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02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
1
医学教育・看護教育とEBM	
名古屋大学大学院医学研究科	
救急、集中治療医学	
	福岡敏雄
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
2
あなた自身を振り返る	
n  あなたの「思い」を振り返る	
n  メモ用紙や資料の隅に、以下の質問に対する今
のあなたの答えを記入してください	
n  「EBM教育とは、どのようなことを教えることだ
と思いますか。EBMを教えようとしている人は、
何を重要視し何を軽んじるように教えるでしょ
うか。」
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
3
今日のメニュー	
n  EBMのステップを教える	
n  いくつかの実例	
n  学生教育	
n  看護婦の生涯学習	
n  EBMの教材と教育手法の位置づけ	
n  EBM	cubeのどこから始めるか
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
4
EBMの手順

5つのステップに分けられる	
n  出発点:ある状況での判断に有用な情報を手に入れたい!	
n  Step	1:今、判断を求められている課題をまとめる。	
n  Step	2:その課題に基づいて最も妥当な情報を探す。	
n  Step	3:手に入れた情報を批判的に吟味する。	
n  Step	4:その吟味結果を基に判断を下す。	
n  Step	5:一連の作業を振り返る
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
5
EBMの手順と教育のポイント	
n  出発点:ある状況での判断に有用な情報を手に入れたい!	
n  Professionalism	
n  Step	1:今、判断を求められている課題をまとめる。	
n  具体的な課題から疑問を抽出する	
n  Step	2:その課題に基づいて最も妥当な情報を探す。	
n  具体的な疑問から検索式がたてられるか。適切なデータベースが選べるか。一
見して、どれが妥当性が高いかの見当がつけられるか	
n  Step	3:手に入れた情報を批判的に吟味する。	
n  具体的な課題と情報を手にして吟味を行う	
n  Step	4:その吟味結果を基に判断を下す。	
n  課題に対する判断を促す。情報だけでなく、常識や想い、願いも含めて判断す
ることを勧める。	
n  Step	5:一連の作業を振り返る	
n  過度に結果に縛られることなく、プロセスを評価し改善する方法を勧める
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
6
EBM教材の例	
n  疑問を作るためのシナリオ	
n  チュートリアル教材の例	
n  ICUにおけるクリニカルクラークシップ	
n  ICU看護師のワークショップ用教材
02.10.04 7
EBM教材・教育の類型化

EBMキューブ	
患
者
課
題
	
吟味・実践	
情報検索	
与えられ
た情報	
支援された
検索	
独立した検索	
実際の患
者・課題	
カルテや
シナリオ	
想定なし	
現場の判断に
反映	
チェックポイン
トで吟味	
直感的評価	
目標	
出発点	
3つの軸で、教材
を評価・類型化す
る
患者・課題
情報検索
吟味・実践
目標は右奥
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
8
学生の講義資料から:疑問を作る	
n  君の友人には2年前からつきあっている彼女がい
た。2人は傍から見ていて羨ましいほど仲が良く、
友人は彼女と将来結婚しても良いと言い始めて
いた。	
n  その友人が、突然連絡を取ってきて会ってほし
いという。会ってみると、彼は途方にくれてい
た。話を聞くと、彼女は妊娠し、しかも血液検
査の結果,彼女がHIV陽性であることも判明した
という。
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
9
学生の講義資料から(続き)	
n  彼はこう嘆いた	
n  「お腹の中の子は僕の子だ。でもこのままだと彼
女はどうなる? 子どもはどうなる? 僕はどうす
ればいい?」	
n  彼女は悲嘆にくれながらも、感染症専門医と相談
を始めているという	
n  あなたは、今の彼と彼女にどのような情報が必要
なのか考えてみよう
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
10
最初に学生が抽出する課題	
n  彼女はどこで感染したんだろう	
n  →確かに疑問ではあるが…	
n  彼は大丈夫か	
n  →確かに「彼」にとっては重要	
n  HIVウイルスとはどんなウイルスか	
n  →RNAウイルスで、リンパ球などに感染して…	
n  →何のための疑問かにこだわる。そのために、疑問を
臨床での判断・行動に結びつけることを強調する。
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
11
学生の抽出する課題

