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新潟大学脳研究所神経内科
下畑 享良
パーキンソン病の頭痛
ー痛みにおけるドパミンの意義ー
• パーキンソン病を除くと,神経変性疾患の
頭痛はほとんど研究がなされていない.
• しかし,このテーマは頭痛のメカニズムや
治療にヒントを与える可能性がある.
イントロダクション
• 一般のひとと比較して頻度が
多いか?同じか?少ないか?
• 頭痛があるとすれば
どのタイプか?
PDにおける頭痛の疑問
パーキンソン病と頭痛で思い浮かべたもの
パーキンソン病
頭 痛
運動症状
非運動症状
?
ドパミン欠乏 ドパミン療法
??
ドパミンと痛み
痛み → 腹側被蓋野(VTA)からドパミン放出
→ 側坐核でμ-オピオイド産生 → 痛み抑制
A10
運動症状➔頭痛?
左右差のある
緊張型頭痛?
左右差のある
筋強剛・無動
幻覚・妄想 認知症
便秘症
排尿障害
立ちくらみ 痛み
睡眠障害
うつ・不安
非運動症状➔頭痛?
PDにおける
頭痛の
頻度・特徴
PDにおける
頭痛と
ドパミン
変性疾患の
睡眠障害と
頭痛
議論する内容
PDにおける頭痛の頻度
原著(1817)
原著6名中2名に
頭痛に関する記載
Parkinson J.1817
原著(1817)
→ 2名ともなし
最初の症例集積研究(鳥取大学1982)
1. 54/131名(41%)に頭痛あり(質問票)
2. 部位:後頭部~首筋の痛み 81%
性状:しめつける・ものを被ったような痛み 84%
3. 治療:L-dopaによる頭痛の改善 66%
4. 頭痛と...
2番めの報告(名古屋大学1983)
1. 頻度;25/71名(35%)に頭痛あり(問診)
2. 部位;後頭部~首筋の痛み 75%
性状;鈍痛 64%,拍動性 32%
3. 頸部筋強剛の程度と頭痛の強さに相関なし
➔ 頸部の筋強剛による緊張型頭痛...
有病率に有意差はないが,むしろ患者群で少なめ
Lorenz. Cepharalgia 1989;9:83-86
PD群
(N=223)
対照群
(N=291)
P値
最近1年 120 (54%) 175 (60%) 0.18
患者会,対照に頭痛...
• 一般人口における頭痛・片頭痛の多さを
考えると,PDにおけるその少なさには驚く
• もう一つ驚いたのは・・・
Lorenz. Cephalalgia 1989;9:83-86
著者Lorenzのコメント
男性PDで(中等~重症)片頭痛が多い!
Lorenz. Cephalalgia 1989;9:83-86
4番めの報告(ブラジル2014)
PD群
(N=98)
対照群
(N=98)
調整
オッズ比
P値
最近1年 40 (41%) 68 (69%) 0.5 0.03
Nunes et al. Neuro Sci 2014;35:595-560
電...
小括1.PDでは頭痛が少ない
⇦ 頭痛・PDの診断基準が不明瞭 ⇨ ⇦ ICHD2 ⇨
✕
*
PDにおける頭痛の特徴
頭痛合併PD症例の特徴(イタリア1988)
頭痛あり 9名,なし 8名の比較
PDで頭痛を認める症例は・・・
① 頸部筋活動の亢進(ジストニア疑い)
② 不安・うつの程度が強い
Meco et al. Headache 1988;28:26-29
PD群
(N=98)
対照群
(N=98)
調整
オッズ比
P値
最近1年 40 (41%) 68 (69%) 0.5 0.03
頭痛は運動症状と同側が多い!
PD片側発症 25/40名(63%)
うち頭痛も同側 21/25名(84%)
Nun...
片頭痛 26 (65%) 31 (46%) 3.3 0.02
緊張型 12 (30%) 33 (49%)
その他 2 (5%) 4 (5%)
頭痛の病型ごとで頻度は異なるか?
