業では、サービスプロバイダーの によって変わってきます。 評価を行う際に、TIPA や ISO 認証を取得しているかど 2 うかだけでなく、 ITIL のコンピテンシーを持っている 2 番目に、自社が必要とするソリューションが SaaS （ソ かどうかにも着目する必要があります。組織全体で ITIL フトウェア・アズ・ア・サービス）型なのか、PaaS 型 のトレーニングや手順を実施しているプロバイダーで （プラットフォーム・アズ・ア・サービス）型なのか、 あれば、ITIL に沿って、より効果的にサポート手順を統 IaaS（インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス）型 合することができます。ITIL のコンピテンシーの有無は、 なのかを検証します。ほとんどのプロバイダーは、これ TIPA アセスメントによって測ることができます。セ らのうちのいずれかの分野に特化しているか、一定の範 キュリティのコンプライアンスニーズに対しては、プロ 囲でいくつかを組み合わせてソリューションを提供し バイダーのインフラが国内外のセキュリティ標準を満 ており、必要とする分野で最適なサービスを提供するこ たしているかどうかを ISO 認証の有無で判断します。 とのできるプロバイダーを選択する必要があります。ソ リューションのタイプによって、社内向けやエンドカス タマー向けの IT サポート要員の役割は、違ってきます。 サービスプロバイダーにどのよう 3 番目に、SLA（サービスレベルアグリーメント）を必 な要件が必要か？ 要とするかどうか、必要だとすればどのクラウドプロバ イダーがそれを保証してくれるかを、検討しなければな サービスプロバイダーを選定する前に、どのような課題 りません。SLA によって、クラウドプロバイダーに対す を克服したいと考えているのか、プライベートクラウド る要件や、ソリューションに必要なアーキテクチャが決 を採用することによって、どのようなゴールに到達する 定します。社内スタッフあるいはクラウドプロバイダー ことを期待しているのかを、明確にした企画書がなけれ のプロフェッショナルサービスは、クラウドプロバイ ばなりません。これが、自社のビジネスに最適なサービ ダーから利用可能なビルディングブロックに基づいて、 スを選択し、自社のニーズにはどのタイプのサービスプ システムアーキテクチャを設計する能力がなければな ロバイダーが最も適しているのかを、判断する際に役立 りません。 ちます。 ネットワークの所有だけでなく管理もできる クラウドプロバイダーか？ 2 ITIL（Information Technology Infrastructure Library）は、世界各 プライベートクラウドのハードウェアやインフラのコ 国のさまざまな官民組織から集められた IT サービス管理・運用規則に 関するベストプラクティスをまとめたもので、包括的な資格体系や認 ストには、ネットワークやスイッチ、電源、サーバーな 定教育組織、導入やアセスメントツールなどによってサポートされて います。詳細については、ITIL のホームページ どが含まれています。これらの製品を開発しているプロ http://www.itil-officialsite.com/ をご参照ください。 バイダーは、クラウドサービスを提供すると同時に、そ Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 7 of 12
- 8. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ の中にあらゆる自社製品を含めて販売しようとするか 野での能力や経験を実証できなければなりません。サー もしれません。これは、プロバイダーにとっては大きな ビスプロバイダーは、業界や中核事業分野における十分 メリットになる一方、顧客側からすれば、コスト削減や な知識を持ち、データに関連して企業が直面している課 サービス品質の面で制約が加えられることがよくあり 題を理解するとともに、提供するサービスの契約内容や ます。同様に、プロバイダーの中には、特定の製品を専 契約条件は、顧客との共通理解に基づいた技術用語で交 門に扱い、その製品を大幅に割安な価格で提供できるプ わされなければなりません。 ロバイダーもありますが、顧客のプライベートクラウド に別の要素が必要な場合は、それを提供できる別のベン また、海外に複数のオペレーション拠点を持つ企業に対 ダーを探さなければならなくなります。 して、サービスプロバイダーは複数言語でのサービスが 提供できなければなりません。プロバイダーと顧客企業 これに対してシステムインテグレーション能力を持つ とのコミュニケーションを効率的に行うだけでなく、何 サービスプロバイダーの場合、高性能でベストインクラ らかの危機が発生した場合に、サービスの中断時間を最 スのさまざまなベンダーのデバイスを組み合わせるこ 小限に留め、コンフィギュレーションの変更が必要に とができ、エンドツーエンドのコストを抑えながらサー なった場合にも、適切なタイミングでこれを実行できる ビス品質を大幅に高めることができます。さらに、高い 必要があります。 レベルで洗練されたネットワークを持ち、クラウドソ リューションとそれ以外のネットワークソリューショ どのような付加価値が得られるか？ ンとを統合して、環境全体を通じての包括的な SLA を 提供することのできるプロバイダーが、最も良いプロバ プライベートクラウドのサービスプロバイダーは、いず イダーと言えます。