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PMBOK 第7版の概要
多田 幸生 (Yukio TADA)
経営・ITコンサルタント
中小企業診断士
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 1
おことわり
 本資料は、資料作成時点(2021-09-27)の最新情報に基づい
て作成しています。
 内容には十分注意をして作成しておりますが、記述に誤
りがあったり、今後変更が発生する可能性があります。
 特に、PMP試験を受験しようと考えておられる方は、必
ず最新の情報をPMIから入手するようお願いいたします。
 文中の日本語は、英語版の原文を著者が独自に翻訳したもの
であり、今後PMIから出版される公式日本語版とは訳が異な
る可能性があります。
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 2
PMBOKの変遷
 1996年 初版
 2000年 第2版
 2004年 第3版
 9つの知識エリアと5つのプロセス群
 2008年 第4版
 2プロセス追加、2プロセス削除、2プロセス統合
 2013年1月 第5版
 ステークホルダー・マネジメント追加(10の知識エリア)
 5プロセス追加
 2017年9月 第6版
 アジャイル開発に関する記述追加
 3プロセス追加、1プロセス削除
2021年 第7版
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 3
およそ4年ごとに改訂されている
PMBOK 第7版の
リリース状況
 2021年7月:
 英語版PDF(370ページ)が PMI のサイトで公開中
 英語版書籍は8月から Amazon で購入可能
 定価 US$99.00
 内容は PDF と同一
 Kindle版もあり
 2021年10月:
 日本語版PDFがリリースされる予定
 2021年11月:
 日本語版の書籍が発売される予定
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 4
第6版から
第7版への
変更ポイント
1. 「プロセス重視」から「原理・原則重視」へ
2. 「インプット・ツールと技法・アウトプット(ITTO)」の記述が無くなる
3. 「成果物」から「価値(価値提供)」に焦点が移った
 “Value is the ultimate indicator of project success.”
 世界中のプロマネは、これまで以上に「価値提供」を求められている
4. 「10の知識エリア」「5つのプロセス群」のマトリックスが無くなる
5. 「12の原則」と「8つのパフォーマンスドメイン」が新たに登場
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 5
プロセス文書を作ること、が目的になってしまっていないか?
「本当に役に立つ」プロジェクトマネージャへの変革
世の中の変化やプロジェクトの多様性への対応
(個人的には、このような傾向は歓迎です!)
過去の改訂の中でも
最大級の変更
PMBOKの
構成
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 6
第7版から、
このマトリックスが、まるごと無くなります
(これまで学んだことは何だったんだ…)
とはいえ、
大事な考え方やテクニックは、
第7版でも引き継がれます
第7版 全体の構成
(マトリックスでは
なくなった)
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 7
12の原則
8つの
やるべき業務領域
何をどのよう
にやるべきか
の指針
PMBOK第7版の
章立て
(前半)
 プロジェクト・マネジメント標準
(The Standard for Project Management)
 1. はじめに
 2. 価値提供のためのシステム
 価値を創る、組織ガバナンス体制、…
 3. プロジェクト・マネジメントの原則
 3.1 勤勉・敬意・優しさを持った世話役であれ
 3.2 協力的なプロジェクトチームの環境を作る
 3.3 ステークホルダーとの効果的な連携
 3.4 バリュー(価値)にフォーカスする
 3.5 システムの相互作用を認識・評価し、対応する
 3.6 リーダーシップを発揮する
 3.7 文脈に適したテーラリング
 3.8 プロセスと成果物に品質を組み込む
 3.9 複雑さを乗り越える
 3.10 リスク対応の最適化
 3.11 順応性と復元力を手に入れる
 3.12 想定される未来を達成するための変革を行う
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 8
PM実践の上で重要な、
12個の
“Principles”
(原理、原則、主義、方針)
がまとめられている
PMBOK第7版の
章立て
(後半)
 プロジェクト・マネジメント知識体系(PMBOK Guide)
 1. はじめに
 PMBOK Guideの構成、「PMBOK Guide(このページ)」 と「プ
ロジェクト・マネジメント標準(前ページ)」との関係、…
 2. プロジェクト・パフォーマンス・ドメイン
 2.1 ステークホルダー