Nunes et al. Neuro Sci 2014;35:595...
薬剤性(ドロキシドパ,アマンタジン)にも留意する
小括2.PDの頭痛の病態は複雑である
PDにおける
頭痛と
ドパミン
① なぜPDで頭痛が少ないのか?
② なぜPDで片頭痛が多いのか?
③ 頭痛にドパミンはどう関与するか?
① なぜPDで頭痛が少ないか?
仮説
1. ドパミン療法が頭痛を予防する
2. 神経変性が頭痛の回路を破綻させる
仮説1.ドパミン療法が頭痛を予防する
(根拠)
ドパミン療法は,PD患者の痛み閾値を
正常化するという報告がある
ドパミン補充が痛みを抑制?
痛み → 腹側被蓋野(VTA)からドパミン放出
→ 側坐核でμ-オピオイド産生 → 痛み抑制
A10
1.PD患者は対照と比較し,痛みを感じやすい
2.L-dopaは痛み閾値を正常化する
Brefel-Courbon et al. Mov Disord 2005;20:1557-1563
支持:痛み刺激へのドパミン療法の効果
L-DOPA
痛み...
Hansen et al. Lancet 1972; i; 97
L-dopaによる頭痛の予防効果は否定的
という臨床試験がある
反 論
仮説2.神経変性が頭痛の神経回路を破綻させる
(根拠)
PDの発症で頭痛が改善したという
報告がある
支持:PD発症で片頭痛が改善しうる
Barbanti et al. Cephalalgia 2000;20:720-723
PDの発症により
2/3が寛解・改善
N=66
L-DOPA療法で頭痛の増悪が起こらない
反 論
片頭痛
パーキンソン病
L-DOPA
② なぜPDで片頭痛が多いのか?
仮説
片頭痛はPD発症の危険因子である
片頭痛
パーキンソン病
合併例,PDと片頭痛,どちらが先か?
Barbanti et al. Cephalalgia 2000;20:720-723
合併例 66例
➔ PDに片頭痛を合併するというより,
片頭痛がPDの危険因子ではないか?
片頭痛はPDの発症リスクか?(アイスランド2014)
Scher et al. Neurology 2014;83:1246-1252
片頭痛群
(N=3924)
対照群
(N=430)
調整
オッズ比
PD 2.4% 1.1% 2.52
中年...
Wang et al. Cephalalgia 2016;36:1316-23
片頭痛群
(41019)
対照群
(41019)
ハザード
比
P値
PD
0.36%
(148)
0.25%
(101)
1.64
(1.25-2.14)
P=0...
PD未発症生存率
月
P=0.0041
➔ Yes
片頭痛群
片頭痛群でPDを
発症しやすい
非片頭痛群
片頭痛はPDの発症リスクか?(台湾2016)
Wang et al. Cephalalgia 2016;36:1316-23
なぜ片頭痛患者はPDを発症しやすいか?
仮説
① 基底核の鉄沈着が亢進するため
酸化的ストレスによる神経変性
② ドパミン過敏性があるため
Akerman et al. Cephalalgia 2007; 27: 1308-1314
Kruit...
片頭痛
軽減
PD
神経回路の変性
小括3
酸化的ストレス
ドパミン過敏性
ドパミン療法
軽減
③ 頭痛にドパミンはどう関与するか?
ドパミンが片頭痛の病態に関わる3つの根拠
片頭痛患者は,
① 血小板ドパミン濃度が高い
② ドパミン関連遺伝子多型と関連する
③ 前兆期に,ドパミン過敏症状(受容体
刺激症状)が出現しやすい
Blin et al. Clin Neurophar...
前兆のある片頭痛患者と健常人との比較
片頭痛と以下の遺伝子の多型の関連性あり
Petroutka SJ et al. Neurology 1997; 51: 782-787
Todt U et al. Hum Genet 2009; 125: ...
