Technology and Music - Designing Music (in Japanese)2. 徳井直生 - 自己紹介
• 国際メディア研究財団 研究員 (2006∼)
• 音楽メディアの未来に関する研究
• 東京大学工学系研究科 博士課程修了 工学博士
• 人工知能研究
• DJ ( op.disc, PROGRESSIVE FOrM )
ちなみに祖父母
は長岡出身です
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4. テクノロジーと音楽 : 一例
• 17世紀後半 ピアノの発明
• 当時 二つの似たような楽器
チェンバロ ○音量 ×強弱
クラビコード ×音量 ○強弱
• 鉄鋼加工技術が進歩 → クラビ
コードをもとに、弦により強い張
力を持たせ、それに耐えられるフ
レームを用意.
• 十分な音量で強弱のある新しい音
楽表現が可能になった
ピアノの当時の正式名称 グ
ラヴィチェンバロ・コル・ピ
アノ・エ・フォルテ
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8. 凡例
• 重要な人名
• John Cage
• 制作手法,音楽ジャンルなどのキーワード
• サンプリング
それぞれ緑とピンクの
太字で示す.ビデオに
もでてくるので覚えて
おくように.
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10. 音とは
• (一般には) 空気の疎密波 (密度の変動で伝わる)
• スピーカーの振動を思いうかべてみよう
• 人間は 20Hzから20000Hzの音を聞ける(個人差あり)
波形表示は密度の高低の変化
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15. • 19世紀末 - レコード
• 1960年代 カセットテープ --- 1979 SONY Walkman
• 1980年代 - CD
• 1990年代 - MD, DVD Audio
• 1990年代後半 mp3 --- 2001 iPod
録音技術/音楽メディアの歴史
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16. 録音技術の発展
• アナログレコード
• 1859年 「フォノオートグラフ」レオン・スコット (仏) - 初めて音を可視化
• 1877年 「フォノグラフ」エジソン (米) - 最初の録音再生機
• 1887年「グラモフォン」ベルリナー (独) -
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17. レコードの歴史 : フォノオートグラフ
• 「フォノオートグラフ」 - スコット (仏) - 1859年
• メガホンで集めた音で膜を振動させる.
• 円筒状の筒にブラシで波形を描く
• 音を可視化
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18. • 「フォノグラフ」 - エジソン (米) - 1877年
• 錫箔をはった真鍮の円筒に針で音を刻む
• 最初に吹き込んだのは「メリーさんの羊」
• 一回ごとに録音する必要あり (複製不可)
• 1978年 The Edison Speaking Phonograph
Company 設立
• 口述筆記のための記録用として
レコードの歴史 : フォノグラフ (1)
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19. レコードの歴史 : フォノグラフ(2)
• エジソンが考えた用途 (1978年 North American Review誌)
1. 速記者なしの口述筆記
2. 目の見えない人のための”本”
3. 話し方教室の教則本
4. 音楽の再生
5. 思い出の記録として
6. オルゴールの代替品
7. 話す時計
8. 滅び行く言語の記録
9. 教育用途 : 授業の記録
10. 電話とつないで (大事なメッセージを残す)
比較: ベルの電話 - 当
初は遠隔地にコンサー
トの音を伝えることを
目的としていた.
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20. • 「グラモフォン」 - ベルリナー (独) - 1887年
• 円盤形のレコードを採用
• レコードの複製が可能になる
• ベルリナー方式が標準に
• The Victor Talking Machine Company
設立
• その後,レコード会社に→ HMV
• 第二次大戦後 日本ビクター独立
レコードの歴史 : グラモフォン
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21. おまけ: “His Master’s Voice” -犬のニッパー
Victor Talking Machineの広告
オリジナル
ベルリナーが購入・改変後
日本以外のHMV
日本のHMV
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23. デジタルメディア
• CD (Compact Disc)
• 1982年 最初のCDプレイヤー - ソニー
• 収録時間 74分 - 大賀ソニー社長とカラヤンとの会話から
• ベートーベンの9番が収録できる時間
• PCM記録方式 - 44.1kHz標本化 16ビット量子化
• 標本化定理: 標本化周波数の1/2まで完璧に再現
人間の可聴域 ∼20kHz
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28. • 最初のコンピュータ音楽
• 1951 CSIRAC (オーストラリア) Geoff Hill
• 実際は外付けのアナログシンセサイザーを
コントロール (後のMIDIのようなもの)
コンピュータ音楽の黎明期 (1950年代∼)
overriding considerations of the logical design were
engineering and programming simplicity, as this
or the loudspeaker. Each 20-bit digital word was
partitioned into a 5-bit destination, a 5-bit source,
Figure 1. CSIRAC as dis-
played for its 50th birthday
celebration, Museum Victo-
ria, 25 November 1999. Note
the speaker near the bottom
of the right-hand door of the
console.
