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GRADEアプローチによる
診療ガイドラインの
作成手順の概要
プロフェッショナルの責任を持って、「病気に
向き合う医療者、患者・家族を力づけ、励ます
情報源」を作成するという覚悟が必要。
(京都大学 中山健夫先生:改変)
診療ガイドラインの定義の前に!
第1部
定義と重要ポイント
診療ガイドラインの定義は?
「日米の防衛に関するガイドライン」などとの用語の混乱も多い。
「診療ガイドライン: Clinical Practice Guideline 」という
用語は、明確な定義がある。
EBMのサイクルに従って作成するという定義が主流となっている
Step 1・Ask
臨床の質問ごとに
Step 2・Acquire
エビデンスを探し
Step 3・Appraise
エビデンスを
まとめ、評価し
Step 4・Apply
患者の価値観などとの
バランスを共有
Step 5・Assess
評価
米国アカデミー医学研究所(Institute of Medicine of the National
Academies:IOM)による診療ガイドラインの定義
「診療ガイドライン」は、「エビデンス」の「システマティックレビュー」と「複数
の治療選択肢」の「利益と害の評価」に基づいて「患者ケアを最適化」
するための「推奨」を含む文書である。
この定義に厳密に従っている診療ガイドラインは、質が高く、信頼できる
と考えられる
この定義に厳密に従っている診療ガイドラインの作成方法が、
GRADEアプローチである
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2015
質の担保として、世界で最も採用されているルール
世界的に、EBMや診療ガイドラインで活躍の先生たちが集まり、
ボランティアで作成方法を議論し統一見を提示したもの。
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2015
ついに、2015年、JRCの蘇生のガイドラインも参加!
2016年、Mindsも一部利用から、積極的利用へ
質の担保として、世界で最も採用されているルール
GRADEシステムを利用したと言えるための最小限の基準
1. エビデンスの確実性(エビデンスの確実性)は、GRADE Working Groupが採用する2つの定義
(ガイドラインまたはシステマティック・レビュー)により、一貫して定義すべきである。
2. エビデンスの確実性の評価のための8つのGRADE基準(risk of bias/研究の限界、エビデンスの非
直接性、結果の非一貫性と不精確さ、出版バイアスのリスク、効果の大きさ、用量反応勾配、ありそう
な残余交絡・相反バイアスantagonist bias)の影響)を、明確に記述すべきである。
3. 各重要なアウトカムのエビデンスの確実性を、4段階「高」、「中」、「低」、「非常に低」にて、 GRADE
Working Groupが採用する定義に合致した各段階の定義に基づき、評価ならびに等級すべきである。
4. エビデンステーブルあるいはエビデンスを詳細に解説した要約の中で、上述のポイント2の要因に関する
判断を透明性の高い形で説明し、これを、エビデンスの確実性と推奨の強さの判断基準とすべきである。
少なくとも、評価されたエビデンス、ならびにそのエビデンスの同定や評価に使用した手法を明確に記述
すべきである。
5. 推奨の強さを決定するための4つのGRADE基準(望ましい帰結と望ましくない帰結のバランス、エビデ
ンスの確実性、影響を受ける人の価値観と好み、資源の利用)について明確に考慮し、一般的アプ
ローチを報告すべきである。
6. 特定の治療選択肢に対する肯定的または否定的な推奨の強さは、2つのカテゴリ(弱い、強い)で示
すべきであり、各カクテゴリの定義と解釈は、 GRADE Working Groupの定義に合致すべきである。
7. 理想的には推奨の強さに関する判断をわかりやすく報告すべきである。
GRADEシステムを利用したと言えるための最小限の基準
1. エビデンスの確実性(エビデンスの確実性)は、GRADE Working Groupが採用する2つの定義
(ガイドラインまたはシステマティック・レビュー)により、一貫して定義すべきである。
2. エビデンスの確実性の評価のための8つのGRADE基準(risk of bias/研究の限界、エビデンスの非
直接性、結果の非一貫性と不精確さ、出版バイアスのリスク、効果の大きさ、用量反応勾配、ありそう
な残余交絡・相反バイアスantagonist bias)の影響)を、明確に記述すべきである。
3. 各重要なアウトカムのエビデンスの確実性を、4段階「高」、「中」、「低」、「非常に低」にて、 GRADE
Working Groupが採用する定義に合致した各段階の定義に基づき、評価ならびに等級すべきである。
4. エビデンステーブルあるいはエビデンスを詳細に解説した要約の中で、上述のポイント2の要因に関する
判断を透明性の高い形で説明し、これを、エビデンスの確実性と推奨の強さの判断基準とすべきである。
少なくとも、評価されたエビデンス、ならびにそのエビデンスの同定や評価に使用した手法を明確に記述
すべきである。
5. 推奨の強さを決定するための4つのGRADE基準(望ましい帰結と望ましくない帰結のバランス、エビデ
ンスの確実性、影響を受ける人の価値観と好み、資源の利用)について明確に考慮し、一般的アプ
ローチを報告すべきである。
6. 特定の治療選択肢に対する肯定的または否定的な推奨の強さは、2つのカテゴリ(弱い、強い)で示
すべきであり、各カクテゴリの定義と解釈は、 GRADE Working Groupの定義に合致すべきである。
7. 理想的には推奨の強さに関する判断をわかりやすく報告すべきである。
文章、難しいが、委員会の
一部の方がチェックするだけ
で、全員が知る必要はな
いので安心して。
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
重大
重要
重大
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
Evidence Profile
RCTは「高」から、観察研究は「低」から開始し、エビデンスを確実性の程度で紐付きにする
1.研究の限界(risk of bias)
2.非一貫性(inconsistency)
3.非直接性(indirectness)
4.不精確さ(imprecision)
5.出版バイアス(publication bias)
グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因
1.大きな効果(large magnitude)
2.用量反応(dose response
gradient)
3.交絡因子(confounders)
アウトカムごとに集めた各研究
のrisk of biasを評価
高(High)/中(Moderate)/低(Low)/非常に低(Very low)
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
Risk of bias summary
Risk of bias graph
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
Summary of Findings(SoF)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
下記の表・
図の証拠の
提示が必須
/効果推定
値の確実性
が強い・弱
いと独断で
判断するも
のではない
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
Evidence-to-Decisionテーブル
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
重大
重要
重大
Evidence Profile
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
RCTは「高」から、観察研究は「低」から開始し、エビデンスを確実性の程度で紐付きにする
1.研究の限界(risk of bias)
2.非一貫性(inconsistency)
3.非直接性(indirectness)
4.不精確さ(imprecision)
5.出版バイアス(publication bias)
グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因
1.大きな効果(large magnitude)
2.用量反応(dose response
gradient)
3.交絡因子(confounders)
アウトカムごとに集めた各研究
のrisk of biasを評価
高(High)/中(Moderate)/低(Low)/非常に低(Very low)
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
Risk of bias summary
Risk of bias graph
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
Summary of Findings(SoF)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
下記の表・
図の証拠の
提示が必須
/効果推定
値の確実性
が強い・弱
いと独断で
判断するも
のではない
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
Evidence-to-Decisionテーブル
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
たった1枚の絵で
説明できるほど、ま
とまっているのか!
ポイント1
システマティックレビューなど資料作成グループと、
推奨文決定のための
診療ガイドラインパネル会議グループを、
明確に分けて考える
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
たったこれだけで、理解・実践が容易になります
システマティックレビュー作成 Evidence Profile
Summary of Findings(SoF)
診療ガイドライン作成
必ず、診療ガイドラインパネル会
議による合意形成が必要
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
資料作成
ポイント2
診療ガイドラインのエビデンスは、
body of evidence
の資料に基づく。
ポイント2
ガイドラインのエビデンスは、
body of evidence
の資料に基づく。
必ず覚えて!