あくび
ジスキネジア
嘔吐
消化器症状
低血圧
吐き気
気分変調
ドパミン受容体刺激
症状
Peroutka et al. Neurology 1997;45:650-656
片頭痛患者では
ドパミン,DA投与により
過敏症状が出現しやすい
片...
Blau JN. Lancet 1992
ドパミン過敏症状
ドパミン,DAで症状誘発
D2Rアンタゴニストで抑制
前兆期にドパミン過敏症状が出現
片頭痛発作時にドパミン放出は低下している
DaSilva AF et al. Neurology 2017
ラクロプライドPET = D2/D3受容体
発作時線条体における集積 ➔ 内在性ドパミン放出の低下を示唆
DaSilva AF et al. Neurology 2017
ドパミン放出低下が頭痛につながる?
PDを発症しやすい背景にあるのではないか?
ドパミン放出の低下
片頭痛発作時にドパミン放出は低下している
非発作時 発作時
小括4
1. ドパミンが片頭痛の病態に関わっているという
複数の根拠がある.
2. 線条体での内在性ドパミンの放出減少が,
片頭痛発作に関与する可能性がある.
片頭痛
軽減
PD
神経回路の変性
小括4
酸化的ストレス
ドパミン過敏性
ドパミン療法
軽減
ドパミン放出↓
発作
変性疾患の
睡眠障害と
頭痛
1. PDの睡眠障害
2. RLS
3. その他
1. PDの睡眠障害と頭痛
• レストレスレッグス症候群
入眠障害
• 睡眠関連呼吸障害
• 抗パ薬不足(無動)・過剰(ジスキネジア)
• 夜間頻尿,うつ
中途覚醒(メイン)
➔ PDの入眠障害・中途覚醒と頭痛に関する報告なし
不快な感覚
足を動かしたい
夜間に
増悪
運動のよる改善
安静で
増悪
他の疾患,習慣的行為で説明できない
2.レストレスレッグス症候群(RLS)と頭痛
発作の多い片頭痛患者ほどRLSが多い
Lin G-Y et al. J Headache Pian 2016
1ヶ月の
頭痛回数
RLS・片頭痛合併例の検討(獨協医大)
1. 合併例10例 プラミペキソールにて治療
➔ 5例(50%)で片頭痛が改善(後方視的検討)
2. 改善例の4例(80%)は,起床時頭痛だった
➔ 片頭痛の一部は,DAで改善しうる?
RLSと片頭痛の病...
Charbit AR et al. J Pharmacol Exp Ther 2009; 331: 752-763
侵害受容抑制系の障害が共通の病態
ドパミン刺激は侵害受容抑制系を介して頭痛を抑制する?
Blau JN Lancet 1992
D1R. D2Rによる
侵害受容伝達阻害
ドパミン,DAで頭痛軽減
ドパミン過敏症状
ドパミン,DAで症状誘発
D2Rアンタゴニストで抑制
ドパミン過...
3.その他の神経変性疾患の頭痛
1. 脊髄小脳変性症や筋萎縮性側索硬化症では
渉猟した範囲では報告はない.
2. 高度の睡眠関連呼吸障害を呈する多系統
萎縮症で,睡眠時無呼吸性頭痛(ICHD3b)を
ふくむ頭痛を来すか関心がある.
睡眠時無呼吸性頭痛(ICHD3b 10.1.4)
機序
• 繰り返す呼吸イベントによる熟眠障害
• 夜間低酸素血症
• 高炭酸ガス血症に伴う脳血管拡張
• 一過性頭蓋内圧亢進
朝に発現し,通常両側性で,4時間未満の持続
MSAで早朝頭痛が目立っ...
小括5
1. RLSに対するDAが片頭痛を改善したことから
片頭痛における侵害受容抑制系の重要性と
ドパミンの治療応用の可能性が示唆される.
2. 神経変性疾患に合併する睡眠関連呼吸障害
と頭痛の関連は今後の検討が必要である.
結 語
1. PDでは頭痛が少ないが,片頭痛は多い.
2. 片頭痛はPDの危険因子である.
