野村データ分析コンテスト完成版
- 2. 目次
研究の背景
研究の目的
拡張製品の定義
拡張製品の重要性
研究の進め方
データの抽出
抽出データ概要(1)
分析(1) 拡張製品における消費者分析
分析(1)における課題
追加調査 利用データ
分析(2) アンケート結果レビュー
分析(3) 消費者属性分析
データの結合
抽出データ概要(2)
連関規則(アソシエーションルール)
まとめ
示唆
当研究の課題と限界
2
- 15. 追加調査 利用データ
商品購入に関する消費者アンケートを行っ
た。(サンプル数228)
理由:拡張製品の受容度をより詳細に把握する
ため。
調査期間:2014/10/24~2014/10/29
地域:全国
年齢:10代~50代
調査形式:質問紙法、ネット調査を併用
拡張製品のうち、感覚的な付随要素に属する製
品に対する消費者の反応を探るため調査を行っ
た。
1.消費価値観に関する質問(提供データと同様の形式にし、データフュージョンをする)
2.消費先進度に関する質問(提供データと同様の形式にし、)
3.実際に販売している製品とことばのついた製品5組と架空の製品とその製品にことばをつけた製品5組の2つを混
合し、購入意向を探る質問
4.デモグラフィック要因(性別・年代・職業)
20%
74%
1%
4% 1%
年齢別集計
15~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50歳以上
15
- 16. 分析(2)アンケート結果レビュー
ガリガリ君
ガリガリ君リッチ 1 2 3 4
1 7 7 1
2 11 36 9 10
3 2 7 22 9
4 1 20 8 74
チョコレートクッキー
生チョコレートクッキー 1 2 3 4
1 32 26 4 4
2 4 57 16 15
3 2 9 10 8
4 6 5 26
カスタードプリン
とろけるカスタードプリン 1 2 3 4
1 26 29 1 3
2 13 72 7 12
3 9 15 5
4 1 1 4 24
緑茶
あなたの緑茶 1 2 3 4
1 13 3 1
2 11 30 5 5
3 14 51 15 8
4 6 32 7 25
きのこの山
大人のきのこの山 1 2 3 4
1 26 19 3 1
2 7 66 8 12
3 12 12 5
4 2 12 3 37
カルピスウォーター
プレミアムカルピス 1 2 3 4
1 21 16 1 1
2 15 53 9 5
3 2 15 11 7
4 4 14 3 45
※空欄は0人
購買意欲↑ 購買意欲↓
質問3の回答結果を拡張製品と既存製品毎に図表にまとめた。左側は、既存製品を買いたいと考え
ていた消費者が拡張製品を是非買いたいと答える人数が多かった。反対に右側では、既存製品を買
いたいと考えていた消費者が拡張製品を買いたくないと答える人が多かった。カルピスに関して
は、既存製品を好む消費者と拡張製品を好む消費者の2つの特徴が見られたが、全体的に拡張製品
を受容しない消費者が多かった。
1.是非買いたい 2.買いたい 3.分からない 4.買いたくない
カテゴリ内での相対的人数が多いと矢印が上方向を向いている
16
- 17. 分析(2)アンケート結果レビュー
サンプル毎に購買意欲を算出した結果受容者の数は非受容者、中間者の数より少なかった。
菓子製品カテゴリにおいては拡張製品は消費者の購買意欲をそそる可能性が高く、逆に飲料製品
カテゴリにおいては拡張製品は消費者の購買意欲を減退させる可能性が高いことが示唆される。
非受容者が多い中でも圧倒的に多くの消費者に受け容れられない場合とある程度の消費者には受
け容れられる場合があった。
算出方法:購買意欲度(1.買いたい〜4.買いたくない)
(既存製品の購買意欲度)-(拡張製品の購買意欲度)<0の時、既存製品をより購入したい
(既存製品の購買意欲度)-(拡張製品の購買意欲度)>0の時、拡張製品をより購入したいとする。
横軸の合計が0,±1の場合誤差とみなし、中間者とする。
横軸の合計が2以上の場合、拡張製品の受容者とする。
横軸の合計が-2以下の場合、拡張製品の非受容者とする。
ガリガリ君 メロンソーダ チョ コレートクッキーブレンドコーヒー カスタードプリン カルピス toto 緑茶 サロンパス きのこの山 合計 分類(名称)
1 2 3 3 2 -2 1 3 1 0 1 14 受容者
2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 中間者
3 1 -1 1 0 1 0 0 -1 0 0 1 中間者
4 0 0 0 0 -1 0 1 0 -1 0 -1 中間者