こうしたプロバイダーであれば、よ れも業界最高のサービスをうたっていますが、各社の違 り優れた形でレガシーシステムとの統合を行い、問題が いを決定づけるカギは基本的なサービス以外にどのよ 発生した場合に、複数のベンダー管理のために社内で必 うな付加価値を提供できるか、という点にあります。 要になる関係性やサポートプロセスあるいはスキルを 複数言語によるサポートや、ベストインクラスのインフ なるべくシンプルにして、「絞めるべきノドは 1 つ（責 ラ、定評ある専門家によるコンサルティング、数ある認 任の所在を一元化すること）」の状態を作り上げること 証の中でも特に ITIL を確実に実施できることなどの他 ができます。 に、どのような価値を提供してくれるのでしょうか？ サービスプロバイダーはニーズを十分理解し ネットワークやセキュリティ、マネージドサービス、プ ているか？ ロキシミティサービス、バックアップ能力についてはど うでしょうか？サービスプロバイダーの選定にあたっ 企業によって、生み出され、処理されるデータの種類や ては、プライベートクラウド環境のサポート方法だけで 量は、金融、メディア、通信キャリア、製造業など業界 なく、それ以外の IT ニーズに対応する能力を、検証す ごとに異なり、会社の規模や所在地、成長パターンある ることも必要です。 いは取扱製品によっても変わってきます。このため、 サービスプロバイダーが、データの管理、保存、処理、 保護などを行う場合、企業の種類や業界ごとに、その分 Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 8 of 12
- 9. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ まざまな要素を考慮しなければなりません。どのレベル まとめ の SLA が必要なのか、クラウドサービス・プロバイダー がネットワーク管理も行い、ワンストップソリューショ 世界のデータ量が 2 年ごとに倍増している状況にあっ ンを提供できるのか？サービスプロバイダーに十分な て、企業の CIO は非常に限られた予算で新たな技術ニー 業界知識があり、導入に際して考慮すべき業界特有のコ ズに対応するという極めて大きな重圧にさらされてい ンプライアンスを理解しているか？プロジェクトをス ます。ほとんどの企業にとって、クラウドコンピュー ムーズに実行できる能力があるのか？顧客があらゆる ティング環境導入が、主要課題になり始めています。ク 恩恵を受けられる最適な体制を整えるために、どのよう ラウドコンピューティング環境への移行は、従来の IT なプロフェッショナルサービスを提供できるのか？ 消費モデルから離れて、サービスとしての IT 提供モデ ルに移行することを意味しています。柔軟性や導入ス ほとんどの企業にとって、プライベートクラウド環境へ ピード、設備投資や運用コストの削減など、クラウドコ の移行は、IT マイグレーションの規模の大小を問わず、 ンピューティングの利点はすでに実証されていると同 決して簡単なことではありません。適切なインフラや技 時に、クラウドはパブリック型、プライベート型、ハイ 術的な専門知識、サービスポートフォリオを持った適切 ブリッド型などさまざまな導入形態を選択できます。企 なサービスプロバイダーを選定することで、技術的な課 業は、セキュリティやコンプライアンスのポリシー、希 題やリソースの問題を克服し、それぞれの企業特有の 望するカスタマイズのレベル、社内のスキルレベル、環 ニーズに最も適したソリューションを、導入することが 境を管理し、ホスティングするためのインフラなど、そ できます。 れぞれの状況に応じて適切な形態のクラウドを選択す ることになります。 プライベートクラウドは、自社の IT 環境を高いレベル でコントロールすることを望む企業にとって、理想的な 形態です。高度なセキュリティを必要とする企業や、機 密性の高いデータやミッションクリティカルなデータ を扱う企業には、最適と言えます。プライベートクラウ ドは、高度なカスタマイズが可能で、企業は自社が希望 する仕様に基づいてサーバーやネットワーク機器を配 置し、独自の要件を満たすことができます。プライベー トクラウド環境は、さまざまなニーズに合わせてカスタ マイズができる上、ほとんどの場合、サーバーのスペッ ク以外にも、レポーティングやモニタリング、対応サー バーイメージやアプリケーションなど、特別な機能追加 ができます。 外部の IT サービスプロバイダーを選定する際には、さ Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 9 of 12
- 10. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ ケーススタディ− - 金融業界におけるプライベートクラウド導入例 金融サービス業界における課題 金融サービス企業は、厳密な業界基準（銀行業界における Basel III など）を満たしながら、高度な信頼性を維持した システムにより、取引市場データの取得や高頻度取引を実現するため、最低遅延レベルの処理速度を達成しなければ なりません。さらには、機密情報やミッションクリティカルなデータの効果的な保護が重要となります。このような 環境下、企業が直面する重要な課題としては、会社全体のセキュリティニーズに対応すると同時に、今後発生が見込 まれる新たな脅威に対応できるセキュリティを、最新レベルに維持することが挙げられます。