3. ドパミンは片頭痛の病態に関わっている.
4. ドパミンは片頭痛の頭痛期において,頭痛を
抑制し,治療に役立つ可能性がある(仮説.
承認適応外).
謝 辞
獨協医科大学内科学(神経)
平田幸一教授,鈴木圭輔先生
名古屋大学脳とこころの研究センター
渡辺宏久先生
鳥取大学医学部脳神経内科
野村哲志先生
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パーキンソン病の頭痛 ー痛みにおけるドパミンの意義ー

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パーキンソン病(PD)では頭痛が少ないが片頭痛は多いこと,片頭痛はPDの危険因子であること,ドパミンは片頭痛の病態に関わること,ドパミンは片頭痛を抑制し,治療に役立つ可能性があることを議論しました

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パーキンソン病の頭痛 ー痛みにおけるドパミンの意義ー

  1. 1. 新潟大学脳研究所神経内科 下畑 享良 パーキンソン病の頭痛 ー痛みにおけるドパミンの意義ー
  2. 2. • パーキンソン病を除くと,神経変性疾患の 頭痛はほとんど研究がなされていない. • しかし,このテーマは頭痛のメカニズムや 治療にヒントを与える可能性がある. イントロダクション
  3. 3. • 一般のひとと比較して頻度が 多いか?同じか?少ないか? • 頭痛があるとすれば どのタイプか? PDにおける頭痛の疑問
  4. 4. パーキンソン病と頭痛で思い浮かべたもの パーキンソン病 頭 痛 運動症状 非運動症状 ? ドパミン欠乏 ドパミン療法 ??
  5. 5. ドパミンと痛み 痛み → 腹側被蓋野(VTA)からドパミン放出 → 側坐核でμ-オピオイド産生 → 痛み抑制 A10
  6. 6. 運動症状➔頭痛? 左右差のある 緊張型頭痛? 左右差のある 筋強剛・無動
  7. 7. 幻覚・妄想 認知症 便秘症 排尿障害 立ちくらみ 痛み 睡眠障害 うつ・不安 非運動症状➔頭痛?
  8. 8. PDにおける 頭痛の 頻度・特徴 PDにおける 頭痛と ドパミン 変性疾患の 睡眠障害と 頭痛 議論する内容
  9. 9. PDにおける頭痛の頻度
  10. 10. 原著(1817) 原著6名中2名に 頭痛に関する記載 Parkinson J.1817
  11. 11. 原著(1817) → 2名ともなし
  12. 12. 最初の症例集積研究(鳥取大学1982) 1. 54/131名(41%)に頭痛あり(質問票) 2. 部位:後頭部~首筋の痛み 81% 性状:しめつける・ものを被ったような痛み 84% 3. 治療:L-dopaによる頭痛の改善 66% 4. 頭痛と頸部筋強剛の有無は関連なし 西川ら.臨床神経 1982;22:403-408
  13. 13. 2番めの報告(名古屋大学1983) 1. 頻度;25/71名(35%)に頭痛あり(問診) 2. 部位;後頭部~首筋の痛み 75% 性状;鈍痛 64%,拍動性 32% 3. 頸部筋強剛の程度と頭痛の強さに相関なし ➔ 頸部の筋強剛による緊張型頭痛ではない Indo et al.Headache 1983; 23:211-212
  14. 14. 有病率に有意差はないが,むしろ患者群で少なめ Lorenz. Cepharalgia 1989;9:83-86 PD群 (N=223) 対照群 (N=291) P値 最近1年 120 (54%) 175 (60%) 0.18 患者会,対照に頭痛質問票を郵送 3番めの報告(オーストラリア1989)
  15. 15. • 一般人口における頭痛・片頭痛の多さを 考えると,PDにおけるその少なさには驚く • もう一つ驚いたのは・・・ Lorenz. Cephalalgia 1989;9:83-86 著者Lorenzのコメント
  16. 16. 男性PDで(中等~重症)片頭痛が多い! Lorenz. Cephalalgia 1989;9:83-86
  17. 17. 4番めの報告(ブラジル2014) PD群 (N=98) 対照群 (N=98) 調整 オッズ比 P値 最近1年 40 (41%) 68 (69%) 0.5 0.03 Nunes et al. Neuro Sci 2014;35:595-560 電話による問診・ICHD2にて診断 ➔ PDで頭痛は有意に少ない!