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
腹臥位管理は、病態生理学的に呼吸メカニクス・
酸素化・血行動態の改善・人工呼吸関連肺傷害の防
止などの効果が期待されている。よって、ARDS に
対する治療として有効な可能性がある。
しかし、過去に多くのランダム化比較試験と、そ
れらのメタ分析が行われてきたが、結果は一貫して
いないので、臨床的な効果については議論の余地が
ある。腹臥位管理は、特別な設備を必要とせず実施
可能な治療法であることより、その有効性について
検討することは優先度が高いと考えられた。
CQ:成人ARDS 患者において、腹臥位管理を
行うべきか
https://www.youtube.com/watch?v=E_6jT9R7WJs
EBMに基づくARDSガイドライン
エビデンスのレベル 内容
Ia RCTのメタアナリシス
Ib RCT
IIa 良くデザインされた比較研究
IIb 良くデザインされた準実験的研究
III 良くデザインされた非実験的記述研究
IV 専門家の報告・意見・経験
推奨グレード
A 行うよう強く勧められる Iaまたは少なくとも1つ以上のレベルIbの結果
B 行うよう勧められる 1つ以上のレベルIIの結果
C1 行うことを考慮しても良いか、十分な科学的根拠がない
C2 科学的根拠がないので、勧められない
D 行わないよう勧められる
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez
2008
40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
2009年の研究では腹臥位のチューブトラブルが有意*に多い
これだけを採
用すると
推奨グレードを決定して、解説を書こう!
推奨グレード 単なる研究デザインのみでのレベル
A 行うよう強く勧められる Iaまたは少なくとも1つ以上のレベルIbの結果
B 行うよう勧められる 1つ以上のレベルIIの結果
C1 行うことを考慮しても良いか、十分な科学的根拠がない
C2 科学的根拠がないので、勧められない
D 行わないよう勧められる
RCTのエビデンスレ
ベルIbがあるので、
推奨グレードB
推奨:腹臥位管理を推奨しない
(推奨グレードB)。
解説:Taccone 2009らによると、腹臥
位管理は、チューブトラブルが統計学的
有意差をもって、2倍も多いエビデンスが
存在する(エビデンスレベルIb)。
EBMに基づくARDSガイドライン
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez
2008
40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
2013年の研究では腹臥位の死亡者数が有意*に少ない
これだけを採
用すると
推奨グレードを決定して、解説を書こう!
推奨グレード 単なる研究デザインのみでのレベル
A 行うよう強く勧められる Iaまたは少なくとも1つ以上のレベルIbの結果
B 行うよう勧められる 1つ以上のレベルIIの結果
C1 行うことを考慮しても良いか、十分な科学的根拠がない
C2 科学的根拠がないので、勧められない
D 行わないよう勧められる
RCTのエビデンスレ
ベルIbがあるので、
推奨グレードB
推奨:腹臥位管理を推奨する
(推奨グレードB)。
解説:Guerin 2013らによると、腹臥位
管理は、死亡者数が統計学的有意差を
もって、少ないとするエビデンスが存在
する(エビデンスレベルIb)。
EBMに基づくARDSガイドライン
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez
2008
40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
チューブトラブル、実は、6論文中有意差があるのは1つのみだけど・・・
腹臥位を、
推奨しない
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez
2008
40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
腹臥位を、
推奨する
死亡者数、実は、8論文中有意差があるのは1つのみだけど・・・
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez
2008
40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
都合の良い論文と都合のよいアウトカムのみを強調して解説しない
都合の
良い解説
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez
2008
40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
だったら、まとめたメタ分析でもチューブトラブルは、腹臥位群のが多いが
腹臥位を、
推奨しない
有意差まではないが、1.3倍多い
推奨グレードを決定して、解説を書こう!
推奨グレード 単なる研究デザインのみでのレベル
A 行うよう強く勧められる Iaまたは少なくとも1つ以上のレベルIbの結果
B 行うよう勧められる 1つ以上のレベルIIの結果
C1 行うことを考慮しても良いか、十分な科学的根拠がない
C2 科学的根拠がないので、勧められない
D 行わないよう勧められる
システマティックレ
ビューのエビデンス
レベルIaがあるので、
推奨グレードA
推奨:腹臥位管理を推奨しない
(推奨グレードA)。
解説:メタ分析よると、腹臥位管理は、
チューブトラブルが多い傾向があり、推
奨できないとのコンセンサスを得た(エ
ビデンスレベルIa)。
EBMに基づくARDSガイドライン
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez
2008
40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
腹臥位を、
推奨する
だったら、まとめたメタ分析では、死亡者数は、腹臥位群が良いので
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez
2008
40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
メタ分析の結果であっても、都合の良い解説をしない
さらに、推奨グレードBと言うが・・・
推奨グレード 単なる研究デザインのみでのレベル
A 行うよう強く勧められる Iaまたは少なくとも1つ以上のレベルIbの結果
B 行うよう勧められる 1つ以上のレベルIIの結果
C1 行うことを考慮しても良いか、十分な科学的根拠がない
C2 科学的根拠がないので、勧められない
D 行わないよう勧められる
RCTのエビデンスレ
ベルIbがあるので、
推奨グレードB
Haynes RB, BMJ
2002;324:1350
想定する読者である
医療者の臨床経験
エビデンスの確実性の程度
利益 と害のバランス
患者の価値と好み
資源・コスト
医療判断は、EBMの4つの輪で決定するの
を知っているはずなのに・・・
Haynes RB, BMJ
2002;324:1350
なぜ、診療ガイドラインでは、
研究デザインで推奨(すなわち医療判断)を決めるの?
推奨グレード 単なる研究デザインのみでのレベル
A 行うよう強く勧められる Iaまたは少なくとも1つ以上のレベルIbの結果
B 行うよう勧められる 1つ以上のレベルIIの結果
C1 行うことを考慮しても良いか、十分な科学的根拠がない
C2 科学的根拠がないので、勧められない
D 行わないよう勧められる
よくある
例ですね
医療者の臨床経験
エビデンスの確実性の程度
利益 と害のバランス
患者の価値と好み
資源・コスト
診療ガイドラインの推奨は、
研究デザインや利益のエビデンスだけで決定しない
研究デザイン
↓
Risk of biasの検討
確実性の5+3
要因の検討
推奨グレード 単なる研究デザインのみでのレベル
A 行うよう強く勧められる Iaまたは少なくとも1つ以上のレベルIbの結果
B 行うよう勧められる 1つ以上のレベルIIの結果
C1 行うことを考慮しても良いか、十分な科学的根拠がない
C2 科学的根拠がないので、勧められない
D 行わないよう勧められる
害のエビデンスも含めたbody of evidenceとすべての要因で決定
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
重大
重要
重大
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
Evidence Profile
RCTは「高」から、観察研究は「低」から開始し、エビデンスを確実性の程度で紐付きにする
1.研究の限界(risk of bias)
2.非一貫性(inconsistency)
3.非直接性(indirectness)
4.不精確さ(imprecision)
5.出版バイアス(publication bias)
グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因
1.大きな効果(large magnitude)
2.用量反応(dose response
gradient)
3.交絡因子(confounders)
アウトカムごとに集めた各研究
のrisk of biasを評価
高(High)/中(Moderate)/低(Low)/非常に低(Very low)
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
Risk of bias summary
Risk of bias graph
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
Summary of Findings(SoF)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
下記の表・
図の証拠の
提示が必須
/効果推定
値の確実性
が強い・弱
いと独断で
判断するも
のではない
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
Evidence-to-Decisionテーブル
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
エビデンスを個々の論文・アウトカムでなく、
body of evidenceとして捉え、EBMの4つの輪で考える
エビデンスに基づくと称して、都合の良い論文の都合の良いアウトカム(結果)を恣意的に選んでないか?