もう少しがんばると疑問が変わる	
n  子供にHIVを感染させないようにするために何か方策はない
か? 	
n  具体案は?→帝王切開、抗ウイルス薬内服、母乳の制限など	
n  子供がHIV陽性になる確率は? 産むべきかどうか? 感染
したらどのような経過をたどるのだろう?	
n  どれくらいだったら、生むのをあきらめるだろう。	
n  彼女が今後AIDSを発症する確率は? 彼女の生命予後は?	
n  具体的には?→血液のウイルスの量、年齢、その他の合併症など	
n  そもそも、彼女はHIV陽性なんだろうか? どんな検査で判
定したんだろう?それは信頼できるんだろうか?	
n  検査の感度特異度は? そもそも日本人の妊婦がHIV陽性である確率
はどれくらいだろう?
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
12
課題・問題をまとめる

問題の定式化:EBM業界用語	
n  どんな患者に:Patient	
n  どんなことをすると:	Exposure	(Intervention)	
n   (何に比べて:	Comparison)	
n  どうなるか:	Outcome	
n  「PECO」あるいは「PICO」とまとめられる
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
13
学生の抽出する課題

  PECOにまとめる	
n  妊娠○ヶ月の妊婦に、AZTを中心とした抗ウイルス薬
を投与すると、投与しないのに比べて、子供への垂直
感染が減るか。子供や母親への悪影響はないか。	
n  母児間の垂直感染を起こした子供の場合、その後の経
過の中で、AIDSの発症や日和見感染、死亡などの危険
性はどうなるか。	
n  HIV陽性の母親が、妊娠を継続すると、中絶するのに
比べて、AIDSへ進行する危険性が増すか。	
n  日本人の妊婦で、HIVのスクリーニング検査が陽性で
あった場合、HIV陽性である確率はどれくらいか。
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
14
問題の定式化の利点	
n  問題がはっきりすれば、検索も容易になる。	
n  脳卒中の患者に、発症直後からリハビリテーションを行うと、急性期
に安静にするのに比べて、ADLが改善するか。死亡率は。QOLは。患者、
家族の満足度は。などなど。	
n  Stroke,	Rehabilitation	or	Physiotherapy,	QOL,+質の高い研究を引く
ためのkeywordsを加える	
n  ぎっくり腰の患者に、安静にするよう指導すると、通常の運動を許可す
るのに比べて、痛みの期間が短くなるか。	
n  問題を定式化すればどんな情報が必要かがはっきりして、その後の作
業が絞られ、結果的に求める情報を得る可能性が高まる→ステップ2
の情報検索の下準備にもなる	
n  さらに、質の高い情報のキーワードや、データベースを知っておけば、
効率よく質の高い情報にたどり着ける。
02.10.04 15
EBMキューブ	
患
者
課
題
	
吟味・実践	
情報検索	
与えられ
た情報	
支援された
検索	
独立した検索	
実際の患
者・課題	
カルテや
シナリオ	
想定なし	
現場の判断に
反映	
チェックポイン
トで吟味	
直感的評価	
目標	
出発点	
教材の段階から、な
るべく右奥隅をめざ
す工夫をする
少なくとも、シナリオ
から始める
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
16
チュートリアル用シナリオ	
n  あなたは、卒後6年目の外科医である。現在、地方の診
療所をまかされ一般的な診療を行っていた。	
n  あるとき52才の男性が急な腰痛を訴えて来院した。昨
日材木の運搬中に急に腰が痛くなり、一時立てなかっ
たという。本日の朝になっても腰痛が改善しないため
に来院した。診察の結果、下肢の運動や知覚に異常は
なく、両上下肢の腱反射も正常であった。異常反射は
認めなかった。	
n  腰椎4方向のレントゲン写真をとったが、椎体の並び
(アラインメント)は正常、椎体の圧迫骨折や変形、
椎体間の狭小化、などの異常はなかった。
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
17
チュートリアルの流れ	
n  毎週金曜日の午後 連続3週間	
n  第1週	
n  シナリオの提示と疑問の定式化	
n  情報検索	
n  第2週	
n  入手した情報の紹介とその吟味と結果の解釈	
n  第3週	
n  入手した情報、その他に基づく判断と患者への説明
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
18
学生の課題と情報吟味	
n  「急性腰痛にコルセットは有効か」	
n  →やや古いRCTを見つけて吟味した	
n  コルセットはやや有効であるよう。もし、本人がつけてもよいという
のならつけてもらおう。いやなら、そのままでも良さそう	
n  「急性腰痛にはどのような疾患があるか」	
n  →日本での調査から頻度を紹介	
n  ガンや感染症を否定する必要がありそうだが、あまり頻度は高くない。
とりあえず、痛みのコントロールをして経過を見るのがよさそう。	
n  「NSAIDは有効か」「安静にさせるべきか」	
n  →システマティックレビューを見つけ、これを吟味	
n  NSAIDは経過中の活動を改善する。鎮痛効果はあまりなく鎮痛剤の方
がよい。安静の指示よりも、できれば動きなさいと言う指示の方が回
復が早そう。
02.10.04 19
EBMキューブ	
患
者
課
題
	
