「人口知能と経済の未来」の紹介と勝手な解釈
- 2. 技術の進歩と機械の進展
産業革命 利用資源
汎用技術(GPT)
基礎技術
応用技術 機械の形態
第一次産業革命
(18世紀後半) 石炭資源の利用 蒸気機関 蒸気機関車
第ニ次産業革命
(20世紀初頭)
石油資源の利用 内燃機関 自動車
電気の利用 発電機・電気モータ
電気器具
電車
自動化技術
単純な制御機器
電化製品
フィードバック制御機械
情報の利用 通信 電話
通信機械
コンピュータ
複雑な制御機器
シーケンス(プロセス)制御機械
プログラマブル制御機械
エネルギーの変換機
変換機
燃焼のエネルギー
電気のエネルギー
回転・動力・電気・光の
エネル
自動機械Ⅰ
サーモスタット
状態
エネルギー
エネルギーエネルギー
状態
自動機械Ⅱ
電気釜
生産物材料
エネルギー
プログラム
プログラム(予め想定したシーケンス)
*オペレーション=人手が必要
情報のやりとり
情報
- 5. 4 日本GPTの
3.8 肩車期 取り尽くし期
3.6
3.4
3.2
3 第2次産業革命GPTの肩車期 取り尽くし期
2.8 at 米国
2.6 失われた20年
2.4
2.2
2
1.8
1.6
1.4 第一産業革命GPTの肩車期 取り尽くし期
1.2 at 英国
1
0.8 ローマクラブ
0.6 成長の限界
0.4
0.2
0
-0.2 1700 1750 1800 1850 1900 1910 1930 1950 1970 1990 2010
★ ★ ● ★
産業革命 第一次産業革命 第二次産業革命 第三次産業革命
GPT(汎用基盤技術) 蒸気機関 内燃機関 プロセス制御 ICT
発電機・電気モータ
出典 下記の合成
黒:英国 人工知能と経済の未来 図3.5
青:米国 人工知能と経済の未来 図3.8
赤:日本 OECD ProduvtivityDatabase
生
産
性
上
昇
率
■アメリカでは第三次産業革命が起き景気が回復し
つつあるが雇用が生まれない。
従来と何かが違う。
■日本は技術の取り尽くし期で失われた20年が30
年になろうとしている。
- 11. 経済政策
生産財(資本)
の所有
補足 メリット デメリット 備考
市場主義経済を堅持しながら
現行社会福祉制度の拡充
および累進課税を強化
資本家
市場主義経済を堅持
価格の決定は市場
分権的経済
国よる富の再配分
-現行社会福祉制度の維持拡充
・生活保護
・年金
・社会保険(医療・介護)
-税の累進課税を強化
改革がないため既得権
益者の痛みを伴わない
・大部分の国民は失業して
いるため生活保護者。
・生活保護の対象者の選
定、額の決定は難しい。
-もともと貧富の線引き
はできない。
-やればモラルハザード
が起きる。
-行政コストが膨大
・課税すべき資本家は資本
収益率最大化を求めて逃げ
ていく。
・国は破綻
痛みが伴わないことをいいこと
に何もしないでいるとゆでガエ
ル的状況になりいずれ社会福
祉制度は破綻し貧富の格差が
拡大して不満の爆発が起きる。
ソ連型社会主義 国
機械によって生産される生産物(富)は
国が平等に国民に配分
計画経済
生産量の決定は国
集権的経済
所得の平等
国民の自由意思のはく奪。
経済の疲弊。
専制政治家による暴走
価格は国家が決められない。
価格を決定するために需要と供
給に関するの無数の情報を一
箇所に集めることは不可能。
計画経済の失敗は社会主義国
家崩壊によって証明された。
クーポン型市場社会主義 みんなが資本家
はじめに政府がすべての成年市民に一
定数のクーポンなりバウチャーなりを配
布し市民はそれらを正規の通貨ではなく
クーポンで価格表示される企業の株式
の購入に用いる。
各人のクーポンの投資株式証券の束は
死亡時に国庫に返還され、成年に達し
た新たな世代には継続的にクーポンの
配分が行われる。相続禁止。
株式を売り買いすることは自由であるが
売った金で消費材を買うことはできな
い。
「搾取する側=資本家」
と「搾取される側=労働
者」の対立を解消
既存の株主からの抵抗によ
り政治的に実現性が困難。
株式から得られる収入は極
めて不安定。
ベーシックインカム
普遍主義的社会保障
資本家
毎月の最低限の所得(インカム)を国が
支給。
たとえば大人は7万円 子供は3万円。
その上で市場主義経済は堅持され自由
な経済活動が許される。
ただし現行の社会福祉制度はすべて廃
止される。
完全なセーフティネット
・子供は産むほど得
・起業に失敗しても身
ぐるみはがされることは
ない。
行政コスト低い。
裕福な年金生活者(政治的
有力者)からの賛同は得ら
れないだろう。
生産・サービスが機械によって
行われるとしたら人間様の経済
活動とは何だ?
人間は何に生きがいを求め
る?
- 17. 有用性と至高性
有用性: 未来の利益のために現在を犠牲にする営み
・ 良い職を得るために勉強する。
・ 健康のために運動をする。
・ ポリフェノールは体に良いからワインを飲む。
至高性: 役に立つと否とに関わらず価値あるものごと
・ 至高の瞬間とは未来に隷属することなく、それ自体が満ち足りた気持ちを抱かせる瞬間
・ 運動の後の一杯のビール
・ 彼女と一緒にワインを飲んで陶酔に浸る。
機械の発達の果てには多くの人間が仕事を失います。
・会計士の資格は会計ソフトで 運転免許は自動運転で 英会話能力は自動通訳機の普及で有用
ではなくなります。
・有用性という価値は普遍的なものではなく波打ち際の砂に書いた落書き。
・人間の価値は有用性にはありません。
・にもかかわらず 現代人は有用性に捉われています。
ケインズ曰く
「われわれはもう一度手段より目的を高く評価し、効用よりも善を選ぶことになる。
我々はこの時間、この一日を高潔で上手な過ごし方を教示してくれることができ
る人、物事のなかに直接のよろこびを見出すことが出来る人、汗して働くことも紡
ぐこともしない野の百合のような人を、尊敬するようになる。」
「人工知能と経済の未来 おわりに」