必ず覚えて!
body of evidence
の概念を。
GRADEアプローチの流れの理解
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
締め切り日を決めて、スケジュールを逆算する
システマティックレビュー作成 Evidence Profile
Summary of Findings(SoF)
資料作成
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 採用
Fernandez
2008
40 7.4% 採用 採用
Gattinoni 2001 304 13.8% 採用 採用
Guerin 2004 791 21.4% 採用
Guerin 2013 466 16.0% 採用 採用
Mancebo 2006 136 16.5% 採用 採用
Taccone 2009 342 17.3% 採用 採用
Voggenreiter
2005
40 1.0% 採用 採用
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
アウトカムごとに集めた各研究の
risk of biasを評価
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
チューブトラブル
のアウトカム
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
Beuret 2002
Fernandez 2008
Gattinoni 2001
Guerin 2004
Guerin 2013
Mancebo 2006
Taccone 2009
Voggenreiter 2005 1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
死亡のアウトカム
Beuret 2002
Fernandez 2008
Gattinoni 2001
Guerin 2004
Guerin 2013
Mancebo 2006
Taccone 2009
Voggenreiter 2005
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez
2008
40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
しばらく、死亡のアウトカムのみで説明
アウトカムに
よって、
論文が異なる
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
アウトカムごとに集めた各研究の
risk of biasを評価
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
死亡のアウトカム
Risk of bias graph
Risk of bias summary
高(High)/中(Moderate)/低(Low)/非常に低(Very low)
Summary of Findings(SoF)
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
重大
重要
重大
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
Evidence Profile
RCTは「高」から、観察研究は「低」から開始し、エビデンスを確実性の程度で紐付きにする
1.研究の限界(risk of bias)
2.非一貫性(inconsistency)
3.非直接性(indirectness)
4.不精確さ(imprecision)
5.出版バイアス(publication bias)
グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因
1.大きな効果(large magnitude)
2.用量反応(dose response
gradient)
3.交絡因子(confounders)
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
下記の表・
図の証拠の
提示が必須
/効果推定
値の確実性
が強い・弱
いと独断で
判断するも
のではない
Evidence-to-Decisionテーブル
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
Risk of bias summary
Risk of bias graph
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
アウトカムごとに集めた各研究
のrisk of biasを評価
後に、死亡のアウトカムの8論文のrisk
of biasをまとめて1つの判定をします
limitation
Summary of Findings(SoF)
高(High)/中(Moderate)/低(Low)/非常に低(Very low)
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
重大
重要
重大
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
Evidence Profile
RCTは「高」から、観察研究は「低」から開始し、エビデンスを確実性の程度で紐付きにする
1.研究の限界(risk of bias)
2.非一貫性(inconsistency)
3.非直接性(indirectness)
4.不精確さ(imprecision)
5.出版バイアス(publication bias)
グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因
1.大きな効果(large magnitude)
2.用量反応(dose response
gradient)
3.交絡因子(confounders)
アウトカムごとに集めた各研究
のrisk of biasを評価
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
Risk of bias summary
Risk of bias graph
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
下記の表・
図の証拠の
提示が必須
/効果推定
値の確実性
が強い・弱
いと独断で
判断するも
のではない
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
Evidence-to-Decisionテーブル
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究
全般のバイアスのリスク(RoB)を評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹臥
位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez 2008 40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
8個の研究の平均値=0.72
論文1 症例数 改善数 %
A治療 160 48 30
B治療 20 4 20
論文2 症例数 改善数 %
A治療 40 24 60
B治療 80 40 50
統合 症例数 改善数 %
A治療 200 72 36
B治療 100 44 44
単純に複数の結果を合計するだけでは、結果の方向が変わっ
てしまうシンプソンのパラドックスを知っていますか?
よって、症例数とイベント数などを考慮して、
各論文に重み付けを行って計算する。
メタ分析・meta-analysis
という統計手法を用いて、
統合した値(効果推定値)を算出する。
μ1-μ2
δ
メタ分析=0.77
μ1-μ2
δ
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹臥
位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez 2008 40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
まとめた値は、たった一点のみなの?
メタ分析=0.77
http://www.jma.go.jp/
突然台風がきたら、中心が予報円に入る確率はおよそ70%
よかった、
線上に家が
ない
みなさんも真ん中の線を通らない可能性と、
線の周囲への影響を充分に考えるはず
さらに、自宅だけでなく、その生活範囲との関係を考えるはず
しかし・・・
有名論文では、0.77倍になって
いました。
その信頼区間0.62-0.96でし
た。
統計学的有意差がありました。
有名論文では、0.77倍になって
いました。
その信頼区間0.62-0.96でし
た。
統計学的有意差がありました。ほ~、0.77倍なのか~?
有名論文では、0.77倍になって
いました。
その信頼区間0.62-0.96でし
た。
統計学的有意差がありました。ほ~、有意差があるのか~?
有名論文では、0.77倍になって
いました。
その信頼区間0.62-0.96でし
た。
統計学的有意差がありました。
ほ~、0.62-0.96の幅を持っ
た値で下がるのか~?
ほ~、0.77倍なのか~?
多くの方が、
こちらで考え
る。
有名論文では、0.77倍になって
いました。
その信頼区間0.62-0.96でし
た。
統計学的有意差がありました。
ほ~、0.62-0.96の幅を持っ
た値で下がるのか~?
ほ~、0.77倍なのか~?
中心の値のみ
で考えるより、
幅で考えた方
が望ましい。
「95%信頼区間を100回得た
ならば、そのうち95回はその間に
母平均が入っている」
という幅であり、0・1をまたいで
ないと、統計学的有意差がある。
http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/sensei/mnaka/ut/confidenceinterval.html
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat01/stat0104.html
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11137052366
http://lbm.ab.a.u-tokyo.ac.jp/~omori/meiji2/sec4/sec4.html
この幅を95%信頼区間と呼びます
有名論文では、0.77倍になって
いました。
その信頼区間0.62-0.96でし
た。
統計学的有意差がありました。
多くの方が、
こちらで考え
る。
ほ~、有意差があるのか~?
ほ~、臨床的には、0.8倍ない
といけないので、0.62-0.96
に含まれているのか~?
有名論文では、0.77倍になって
いました。
その信頼区間0.62-0.96でし
た。
統計学的有意差がありました。
ほ~、有意差があるのか~?
ほ~、臨床的には、0.8倍ない
といけないので、0.62-0.96
に含まれているのか~?