223 -1 0 1 -3 0 -1 1 -1 1 0 -3 非受容者
224 1 2 1 0 0 0 0 -2 0 -1 1 中間者
225 1 -1 -1 1 0 -1 0 -2 0 -1 -4 非受容者
226 1 3 3 2 3 1 2 0 2 1 18 受容者
合計 -29 -6 65 -6 47 -32 -7 -151 -7 14 -112
-0.12832 -0.02655 0.287611 -0.02655 0.207965 -0.14159 -0.03097 -0.66814 -0.03097 0.061947 -0.495575221
0 0 0 0 0 0 -1 -1 0 0 -2
17
- 18. 分析(1)-2 消費者属性分析
芸術 観光 アウトドア 手作業 ギャンブル スポーツ
音楽鑑賞 0.551 0.067 0.019 -0.017 -0.035 0.135
映画・演劇・美術鑑賞 0.571 0.141 -0.006 0.041 -0.034 0.129
ビデオ、DVD鑑賞 0.516 0.008 0.09 0.042 0.045 -0.025
読書 0.323 0.061 -0.081 0.131 -0.03 0.082
パソコン 0.363 0.084 0.06 0.137 0.128 0.04
カラオケ 0.324 0.12 0.023 -0.039 0.101 0.005
外食・グルメ・食べ歩き 0.3 0.389 0.026 0.03 0.105 -0.085
国内旅行 0.137 0.771 0.124 0.09 0.049 0.152
海外旅行 0.07 0.487 0.029 0.018 -0.053 0.235
遊園地、テーマパーク 0.261 0.363 0.198 -0.01 0.1 -0.137
スキー 0.039 0.096 0.352 -0.07 0.031 0.133
釣り -0.033 -0.021 0.368 0.086 0.057 0.047
アウトドア、キャンプ -0.009 0.062 0.439 0.057 -0.042 0.133
ドライブ 0.152 0.281 0.389 0.048 0.153 -0.11
日曜大工、機械・模型いじり 0.057 -0.011 0.304 0.336 0.055 -0.053
園芸、庭いじり 0.032 0.025 0.101 0.661 0.012 0.019
編み物、料理 0.199 0.085 -0.049 0.276 -0.025 -0.102
競馬 0.017 -0.046 0.005 0.01 0.505 0.2
パチンコ -0.022 0.017 0.032 -0.014 0.377 -0.005
宝くじ 0.137 0.106 0.062 0.034 0.334 -0.017
スポーツ・フィットネス 0.059 0.066 0.151 -0.057 0.02 0.301
スポーツ観戦 0.151 0.05 0.094 -0.008 0.124 0.418
提供データ「趣味」の回答データを因子分析した結果6つの因子が抽出された。
共通性0.1以下、因子負荷量が全ての因子に対し0.25以下の変数の除外を条件を満たす変数がなく
なるまで繰り返し実施した。分析方法には主因子法バリマックス回転を用いた。
18
- 21. 非受容者受容者
56%
44%
性別
男性 女性
13%
27%
31%
25%
4%
年齢別集計
20代 30代 40代 50代 60代
45%
55%
性別
男性 女性
15%
28%
27%
24%
6%
年齢別集計
20代 30代 40代 50代 60代
抽出データ概要(2)
拡張製品を受容する消費
者は全体的に男性のほう
が多い。これはチョコ
レート菓子において男性
はあまりこだわりを持た
ず、広告や感覚で様々な
商品を購入していること
が伺える。次に年齢別集
計だが、2つのグラフを
見比べても取り立てて特
徴のある箇所は見当たら
ない。だが、60代の消費
者は非受容者が多い。60
代のデータ数はほかの年
代と比較するとかなり少
ないため、この差異は注
目すべきである。60代の
消費者は経験から自分の
好みのチョコレート菓子
を持っており、それを多
く購入するため非受容者
の数が多い可能性があ
る。
受容者:1060人
非受容者:1648人
21
- 25. 連関規則(アソシエーションルール)
同時確率 条件付確率
1 はじけるメロンソーダ ⇒ 大人のきのこの山 0.159292 0.8372093
2 きのこの山 ⇒ 大人のきのこの山 0.5265487 0.8206897