 2.2 チーム
 2.3 開発アプローチとライフサイクル
 2.4 計画
 2.5 プロジェクト作業
 2.6 デリバリー
 2.7 測定
 2.8 不確実性
 3. テーラリング
 4. モデル、メソッド、ツール(Artifacts)
 Appendix
 寄稿者、スポンサー、PMO、プロダクトマネージメント、
PM標準に関する研究開発、用語集
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 9
プロジェクトの成果を
効果的に提供するために
重要な活動
PMP試験への
影響
 2022年1月〜2月頃から、PMBOK第7版に対応した内容で出
題されるのではないかと予想します。
 とはいえ、第6版で学んだことも無駄になるわけではないと思
われます。
 第6版の内容で受験したい場合は、早めに申し込んで、2021
年中に受験しておいた方が無難ではないでしょうか。
 もしくは、第7版の試験内容に切り替わった後で、第7版を
ベースに学習・受験するのも良いと思います。
 個人的には、第7版をベースにした学習の方がやっていて楽し
いと感じます。
 細かい ITTO の内容(このプロセスのインプットはどれか、な
ど)は覚えなくても良くなる可能性があるかもしれません。
 一方、PMBOK全体が大幅に変更になっているので、出題の傾
向が変わって切り替え直後は合格しにくくなるかもしれません。
 これまでの学習の仕方が通用しなくなるリスクもあります。
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 10
まとめ
 2021年7月に、PMBOK第7版(英語版)が公開されました。
 日本語版は3ヶ月ほど遅れて2021年10月に公開される予定です。
 第7版では、第6版にあった「10の知識エリア」「5つのプロセス群」が
なくなり、「12の原則」と「8つのパフォーマンスドメイン」が登場し
ました。
 第7版では、「プロセスそのもの」よりも、「原理・原則」を重視する
ことで、現代のような変化の激しい状況においても、きちんと「価値
(VALUE)」を提供できるプロマネになることが期待されているように思
います。
 PMP試験には、2022年始めくらいからPMBOK第7版の内容が反映され
るように予想します。これから受験される方は、どのように対応するか
戦略を立てることが必要になりそうです。
CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 11

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210927 PMBOK第7版の概要

  • 1. PMBOK 第7版の概要 多田 幸生 (Yukio TADA) 経営・ITコンサルタント 中小企業診断士 CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 1
  • 2. おことわり  本資料は、資料作成時点(2021-09-27)の最新情報に基づい て作成しています。  内容には十分注意をして作成しておりますが、記述に誤 りがあったり、今後変更が発生する可能性があります。  特に、PMP試験を受験しようと考えておられる方は、必 ず最新の情報をPMIから入手するようお願いいたします。  文中の日本語は、英語版の原文を著者が独自に翻訳したもの であり、今後PMIから出版される公式日本語版とは訳が異な る可能性があります。 CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 2
  • 3. PMBOKの変遷  1996年 初版  2000年 第2版  2004年 第3版  9つの知識エリアと5つのプロセス群  2008年 第4版  2プロセス追加、2プロセス削除、2プロセス統合  2013年1月 第5版  ステークホルダー・マネジメント追加(10の知識エリア)  5プロセス追加  2017年9月 第6版  アジャイル開発に関する記述追加  3プロセス追加、1プロセス削除 2021年 第7版 CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 3 およそ4年ごとに改訂されている
  • 4. PMBOK 第7版の リリース状況  2021年7月:  英語版PDF(370ページ)が PMI のサイトで公開中  英語版書籍は8月から Amazon で購入可能  定価 US$99.00  内容は PDF と同一  Kindle版もあり  2021年10月:  日本語版PDFがリリースされる予定  2021年11月:  日本語版の書籍が発売される予定 CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 4
