2012アーバニズム_A3_Pruitt-Igoeモダニズム建築終焉の日_数見賢太郎_11N1040
- 2. プルーイット・アイゴー
( )
アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスに
1951年スラムを取り壊し改良住宅として設計
され1956年に完成。
しかし環境が劣悪になり犯罪の温床地帯と
化したため1972年にダイナマイトで爆破解体
される。
建築評論家のチャールズジェンクスはこの
事件をモダニズムが死亡した時だと論評した。
- 5. 原因1 外部と切り離された「空中街路」
車道と歩道を分離するため
につくられた合理的な「空中
街路」は地上の街路と異なり、
死角が多い。
子供たちは外部から切り離
された狭い住居から共有空間
に抜け出し親の目が届かない
場所で落書きや悪戯をした。
- 6. 原因2 侵入者が入りやすい団地計画
多数の高層住宅を含む団地
の場合侵入者が公共スペース
内での動きの自由度が高い。
また、居住者は比較的安全
な近隣の街道を離れて行手に
何が待ち受けているかわから
ない団地内園地へ入っていか
なければならない。
- 7. 原因3 コスト削減による設備不備
当初の計画にあった庭園や児童
遊園といった各種公園は費用を抑
えるために建設が見送りになった。
エレベーターには、スキップ・
ストップと呼ばれる限られた回数
のみにエレベーターを停めるシス
テムが導入された。
このようなコスト削減を徹底し
住環境への配慮が欠如していた。
- 8. 原因4 セントルイスの凋落
1950年代以降。産業不振
によって治安が悪化し急激
な人口流出が始まりそこに
さらにベトナム戦争による
アメリカ経済の疲弊が重
なった。
このような市の状況に
ニューヨークと同様の住宅
計画を持ち込もうとしたこ
とに問題があった。
- 11. 問題点1 行き過ぎた合理主義・機能主義
建築は未来の機能が予測できないため必ずしも機能に従って計画されたものがよい建築
になるとは限らない。むしろコンバージョンすることでよい建築となる場合もある。
また、合理主義を突き詰めていくと都市は退屈な景観となってしまい、人々はそこに寄
り付かなくなる。古くからあった街に人々は集まる。
- 12. 問題点2 産業革命に尺度を合わせた建築
産業革命に追い付こうとする近代建築運動の衝動により、建築は近代技術に依存し
て建てられなければならないという信仰が生まれた。
昔から使われてきた資源をあまり消費しない材料ではなく、材料を浪費する新たな
建築材料で建築を建てていった。
- 13. 問題点3 高層ビルが引き起こした問題
ドキシアディス 第一、高層ビルは自然、環境に
対して逆らう。景観の規模を破壊
都市計画家・建築家 し大気汚染を引き起こす。
第二、高層ビルは人間自身に逆
らう。人間を孤立させ犯罪を助長
する。
第三、高層ビルは家族、近隣の
ような社会の構成単位を正常に機
能するのを妨げ社会に逆らう。
第四、高層ビルは高密度超過重
の道路、水道網を必要とし、新た
な問題を生むネットワークを造る。
第五、高層ビルは過去に存在し
た全ての価値を取り除き都市の景
観を破壊する。