統計学的有
意差でなく、臨
床の閾値で考
える。
重大なアウトカム
(死亡など)
0.8(仮に)
統計学的有意差でなく、臨床の閾値で考える
臨床で有用な閾値
1
0.63 ~ 0.96
95%信頼区間が1を
またいでないので統
計学的有意差あり
95%信頼区間が、臨
床の閾値0.8をまた
いでいるので、臨床
的な意味が少ない
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹臥
位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 0.61
Fernandez 2008 40 7.4% 0.72 0.90
Gattinoni 2001 304 13.8% 0.94 0.80
Guerin 2004 791 21.4% 1.03
Guerin 2013 466 16.0% 0.49* 1.20
Mancebo 2006 136 16.5% 0.74 4.74
Taccone 2009 342 17.3% 0.94 2.33*
Voggenreiter
2005
40 1.0% 0.30 0.90
メタ分析の結果:0.62-0.96
このメタ分析の結果を見やすいグラフにするのが、フォレストプロット
高(High)/中(Moderate)/低(Low)/非常に低(Very low)
Summary of Findings(SoF)
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
重大
重要
重大
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
Evidence Profile
RCTは「高」から、観察研究は「低」から開始し、エビデンスを確実性の程度で紐付きにする
1.研究の限界(risk of bias)
2.非一貫性(inconsistency)
3.非直接性(indirectness)
4.不精確さ(imprecision)
5.出版バイアス(publication bias)
グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因
1.大きな効果(large magnitude)
2.用量反応(dose response
gradient)
3.交絡因子(confounders)
アウトカムごとに集めた各研究
のrisk of biasを評価
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
下記の表・
図の証拠の
提示が必須
/効果推定
値の確実性
が強い・弱
いと独断で
判断するも
のではない
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
Evidence-to-Decisionテーブル
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
Risk of bias summary
Risk of bias graph
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
数字だけを、一人歩きさせると、
メタ分析の結果 0.62-0.96
間違った使われ方をする可能性が・・・
メタ分析の結果
Eric.Parker Metro - DSCN8782 ep
0.62~
0.96
0.62-0.96の95%信頼区間の数字は、
真の値に対して、どの程度の確実性があるか?
たとえば、バイアスのリスク(risk of bias)が少ない研究でも、
結果がばらついたら・・・
真の値に対する確実性の程度が大きいは?
1.0
メタ分析:0.62-0.96
1.0
メタ分析:0.62-0.96
もし、そのアウトカムの結果を構成する、いろいろな論文にバイ
アスが多く存在していたら・・・、
もし、論文間で、結果が異なっていれば・・・、
もし、最初に想定した臨床の疑問の患者層と、選択した論文の
患者層が異なっていれば・・・、
もし、症例数の小さな、あまり精確でないデータを、メタ分析と称
して、集めて症例数が大きくなって有意差がでただけだった
ら・・・、
もし、有意差がなかったからと報告されなかった論文や、都合が
悪いので論文に書かなかったアウトカムが、たくさんありそうな
状況だったら・・・、
いろいろな議論をへて、5つの要因をチェックして、
エビデンスの確実性 (certainty of the evidence)
という4段階(高・中・低・非常に低)の判定をおこう
高 A
中 B
低 C
非常に低 D
ランダム化比較試験であっても、
エビデンスの確実性が低いことがある
研究の限界
(limitation, risk of bias)
非一貫性
(inconsistency)
非直接性
(indirectness)
不精確さ
(imprecision)
出版バイアス
(publication_bias)
グレードダウン5要因
研究の限界
(limitation,
risk of bias)
もし、そのアウトカムの結果を構成する、いろいろ
な論文にバイアスが多く存在していたら・・・、
非一貫性
(inconsistency)
もし、論文間で、結果が異なっていれば・・・、
非直接性
(indirectness)
もし、最初に想定した臨床の疑問の患者層と、選
択した論文の患者層が異なっていれば・・・、
不精確さ
(imprecision)
もし、症例数の小さな、あまり精確でないデータを、
メタ分析と称して、集めて症例数が大きくなって有
意差がでただけだったら・・・、
出版バイアス
(publication_bias)
もし、有意差がなかったからと報告されなかった論
文や、都合が悪いので論文に書かなかったアウト
カムが、たくさんありそうな状況だったら・・・、
エビデンスプロファイルを作成
しながら、確実性を判定する
グレードダウン5要因
8
チェックリストをまとめ、GDTに入力
・点推定値が研究間で異なり、その相違がかなり大きい。
・各信頼区間の重なりが、ほとんどまたは全くない。
・結果の方向が一定ではない。
・研究間のバラツキの割合(I2)が高い(I2>60%:高い、40-60%:中等度、
<40%:低い)。
・統計学的な異質性検定で有意(例 p<0.05)
例:非一貫性 (inconsistency)
詳細な基準は、相原先生の教科書で
まず研究デザインを入力
ランダム化比較試験
死亡のアウトカム
研究の限界 (limitation, risk of bias)
研究の限界(risk of bias) (各論文の重み付けも考えるため右の判定
は参考<追加>・どのドメインが、もっともエビデンスの確実性に影響
するかも考えること<追加>)
・ランダム化割り付けが行われていない<追加>
・割り付けの隠蔽がない
・盲検化されていない(患者・医師<追加>)
・盲検化されていない(アウトカム評価者・解析者)<追加>
・患者やアウトカムイベントの不完全な検討
・選択的アウトカム報告バイアス
・その他の限界
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
死亡のアウトカム
研究の限界 (limitation, risk of bias)
limitation
注意:まだ、この段階では、risk of biasのみで、
エビデンスの確実性が決まっていません。
注意:論文・ドメインは、同じ重みで評価しません。
死亡のアウトカム
研究の限界 (limitation, risk of bias)
研究の限界(risk of bias) (各論文の重み付けも考えるため右の判定
は参考<追加>・どのドメインが、もっともエビデンスの確実性に影響
するかも考えること<追加>)
・ランダム化割り付けが行われていない<追加>
・割り付けの隠蔽がない
・盲検化されていない(患者・医師<追加>)
・盲検化されていない(アウトカム評価者・解析者)<追加>
・患者やアウトカムイベントの不完全な検討
・選択的アウトカム報告バイアス
・その他の限界
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
死亡のアウトカム
非一貫性 (inconsistency)
データの非一貫性
・点推定値が研究間で異なり、その相違がかなり大きい。
・各信頼区間の重なりが、ほとんどまたは全くない。
・結果の方向が一定ではない。
・研究間のバラツキの割合(I2)が高い(I2>60%:高い、
40-60%:中等度、<40%:低い)。
・統計学的な異質性検定で有意(例 p<0.05)
死亡のアウトカム
非一貫性 (inconsistency)
死亡のアウトカム
非直接性(indirectness)
P 対象: 成人ARDS 患者
I 介入: 腹臥位管理
C 比較: 仰臥位管理
O:死亡など
論文のPICO Beuret 2002
Fernandez 2008
Gattinoni 2001
Guerin 2004
Guerin 2013
Mancebo 2006
Taccone 2009
Voggenreiter 2005
エビデンスの非直接性(PICOのすべてが均一で影響するのではない、どの要因
がエビデンスの確実性に影響するか考えて判定すること<追加>)
・対象集団や患者が、われわれが関心のあるものと違う(集団間の差異)。
・介入が、われわれが関心のあるものと違う(介入の差異)。
・アウトカムが、われわれが関心のあるものと違う(アウトカム指標の差異)。
・アウトカムの期間が違う(time frame)。
・間接的な比較による結論(間接比較)。
CQのPICO
死亡のアウトカム
非直接性(indirectness)
CQのPICO
P 対象: 成人ARDS 患者
I 介入: 腹臥位管理
C 比較: 仰臥位管理
O:死亡など
論文のPICO
Beuret 2002
Fernandez 2008
Gattinoni 2001
Guerin 2004
Guerin 2013
Mancebo 2006
Taccone 2009
Voggenreiter 2005
死亡のアウトカム
不精確さ (imprecision)
データの不精確さ(システマティックレビューと診療ガイドラインの
場合で定義が異なる<追加>)
・95%信頼区間に、「効果なし」と、「相当の利益」または
「相当の害」が含まれている。
・上記の閾値をまたがない場合は、総イベント数が300~400、
総サンプルサイズが3000~4000を超えれば、ほぼ精確とい
える。そうでない場合、最適情報量を使って検討する。
死亡のアウトカム
不精確さ (imprecision)
死亡のアウトカム
出版バイアス(publication_bias)
出版バイアス・その他<追加>
・小規模研究によってより大きな効果が示されている。
・ファンネルプロットの目視評価あるいは統計学的解析によ
り・非対称性がある。
・組み込まれた多くの研究が企業からの資金提供を受けている。
・発表された試験と未発表の試験との間に結果の乖離がある。
・経時的に効果サイズが変化している。
・その他<追加>
死亡のアウトカム
出版バイアス(publication_bias)
死亡のアウトカム
グレードアップ3要因
効果の程度が大きい 交絡因子 用量反応勾配
そのアウトカムにおける
エビデンスの確実性の判定
高 中 低 非常に低い
そのアウトカムにおけるエビデンスの確実性の判定
高 中 低 非常に低い
これで一人歩きしない
エビデンスの確実性
メタ分析の結果 0.62-0.96
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
これらの要因の一覧を横に並べて、表にしたのが、エビデンスプロファイルと呼
び、メタ分析の結果とエビデンスの確実性(エビデンス質)のみを紐付きに
して、抜粋したのが、SoF表と呼ぶ
エビデンスの確実性
エビデンスプロファイルは、コクランレビューだけでなく、他のシステマ
ティックレビューでも記載されるようになってきている
エビデンスの確実性
Ann Intern Med. 2015;162:276-286.