  18. 18. 小括1.PDでは頭痛が少ない ⇦ 頭痛・PDの診断基準が不明瞭 ⇨ ⇦ ICHD2 ⇨ ✕ *
  19. 19. PDにおける頭痛の特徴
  20. 20. 頭痛合併PD症例の特徴(イタリア1988) 頭痛あり 9名,なし 8名の比較 PDで頭痛を認める症例は・・・ ① 頸部筋活動の亢進(ジストニア疑い) ② 不安・うつの程度が強い Meco et al. Headache 1988;28:26-29
  21. 21. PD群 (N=98) 対照群 (N=98) 調整 オッズ比 P値 最近1年 40 (41%) 68 (69%) 0.5 0.03 頭痛は運動症状と同側が多い! PD片側発症 25/40名(63%) うち頭痛も同側 21/25名(84%) Nunes et al. Neuro Sci 2014;35:595-560 頭痛合併PD症例の特徴(ブラジル2014)
  22. 22. 片頭痛 26 (65%) 31 (46%) 3.3 0.02 緊張型 12 (30%) 33 (49%) その他 2 (5%) 4 (5%) 頭痛の病型ごとで頻度は異なるか? Nunes et al. Neuro Sci 2014;35:595-560 PD群 (N=98) 対照群 (N=98) 調整 オッズ比 P値 最近1年 40 (41%) 68 (69%) 0.5 0.03 ➔ 片頭痛はPD群で多い!
  23. 23. 薬剤性(ドロキシドパ,アマンタジン)にも留意する 小括2.PDの頭痛の病態は複雑である
  24. 24. PDにおける 頭痛と ドパミン ① なぜPDで頭痛が少ないのか? ② なぜPDで片頭痛が多いのか? ③ 頭痛にドパミンはどう関与するか?
  25. 25. ① なぜPDで頭痛が少ないか? 仮説 1. ドパミン療法が頭痛を予防する 2. 神経変性が頭痛の回路を破綻させる
  26. 26. 仮説1.ドパミン療法が頭痛を予防する (根拠) ドパミン療法は,PD患者の痛み閾値を 正常化するという報告がある
  27. 27. ドパミン補充が痛みを抑制? 痛み → 腹側被蓋野(VTA)からドパミン放出 → 側坐核でμ-オピオイド産生 → 痛み抑制 A10
  28. 28. 1.PD患者は対照と比較し,痛みを感じやすい 2.L-dopaは痛み閾値を正常化する Brefel-Courbon et al. Mov Disord 2005;20:1557-1563 支持:痛み刺激へのドパミン療法の効果 L-DOPA 痛みを感じる冷水温度
  29. 29. Hansen et al. Lancet 1972; i; 97 L-dopaによる頭痛の予防効果は否定的 という臨床試験がある 反 論
  30. 30. 仮説2.神経変性が頭痛の神経回路を破綻させる (根拠) PDの発症で頭痛が改善したという 報告がある
  31. 31. 支持:PD発症で片頭痛が改善しうる Barbanti et al. Cephalalgia 2000;20:720-723 PDの発症により 2/3が寛解・改善 N=66
  32. 32. L-DOPA療法で頭痛の増悪が起こらない 反 論 片頭痛 パーキンソン病 L-DOPA
  33. 33. ② なぜPDで片頭痛が多いのか? 仮説 片頭痛はPD発症の危険因子である 片頭痛 パーキンソン病
  34. 34. 合併例,PDと片頭痛,どちらが先か? Barbanti et al. Cephalalgia 2000;20:720-723 合併例 66例 ➔ PDに片頭痛を合併するというより, 片頭痛がPDの危険因子ではないか?