吟味・実践	
情報検索	
与えられ
た情報	
支援された
検索	
独立した検索	
実際の患
者・課題	
カルテや
シナリオ	
想定なし	
現場の判断に
反映	
チェックポイン
トで吟味	
直感的評価	
目標	
出発点	
検索環境を整えれ
ば、検索指導を実現
できる。
学内の情報源の紹
介にもなる。
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
20
クリニカルクラークシップ	
n  名古屋大学におけるクリニカルクラークシップ	
n  時期:6年生の4月から7月中旬	
n  期間:7週間×2科	
n  ICUにおけるクリニカルクラークシップ	
n  第1週:オリエンテーション	
n  第2,3週:患者の申し送りとサマリー記載	
n  第4,5週:院外救急外来実習	
n  第6,7週:課題のまとめ	
n  学生の課題から情報を検索しまとめる。
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
21
ここ5年間で私の周り(ICUで)で起
きた変化	
n  栄養投与が静脈ではなく経腸栄養になった	
n  抗菌薬の投与を止める症例がみられるようになった	
n  手術室で抗菌薬を投与する症例が増えた	
n  少しくらいの貧血は輸血しないで様子を見るようになった	
n  低用量のドーパミンの使用が減った	
n  心筋梗塞患者でアスピリンがほとんど投与されている	
n  だらだら、タンパク製剤を投与する症例が減った	
n  グロブリン製剤は積極的に使うようになった	
n  複数の抗菌薬を同時に使う症例が減った	
 下線部は学生のまとめた課題に関連のあるもの
02.10.04 22
EBMキューブ	
患
者
課
題
	
吟味・実践	
情報検索	
与えられ
た情報	
支援された
検索	
独立した検索	
実際の患
者・課題	
カルテや
シナリオ	
想定なし	
現場の判断に
反映	
チェックポイン
トで吟味	
直感的評価	
目標	
出発点	
クリニカルクラーク
シップでは、医療
チームの一員として
重要な課題につい
てとりくみ、現場で
の治療方針の改善
にまでつなげること
ができる。
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
23
日本集中治療医学会看護部会

EBN実践講座2000-2002	
n  2000年から3年計画でのワークショップ形式
(小グループ形式、問題解決型)での文献の批
判的吟味と判断の実践	
n  毎年行われる学術総会に合わせて行った。	
n  前日のプレワークショップレクチャーとミーティン
グ	
n  学会終了後土曜日の午後を利用した半日コース	
n  2002年には文献検索演習も行った。
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
24
日本集中治療医学会看護部会

EBN実践講座2000-2002	
n  課題 いずれもランダム化比較試験	
n  2000年心臓外科手術の術前剃毛はやめた方がよいか	
n  2001年人工呼吸中の患者への持続鎮静剤は時々中止
した方がよいか	
n  2002年抗菌薬を含む薬剤での口腔ケアは肺炎を予防
するか	
n  いずれも、ICUで看護師の処置や判断が関わる医療
行為を題材とした
02.10.04 25
EBMキューブ	
患
者
課
題
	