これは、エビデンスレベルというのではないの?
エビデンスの確実性
• 試験間での不一致、または絶対的な効果量がきわめて小さいと、レベルは試験の
質、不正確さ、間接性(試験のPICOが質問のPICOに合致していない)に基
づいて下がることがある。効果量が大きいか、または極めて大きい場合には、レベル
は上がることがある。
←こんなところに・・・
5要因と同じ
ことが書かれ
ている
本来は、 「エビデンスレベル」 と「エビデンスの確実性」は同じ
概念であったが間違って使われることが多い。
たとえば、1つの研究のみで決定できない
「エビデンスレベル」という用語を、個々の論文の後ろに「エビデ
ンスレベル」 と書いていたら、 作成方法を誤解していると判断
してよい。
これは、世界でも誤解されている。そこで、「エビデンスの質」と
呼ぶことにしたが、これも「研究の質」と混同しやすいので、
エビデンスの確実性 (certainty of the evidence)
という用語が世界で使われるようになってきている。
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
高(High)/中(Moderate)/低(Low)/非常に低(Very low)
Summary of Findings(SoF)
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
重大
重要
重大
Evidence Profile
RCTは「高」から、観察研究は「低」から開始し、エビデンスを確実性の程度で紐付きにする
1.研究の限界(risk of bias)
2.非一貫性(inconsistency)
3.非直接性(indirectness)
4.不精確さ(imprecision)
5.出版バイアス(publication bias)
グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因
1.大きな効果(large magnitude)
2.用量反応(dose response
gradient)
3.交絡因子(confounders)
アウトカムごとに集めた各研究
のrisk of biasを評価
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
下記の表・
図の証拠の
提示が必須
/効果推定
値の確実性
が強い・弱
いと独断で
判断するも
のではない
Evidence-to-Decisionテーブル
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
Risk of bias summary
Risk of bias graph
診療ガイドライン作成
必ず、診療ガイドラインパネル会
議による合意形成が必要
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
資料作成
組織 作業
診療ガイドライン作成委員
診療ガイドラインパネル編成、プロセス確立
患者・臨床医の疑問(CQ)収集
計画書作成
疑問の定式化
アウトカムの選択
アウトカムの相対的な重要性の判定
(診療ガイドラインパネル会議)
疾患定義・適格基準など
システマティックレビュー
(SR)作成担当者
(後半は、GLのための場
合、作成委員会が行う場
合もあり)
SR作成
網羅的に検索する
適格基準 (選択基準、除外基準)で論文を選ぶ
アウトカムごとにデータを収集する
アウトカムごとに個々の研究および研究全般のバイアスのリスク(RoB)を
評価する
メタ分析をする(不可能な場合もある)
アウトカムごとに
エビデンスの確
実性を評価する
研究デザイン: RCTか観察研究
グレードダウン5要因
グレードアップ3要因
各アウトカムについて、エビデンスの確実性(body of evidence・エビデ
ンスの質)
エビデンス・プロファイル作成、SOF表作成
医療資源に関する資料作成
診療ガイドラインパネル会
議
アウトカムの相対的な重要度の再評価・合意形成
そのCQの全体(overall)のエビデンスの確実性の判定
推奨の強さ・方向
の評価作成
推奨決定の4要因
推奨度評価の合意形成(必要なら投票)
診療ガイドライン作成委員
推奨の作成
外部評価
【診療ガイドライン作成後】配布および普及
【診療ガイドライン作成後】ガイドラインの管理
【診療ガイドライン作成後】質の改善および実行
アウトカムごとのエビデンスの確実性から
このCQ全体のエビデンスの確実性を判定
エビデンスの確実性:低?中?
