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アーケード
PC
(オンライン) 家庭用 携帯電話
21st Century New!
アーケード
20th Century 70s~
PC
(スタンドアロン)
80s~
家庭用
80s~
15. 2018年売上世界トップ25(M$,*は推計)
企業名 国 年間売上 企業名 国 年間売上
1 Tencent 中 19,773 14 Netmarble 韓 1,893
2 Sony 日 14,218* 15 Warner Bros 米 1,835*
3 Microsoft 米 9,754* 16 Square Enix 日 1,583
4 Apple 米 9,453 17 NCSoft 韓 1,343
5 Activision Blizzard 米 6,892 18 Cyber Agent 日 1,324
6 Google 米 6,497 19 Mixi 日 1,222
7 NetEase 中 6,177 20 Konami 日 1,210
8 EA 米 5,294 21 Aristocrat Leisure 豪 1,146
9 Nintendo 日 4,288 22 37Interactive 中 1,091*
10 Bandai Namco 日 2,741 23 Perfect World 米 897*
11 TakeTwo Ineractive 米 2,580 24 Sega 日 832
12 Nexon 日 2,252 25 Capcom 日 809
13 Ubisoft 仏 2,221
https://newzoo.com/insights/rankings/top-25-companies-game-revenues/
ソニーはゲーム関連部門(ハード以外)、マイクロソフト、任天堂はゲームハード部門除く
Nexonはもともと韓国の会社(本社を日本に変更,オーナーは韓国人)
34. ハードウェア販売
▶ 据置:PS4中心
この世代で圧倒的強さ
▶ 携帯:Switch1強
3DS,Vita:終売
Switch
Liteの発売:3DS後継機化
携帯機の性質を強める
▶ 遊ばれているゲーム
競合の度合いが強まる
PC、据置、携帯で同じゲーム
が発売されている例も多い
VGChartz.com アクセス日2020年6月1日
35. 家庭用ゲームの変化
▶ パッケージのバリエーション増加
メディア販売されるゲームタイトル数:減少
背景に開発期間の長期化と開発費高騰
ダウンロード専用のインディーズタイトル増
ラインナップを埋める存在として重要に
ゲーム会社も支援
▶ サブスクリプションサービスの普及
オンライン対応の月額料金サービス化
以前通り、ダウンロード販売を利用するだけなら無料
ハードウェア会社の収益を支える存在に
Nintendo Switch Online:有料加入者1500万人超(2020年1月)
38. 参考(1)Steam
▶ PCゲームのDL販売
Valve(米)が運営
▶ 特徴
アカウント管理システム
Windows,MAC,Linux対応
ログインすれば他マシンでもOK
インディーズが多数販売
世界中から参入
家庭用ゲーム機と同タイトルが先行
近年:家庭用タイトルの発売増
1.5
3.5 3.5
4.3
0
1
2
3
4
5
2014201520162017
売上(10億ドル)
https://www.statista.com/statistics/547025/steam-game-sales-revenue/
Valveは未上場、データ非公開、2018以後のデータ発見できず
39. 参考(2)VR
▶ 現代のVR:Oculus Riftプロトタイプ(2012)が出発点
以後、しばらくPC開発者&マニア向けで発展
一般消費者向け製品:2016年(「VR元年」)
Oculus CV1, PlayStation VR, HTC Vive
▶ 高額な「周辺機器」→普及台数が不十分
PS VR:世界販売台数500万台突破(2020年1月)
専用ソフトを出すには普及台数が1桁足りない
過去に標準化した周辺機器:PCエンジンのCDROM2のみ
単体で動くVR機器もあるが、普及台数がまだまだ
▶ 現状:ハード購入不要なゲームセンターでの利用
41. 概説
▶ 圧倒的な普及台数:現在のゲーム市場の中心
▶ 市場:新規参入が非常に厳しい
上位ランクイン:数年間変わらず
開発費:ガンガン上昇
数百万(ガラケー)→数千万(スマホ初期)→数億(現在)
CMもバンバン打つ必要あり(全然ソーシャルじゃない)
▶ 日本市場:国産が強いが、徐々に海外ゲームも参入
2020第1四半期:
Top100タイトル売り上げのうち、中国ゲームのシェア17.5%
欧米と売れ線タイトルに大きな差
中国ゲームのシェアの参照元
https://chinagamenews.net/market-info-443/
45. モバイル・スマホシフトの歴史
家庭用 ケータイ スマホ
2004 PSP/DS発売
2006 市場構造変化
携帯機>据置機
非ソーシャル
市場がほぼ飽和
2007 ソーシャル
ゲーム本格化
2008 iPhone
日本販売開始
2011 3DS発売・苦戦
同年中に値下げ
ソシャゲピーク
社会問題化
スマホ販売シェア
50%超
2012 コンプガチャ パズドラ
2016 Switch ポケモンGO
2017 荒野行動
46. iOS&GooglePlay 収入上位(日本)