  • 5. 第6版から 第7版への 変更ポイント 1. 「プロセス重視」から「原理・原則重視」へ 2. 「インプット・ツールと技法・アウトプット(ITTO)」の記述が無くなる 3. 「成果物」から「価値(価値提供)」に焦点が移った  “Value is the ultimate indicator of project success.”  世界中のプロマネは、これまで以上に「価値提供」を求められている 4. 「10の知識エリア」「5つのプロセス群」のマトリックスが無くなる 5. 「12の原則」と「8つのパフォーマンスドメイン」が新たに登場 CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 5 プロセス文書を作ること、が目的になってしまっていないか? 「本当に役に立つ」プロジェクトマネージャへの変革 世の中の変化やプロジェクトの多様性への対応 (個人的には、このような傾向は歓迎です!) 過去の改訂の中でも 最大級の変更
  • 6. PMBOKの 構成 CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 6 第7版から、 このマトリックスが、まるごと無くなります (これまで学んだことは何だったんだ…) とはいえ、 大事な考え方やテクニックは、 第7版でも引き継がれます
  • 7. 第7版 全体の構成 (マトリックスでは なくなった) CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 7 12の原則 8つの やるべき業務領域 何をどのよう にやるべきか の指針
  • 8. PMBOK第7版の 章立て (前半)  プロジェクト・マネジメント標準 (The Standard for Project Management)  1. はじめに  2. 価値提供のためのシステム  価値を創る、組織ガバナンス体制、…  3. プロジェクト・マネジメントの原則  3.1 勤勉・敬意・優しさを持った世話役であれ  3.2 協力的なプロジェクトチームの環境を作る  3.3 ステークホルダーとの効果的な連携  3.4 バリュー(価値)にフォーカスする  3.5 システムの相互作用を認識・評価し、対応する  3.6 リーダーシップを発揮する  3.7 文脈に適したテーラリング  3.8 プロセスと成果物に品質を組み込む  3.9 複雑さを乗り越える  3.10 リスク対応の最適化  3.11 順応性と復元力を手に入れる  3.12 想定される未来を達成するための変革を行う CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 8 PM実践の上で重要な、 12個の “Principles” (原理、原則、主義、方針) がまとめられている
  • 9. PMBOK第7版の 章立て (後半)  プロジェクト・マネジメント知識体系(PMBOK Guide)  1. はじめに  PMBOK Guideの構成、「PMBOK Guide(このページ)」 と「プ ロジェクト・マネジメント標準(前ページ)」との関係、…  2. プロジェクト・パフォーマンス・ドメイン  2.1 ステークホルダー  2.2 チーム  2.3 開発アプローチとライフサイクル  2.4 計画  2.5 プロジェクト作業  2.6 デリバリー  2.7 測定  2.8 不確実性  3. テーラリング  4. モデル、メソッド、ツール(Artifacts)  Appendix  寄稿者、スポンサー、PMO、プロダクトマネージメント、 PM標準に関する研究開発、用語集 CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 9 プロジェクトの成果を 効果的に提供するために 重要な活動
  • 10. PMP試験への 影響  2022年1月〜2月頃から、PMBOK第7版に対応した内容で出 題されるのではないかと予想します。  とはいえ、第6版で学んだことも無駄になるわけではないと思 われます。  第6版の内容で受験したい場合は、早めに申し込んで、2021 年中に受験しておいた方が無難ではないでしょうか。  もしくは、第7版の試験内容に切り替わった後で、第7版を ベースに学習・受験するのも良いと思います。  個人的には、第7版をベースにした学習の方がやっていて楽し いと感じます。  細かい ITTO の内容(このプロセスのインプットはどれか、な ど)は覚えなくても良くなる可能性があるかもしれません。  一方、PMBOK全体が大幅に変更になっているので、出題の傾 向が変わって切り替え直後は合格しにくくなるかもしれません。  これまでの学習の仕方が通用しなくなるリスクもあります。 CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 10
  • 11. まとめ  2021年7月に、PMBOK第7版(英語版)が公開されました。  日本語版は3ヶ月ほど遅れて2021年10月に公開される予定です。  第7版では、第6版にあった「10の知識エリア」「5つのプロセス群」が なくなり、「12の原則」と「8つのパフォーマンスドメイン」が登場し ました。  第7版では、「プロセスそのもの」よりも、「原理・原則」を重視する ことで、現代のような変化の激しい状況においても、きちんと「価値 (VALUE)」を提供できるプロマネになることが期待されているように思 います。  PMP試験には、2022年始めくらいからPMBOK第7版の内容が反映され るように予想します。これから受験される方は、どのように対応するか 戦略を立てることが必要になりそうです。 CONFIDENTIAL / 2021-09-27 / DOC-2cf9d497 / © 2021 多田幸生 11