死亡(短期) 中
チューブトラブル 低
褥瘡 中
高(High)/中(Moderate)/低(Low)/非常に低(Very low)
Summary of Findings(SoF)
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
重大
重要
重大
Evidence Profile
RCTは「高」から、観察研究は「低」から開始し、エビデンスを確実性の程度で紐付きにする
1.研究の限界(risk of bias)
2.非一貫性(inconsistency)
3.非直接性(indirectness)
4.不精確さ(imprecision)
5.出版バイアス(publication bias)
グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因
1.大きな効果(large magnitude)
2.用量反応(dose response
gradient)
3.交絡因子(confounders)
アウトカムごとに集めた各研究
のrisk of biasを評価
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
下記の表・
図の証拠の
提示が必須
/効果推定
値の確実性
が強い・弱
いと独断で
判断するも
のではない
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
Evidence-to-Decisionテーブル
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
Risk of bias summary
Risk of bias graph
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
研究名
症
例
数
Weight
死亡
死亡のRR
1未満が腹
臥位が有益
チューブトラブル
1未満が腹臥位
が有益
Beuret 2002 51 6.6% 採用
Fernandez
2008
40 7.4% 採用 採用
Gattinoni 2001 304 13.8% 採用 採用
Guerin 2004 791 21.4% 採用
Guerin 2013 466 16.0% 採用 採用
Mancebo 2006 136 16.5% 採用 採用
Taccone 2009 342 17.3% 採用 採用
Voggenreiter
2005
40 1.0% 採用 採用
死亡のアウトカム
Beuret 2002
Fernandez 2008
Gattinoni 2001
Guerin 2004
Guerin 2013
Mancebo 2006
Taccone 2009
Voggenreiter 2005
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
アウトカムごとに集めた各研究の
risk of biasを評価
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
死亡のアウトカム
Risk of bias graph
Risk of bias summary
グレードダウンの5要因の1つとして評価
limitation
注意:まだ、この段階では、risk of biasのみで、
エビデンスの確実性が決まっていません。
注意:論文・ドメインは、同じ重みで評価しません。
そのアウトカムにおけるエビデンスの確実性の判定
高 中 低 非常に低い
「CQ:成人ARDS 患者において、
腹臥位管理を行うべきか」のエビデンス
アウトカムごとのエビデンスの確実性から
このCQ全体のエビデンスの確実性を判定
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
死亡のアウトカム
チューブトラブルのアウトカム
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
重大
重要
重大
Evidence Profile
RCTは「高」から、観察研究は「低」から開始し、エビデンスを確実性の程度で紐付きにする
1.研究の限界(risk of bias)
2.非一貫性(inconsistency)
3.非直接性(indirectness)
4.不精確さ(imprecision)
5.出版バイアス(publication bias)
グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因
1.大きな効果(large magnitude)
2.用量反応(dose response
gradient)
3.交絡因子(confounders)
アウトカムごとに集めた各研究
のrisk of biasを評価
高(High)/中(Moderate)/低(Low)/非常に低(Very low)
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
Risk of bias summary
Risk of bias graph
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
Summary of Findings(SoF)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
下記の表・
図の証拠の
提示が必須
/効果推定
値の確実性
が強い・弱
いと独断で
判断するも
のではない
1.ランダム割り付け順番の生成
2.割り付けの隠蔽化
3.研究参加者と治療提供者の盲検化
4.アウトカム評価者の盲検化
5.不完全なアウトカムデータ
6.選択されたアウトカムの報告
7.その他のバイアス(COIなど)
Evidence-to-Decisionテーブル
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
システマティックレビュー作成
P
I
C
O
T
S
アウトカム
アウトカム
アウトカム
アウトカム
推奨の作成:以下を考慮して判断
エビデンスの確実性
利益と害のバランス
価値観と好み
資源の利用(コスト)
パネル会議前に1回目投票
パネル会議でディスカッション必要に応じて再度投票
できる限り「推奨なし」としない
診療ガイドライン完成
アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の確実性を評価
各アウトカムに
関する効果推定値
と結果の要約
=メタアナリシス
(Forest plot作成)
推奨度と推奨文の決定
推奨:抗凝固療法の適応がない癌患
者に対して、非経口的抗凝固療法を
行うことを提案する(GRADE 2B,
推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデ
ンスの確実性「中」)
様々な介入に
対する推奨を
盛り込む
診療ガイドライン作成
Clinical Question(CQ)
→Analytic Frameworks
→Key Questions
Evidence-to-Decisionテーブル
推奨の強さと方向:強く・弱く/推奨する・推奨しない(しないことを推奨)
Strong recommendation FOR an intervention:1 (・・・することを推奨する)
Weak recommendation FOR an intervention:2(・・・することを提案する、条件付き)
Strong recommendation AGAINST an intervention:1(・・・しないことを推奨する)
Weak recommendation AGAINST an intervention:2
(・・・しないことを提案する、・・・しないことを条件付きで推奨する)
利益相反(COI)に対して工夫すること
診療ガイドラインパネル会議による合意形成
医療消費者などあらゆるステークホルダーが参加する
全体的なエビデンスの確実性(certainty of the
evidence←overall quality of evidence across outcomes:
「質」より「確実性」のが誤解が少ない)
重大(critical) なアウトカムごとの確実性をまとめる
原則として,重大なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で
最も低いものとする(各アウトカムが同じ方向ならば最も高いも
の)
A 「高」/B 「中」/C 「低」/D 「非常に低」
診療ガイドライン2016年10月20日53分
診療ガイドライン2016年10月20日53分
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診療ガイドライン2016年10月20日53分

Hinweis der Redaktion

  1. みなさま、こんにちは。 グレードアプローチによる診療ガイドラインの作成手順の概要を説明します。 特に、重要なポイントの概念を、確実に理解することを目的としております。 細かな手順や判断の基準の説明は行わないので、全体の流れを、しっかりと学んでください。 このスライドを、しっかりと理解することが、第1歩となり、細かな基準などを学ぶ時に理解が進むはずです。
  2. まず、診療ガイドラインの定義の前に、診療ガイドライン作成の心構えです。 診療ガイドラインは、なんとなく学会で作らなければならないというものではありません。 医療提供者として、社会のために、プロフェッショナルの責任を持って、「病気に向き合う医療者、患者・家族を力づけ、励ます情報源」を作成するという覚悟を持って作成してください。 たとえば、研究を行うのに研究ノートもとらずに行うなど考えられませんし、その研究を精確に行うために、いろいろな手技の訓練を行います。診療ガイドラインも同じです。作成のためには、しっかりとした準備が必要で、いろいろな判定に対する評価の訓練を事前に行う必要があります。