2015 2016 2017 2018 2019
1モンスト モンスト モンスト モンスト FGO
2パズドラ パズドラ FGO FGO モンスト
3白猫 FGO パズドラ パズドラ パズドラ
4ツムツム ツムツム DBZ DBZ 荒野行動
5ログレス 白猫 ツムツム 荒野行動 DBZ
6黒猫 デレステ アイマス ツムツム ポケGO
7ポコポコ パワプロ グラブル グラブル DQW
8FFRK グラブル プロスピ ポケGO グラブル
9パワプロ ポケGO リネージュ2 アイマス プロスピ
10クラクラ DBZ ポケGO プロスピ ツムツム
出典:AppAnnieレポート各年度版
47. iOS&GooglePlay 収入上位(日米比較)
2018 2019
米国 日本 米国 日本
Candy Crush Saga モンスト Candy Crush Saga FGO
Fortnite FGO Clash of Clans モンスト
Pokémon GO パズドラ Pokémon GO パズドラ
Clash of Clans DBZ Fortnite 荒野行動
Slotmania 荒野行動 ROBLOX DBZ
Candy Crush Soda Saga ツムツム Toon Blast ポケGO
Toon Blast グラブル Homescapes DQW
ROBOLOX ポケGO Slotmania グラブル
FinalFantasy XV アイマス Coin Master プロスピ
Clash Royale プロスピ PUBG MOBILE ツムツム
出典:AppAnnieレポート各年度版
48. 実際の収益構造
▶ わずかな高額課金者が売上に貢献
収益構造的に大きなゆがみ
▶ 海外の例:Swerve社のレポート(2016)
全体の0.19%の課金者からの売上が48.4%を占める
2016年2月の課金者:1.9%
課金者の平均課金額:24.66ドル
月に50ドル以上課金する人:2.5%(売上への割合:18%)
上位10%課金者(全体の0.19%)の売上への割合:48.4%
▶ 日本のデータ:詳細不明
大差ないか、より極端な可能性が高い
49. 月額最高課金額(日本国内:2017年8月調査)
% 課金経験なし 1,000円以下 ~5,000円 ~1万円 ~3万円 ~5万円 5万円以上
男性20代 49.03 11.17 21.84 10.19 3.88 1.46 2.43
男性30代 43.46 19.41 16.88 7.17 8.02 2.95 2.11
男性40代 55.66 10.41 19.91 4.07 6.79 0.9 2.26
男性50代 64.08 15.05 10.68 5.34 2.91 1.46 0.49
男性60才以上 65.7 18.02 12.79 1.74 1.16 0 0.58
女性20代 59.59 14.69 11.43 6.12 2.86 1.63 3.67
女性30代 66.78 16.78 8.39 3.36 3.02 1.34 0.34
女性40代 73.23 12.26 7.42 3.23 2.58 0.65 0.65
女性50代 78.43 12.55 5.88 1.96 1.18 0 0
女性60才以上 74.16 13.64 5.98 3.11 1.67 0.96 0.48
1. 高額(5万以上)は男性20~40代は2%強
2. 1万円以上で見ると、30代・40代男性が多い
3. 女性20代の高額課金者が意外と多い
4. ここでは出してないが、独身の方が課金者・高額課金者ともに多い
51. アイテム課金以前のビジネスモデル
▶ プレイ毎課金:アーケード
▶ パッケージ:ソフトウェアのパッケージを購入 or DL
家庭用,PC(非オンライン),携帯電話ゲーム(売り切り型)
▶ 月額料金:毎月一定額を支払う
現在:サブスクリプションサービスと呼ばれる
ガラケー時代の各社サービス:壁紙、着メロ、レトロゲーム
▶ 黎明期のMMORPG:パッケージ+月額料金
パッケージに1~3か月分の利用権がついている
当時のネット環境ではDLさせるのが難しかった
→無料ダウンロード+基本プレイ無料+アイテム課金
ネットの高速化とMMORPGの競争激化
52. アイテム課金:Pay to Win→Free to Play
▶ 従来のソシャゲ:競争を煽る→課金
古くは釣りゲー,怪盗ロワイヤル,アイマス
特殊アバター,ランキング報酬や直接の対人バトルで煽る
「勝つために課金」:Pay to Win(P2W)
▶ 最近:無料プレイ可能(Free to Play:F2P)
1. フレンドとほとんど絡まない:個人での達成重視
単体で充分面白い
対戦要素の排除
2. 無課金でも遊べる,安心して遊べる
過去のソシャゲと同じシステム(スタミナ制)
特に襲われたりしない
57. サブスクリプションサービスの料金比較
1か月 12か月 備考
家庭用オンラインサービス
Nintendo Switch Online 306 2400
Sony PlayStation Plus 850 5143
Xbox Live Gold 842 5378
遊び放題/クラウド(PC,家庭用,スマホ) *がクラウド
*Sony PlayStation Now 1180 6980 DLも対応
MS Xbox Game Pass Ultimate 1100 Xbox Live Gold
含む
Apple Arcade 600 6000 DL形式
*Google Stadia(日本はサービス前) $9.99 苦戦?
