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安楽死と医師介助自殺の問題を
正しく議論するために
岐阜大学脳神経内科
下畑 享良
講義の目標
• ALS患者の嘱託殺人事件をきっかけとして俄に
議論されている安楽死と医師介助自殺を正しく
議論するための基礎知識を理解する.
• 安楽死や医師介助自殺が行われてきた国々が
現在,直面している倫理的問題を理解する.
• 医療者が「死にたい」と訴える患者に対して,
最低限,行うべきことを理解する.
1.用語の確認
安楽死の語源
• euthanasia(ラテン語)を訳したもの.
• もともとは,良き(eu)+ 死(thanatos)の
意味.
• 助かる見込みのない病人を,本人の希望
に従って,肉体的苦痛の少ない方法で,
死に至らせること(古典的安楽死).
用語の定義
(①+②=広義の安楽死)
① 狭義の安楽死
医師が患者に致死薬を注射して患者の生命を終結させること.
② 医師による自死介助
医師が患者に致死薬を処方し,患者が自らそれを服用して
生命を終結させること.
③ 生命維持治療の中止
臨床上の方針として,生命を維持するためのさまざまな治療を
中止すること,あるいは開始しないこと.
では「尊厳死」とは?
-日本だけ用法が異なるー
• 世界では,安楽死と尊厳死は明確に区別されていないが,
日本だけ,尊厳死は安楽死ではないと強調されている.
• これは日本尊厳死協会の方針が,安楽死の合法化を目標と
せず,延命治療を断るリビング・ウィルの普及と「尊厳死」の
法制化を目指しているため.
• 日本での尊厳死の議論は,前ページの③「生命維持治療の
中止,ないし不開始」の問題である.
2.安楽死の現状
-オランダを中心に-
安楽死と医師介助自殺が行われる国々
① 「安楽死」が合法である国
オランダ(世界初:2002年),ベルギー,ルクセンブ
ルグ,カナダ,オーストラリア(ヴィクトリア州)
② 「医師による自死介助」のみ認められている国
米国オレゴン州など8つ州と首都,スイス
オランダにおける安楽死は急増し,
全死亡者の4.4%が安楽死(2017)
• 従来は肉体的苦痛に対して安楽死が行われたが,現代
医療では,ほとんどの肉体的苦痛はコントロール可能で
ある.
• むしろ精神的苦痛や,生きる意味の喪失,自立・自律・
尊厳の喪失,まわりに迷惑と負担をかけたくないなどが
理由になっている.
安楽死を望む理由は
肉体的苦痛から精神的苦痛に大きく変化した!
産経新聞2018.7.22
自己決定
自己決定の背景と影響
• 背景
キリスト教信仰による自殺の抑制効果が薄まり,「自己
決定したい」という思いが強まる.
• 影響
「自己決定」という名のもと,「合理的な解決策 = 対症
療法,緩和ケア,QOL向上」が軽視されるようになった.
オランダ安楽死法の要件のうち
とくに重要な2点
1. 医師が患者の苦痛が永続的で耐え難いもので
あると確信していること.
2. 医師および患者が,患者の病状の合理的な
解決策が他にないことを確信していること.
オランダにおける安楽死の特徴
1. 安楽死は患者の「権利」ではない.死を医師の
管理下に置く「死の医療化」が行われている.
2. 「本人の意思に反した安楽死」=「すべり坂」の
防止のために,徹底的な透明性確保が行われ
ている.
• 安楽死が公共政策化すると,
障害などを抱えた弱い立場に
ある人が,本人の意志に反して
家族や社会の負担とされ,被害
を受ける恐れがあること.
• オランダではこの問題は生じて
いないことが確認されている.
「すべり坂」=本人の意思に反した安楽死
毎日新聞2019年9月8日
もうひとつの問題は
認知症が第3位の原因になっていること!
