1. ―優しい日本と寂しい日本―
「距離感」について

2. 距離感の差
個人差+生活環境、文化の差
物理的距離（表層）
心理的距離（深層）
反 映
距離感の定義：
物事を捉えるために、
自分と対象の間の遠さ・近さなどの距離を掴む感覚。

3. 「パーソナル・スペース」
他人に近付かれると不快に感じる空間 のこと
４つの距離帯
１・密接距離：0cm～45cm・身体に容
易に触れることが出来る距離
・家族、恋人など、ごく親しい人
２・固体距離 ：45cm～120cm
・二人が共に手を伸ばせば相手に届
く距離
・友人同士の個人的な会話では、この
程度の距離がとられる
３・社会距離：120cm～350cm
・身体に触れることは出来ない距離
・あらたまった場や業務上上司と接す
るときにとられる距離
４公衆距離：350cm以上
・講演会や公式な場での対面のとき
にとられる距離

4. 中国では0.8‐１
それぞれの状況の基準値を1とすれば、
日本では1‐1.2

7. 中国 日本
「みんなと早く仲良くなりたい」 「これからはどうぞよろしくお願いします」
友達感覚で接する
相
手を
立
て
る
自
己
紹
介
の
場
合
「ありがとう」と「すみません」

8. 「仲
間」
「自
己
人
」

9. 本当にあり
がとうござ
いました。
大変申し
訳ござい
ません
ありが
とう！
ごめ
んな
さい
大したことでも
ないのにいち
いち礼を言う
のって…やっぱ
私を友達として
みてないなあ…
感謝している
のに何の反応
もくれない…
……
中国人 日本人
他人への感謝や謝罪をきちんと言って、相手への尊重を表す。もちろん中国でも小学校か
らずっとこう教えられてきた。相手もいい気分になるし、自分も礼儀正しく見えて、人間関係が
まろやかになる。一石二鳥で素晴らしいことだが、実生活になると時には通じなくなる。日本人
から見ると挨拶が言えない中国人は「図々しくて礼儀知らず」かもしれない。逆に挨拶の言葉
を頻繁に言われ、「日本人とはなかなか仲良くなれない」って感じている中国人も少なくない。
また「習慣で言っているだけで、心が込めてないじゃないの？」と思われやすい。文化や習慣
の違いによって、「熱さ」が「無礼」になり、「優しさ」も「寂しさ」に変わる。

10. 日本式「距離感」を生み出した要素
１、言葉
結論
日
本
中
国

11. ２、他人への配慮ーー「迷惑文化」
お母さんが子供を躾けるときよく使うのは
「人に迷惑をかけてはいけない」。
「他人への配慮」
全員ルールを守って、マナーを重視する日本社会
一方中国では「人に迷惑をかけた方がいい」という場合もある。
「感謝や謝罪を言わない」行為と同じ、「迷惑をかける」ことも仲
のいい印。

12. ３、「一人ブーム」

13. 日本人の独特な距離感が生み出した「和の社会」。
日本の暮らしやすさは世界公認である。街がきれい、交通が
便利、食材が充実…
しかしハードウェア以上に人を魅了するのは日本人の優しさ。
この優しさを人に伝えるには絶妙な距離感を保つことが必要。
一歩下がると冷たく感じられ、一歩進むと馴れ馴れしく思わ
れる。

14. • 中国人は だとしたら、日本人は だ。
• 丸には角がなく、絶対人を傷つくことはないが、
どんなに近づこうとしても隙間が残る。四角いは
一個一個隙間もなくくっ付けていて、支えあって
いるが、近すぎて角が人を傷つく可能性もある。

15. 進歩は常に寂しさを伴う。
今よく言われるのは「日本は人情薄い
国になった」が、決してそうではない。
ただみんなはある事実を知った：親密
になった幸せはつらさを伴う、距離を
保つのは寂しいけれど楽。
ポジティブに考えると、「距離感」を
測って生きているおかげで日本は居
心地のいいところになった。
ネガティブに考えると孤独死やいじめ
などの社会問題も疎遠になっている人
間関係の産物。

16. • ご清聴ありがとうございました