*Goforce Now Powered by SoftBank 1800 2020年6月予定
表以外にもあります。PC R18ゲームのDMMとか。
58. スマホゲームの月額課金
▶ ガチャと併用するゲーム増加
どうぶつの森 ポケットキャンプ
ポケ森 友の会(360, 980)
ドラゴンクエストウォーク
ゴールドパス(有償ジェム1000個≒1000)
アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ
プレミアムパス(980)
▶ ゲームプレイの快適化&加速
ガチャ手段の毎日配布
ゲーム内アイテムの獲得率上昇
▶ 支出者の多様化と収益の安定化
https://pad.gungho.jp/member/pdpass/index.html
59. ポケモンGO
▶ 2016年に生まれたヒットタイトル
米国:7月6日,日本:7月22日
▶ 記録的大ヒット
リリース当初はtwitterのユーザー数抜く
累積売上20億ドル突破(2018年9月25日)
https://japanese.engadget.com/2018/09/27/go-20-3/
▶ 「ガチャ」のないビジネスモデル
キャラクター集めは既存の日本ゲームと同じ
ガチャ課金がない
▶ 日本:高齢者では1番人気のゲーム
海外では決してそうではない:歴史の差?
63. ビジネスモデルまとめ
▶ パッケージ型
物理パッケージ,ダウンロード販売
パッケージ代金+DLC(ダウンロードコンテンツ)
▶ サービス型
プレイ毎課金:アーケード
アイテム課金:ゲーム内有料通貨販売 or 直接販売
アバター,スキン,消耗品,プレイヤーキャラクター
Pay to Win → Free to Play
結局ガチャ頼み
世界中で社会問題化:ルートボックス問題
月額サービス料(サブスクリプション):復活
66. ゲーム機:最後の砦
▶ PCが市場を奪ったもの
TV
ビデオレコーダー
ステレオセット
ワープロ
固定電話
▶ スマホが市場を奪ったもの
PDA(電子手帳)
音楽プレイヤー
デジカメ
ビデオカメラ
腕時計
PCやスマホと戦えているのは
ゲーム専用機のみ
68. 長期的な方向は?
▶ 現在、見えている近い将来
遊ばれるハードウェア
パッケージ:家庭用ゲーム
携帯型ゲーム機は存続できるか微妙:Switchが携帯型なら大丈夫
サービス:PCとスマホ
ビジネスモデル
メイン:サービス型
サブ:パッケージ型
▶ パッケージ型がなくなることはない
ゲーム性が大きく異なる
サービス型ゲームが合わないプレイヤーも多い
71. ルートボックス(lootbox)とは?
▶ 中身がランダムなアイテムボックス
ゲーム内課金で購入
日本:カプセルトイ(ガチャガチャ)
海外:「道具箱」や「宝箱」(福袋的?)
▶ 問題の変遷
初期:アバターのスキンなど→ゲームの進行に無関係
あまり問題にならない
近年:ゲーム進行が有利になるアイテム(FPSだと武器)
→アンフェア,Pay to Win,ギャンブルと批判
”STAR WARS バトルフロント II”(2017年12月)
ネットで大炎上→Electronic Artsが課金措置を停止
→課金再開(2018年4月)
74. ゲーム依存症
▶ 流れ
DSM-V(米国) 2013年
オンラインゲームのみ
「今後の研究のための病態
ICD-11(Who) 2019年
嗜癖(しへき)行動による障害
久里浜医療センターが関与(右本)
▶ 久里浜医療センターの患者数
134人(2017年)
病名はともかく、「病院に連れてくる」
レベルの人が居る この項目は『医学のあゆみ』 2019年11月9日号
特集「ゲーム依存」を参考にした
79. Google STADIA
▶ 2019年11月19日開始
英米加+欧州14か国、日本はまだ
▶ 特徴
機種を選ばない:PCでもスマホでもOK
高解像度(4K)も対応
▶ 料金
Stadia Pro:月額9.99ドル(米)、無料で配布されるタイトルも
Stadia Base:無料
https://stadia.google.com/
80. Stadiaの現段階での評価
▶ あまりよくない
サービス開始時のゲーム:22タイトル
2020年5月で約40タイトル、年内に120タイトルが目標
通信量:すごく多い 最低10Mbps
4K&60fps:35Mbpsが必要
遅延:90ms~130ms という報道
かなり優秀な方だが・・・
約6~8フレーム:格闘ゲームは厳しい?