認知症患者の安楽死は増加し,
かつ早期の段階で行われている
※ 進行後,医師に本人の死ぬ決意を示せなくなくなるため,
初期に行いたいという本人の希望
初期段階が166人
進行期は3人のみ
認知症の老女を家族に頼んで押さえつけ,
致死薬を注射した事例まである
毎日新聞2019年9月12日
かつて安楽死を希望しても,現在は自分が殺されることを
理解できない認知症患者を安楽死できるものなのか?
3.医師介助自殺の現状
physician-assisted suicide (PAS)
赤の地域で PAS が認められている
オレゴン州
オレゴン州:
神経疾患に対するPASはがんについで多い
1. オレゴン州では1998年~2017年に993人が介助
自殺し,がんが78%,神経疾患が10.5%であった.
2. 自殺を望んだ理由は,自律の喪失>人生を楽し
む活動への参加不能>尊厳の喪失>身体機能
のコントロール喪失>家族・友人・介護者への負
担の順に多かった.
スイス:
民間団体による PAS は外国人にも行われる
1. スイスでは特別な法律が制定されていない.
2. 外国人に対しても行われ,自殺ツーリズムと
呼ばれている.
3. 民間団体が活動を行っている(1980年代~).
EXIT, Dignitas, Life circle協会, Eternal spirit財団 など
が,独自にルールを決めて PAS を行う.
スイスにおける介助自殺者は急増し,
がんが42%,ついで神経変性疾患が14%
NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」2019年6月2日
自殺ツーリズムによる
日本人多系統萎縮症患者の PAS
4.ケーガン教授による自殺の考察
神経難病患者の自殺が合理的判断とされるには
少なくとも3つの条件がある.
シェリー・ケーガン教授(65歳)
イエール大学哲学教授
道徳・哲学・倫理の専門家.
「死」をテーマにした授業は,
17年連続で「最高の講義」に
選ばれている.
• 自殺はその後のあらゆる可能性を奪ってしまうが,自らの状況
について明晰に考えた上で,生きる価値のない人生を送る可能
性が圧倒的に大きい場合(図のC-D),合理的な判断となりうる.
• 明晰な考えができない=自殺願望に取り憑かれている可能性.
自殺という選択肢は正当になることもある
死んだほうがましと
言える状態
Y軸は人生の全体
的な価値を示す
(生きていることが
良いか悪いか)
治療法のない神経難病の場合,
いつ自殺の問題を持ち出せるか?
悪化開始点
死んだほうがましと
言える状態
• A点は人生の価値が悪化し始めるポイント.
• C点以降,自殺の問題を持ち出せるが,その条件は,十分な
治療やQOLを高める処置が行なわれることである.
ただし,自殺可能な時期を考慮する必要がある
自殺可能点1
死んだほうがましと
言える状態
• B点は自力で自殺できる最後のタイミングである.
• もしB点で自殺すると,生きる価値のある期間(B-C)を捨て
ることになる.
• しかしB点で自殺しないと,D点まで生きることになる.
→ いずれが良いのか?という判断になる.
自殺可能点2
疾患によって生きる価値のある期間と
死んだほうがましの期間が異なる
自殺可能点1
死んだほうがましと
言える状態
自殺可能点2
• もし自殺可能な最後のタイミングが,B点よりかなり遡って
Q点である場合も,自殺すべきであるか?
• 生きている価値がある長い期間(Q-C)を捨てることになる.
ケーガン教授の考えに則った
神経難病の自殺における議論のポイント
① 自殺願望に取り憑かれ,明晰な考えができない可能性
はないか?
② 治療やQOLを高める処置は十分に行われているか?
またそれをどう判断するか?
③ 自殺可能点のポイントが早すぎるということはないか?
→ 主治医は少なくともこの3点を考える必要がある.
5.安楽死について考えるべきこと
安楽死について考えるべきこと
1. 精神的苦痛は安楽死によってのみ解決されるの
か?
2. 患者の自己決定権はどこまで許されるのか?
3. 不治の病に対し,医療者はどう向き合うべきか?
