ミャンマーは東南アジアで『最後のフロンティア』と言われています。私はミャンマーの将来性に魅力を感じ、ミャンマーの民主化について考察することを卒論の題目に決めました。具体的にはアウンサンスーチーの半生を振り返ることや、軍事政権の色が強いビルマ式社会主義の憲法や法律を分析します。また、在日ミャンマー人にアンケートを取り、世論調査として現在の憲法や法律の社会リサーチをしようと思っています、そして、ミャンマーの近代史と現状の理解に深まると思っています。

1. ミャンマーの民主化
• 名前：大前 光平

2. ミャンマーついて
人口 5,141万人
国土 日本の１．８倍
宗教 仏教、キリスト教、回教等
民族 ビルマ族（７０パーセント）、その他多くの少数民族
、周辺国 インド、タイ、ラオス、中国、バングラディシュ
在留邦人 600 人程度で、日本人学校もある

3. ミャンマーの政治
時代 出来事
１９４８年 イギリスの植民地政策からの独立
１９８８年 学生による巨大なデモ（民主化）を国軍が抑え込む
１９８９年 軍政がアウンサウンスーチーを自宅軟禁
１９９０年 複数政党制による、３０年ぶりの総選挙
⇨NLD（国民民主連盟）『民主化運動の中心』が大勝
議席の８１%を取得
⇨政権譲歩を拒否
２０１０年 民主化に向けた総選挙に、アウンサウンスーチーが自宅軟禁中で
あったたためNLDが不参加。
⇨軍政のUSDP（連邦団結発展党）が勝利
２０１１年 USDP党首のテインセイン大統領が率いる新政権発足
民政移管移行
２０１５年 １１月、民政移管後初の総選挙でNLDが大勝
２０１６年予定 １月、新国会発足
２月、新国会で新大統領を選出
３月、新政権発足

4. 2015年１１月８日の選挙
• 選挙結果
– ︎2015年１１月８日の総選挙でアウンサウンスーチー（ミャンマーの民主化
リーダー）が率いるNLD（連邦団結発展党）が軍政USDP（連邦団結発展党）に
大勝。ミャンマーの民主化に国際社会が興味を示している。
• 選挙の前提
– 総選挙は2011年の民政移管後
初
– 有権者は約3000万人
– 推定の投票率は約80％
60%
6%
25%
9%
選挙後の議席数
NLD（アウンサウンスーチー率い
る）
USDP 軍人
軍人枠（選挙なし）

5. 国際社会の対応
中国・インド・ロシア
•中国、ロシア、インドは森林資源、天然ガス、宝石、豊富
な水力によって作られる電力に魅力を示し、軍政と共同
開発をしていた
•例）イワラジ川上流の水力発電の共同開発
•軍政が長く続いた原因の一つである
ASEAN
•１９９７年ミャンマーはASEANに参加
•ASEANは、ミャンマーが自力で民主化が可能であり、周
辺国の関与が不要であると主張した
•民政移管後のミャンマーを評価して、ASEANの大切な
パートナーである
アメリカ・EU
•EUは林業、鉱業分野における貿易や投資を制限
•テインセイン大統領の民政移管を評価、経済制裁の制
限を解禁
•アメリカはブッシュ政権時代は経済制裁一色
•２００９年以降のオバマ政権は経済制裁と対話を繰り返
した
•2012年民政移管を評価、経済制裁を解除
•コカコーラがミャンマーに進出

6. ミャンマーにおける民主化の課題
• ミャンマーの教育
• 識字率は高いが、中高大の教育への進学率が低い
• 鎖国的なミャンマーの経済
• アメリカ、欧州の経済制裁による発展の遅れ
• 少数民族の人権問題
– 結果として難民の問題も発生
• ミャンマーの軍事憲法によるアウンサウンスーチーの排斥
• 軍政圧倒的に有利な憲法
• アウンサウンスーチー独裁の懸念
• 国民の盲目的なアウンサウンスーチーへの崇拝
• 憲法を無視をするようなアウンサウンスーチーの発言
• アウンサウンスーチーが大統領以上の存在になると発言

7. ミャンマーの教育の現状
• 識字率（２０１１）
– ９２．２%を超える
• 僧侶がお経と読み書きを教えている
• 就学率（２００４〜２００５）
• 小学校は96.56（５年間）
• 中学校は42.2%（４年間）
• 高等学校は32.6%（２年間）
• 大学進10%（３年〜６年間）
• 義務教育
– 小学校５年生
• 外務省などのデーターによると、義務教育がないとされている
が、実際は小学５年生までが義務教育となってる
出典：日本外務省、UNESCO、
UNICEF、国際交流基金

8. 鎖国的なミャンマーの経済
• 市場経済化の後も軍政は経済官僚を育てなかった。
• EUとアメリカの経済制裁が経済発展を妨げ
• 主な産業
– 資源の輸出、森林伐採権の販売、海底から輸出される海
底ガスなど
• これらのお金は国防費、ネイオイードへの首都移転費
– 国民の生活向上にはならず
• 一人当たりのGDP８０４USドル（２０１２）
• ASEAN加盟国でも最も低い
• ミャンマー人の月収
• ５２USドル〜８０USドル

9. 少数民族の人権問題
• ミャンマーは１３５の少数民族を有する
• ロヒンギャ民族（イスラム教）
• NDLは今回の政治でイスラム教を一人も入れなかった
• 明らかに、少数民族の配慮が足りないことが分かる
• カレン民族
• ２０１２年６０年に及ぶ迫害はカレン民族同盟の和平交渉に成功
• カチン民族
• 北部のカチン独立機構停戦協議には及ばず
• ミャンマーの少数民族が難民になる
• タイには９つの難民キャンプ、１０数万人が住んでいる

10. 軍政を守るための憲法
家族に外国人がい
る人は憲法で大統
領になることができ
ない
アウンサウンスーは
夫と息子がイギリス
人の為、大統領に
なれない
選挙の議席の中に
軍人枠として４分の
１の枠があらかじめ
用意されている
民主化運動の中心
のNLDは今後軍政と
協力しないと政治参
加不可能

11. ノーベル平和賞受賞者の
アウンサウンスーチー独裁の懸念
• 暴力を使わず平和的に解決をすることを目指しているアウンサウ
ンスーチー
• ２０１５年１１月の選挙の３日前に大統領を超える存在となると発言をした
– 憲法を無視する発言であり、ミャンマーの独裁者になりかねない
• アウンサウンスーチーの権威、権力への不安
• 政権担当の経験不足
• 現実的対応経験の不足
• 軍政により３回の監禁を経てるので、軍政への恨みがある
可能性

12. • 私が考えるミャンマー民主化の
結論
非暴力による民主
化運動
少数民族
⇨人権確保
⇨政治参加
軍政よりの憲法の
見直し