▶ 携帯電話の5Gが出れば評価が変わる?
http://www.icr.co.jp/newsletter/wtr373-202005515-ogawa.html
https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20200430052/
81. クラウドの根本的問題
▶ クラウド:ゲーム機(or 高性能PC)がなくても遊べる
ビジネスモデルが低所得者向けサービス
もしくは、ゲーム機(or 高性能PC)の普及途上の国向け
▶ 現状では、高速なネット接続(≒高額)が不可欠
低所得者,新興国という前提と矛盾
▶ 打開策
5Gが普及・低価格化:何年先?
クラウドでしかできないゲームを開発
原理上、スパコンで動かしたゲームをみんなで遊べる
解散したシンラカンパニーが目指した方向性
82. eスポーツ(1)時代区分
▶ T.L.Taylor(2018), Watch Me Play
▶ eスポーツの発展段階を3つの波(wave)として表現
~1980年代・・・Game:純粋な娯楽
コミュニティのゲーム大会
~2000年代・・・Sports:各種制度整備
高額賞金とプロ化の進展,第三者機関の設立など
2010年代~現在・・・Media Entertainment
ネット配信、高度な産業化、デベロッパーの関与の深化
▶ 日本:2つ目の波に失敗した(乗れなかった)
制度的問題+産業構造
83. 各国比較
Taylor
(2018)の分類
日本 米国(+欧州) 韓国 中国
1st
Game:
~80年代
アーケードの興隆
コンソール市場(家庭用
ゲーム&PCゲーム)の
誕生
家庭用ゲーム市場の崩
壊(アタリショック:1982)
アーケード市場の衰退
PCゲーム市場の興隆
— —
2nd
Sport:
90年代
格闘ゲームの誕生とゲー
ムセンターを核とした大
会の開催
家庭用ゲームの覇権
PCゲーム市場の衰退
ネット対戦の発展
コミュニティ主導での大
規模LANパーティの登場
賞金付リーグ・トーナメン
トの登場(CPL:1997)
PC房(バン)の爆発的広
まり
2004年まで日本の家庭
用ゲームは輸入制限(日
本文化の流入制限)
ネットバーの広まり
2nd
Sport:
2000年代
アーケードの衰退
e スポー ツ関連団 体 の
乱立
CSTVなどでのリーグや
トーナメントの放映・配信
2008年:金融危機による
スポンサー撤退とリーグ
の解散
(CGS,DirecTV)
政府公認の管理機関の
設立
政府主催の競技大会が
複数開催
国際デジタルゲーム競技
イベント(WCG)
政府による規制と促進
2003 年 、 99 番 目 の ス
ポーツ競技項目として中
華全国体育総会に管理
を委任
3rd
Media
Entertainment
2010年代
日本eスポーツ連合への
統合(2018)
賞金問題の解消
動画配信の拡大とそれに伴う個人での収益化(広告、投げ銭など)
ゲームデベロッパー主催のeスポーツイベントの増加
賞金の高額化
84. 日本における第2の波(の失敗)①
1. 海外との市場環境の違い
圧倒的な家庭用ゲーム市場
アーケードゲーム市場の生存・発展
→PCゲーム主体のムーブメントは起こらなかった
2. アーケードのネット対戦環境の整備が早かった
セガ・コナミから麻雀(2002年)→以降、ネット環境普及
Yahoo!BBのサービス開始が2001年
オンライン対戦需要:アーケードは持って行った
3. ゲーム大会の開催:制度的障壁
刑法(賭博)、風営法、景表法
大規模な賞金付き大会の開催が出来ず
Editor's Notes Video game industry has various markets. In Japan, there are three or four.
In 20th century, which means before the Internet connection was not popular, there are three markets which are arcade, PC, and game dedicated console.
In 21st century, mobile phone game market was added. And PC game markets turned into online game market.
The center of the market for console shifted to handheld game consoles.
I am sorry that I cannot talk about PC games well because of time limitation. The current game industry is a fierce competition between markets.
Home game machines and PCs, handheld game machines and smartphones are fighting each other.
Especially the influence of Steam is very large.
As Steam became popular as a game platform for PCs, packaged games that can only be played on game consoles have decreased considerably.
The spread of game consoles in countries other than developed countries become very difficult because PC and smartphone are enough to play games.