  35. 35. 片頭痛はPDの発症リスクか?(アイスランド2014) Scher et al. Neurology 2014;83:1246-1252 片頭痛群 (N=3924) 対照群 (N=430) 調整 オッズ比 PD 2.4% 1.1% 2.52 中年期に前兆を伴う片頭痛 ➔ 25年後の評価 ➔ Yes
  36. 36. Wang et al. Cephalalgia 2016;36:1316-23 片頭痛群 (41019) 対照群 (41019) ハザード 比 P値 PD 0.36% (148) 0.25% (101) 1.64 (1.25-2.14) P=0.0004 片頭痛 ➔ 3年後の評価 片頭痛はPDの発症リスクか?(台湾2016)
  37. 37. PD未発症生存率 月 P=0.0041 ➔ Yes 片頭痛群 片頭痛群でPDを 発症しやすい 非片頭痛群 片頭痛はPDの発症リスクか?(台湾2016) Wang et al. Cephalalgia 2016;36:1316-23
  38. 38. なぜ片頭痛患者はPDを発症しやすいか? 仮説 ① 基底核の鉄沈着が亢進するため 酸化的ストレスによる神経変性 ② ドパミン過敏性があるため Akerman et al. Cephalalgia 2007; 27: 1308-1314 Kruit et al. Cephalalgia 2009; 29: 351-359
  39. 39. 片頭痛 軽減 PD 神経回路の変性 小括3 酸化的ストレス ドパミン過敏性 ドパミン療法 軽減
  40. 40. ③ 頭痛にドパミンはどう関与するか?
  41. 41. ドパミンが片頭痛の病態に関わる3つの根拠 片頭痛患者は, ① 血小板ドパミン濃度が高い ② ドパミン関連遺伝子多型と関連する ③ 前兆期に,ドパミン過敏症状(受容体 刺激症状)が出現しやすい Blin et al. Clin Neuropharamaco 1991; 14: 91-95 Petroutka SJ et al. Neurology 1997; 51: 782-787 D’Andrea et al. Headache 2006; 46: 585-591 Todt U et al. Hum Genet 2009; 125: 265-279
  42. 42. 前兆のある片頭痛患者と健常人との比較 片頭痛と以下の遺伝子の多型の関連性あり Petroutka SJ et al. Neurology 1997; 51: 782-787 Todt U et al. Hum Genet 2009; 125: 265-279 DBH ドパミン bヒドロキシラーゼ遺伝子 (ドパミンをノルアドレナリンに水酸化) DRD2 ドパミン D2受容体遺伝子 SLC6A3 ドパミン トランスポーター(DAT)遺伝子 片頭痛とドパミン関連遺伝子多型
  43. 43. あくび ジスキネジア 嘔吐 消化器症状 低血圧 吐き気 気分変調 ドパミン受容体刺激 症状 Peroutka et al. Neurology 1997;45:650-656 片頭痛患者では ドパミン,DA投与により 過敏症状が出現しやすい 片頭痛患者におけるドパミン過敏症状
  44. 44. Blau JN. Lancet 1992 ドパミン過敏症状 ドパミン,DAで症状誘発 D2Rアンタゴニストで抑制 前兆期にドパミン過敏症状が出現
  45. 45. 片頭痛発作時にドパミン放出は低下している DaSilva AF et al. Neurology 2017 ラクロプライドPET = D2/D3受容体 発作時線条体における集積 ➔ 内在性ドパミン放出の低下を示唆
  46. 46. DaSilva AF et al. Neurology 2017 ドパミン放出低下が頭痛につながる? PDを発症しやすい背景にあるのではないか? ドパミン放出の低下 片頭痛発作時にドパミン放出は低下している 非発作時 発作時
  47. 47. 小括4 1. ドパミンが片頭痛の病態に関わっているという 複数の根拠がある. 2. 線条体での内在性ドパミンの放出減少が, 片頭痛発作に関与する可能性がある.