  3. 第一部、定義と重要ポイント。
  4. ガイドラインと言うと、いわゆる、指針、であり守らなければならないものであります。日米防衛のガイドラインが守らなければ大変なことになります。 しかし、診療ガイドラインは、必ず守るべきものでは、ありません。そして、その定義が、明確に決まっております。
  5. 特に、最近では、EBMのサイクルに従って作成するという定義が主流となっています。 すなわち、臨床の質問ごとに、エビデンスを探し、エビデンスをまとめ、評価し、患者の価値観などとのバランスを共有することです。
  6. 世界で最も使われている定義が、米国アカデミー医学研究所、IOM、による診療ガイドラインの定義です。 「診療ガイドライン」は、「エビデンス」の「システマティックレビュー」と「複数の治療選択肢」の「利益と害の評価」に基づいて「患者ケアを最適化」するための「推奨」を含む文書であります。 この定義に厳密に従うために、多くの臨床医、方法論者が検討を重ねた作成方法で作成する必要があります。これが、GRADEアプローチと呼ばれるものであります。
  7. このGRADEアプローチは、世界的に、EBMや診療ガイドラインで活躍の先生たちが集まり、ボランティアで作成方法を議論し統一見を提示したものです。 中には、このような決まり事、グローバルスタンダードを毛嫌いする方もいますが、これは科学的な作成方法を論じているのですので、論点がズレていることに気がつくべきでしょう。
  8. ついに、2015年、JRCやAHAの蘇生のガイドラインも参加しました。そして、2016年、Mindsも一部利用から、積極的利用となりました。
  9. しかし、残念ながら、GRADEアプローチで作成したと書いてあるにもかかわらず、都合のよい論文とアウトカムで作文したような診療ガイドラインもあります。 そこで、GRADEアプローチでは、このシステムを利用したと言えるための最小限の基準を報告しています。
  10. この基準、文章も難しいですが、心配ありません。診療ガイドライン委員会の方法論に関するメンバーがチェックするだけで、すべての委員会のメンバーが理解する必要はありません。
  11. これが診療ガイドライン作成の全体の流れであります。実は、GRADEアプローチは、この中の一部にしかすぎません。それ以外の委員会の構成や、そもそもシステマティックレビューのための検索方法などは、GRADEアプローチの範囲外となります。システマティックレビューについては、コクランの作成方法を利用するのが良いでしょう。また、委員会の構成などは、IOMの教科書などを参考にすることになります。 今後は、この表に従って説明していきたいと思います。
  12. 12
  13. 13
  14. ここから、2つのポイントを説明します。そのあとに、全体の流れを再度説明します。と言っても、ポイント1は、GRADEアプローチでなく、診療ガイドラインだけでなく、ポジションペーパー、テクニカルアプライザルなど、多くの決定する場面に必須な要件であり、今さら、新しいことではありません。しかし、残念ならが本邦では、これらの当り前のことが蒸しされていますので、あえて説明します。
  15. システマティックレビューなど資料作成グループと、推奨文決定のための、診療ガイドラインパネル会議グループを、明確に分けください。 たったこれだけで、理解と実践が容易となります。
  16. 16
  17. ポイント2も、GRADEアプローチだから、EBMだから、行うと言うことではありません。医療の臨床判断では、当り前の基本中の基本の考えであります。 このことを初めて聞く方は、しっかりと理解して下さい。もっとも知らず知らずのうちに、実践している方も多いのではないでしょうか。 逆に、知らず知らずのうちに、この問題にはまっている方も多いかもしれませんね。
  18. もし、知らない、意識したこともない方は、今後の自分の臨床に役立つ内容でもありますので、しっかりと覚えて下さい。
  19. やや強引に流れの表でしめすと、以下の赤の部分を、なぜ行うかという、根本の思想とも言えるでしょう。 次のスライドから、具体的に説明していきます。
  20. 今回、この解説は、ARDS診療ガイドライン2016のパート2の内容に従って解説します。この診療ガイドラインは、本邦でもっとも資料が整備されているものです。もっとも、このスライドでは、このCQ、クリニカルクエッチョンの7番の題材を元に説明しますが、資料は、すべてオリジナルに作成しました。この診療ガイドラインは、インターネットで簡単に手に入りますので、それを読みながら、本スライドを勉強しても良いでしょう。 成人ARDS患者において、ふくがいかんり、以降は、言語エンジンの関係で腹臥位管理と読み上げますが、その腹臥位管理を行うべきかです。腹臥位管理も、ユーチューブで検索すると実際の動画がありますので、それらを見てからですと、イメージがより沸くと思います。  腹臥位管理は、病態生理学的に呼吸メカニクス・酸素化・血行動態の改善・人工呼吸関連肺傷害の防止などの効果が期待されている。よって、ARDS に対する治療として有効な可能性がある。  しかし、過去に多くのランダム化比較試験と、それらのメタ分析が行われてきたが、結果は一貫していないので、臨床的な効果については議論の余地がある。腹臥位管理は、特別な設備を必要とせず実施可能な治療法であることより、その有効性について検討することは優先度が高いと考えられた。
  21. たとえば、このようなサイトでイメージをつけてください。
  22. さて、ここからは、実は、ARDS診療ガイドライン2016と同じデータを使って、GRADEアプローチでない、従来型の作成方法で、違う診療ガイドラインを、オリジナルに作成しています。もちろん、今回の作成方法は、GRADEアプローチでないため、結果に問題が多いということになります。しかし、この問題を理解し、GRADEアプローチの作成方法の本質的な理由を学べるように工夫してありますので、楽しみにしてください。題して、EBMに基づくARDSガイドライン、というフェイクガイドラインです。 さて、このガイドラインによるとエビデンスのレベルと言うのを、研究デザインで決定しています。さらに、そのエビデンスレベルを使って自動的に推奨グレードを判定していおります。このような、エビデンスレベルや推奨グレードを、多くの場面でみたことがあると思います。本邦で、最も多い診療ガイドラインのパターンです。それでは、この問題点をみていきます。
  23. さて、世界の論文をさがすと、2009年の研究では腹臥位のチューブトラブルが有意に多いという論文がありました。これを使って、ガイドラインを書いてみましょう。
  24. この論文は、ランダム化比較試験の研究デザインですので、エビデンスレベルはIbです。よって、推奨グレードはBとなります。
  25. よって、推奨:腹臥位管理を推奨しない、推奨グレードB。 解説は、腹臥位管理は、チューブトラブルが統計学的有意差をもって、2倍も多いエビデンスが存在する、エビデンスレベルIbとなります。
  26. 2013年の研究では腹臥位の死亡者数が有意に少ない論文がありました。そこで、この結果を利用して推奨文を作ってみましょう。 えっ、先ほどと違う論文を使って良いの、違う結論になるのでは、と思われる方もいるでしょう。 その通りです。ここでは、システマティックレビューに従って丁寧に作ってない診療ガイドラインでは、このようなことがおこっているということを学んで下さい。
  27. 今度も、この論文は、ランダム化比較試験の研究デザインですので、エビデンスレベルはIbです。よって、推奨グレードはBとなります。
  28. よって、今度は、推奨:腹臥位管理を推奨する、推奨グレードB。 解説:Guerin 2013らによると、腹臥位管理は、死亡者数が統計学的は有意差をもって、少ないとするエビデンスが存在する、エビデンスレベルIbとなります。 すでに、何か違和感を持ったと思います。しかし、このような推奨文や、このような解説を、見たことはないでしょうか。本邦の多くの診療ガイドラインが、このような考えで作られているのです。 もちろん、作っている先生たちは、このように恣意的に作ったつもりはないはずです。しかし、作成方法に不備があると、このように作ることができてしまうのです。これでは、いくら、恣意的に作ってないと言っても、証拠がないので、信用される診療ガイドラインを作成することは不可能です。
  29. 種明かしです。チューブトラブル、実は、6論文中有意差があるのは1つのみだったのです。それなのに、この有意差のある論文のみを使って説明しては行けないですよね。
  30. こちらも同じで、死亡、実は、6論文中有意差があるのは1つのみだったのです。それなのに、この有意差のある論文のみを使って説明しては行けないですよね。
  31. すなわち、従来型の診療ガイドライン作成方法では、このように論文を選んで解説するのは、都合のよい論文のみを強調して解説してしまう危険性が大きいことが理解できたと思います。
  32. だったら、まとめてみたらどうでしょうか。このように、各論文の結果の値を統計学的にまとめることを、メタ分析とよびます。たとえば、チューブトラブルは、まとめてみると、ぎりぎり統計学的有意差はないものの、腹臥位管理のが1.3倍のチューブトラブルがありました。
  33. 今度は、システマティックレビューなので、エビデンスレベルIaなので、推奨グレードがAとなります。
  34. すると、推奨は、腹臥位管理を推奨しない、推奨グレードA。 解説としては、メタ分析よると、腹臥位管理は、チューブトラブルが多い傾向があり、推奨できないとのコンセンサスを得た、エビデンスレベルIa。 と、なりますね。
  35. すでに、みなさまも、慣れてきたと思いますが、死亡では、メタ分析の結果で腹臥位管理群が良かったので、腹臥位管理を推奨するとなります。 もう、うんざりしてきましたね。