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29. • “In a silver scale” 1957年 Max Mathews
• Music I - 最初のコンピュータ音楽のためのソフトウェア. 最初の商用コン
ピュータ IBM 704
• MUSIC II, III, IVと続き,
種々の人工知能研究,
オブジェクト指向プログラミング
などの基礎となった
コンピュータ音楽の黎明期 (1950年代~)
IBM 704
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30. 様々な音響合成方式
• AM変調 (Amplitude Modulation) -振幅変調
• FM変調 (Frequency Modulation) - 周波数変調
• サンプリング
• アナログモデリング - アナログシンセサイザーの部品一つ一つ(コンデンサ,抵
抗 etc)の振る舞いをソフトウェア上でシミュレーション
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32. ミュージック・コンクレート (1950年代∼)
• Musique Concréte ミュージック・コンクレート (具体音楽)
• 楽音以外の音(人の声,街の雑踏,自然の音,機械の雑音,鳥の声などな
ど)を,電気的に変質させ,編集して作った音楽
• Pierre Schaeffer, Pierre Henry (仏) - 二人のピエールが創始 (1950年代)
• 磁気テープの編集(切り貼り)で作成
サンプル: Étude aux Objects - P. Schaeffer (195?)
まだ磁気テープ自体が
めあたらしかったころ
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33. ミュージック・コンクレート - その後
• ポップミュージックの世界にも大きな影響
• The Beatles “Revolution Number” 9 1968年
• 松任谷由実 “まぶしい草野球” - フィールドレコーディングの利用
• 手法の進歩
• テープの切り貼り (Miles Davisなども多用) → サンプラーの利用
Ono Yokoの影響が大き
い.ポール・マッカー
トニーはこの曲が大嫌
いだった
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34. サンプラー (1970年代∼)
• Sampler サンプラー
• レコードなどの音を録音し、音程をつけてならすことができる機材.音を記
憶するメモリが必要.
•
1970年代
Fairlight CMI
1981年
Emu Emulator
1990年
Akai S-Series
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37. サンプリング (1980年代∼)
• Sampling / サンプリング
• サンプラーを使って,既存の曲の一部を使って
• ヒップホップなどの制作手法として一般化
• サンプラーが安価に - IC技術が急速に進歩. メモリが安価になった.
• 過去の音楽にいかに焦点を当てるか / レコードを”掘る” digging
• 著作権の問題 vs 新しい表現手法
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39. • MIDIシーケンサー = 演奏情報の記録
/編集のための装置
• コンピュータ上で、シーケンス情
報を扱うことで、自由度/操作性
が大幅に向上。より細かいエ
ディットが可能に ← PCの性能の
向上と普及が要因
• ジャングル,ドラムンベースなどの
高速な音楽
MIDIシーケンスソフトウェア (1990年代∼)
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40. DAWソフトウェア (2000年代∼)
• DAW (Digital Audio Workstation)ソフトウェア
• 演奏情報(MIDI)だけではなく実際の音を直接コンピュータ上で扱える
← PCの更なる高速化
• ソフトウェアのサンプラー,シンセサイザー → コンピュータ一台で制作が
完結
• z
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42. • 1980年代以降 - コンピュータを使った様々な処理が可能になった
• 確率モデルを使った作曲
• 従来の音楽的文法を否定
• シュトックハウゼン,クセナキスなど
実験音楽 / 電子音楽 (特に1980年代以降∼)
クセナキス - UPICシステム
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