  48. 48. 片頭痛 軽減 PD 神経回路の変性 小括4 酸化的ストレス ドパミン過敏性 ドパミン療法 軽減 ドパミン放出↓ 発作
  49. 49. 変性疾患の 睡眠障害と 頭痛 1. PDの睡眠障害 2. RLS 3. その他
  50. 50. 1. PDの睡眠障害と頭痛 • レストレスレッグス症候群 入眠障害 • 睡眠関連呼吸障害 • 抗パ薬不足(無動)・過剰(ジスキネジア) • 夜間頻尿,うつ 中途覚醒(メイン) ➔ PDの入眠障害・中途覚醒と頭痛に関する報告なし
  51. 51. 不快な感覚 足を動かしたい 夜間に 増悪 運動のよる改善 安静で 増悪 他の疾患,習慣的行為で説明できない 2.レストレスレッグス症候群(RLS)と頭痛
  52. 52. 発作の多い片頭痛患者ほどRLSが多い Lin G-Y et al. J Headache Pian 2016 1ヶ月の 頭痛回数
  53. 53. RLS・片頭痛合併例の検討(獨協医大) 1. 合併例10例 プラミペキソールにて治療 ➔ 5例(50%)で片頭痛が改善(後方視的検討) 2. 改善例の4例(80%)は,起床時頭痛だった ➔ 片頭痛の一部は,DAで改善しうる? RLSと片頭痛の病態の共通点: A11(視床下部後部ドパミン作動性細胞群) Suzuki K et al. Tremor Other Hyperkinet Mov (N Y). 2013 Sep 3;3.
  54. 54. Charbit AR et al. J Pharmacol Exp Ther 2009; 331: 752-763 侵害受容抑制系の障害が共通の病態
  55. 55. ドパミン刺激は侵害受容抑制系を介して頭痛を抑制する? Blau JN Lancet 1992 D1R. D2Rによる 侵害受容伝達阻害 ドパミン,DAで頭痛軽減 ドパミン過敏症状 ドパミン,DAで症状誘発 D2Rアンタゴニストで抑制 ドパミン過敏症状を起こさなければ治療に応用できる?
  56. 56. 3.その他の神経変性疾患の頭痛 1. 脊髄小脳変性症や筋萎縮性側索硬化症では 渉猟した範囲では報告はない. 2. 高度の睡眠関連呼吸障害を呈する多系統 萎縮症で,睡眠時無呼吸性頭痛(ICHD3b)を ふくむ頭痛を来すか関心がある.
  57. 57. 睡眠時無呼吸性頭痛(ICHD3b 10.1.4) 機序 • 繰り返す呼吸イベントによる熟眠障害 • 夜間低酸素血症 • 高炭酸ガス血症に伴う脳血管拡張 • 一過性頭蓋内圧亢進 朝に発現し,通常両側性で,4時間未満の持続 MSAで早朝頭痛が目立ったり,CPAPの導入で 自覚的な改善が得られた経験はほとんどない
  58. 58. 小括5 1. RLSに対するDAが片頭痛を改善したことから 片頭痛における侵害受容抑制系の重要性と ドパミンの治療応用の可能性が示唆される. 2. 神経変性疾患に合併する睡眠関連呼吸障害 と頭痛の関連は今後の検討が必要である.
  59. 59. 結 語 1. PDでは頭痛が少ないが,片頭痛は多い. 2. 片頭痛はPDの危険因子である. 3. ドパミンは片頭痛の病態に関わっている. 4. ドパミンは片頭痛の頭痛期において,頭痛を 抑制し,治療に役立つ可能性がある(仮説. 承認適応外).
  60. 60. 謝 辞 獨協医科大学内科学(神経) 平田幸一教授,鈴木圭輔先生 名古屋大学脳とこころの研究センター 渡辺宏久先生 鳥取大学医学部脳神経内科 野村哲志先生

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