吟味・実践	
情報検索	
与えられ
た情報	
支援された
検索	
独立した検索	
カルテや
シナリオ	
想定なし	
出発点	
チェックポイントを利
用することで、文献
を読む手間は少なく
なる。興味を持つ題
材、自ら関わること
のできる題材を提供
することで、積極的
な参加につながる	
現場の判断に
反映	
チェックポイン
トで吟味	
直感的評価	
目標	
実際の患
者・課題
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
26
今日のメニュー	
n  EBMのステップを教える	
n  いくつかの実例	
n  学生教育	
n  看護婦の生涯学習	
n  EBMの教材と教育手法の位置づけ	
n  EBM	cubeのどこから始めるか
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
27
EBM教材開発のポイント	
n  患者・課題・シナリオから始める	
n  何のための疑問かを整理する	
n  臨床での判断に結びつけることを強調する	
n  そこには、文献・情報だけではなく、様々な諸事情
や、想いや願いを含めてもよいことを勧める。	
n  常に最終的な目標、A)実際の患者・課題、B)自
分での検索、C)現場の判断に反映、を念頭に置
く
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
28
EBM教育のピットフォール	
n  課題の想定も、読むべき文献もなく、教科書で
疫学・統計学を教える	
n  論文・研究の良し悪しを教えるにとどまり、そ
の上でどうすればよいか考える機会を与えない	
n  もっとよくしたいと願って悩んでいる人に焦点
を当てず、現場での障害や不足を強調する	
n  論文・研究の結果が最も重要であるというEBMへ
の誤解を広める。
02.10.04 EBM in Medical and Nursing
Education
29
最初の質問に戻る	
n  EBM教育とは、どのようなことを教えることだと
思いますか。EBMを教えようとしている人は、何
を重要視し何を軽んじるように教えるでしょう
か。	
n  I can change. You can change. Everybody
can change.

