HoloLens 2 HackDay2020 in Tokyo での発表資料です。（一部修正）

1. 2020/01/17
ホロモン

2. シェアリングとは
 複数のAR/VR/MRデバイスで同じ仮想空間を
共有すること。
 現実世界に仮想オブジェクトを表示する
AR/MR では現実世界における共通の原点座標
が必要となる。
 共通の原点座標がズレていると、現実世界で
のオブジェクトの位置がズレて見えてしまう。

3. 共通の原点座標を決めるには？
 AR マーカー：現実に配置したマーカーを検出して、共
通の原点座標とする。検出が早く、様々なデバイスで
利用可能。ARマーカーを準備する必要がある。
 Spatial Anchor(ローカル)：空間から似た特徴点を持つ
場所を検出して、そこを共通の原点座標とする。検出
まで時間がかかる。HoloLens1でのみ利用可能。
 Azure Spatial Anchors：空間から似た特徴点を持つ場
所を検出して、そこを共通の原点座標とする。検出ま
で時間がかかる。様々なデバイスで利用可能。外部
ネットワーク接続が必要。

4. 手の位置を共通座標にできないか？
 HoloLens2ではリアルタイムに手の位置と回転
を検出できる。
 複数のHoloLens2でタイミングを合わせて、１
つの手を検出すれば、手の位置を共通座標に
設定できるのでは？
 ホスト側で「しるし」と発言したタイミング
で、同時に検出していた手の位置に共通座標
(Anchor)を設定してみた。

5. 画像（ホスト側）
「しるし」と発言したタイミングで
手の位置に共通座標のマークが設定される

6. 画像（クライアント側）
クライアント側も同じタイミングで手の位置に
共通座標のマークが設定される（相手の手でも検出でき
る）

7. 画像（同じ位置にオブジェクト）
互いのデバイスで共通の座標を設定できたので、
現実世界の同じ位置に仮想オブジェクトが見えている

8. 画像（相手の位置や状態）
相手の位置も特定できるため、相手の情報を
現実世界にオーバーレイして表示することもできる

9. まとめ
 HoloLens2同士という制限はあるが、検出も早
く、外部ネットワークの接続やマーカーの準
備が不要で手軽に座標の共有ができる。
 今回はUNETを用いたためサーバも不要。
 小規模なボードゲームアプリなどを開発する
場合には役立ちそう。
 デバイス間で座標共有を繰り返すことで、後
から空間に参加することもできるかも。