1.精神的苦痛は安楽死によってのみ
解決されるのか?
• そのようなことはない.
• 医療者は十分な緩和ケアのスキルをもつべきで,今後
神経変性疾患や認知症に対する「神経疾患緩和ケア」
の確立や普及がより重要となる.
• また患者さん側も,病気や同じ病気の患者さんの情報
を学び,病気に対する抵抗性(レジリエンス)を高めるこ
とが必要である.
岐阜新聞2020年7月26日
「もしSNSで,生き生きと暮らす先輩ALS患者との出会い
があったとしたら,結末は変わっていたかもしれません」
→ これは患者さんのみならず医療者にも当てはまる.
車椅子で全国を回り,社会と関わる自身の姿を見せることで,患者や
その家族に生きる勇気と希望を与えた.またそこまではしなくても,
家族の心の支えになっている患者さんに何人も巡り合った.
医師4年目に多くのことを
教えてくださった患者さん,家族
閉じ込め症候群にあっても,その生活に満足し,
QOLを維持し,生きる意欲を持つALS患者さんがいる
Neurology. 2019 Sep 3;93(10):e938-e945
現代は個人の自己決定権が絶対
視され,社会的,文化的文脈が軽
視・無視され,患者の家族や医療
者などと患者の関係など,関係の
なかの医療という視点がない
(個人の自律は関係性によって
支えられていることを認識すべき)
2.患者の自己決定権はどこまで許されるのか?
医療社会学の第一人者
自己決定権だけが尊重されるわけではない
(臨床倫理では考えるべき4つの原則がある)
⇐ これだけではない
3.不治の病に医療者はどう向き合うべきか?
緒方洪庵は,ドイツ人医師 C. W.
フーフェランド(1762-1836)が
書いた医師の心得を『扶氏医戒
乃略』として日本語訳し,その
精神を我が物にしようとした.
扶氏医戒之略
不治の病気であっても,その病苦
を和らげ,その生命を保つように
することは医師の務めである.
それを放置して顧みないことは
人道に反する.たとえ救うことが
できなくても,患者を慰めることを
仁術という.
医は仁術なり
• ただ治療するばかりでなく,
不治の病の場合でも生命を
保持し苦痛を緩和することが
医師の義務であり,また大き
な功徳でもある.
• たとえ救うことができなくても
慰めることができる.慈愛に
あふれたこのような医師の
態度は立派な善行である.
C.W.フーフェランドがいう
医療者の義務,功徳とは・・・
その行為が幸福をもたらすか不幸を招
くか,価値があるかないか,そういった
事は医師の関知するところではない.
一度医師が僭越にもそういうことを考え
た上で仕事を始めるならば,そこから
生じる悪い結果は計り知れないものが
あり,医師は国家の最も危険な人物と
なるであろう.・・・・人の生命に関して,
それが価値がないとか役に立たないと
いった評価をするようになるからである
フーフェランドによる
「すべり坂(闇の安楽死)」の予言
「死なせて」という言葉を、ケアする側は、真に受けない事が大事です。人間は強い時も
あれば、弱い時もある。弱い方に大きくぶれないようにすることがケアの役目です。基本
的に傾聴がいい。「どうしてそう思うのか」「何が一番つらいのか」。思う存分、考えを聞
いて下さい。打ち明けない場合は別の機会を見つけて。
もし医師が「あなたは治りません。どんどん進行します」と絶望的なことだけ告知し、冷た
く突き放せば、患者さんは真っ暗な底なし沼に突き落とされてしまう。でも残念ながら、そ
んな医師がいることも確かです。医療だけで手に負えないことも、さまざまな職種の協力
を得て、社会資源を使って支援ができることを知ってほしい。
まとめ
1. 安楽死やPASは「自己決定権」を根拠として行われ
るが,無条件で正当化されるものではない.
2. 生き生きと暮らす患者さんがいることや,そして
そのための医療,テクノロジー,支援制度について
患者さんに伝えられることが医療者に求められる.

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