Nihon Kosen Gakkai 2012/08/27

1. デジタルネイティブ世代の能力を開花させる
Moodleを利用した学校ポータルサイト構築と
ネットワーク化による高専力強化の提案
○白井達也，渥美清隆*，石原茂宏*，青山俊弘**，浦尾 彰**，伊藤 明**，原島秀人***
（鈴鹿高専 機械工学科，情報処理センター*，電子情報工学科**，前橋工科大学総合デザイン工学科***）
(1) （ムードル）とは？ (2) デジタルネイティブとは？
• オープンソース[GPL] のｅラーニングシステム ＩCＴ機器／サービスに囲まれた環境で生まれ育った世代
→ （安価）＋（手軽）＋（高性能） 【ポイント１】
• 仮想学習環境（Virtual Lerning Environment : VLE） 悪い点ばかり指摘されるが優れた点は？
≒ 学校向けグループウェア／ＳＮＳ 【ポイント２】
若者 ＝ デジタルネイティブなのか？
学習用途だけでは 全世界221の国と地域
優れた点を理解して能力を開発
勿体ない！ → デジタルネイティブに“成る”
(3) 各高専に Moodle によるポータルサイトを構築してネットワーク化 Moodle のネットワーク構築手段
【基本的構成】 Ｂ高専 各高専のMoodleサイトにしか A高専とB高専のMoodleのユーザ管理は各高専
アクセスできなかったユーザが， で行っている．A高専の学生がB高専のMoodle内
のコースに入室するには？
Ｇ高専 Ｃ高専 ハブであるＡ高専のサーバを介
Keyword は シングルサインオン（SSO）
して他高専のMoodleサイトにア
クセス可能となる． 【A】 シボレス認証などの認証プラグイン
Ａ高専 （個別に１：１の信頼関係を築く 個人認証を行うアイデンティティプロバイダ(IdP）
Peer-To-Peer構成も可能） に個人情報を集約し，サービスプロバイダ（SP，こ
こではMoodle）がIdPの認証情報に基づいてサー
ビスを提供する．
Ｆ高専 Ｄ高専
【特殊な構成例】 【B】 Moodleネットワーク機能
Ｅ高専 学内ネットワーク お互いのMoodleサイトの信頼関係を公開鍵の交
全学
換により締結し，高専Aで認証された学生を高専B
では高専Aを信頼して受け入れるMoodleの機能．
高専生自身による高専力向上戦略の例
【A】 全国ボコン交流会
A学科 Ｂ研究室 Ｃプロジェクト 「高専ロボコン」に携わる高専生やOBが集まり，会議やミニ
学内ネットワーク内のMoodleサイトを全学サーバをハ ロボコンを通して技術・知識の向上を図ると共に，学校同士
ブとして接続．学内では各サイトにアクセス可能だが， のつながりを築き深める．
http://zenrokou.jpn.org/ （注）原文を一部修正しています
学外からは全学Moodleサイトにしかアクセスできない．
【B】 高専カンファレンス
高専カンファレンスは高専の在学生と卒業生によるプレゼ
Moodleをネットワーク上で接続して相互乗り入れ可能とする先行事例は存在する ン型技術勉強会です．IT，工業デザイン，経営，物理，化学な
例１） 前橋工科大学，首都大学東京，日本福祉大学，千葉商科大学の４校 ど多様性に富む発表を通じて若い技術者の育成や交流を促
例２） F-レックス（福井県立大学，福井工業大学，仁愛大学，仁愛女子短期大学，敦賀短期大学， 進し，高専および科学技術分野の発展を目指します．
http://kosenconf.jp/
福井医療短期大学，福井高専の７校）
(4) ネットワーク化によるプラス（＋）とマイナス（－） (5) 実現に向けたステップ
（＋）文化の異なる他高専学生とのシームレスな交流 • 各校でのMoodleサイト立ち上げ，運用
（＋）教職員間の情報交換も活性化 • 情報セキュリティポリシー（Mnet用）の策定
（－）“高専生”という偏狭なプライド，村意識の熟成 • 学生／教職員のMoodle利用スキルの向上
→ 学外にパイプのある学生による情報提供／啓蒙（＋） • 準備のできた学校から順次接続
（－）ネチケット不足による失敗（炎上，個人情報漏洩，不正行為） （経験上）
→ 外部へデビューする前の予行演習，指導が可能（＋） トップダウンでは実現不可．
（－）学校間の情報セキュリティポリシーの違い ：要検討 草の根的活動を広げる戦略が望ましい．