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R を使ったコンピュータ
適応型テスト構築の試み
水本 篤
(関西大学)
2013/07/13
SappoRo.R #2 @北海学園大学
自己紹介
• 水本篤(みずもと あつし)
• 研究分野:英語教育(語彙,言語テスト)
• Twitter: @MizumotoAtsushi
コンピュータ適応型テスト
Computerized Adaptive Testing
CATを使ったテストの例
CATを使ったテストの例
CAT
http://www.j-cat.org/page/interpret
CATの利点
• 個人の能力に応じた出題
• テスト時間(問題)短縮
• 測定精度が高い
• 無作為抽出の必要がない
www.geocities.jp/kosugitti/labo/irtnote.pdf
CATの開発
• 項目作成
• テスト実施
• 分析
• アイテムバンク作成
(スタートライン)
「CATが作りたいです。」
MoodleのPlugin
http://moodle2x.info
mmm...
1. フリーアカウント(受験者150人/月)
2. Amazon Machine Images(1年間は無料のはず)
3. 自分のサーバーにインストール
サーバーにインストール
https://code.google.com/p/concerto-platform/wiki/installation4
• オープンソース
• 裏でRを走らせている(catR, RMySQL)
• テスト画面は HTML で作成
Wiki(作成方法サンプル等)
https://code.google.com/p/concerto-platform/wiki/Resources?tm=6
Forumも助けてくれる
http://concerto.e-psychometrics.com/forum/viewforum.php?f=1
Specifications of CAT
• アイテムバンクの項目数
• Starting point(パラメタ数,初期能力値,
項目のランダム化)
• 能力値推定方法(ML, BM, EAP or WL)
• Stopping rule(項目数 or SE)
• 最終能力値推定方法
Magis and Raîche (2012, p. 7)
何問ぐらいでSEはどの程度?
• catRパッケージでシミュレーション可能
• Magis, D., & Raîche, G. (2012).
http://www.jstatsoft.org/v48/i08
require(catR)
difficulties <- c(2.616,2.399,...,-4.63)
disc <- c(0.868, 1.109, ..., 0.78)
itempar <- as.matrix(cbind(disc,difficulties,0,1))
bank <- createItemBank(itempar,model="2pl")
start <- list(nrItems=1, theta=0)
test <- list(method="BM", randomesque = 5)
final <- list(method="BM")
stop <- list(rule="precision", thr=0.25)
res <- randomCAT(1, bank, maxItems=150,
start=start, test=test, stop=stop, final=final)
plot(res, ci=TRUE)
True Theta = 1
Concertoでのテスト作成手順
• HTMLで初期画面,出題画面,
フィードバック画面の設定。
• アイテムバンクの登録。
• 問題出題ルールの設定。
Platform のコード入力例
エラー:どこが原因か教えてくれる
今回作成した語彙テスト
• 水本 (2006) http://www.mizumot.com/files/VocSizeMeasure.pdf
• SVL12000の8000語まで(1レベル30問)
• 合計240問を716名に実施。
• 項目分析で150問を選定。
• 2パラメータロジスティックモデルで困難度と
識別力を推定。→アイテムバンクに使用。
http://langtest.jp/concerto/?tid=20
出題画面
フィードバック画面
注意点(ConcertoでCAT作成)
• 先に大規模なテスト実施(アイテムバンク)
• サーバー関連の知識
• オープンソースなので基本自力
• 項目応答理論・CATのメカニズムの理解
• フィードバックの方法
• 同時アクセス(さくらのVPS(v3) 4Gで20名程度)

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