また、IT 予算を低減し ながら堅牢なインフラを管理すること、IT システムの維持に時間やリソースを掛けずに、本来のビジネスに集中でき る施策の検討などが挙げられます。 金融サービスのグローバル優良企業の 1 社は、これまでこうした課題を抱えながら、社内に十分なリソースやスキ ルセットを持った人材がいないため、IT システム効率化の選択肢として、プライベートクラウドへの移行が非常に 困難でした。クラウドへ移行した場合、セキュアでプライベートなクラウド環境で、数千種にも及ぶアプリケーショ ンを何百台ものサーバーでホスティングしなければなりません。また、次々に提供されるトレーディングソリュー ションのさまざまな要求に応えると同時に、信頼性の高いデータ バックアップや大幅なコスト削減も必要でした。 ・ これらのニーズを満たすために、専門的なコンサルティングや高性能インフラ、ネットワークを提供できるプライ ベートクラウド・サービスプロバイダーを活用することを決めました。 ソリューション − プライベートクラウド この企業は、専用 WAN でアプリケーションサーバーとデータセンターを接続する、セキュアな「プライベート IaaS （インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス）」を採用するとともに、IaaS 環境を効率的に管理でき、リモート アクセスが可能な「コントロールセンター」を、導入しました。また、サービスプロバイダーのプロフェッショナ ルサービスやプロジェクトマネジメントサービス、プライベートクラウド向けコンサルティングを活用して、自社 のプライベートクラウド環境のパフォーマンス分析を行いました。さらに、アプリケーション・グリッドのサーバー ファームをアウトソーシングする場合の社内ビジネスケースの作成のために、プロバイダーによって徹底的な要件 分析が行われました。 このサービスプロバイダーは、データセンターサービス向けの ISMS-ISO 27001 認証を取得しており、SAS70 お よび FISC コンプライアンス、データセンター環境のケージ設備、データセンター拠点直通のセキュアな専用 WAN 回線、デューデリジェンス監査、プロバイダーが顧客企業のオペレーション専用に社内で開発したコントロールセ ンター・ソフトウェアなどを、この企業向けに提供し、最高レベルのセキュリティを確立しました。 Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 10 of 12
- 11. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ 導入のメリット − コントロールとコスト効率を最大化 ソリューションの導入によって、この金融サービス企業は、TCO を大幅に削減しました。また、拡張性の向上、支 払いや配信に関して柔軟な選択が可能なインフラの構築や広範なセキュリティニーズを満たすことができました。 さらに、コントロールセンターや最新のウェブ技術を使ったサーバー管理ソフトウェアサービスを通じて、自社の プライベートクラウド環境の高レベルでのコントロールを実現しました。コントロールセンターによって、サーバー のステータスをパーソナライズして表示させることができ、サーバーの電源管理やマシンのプロビジョニングを行 い、サーバーの更新情報をプロバイダーの他の顧客企業と共有することもできます。 さらに、災害復旧（DR）対策や、社員に一層の選択肢を提供できるバックオフィス DaaS（デスクトップ・アズ・ ア・サービス）ソリューションの導入やグローバルな低遅延ネットワークを利用したモニタリングや分析により、 取引市場データの入力状況を最適化することができました。ソリューション全体を通じ、当初のニーズが満たされ ただけでなく、金融サービスという本業分野を強化するための高い付加価値を得ることができました。これにより、 時間やコスト、リソースを節減しながら IT システムの管理やメンテナンス方法を改善することができ、本業の収益 を拡大させるための業務分野に、人的リソースを集中できるようになりました。 Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 11 of 12
- 12. プライベートクラウドへの準備はできていますか？ KVH について KVH は、日本にフォーカスした通信/IT サービスプロバイダーとして、1999 年に米国フィデリティ・グループに より東京を本社に設立されました。企業の重要な情報を、保存から、処理、保護、配信まで、エンドツーエンドで サポートする情報デリバリー・プラットフォーム戦略に基づき、クラウドサービス、マネージドサービス、データ センターサービス、プロフェッショナルサービス、データ通信、インターネット接続、音声通信などの包括的な通 信/IT マネジメント・ソリューションを提供しています。現在日本における最高水準の低遅延ネットワークは、450 社以上の金融サービス分野の顧客に利用され、高頻度取引に特化した超低遅延ネットワーク接続、プロキシミティ・ ホスティング･ソリューション分野では市場をリードしています。KVH の超低遅延ネットワークは、東京、大阪、 シカゴ、オーロラ、ニューヨーク、シンガポール、香港、ソウル、上海、シドニーなど、アジア、北米の主要な金 融都市を接続しています。詳しくは KVH のウェブサイト http://www.kvh.co.jp をご覧ください。 Copyright© 2012 by KVH Co., Ltd. All Rights Reserved Page 12 of 12