UDC2017_ファイナル_Ubiquitous Surveying

1. Ubiquitous Surveying
~暮らしを支える公共測量~
東京大学 工学系研究科
社会基盤学専攻 修士1年
横澤 直人
エントリー番号：103
2018年2月24日(土) UDC2017 最終審査会

2. 1.動機
「測量」ということばを知らない人はほとんどいない
「街中でカメラみたいな
機械を覗いているひとたち」
「何か測って地図を作る仕事」
1
道端の「ボタン」 三角点

3. 1.動機
「測量」ということばを知らない人はほとんどいない
「街中でカメラみたいな
機械を覗いているひとたち」
「何か測って地図を作る仕事」
「何のために測量しているのか？」
「1年間にどのくらい測量しているのか？」
「私たちのくらしとどう関係しているのか？」
2

4. 1.動機
「測量」の目的や規模，私たちのくらしとの
関わりについての知識はほとんどない
「測量」ということばを知らない人はほとんどいない
測量の詳細を調査するためのデータが不足
 すぐに分析可能な形になっていない
測量の詳細に関するデータの整備が必要
原因
3

5. ※公共測量
：市町村が行う測量の大半が該当
2.データの概要
「公共測量の記録」
 国土地理院の技術資料
 1964(昭和39)年から毎年発行
 合計で10万件以上の記録
 測量地域・目的・種別など記載
①機械判読可能でない
1964~2000：紙資料のスキャン
2001~:PDF形式で公開
②地名の誤記がある
GIS上での分析に支障
データの抱える欠点
機械判読可能かつ地名の修正・統一をしたデータの作成
4

6. 2.データの概要
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000 1964
1965
1966
1967
1968
1969
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
件数
西暦
 市町村などから国土地理院に提出される「計画書」を
もとに「公共測量の記録」は作成
 「計画書」の提出率は年々増加傾向
5

7. 2.データの概要
都道府県名 測量地域 測量目的 測量種別 縮尺等級 事業量
測量計画機関
（助言番号）
測量作業機関 実施時期
群馬県 みどり市 ダム計画
航空レーザ
測量
1000 13KM2
水資源機構草木
ダム管理所
助言
H28.3.8 C0642
株式会社アー
ク・ジオ・サ
ポート
H28.1.14
H28.3.25
千葉県 成田市 都市計画 修正測量 2500 55.99KM2
千葉県成田市
助言
H27.6.4 C0049
京葉測量株式
会社
H27.6.1
H28.1.29
千葉県 鴨川市
地すべり
対策
数値図化
(同時調整
含む)
1000 3.445KM2
千葉県安房
農業事務所
助言
H27.12.15
C0500
京葉測量株式
会社
H27.11.28
H28.3.10
東京都 八王子市 河川管理
基準点測量,
基準点測量
２級,３級 17点,4点
東京都南多摩西部
建設事務所
助言
H28.3.18
C0652
上屋敷測量設
計有限会社
H28.1.8
H28.3.30
神奈川県 川崎市
地盤変動
調査
水準測量 １級 248km
神奈川県川崎市
助言
H27.9.2 C0226
株式会社森下
測量設計
H27.9.7
H28.3.15
測量地域
(市町村)
測量
目的
測量種類・事業量 発注・受注情報，作業期間
6

8. 3.本データの活用例
日本全国の測量投資額マップ
7
地図データ: (c)Esri Japan

9. 3.本データの活用例
日本全国の測量投資額マップ
8
地図データ: (c)Esri Japan

10. 3.本データの活用例
日本全国の測量投資額マップ
9
地方 投資額[億円] シェア[%]
北海道 690.1 8.5
東北 979.3 12.1
関東 1741.3 21.6
北陸 413.4 5.1
中部 1167.9 14.5
近畿 1391.8 17.2
中国 395.3 4.9
四国 211.6 2.6
九州・沖縄 1086.5 13.5
全国 8077.9 -
61.8%
61.8%
38.2%
38.2%
※1989~2015のみで集計
東高西低
地図データ: (c)Esri Japan

11. 4.おわりに 10
本作品の成果
 測量の詳細を伝える「公共測量の記録」に注目
 「公共測量の記録」を電子化，誤記等を修正した
うえで公開
 データを用いた応用例(投資額マップ)を示した
 測量の目的や種別に注目することで，より詳細な測量
の実態を調べることが可能と期待される
 測量の技術の変遷を調べる資料としても活用可能
(マニア向け？)
本作品を通じて，測量が暮らしを支える技術であり，
身近な存在であることを共有できれば幸いです
今後の展望