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藤田学園 医学教育・看護教育とEBM

  • 1. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 1 医学教育・看護教育とEBM 名古屋大学大学院医学研究科 救急、集中治療医学 福岡敏雄
  • 2. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 2 あなた自身を振り返る n  あなたの「思い」を振り返る n  メモ用紙や資料の隅に、以下の質問に対する今 のあなたの答えを記入してください n  「EBM教育とは、どのようなことを教えることだ と思いますか。EBMを教えようとしている人は、 何を重要視し何を軽んじるように教えるでしょ うか。」
  • 3. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 3 今日のメニュー n  EBMのステップを教える n  いくつかの実例 n  学生教育 n  看護婦の生涯学習 n  EBMの教材と教育手法の位置づけ n  EBM cubeのどこから始めるか
  • 4. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 4 EBMの手順
 5つのステップに分けられる n  出発点:ある状況での判断に有用な情報を手に入れたい! n  Step 1:今、判断を求められている課題をまとめる。 n  Step 2:その課題に基づいて最も妥当な情報を探す。 n  Step 3:手に入れた情報を批判的に吟味する。 n  Step 4:その吟味結果を基に判断を下す。 n  Step 5:一連の作業を振り返る
  • 5. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 5 EBMの手順と教育のポイント n  出発点:ある状況での判断に有用な情報を手に入れたい! n  Professionalism n  Step 1:今、判断を求められている課題をまとめる。 n  具体的な課題から疑問を抽出する n  Step 2:その課題に基づいて最も妥当な情報を探す。 n  具体的な疑問から検索式がたてられるか。適切なデータベースが選べるか。一 見して、どれが妥当性が高いかの見当がつけられるか n  Step 3:手に入れた情報を批判的に吟味する。 n  具体的な課題と情報を手にして吟味を行う n  Step 4:その吟味結果を基に判断を下す。 n  課題に対する判断を促す。情報だけでなく、常識や想い、願いも含めて判断す ることを勧める。 n  Step 5:一連の作業を振り返る n  過度に結果に縛られることなく、プロセスを評価し改善する方法を勧める
  • 6. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 6 EBM教材の例 n  疑問を作るためのシナリオ n  チュートリアル教材の例 n  ICUにおけるクリニカルクラークシップ n  ICU看護師のワークショップ用教材
  • 8. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 8 学生の講義資料から:疑問を作る n  君の友人には2年前からつきあっている彼女がい た。2人は傍から見ていて羨ましいほど仲が良く、 友人は彼女と将来結婚しても良いと言い始めて いた。 n  その友人が、突然連絡を取ってきて会ってほし いという。会ってみると、彼は途方にくれてい た。話を聞くと、彼女は妊娠し、しかも血液検 査の結果,彼女がHIV陽性であることも判明した という。
  • 9. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 9 学生の講義資料から(続き) n  彼はこう嘆いた n  「お腹の中の子は僕の子だ。でもこのままだと彼 女はどうなる? 子どもはどうなる? 僕はどうす ればいい?」 n  彼女は悲嘆にくれながらも、感染症専門医と相談 を始めているという n  あなたは、今の彼と彼女にどのような情報が必要 なのか考えてみよう
  • 10. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 10 最初に学生が抽出する課題 n  彼女はどこで感染したんだろう n  →確かに疑問ではあるが… n  彼は大丈夫か n  →確かに「彼」にとっては重要 n  HIVウイルスとはどんなウイルスか n  →RNAウイルスで、リンパ球などに感染して… n  →何のための疑問かにこだわる。そのために、疑問を 臨床での判断・行動に結びつけることを強調する。
  • 11. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 11 学生の抽出する課題
 もう少しがんばると疑問が変わる n  子供にHIVを感染させないようにするために何か方策はない か?  n  具体案は?→帝王切開、抗ウイルス薬内服、母乳の制限など n  子供がHIV陽性になる確率は? 産むべきかどうか? 感染 したらどのような経過をたどるのだろう? n  どれくらいだったら、生むのをあきらめるだろう。 n  彼女が今後AIDSを発症する確率は? 彼女の生命予後は? n  具体的には?→血液のウイルスの量、年齢、その他の合併症など n  そもそも、彼女はHIV陽性なんだろうか? どんな検査で判 定したんだろう?それは信頼できるんだろうか? n  検査の感度特異度は? そもそも日本人の妊婦がHIV陽性である確率 はどれくらいだろう?
  • 12. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 12 課題・問題をまとめる
 問題の定式化:EBM業界用語 n  どんな患者に:Patient n  どんなことをすると: Exposure (Intervention) n   (何に比べて: Comparison) n  どうなるか: Outcome n  「PECO」あるいは「PICO」とまとめられる
  • 13. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 13 学生の抽出する課題
   PECOにまとめる n  妊娠○ヶ月の妊婦に、AZTを中心とした抗ウイルス薬 を投与すると、投与しないのに比べて、子供への垂直 感染が減るか。子供や母親への悪影響はないか。 n  母児間の垂直感染を起こした子供の場合、その後の経 過の中で、AIDSの発症や日和見感染、死亡などの危険 性はどうなるか。 n  HIV陽性の母親が、妊娠を継続すると、中絶するのに 比べて、AIDSへ進行する危険性が増すか。 n  日本人の妊婦で、HIVのスクリーニング検査が陽性で あった場合、HIV陽性である確率はどれくらいか。