3 プレミアムカルピス ⇒ 大人のきのこの山 0.4380531 0.804878
4 チョコレートクッキー ⇒ 大人のきのこの山 0.4911504 0.8043478
5 ガリガリ君リッチ ⇒ 大人のきのこの山 0.2831858 0.7901235
6 豆が薫るブレンドコーヒー ⇒ 大人のきのこの山 0.3274336 0.755102
7 ガリガリ君 ⇒ 大人のきのこの山 0.3097345 0.7526882
8 生チョコレートクッキー ⇒ 大人のきのこの山 0.5309735 0.75
9 メロンソーダ ⇒ 大人のきのこの山 0.2123894 0.7384615
10 カルピスウォーター ⇒ 大人のきのこの山 0.4690265 0.7361111
11 あなたの緑茶 ⇒ 大人のきのこの山 0.2212389 0.7352941
12 カスタードプリン ⇒ 大人のきのこの山 0.5 0.7337662
13 totoBIG ⇒ 大人のきのこの山 0.0840708 0.7037037
14 とろけるカスタードプリン ⇒ 大人のきのこの山 0.5132743 0.6946108
15 ブレンドコーヒー ⇒ 大人のきのこの山 0.3185841 0.6923077
16 サロンパス ⇒ 大人のきのこの山 0.1681416 0.6440678
17 緑茶 ⇒ 大人のきのこの山 0.4557522 0.64375
18 サロンパスEX ⇒ 大人のきのこの山 0.1548673 0.6363636
同時確率 条件付確率
1 はじけるメロンソーダ ⇒ きのこの山 0.159292 0.8372093
2 大人のきのこの山 ⇒ きのこの山 0.526549 0.8321678
3 メロンソーダ ⇒ きのこの山 0.234513 0.8153846
4 ガリガリ君 ⇒ きのこの山 0.331858 0.8064516
5 チョコレートクッキー ⇒ きのこの山 0.482301 0.7898551
6 ガリガリ君リッチ ⇒ きのこの山 0.278761 0.7777778
7 カスタードプリン ⇒ きのこの山 0.526549 0.7727273
8 プレミアムカルピス ⇒ きのこの山 0.420354 0.7723577
9 生チョコレートクッキー ⇒ きのこの山 0.544248 0.7638889
10 カルピスウォーター ⇒ きのこの山 0.486726 0.7454545
11 サロンパスEX ⇒ きのこの山 0.181416 0.7365269
12 とろけるカスタードプリン ⇒ きのこの山 0.544248 0.7288136
13 サロンパス ⇒ きのこの山 0.190265 0.7083333
14 toto ⇒ きのこの山 0.075221 0.7058333
15 あなたの緑茶 ⇒ きのこの山 0.212389 0.7058824
16 totoBIG ⇒ きのこの山 0.084071 0.7037037
17 豆が薫るブレンドコーヒー ⇒ きのこの山 0.300885 0.6938776
18 緑茶 ⇒ きのこの山 0.464602 0.65625
19 ブレンドコーヒー ⇒ きのこの山 0.300885 0.6538462
分析の結果は以下の表に示す通りである。
p(プレミアムカルピス|大人のきのこの山)=80.05% p(カルピス|大人のきのこの山=73.61%
p(プレミアムカルピス|きのこの山)=77.24% p(カルピス|きのこの山)=74.55%
形容詞付加製品である「プレミアムカルピス」に購買意向を示す回答者が、同じく形容詞付加製品である
「大人のきのこの山」に購買意向を示す確率は80.05%であったのに対し、「プレミアムカルピス」に購買
意向を示す回答者が通常製品である「きのこの山」に購買意向を示す確率は77.24%であり、2.81ポイント
の差異が見受けられた。
また、「プレミアムカルピス」に購買意向を示す回答者が「大人のきのこの山」に対し購買意向を示す確
率と、「カルピス」に購買意向を示す回答者が「大人のきのこの山」に購買意向を示す確率との差は6.44
ポイントであった。一方で同条件のもとでの「プレミアムカルピス」と「きのこの山」、「カルピス」と
「きのこの山」間の差異は2.69ポイントと比較的に値が小さい。
「緑茶」、「ブレンドコーヒー」でも同様の傾向が観測されたことから、「形容詞付加製品を選択した回
答者が他の形容詞付加製品を選択する可能性は通常製品を選択した場合と比べて高い」という規則が示唆
される。
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