  • 14. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 14 問題の定式化の利点 n  問題がはっきりすれば、検索も容易になる。 n  脳卒中の患者に、発症直後からリハビリテーションを行うと、急性期 に安静にするのに比べて、ADLが改善するか。死亡率は。QOLは。患者、 家族の満足度は。などなど。 n  Stroke, Rehabilitation or Physiotherapy, QOL,+質の高い研究を引く ためのkeywordsを加える n  ぎっくり腰の患者に、安静にするよう指導すると、通常の運動を許可す るのに比べて、痛みの期間が短くなるか。 n  問題を定式化すればどんな情報が必要かがはっきりして、その後の作 業が絞られ、結果的に求める情報を得る可能性が高まる→ステップ2 の情報検索の下準備にもなる n  さらに、質の高い情報のキーワードや、データベースを知っておけば、 効率よく質の高い情報にたどり着ける。
  • 16. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 16 チュートリアル用シナリオ n  あなたは、卒後6年目の外科医である。現在、地方の診 療所をまかされ一般的な診療を行っていた。 n  あるとき52才の男性が急な腰痛を訴えて来院した。昨 日材木の運搬中に急に腰が痛くなり、一時立てなかっ たという。本日の朝になっても腰痛が改善しないため に来院した。診察の結果、下肢の運動や知覚に異常は なく、両上下肢の腱反射も正常であった。異常反射は 認めなかった。 n  腰椎4方向のレントゲン写真をとったが、椎体の並び (アラインメント)は正常、椎体の圧迫骨折や変形、 椎体間の狭小化、などの異常はなかった。
  • 17. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 17 チュートリアルの流れ n  毎週金曜日の午後 連続3週間 n  第1週 n  シナリオの提示と疑問の定式化 n  情報検索 n  第2週 n  入手した情報の紹介とその吟味と結果の解釈 n  第3週 n  入手した情報、その他に基づく判断と患者への説明
  • 18. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 18 学生の課題と情報吟味 n  「急性腰痛にコルセットは有効か」 n  →やや古いRCTを見つけて吟味した n  コルセットはやや有効であるよう。もし、本人がつけてもよいという のならつけてもらおう。いやなら、そのままでも良さそう n  「急性腰痛にはどのような疾患があるか」 n  →日本での調査から頻度を紹介 n  ガンや感染症を否定する必要がありそうだが、あまり頻度は高くない。 とりあえず、痛みのコントロールをして経過を見るのがよさそう。 n  「NSAIDは有効か」「安静にさせるべきか」 n  →システマティックレビューを見つけ、これを吟味 n  NSAIDは経過中の活動を改善する。鎮痛効果はあまりなく鎮痛剤の方 がよい。安静の指示よりも、できれば動きなさいと言う指示の方が回 復が早そう。
  • 20. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 20 クリニカルクラークシップ n  名古屋大学におけるクリニカルクラークシップ n  時期:6年生の4月から7月中旬 n  期間:7週間×2科 n  ICUにおけるクリニカルクラークシップ n  第1週:オリエンテーション n  第2,3週:患者の申し送りとサマリー記載 n  第4,5週:院外救急外来実習 n  第6,7週:課題のまとめ n  学生の課題から情報を検索しまとめる。
  • 21. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 21 ここ5年間で私の周り(ICUで)で起 きた変化 n  栄養投与が静脈ではなく経腸栄養になった n  抗菌薬の投与を止める症例がみられるようになった n  手術室で抗菌薬を投与する症例が増えた n  少しくらいの貧血は輸血しないで様子を見るようになった n  低用量のドーパミンの使用が減った n  心筋梗塞患者でアスピリンがほとんど投与されている n  だらだら、タンパク製剤を投与する症例が減った n  グロブリン製剤は積極的に使うようになった n  複数の抗菌薬を同時に使う症例が減った  下線部は学生のまとめた課題に関連のあるもの
  • 23. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 23 日本集中治療医学会看護部会
 EBN実践講座2000-2002 n  2000年から3年計画でのワークショップ形式 (小グループ形式、問題解決型)での文献の批 判的吟味と判断の実践 n  毎年行われる学術総会に合わせて行った。 n  前日のプレワークショップレクチャーとミーティン グ n  学会終了後土曜日の午後を利用した半日コース n  2002年には文献検索演習も行った。
  • 24. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 24 日本集中治療医学会看護部会
 EBN実践講座2000-2002 n  課題 いずれもランダム化比較試験 n  2000年心臓外科手術の術前剃毛はやめた方がよいか n  2001年人工呼吸中の患者への持続鎮静剤は時々中止 した方がよいか n  2002年抗菌薬を含む薬剤での口腔ケアは肺炎を予防 するか n  いずれも、ICUで看護師の処置や判断が関わる医療 行為を題材とした
  • 26. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 26 今日のメニュー n  EBMのステップを教える n  いくつかの実例 n  学生教育 n  看護婦の生涯学習 n  EBMの教材と教育手法の位置づけ n  EBM cubeのどこから始めるか
  • 27. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 27 EBM教材開発のポイント n  患者・課題・シナリオから始める n  何のための疑問かを整理する n  臨床での判断に結びつけることを強調する n  そこには、文献・情報だけではなく、様々な諸事情 や、想いや願いを含めてもよいことを勧める。 n  常に最終的な目標、A)実際の患者・課題、B)自 分での検索、C)現場の判断に反映、を念頭に置 く
  • 28. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 28 EBM教育のピットフォール n  課題の想定も、読むべき文献もなく、教科書で 疫学・統計学を教える n  論文・研究の良し悪しを教えるにとどまり、そ の上でどうすればよいか考える機会を与えない n  もっとよくしたいと願って悩んでいる人に焦点 を当てず、現場での障害や不足を強調する n  論文・研究の結果が最も重要であるというEBMへ の誤解を広める。
  • 29. 02.10.04 EBM in Medical and Nursing Education 29 最初の質問に戻る n  EBM教育とは、どのようなことを教えることだと 思いますか。EBMを教えようとしている人は、何 を重要視し何を軽んじるように教えるでしょう か。 n  I can change. You can change. Everybody can change.