  36. システマティックレビュー、メタ分析の結果であっても、アウトカムを個別に、都合良く選択して解説しては、もともこうもありません。 実は、従来型でも、いやいや、私たちは、しっかりとシステマティックレビューの結果に従ったと言うのですが、実情は、このような場合が多いです。
  37. さらに、先ほどの考えでは、研究デザインでレベルを決めて、そのレベルで、推奨グレードというものを決めていました。 これは、正しいのでしょうか。確かに、この推奨グレードを決めるところでは、恣意的な操作はなく、自動的に決めています。
  38. 皆様は、すでに、医療判断は、エビデンス、患者の価値と好み、コスト、臨床経験の、EBMの4つの輪で決定するのを知っているはずです。
  39. それなのに、なぜ、診療ガイドラインでは、研究デザインで推奨、すなわり医療判断しているのでしょうか。 明らかに、問題がありますよね。 でも、このような診療ガイドライン、よく見ると思います。
  40. そうなのです、診療ガイドラインの推奨は、研究デザインや利益のエビデンスだけで決定しない、害のエビデンスも含めたbody of evidenceとすべての要因で決定することが大切です。
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  43. 今後の、あなたの医療者としての判断の基本となるはずですので、body of evidenceの概念は、必ず覚えて下さい。
  44. さて、ここからは、GRADEアプローチの流れを理解することとします。
  45. これが、診療ガイドラインの全体の流れの表です。 GRADEアプローチは、この全体の中の、一部の部分をサポートしているだけであり、基本的には、IOMの作成マニュアルなどが全体となります。 さて、順番にみていきましょう。
  46. まず、診療ガイドライン作成委員会を組織します。パネリストの編成、これは、最初から行うとよいです。 また、システマティックレビューの作成を誰が行うか、外部委託するかなども含めて、充分に準備します。 もちろん、この時点では、このスライドの流れはすべて知っている人たちで行うことは言うまでもありません。 そして、重要なのが締めきり日の決定です。たぶん、2年後の学会の総会などにあわせて発表という締め切りから逆算すると計画しやすいでしょう。 さて、その後、CQ、臨床の疑問の作成となります。 ポイントは、いわゆる背景の疑問や、当り前の疑問を含めてはいけないことです。 また、Analytic Frameworksなど図示することで、委員会、パネリスト全員の理解と合意が必要です。 このあたり、しっかりと勉強してから作りましょう。 そして、計画書の作成となります。 半分が、システマティックレビュー作成の計画でもあるので、それらの計画書を作成するセミナーなどに参加して勉強してから作成しましょう。 長くなるので、このぐらいにして先に進めます。
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  48. システマティックレビューですので、網羅的に検索します。 データーベースの知識がある図書館司書と相談することになりますが、その分野に詳しい方でないと、困難です。 コクランレでは、それぞれの疾患グループごとに、精通した検索のプロがいます。 そして、ここが、日本ではいい加減なことが多いのですが、適格基準に従って、論文を選んでください。 システマティックレビューのもっとも大変な作業だと言えるでしょう。
  49. 次に、アウトカムごとにデータを収集することになります。 ここから、body of evidenceの概念を思いだしながら、スライドを見ていくと良いでしょう。
  50. アウトカムごとに採用する論文、研究を選択します。よって、アウトカムごとに採用される論文が異なることに注意してください。 実際には、同じ研究で2つの論文に別れて書いてあれば、1つの研究にまとめて採用します。
  51. 次に、先ほど選んだアウトカムごとに、個々の論文の批判的吟味を行います。 EBMのステップ3で行った方も多いと思います。 基本的には同じですが、若干違うポイントもありますので、ワークショップや、コクランハンドブックなどで勉強すると良いでしょう。 ここでは、こまかなチェックの基準を学ぶのではなく、これらアウトカムごとに個々の論文のリスクオブバイアスを検討した後、どのような流れで、エビデンスの確実性という、いわゆるエビデンスの質の評価を行うかを理解することを重点に説明します。
  52. アウトカムごとですので、まず、チューブトラブルの研究を集めますと、5つの論文がありました。 その一つ一つの論文に対して、リスクオブバイアスを検討します。 検討項目は、コクランの基準に従って7つのドメインに分けて行うことが多いです。 これらは、ハザットスコアという、有名な基準がありますが、基本的には同じような基準です。 ただここで異なるのが、ハザットスコアは、その論文に対して行っていましたが、このリスクオブバイアスは、1つの論文の中の、1つのアウトカムごとに行います。 その理由は、たとえば、チューブトラブルがあったかなかったかの判定、すなわちアウトカム評価者が、この対象者が、どちらの治療かを知っていれば、すなわちブラインドされてなければ、自分の好きな治療法の患者に対して、知らず知らずの内に判断が変わる可能性があります。しかし、同じく、ブラインドされてなくても、死亡かどうかのアウトカムでは、判断が変わることはありません。よって、リスクオブバイアスは、アウトカムごとに評価する必要があります。 もちろん、一部が変わる程度で、ほとんどが同じです。
  53. 次に死亡のアウトカムです。研究が、8個ありましたので、それぞれについて、リスクオブバイアスを検討します。もちろん、先ほど、チューブトラブルで行った研究も、再度、死亡のアウトカムについて行うこととなります。
  54. さて、ここからは、わかりやすいように死亡のアウトカムのみで説明を続けます。この流れは、チューブトラブルのアウトカムでも、同じように行うことになります。
  55. さて、先ほど8個の研究のリスクオブバイアスを評価しました。今度は、それを一覧に図示します。個別の研究ごとに書き並べたものをサマリー、ドメインごとにパーセント表示したものがグラフと言います。もちろん、スライドは、死亡のアウトカムごとですが、これをチューブトラブルなど他のアウトカムでも同様に行うことになります。 このような図示することで、問題点がどこになるか、すぐにわかるようになります。
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  57. さて、このスライドは、後から、もう一度でてきますし、ここで行うことではありませんが、流れを説明するために紹介します。 この図示したものを利用して、死亡のアウトカムの8論文のrisk of biasをまとめて1つの判定をすることになります。
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  59. 次に、メタ分析、メタアナライシスを行います。もちろん、不可能な場合もありますが、できるだけ行うべきです。 ここから、少しメタ分析について勉強しましょう。
  60. さて、それでは、死亡のアウトカムの8個の研究で得られた、それぞれの値、相対危険度、RRの平均値を求めてみると、0.72となります。
  61. ところで、単純に複数の結果を合計するだけでは、結果の方向が変わってしまうシンプソンのパラドックスを知っているでしょうか? 論文1の結果がA治療がB治療より改善率が高かった。そして、論文2もA治療の改善率が高かった。 しかし、両方を普通に足し合わせると、逆に、A治療よりB治療の改善率が高くなるのです。 まさに、数字のマジックですね。
  62. そのため、統計学では、症例数とイベント数などを考慮して、各論文に重み付けを行って計算するメタ分析という統計手法を用いて、統合した値、すなわち効果推定値を算出するのです。この計算方法は、基本的には、ソフトが行うので知らなくても良いのですが、なぜ、このようなことを行うのか、また、重み付けが大切ということは知っておきましょう。
  63. これが、実際に、レブマンというソフトに入れて計算しているところです。 そうすると、0.77という数字が算出されました。 ここからは、この0.77について考えてみます。
  64. さて、突然ですが、台風の予報円の確率を知っていますか。これは70%と言われています。このような予報の時に、あなたはどのように考えるでしょうか。
  65. 中心の線上に我が家がなかったからといって、喜ぶでしょうか。
  66. もちろん、そんなことはなく、みなさんも真ん中の線を通らない可能性と、線の周囲への影響を充分に考えるはずです。 さらに、自宅だけでなく、その生活範囲との関係を考えるはずです。
  67. しかし、医学の世界では、このように考えない方が多いのです。 それは、このような場合を想像してみましょう。
  68. たとえば、あなたが、ある講義で、有名論文では、0.77倍になっていました。 その信頼区間0.62-0.96でした。 統計学的有意差がありました。 と聞いたときに、どのように感じるでしょうか。
  69. まず、多くの方は、ほお、0.77倍なのか、と思うでしょう。
  70. そして、有意差があることに注目が行きます。
  71. 多くの方が、こちらで考えるでしょう。
  72. この、ほお、0.62-0.96の幅を持った値で下がるのか、というように考える方は少ないのではないでしょうか。 もっとも、医療のプロが、1つの中心の値のみで考えるより、幅で考えた方が望ましいのは言うまでもありません。
  73. このような区間推定値を95%信頼区間と言います。 95%信頼区間を100回得たならば、そのうち95回はその間に母平均が入っているという幅です。 この中に95%確率で真の値があるということではありません。 もっとも、このなかでも点推定値が最も確からしい値で大切なのは言うまでもありませんが、95%信頼区間の端であっても、そんな値は、ほとんどおこらないと考えるのではなく、もしかしたらおこるかもしれない値と考えることが大切です。 そして、この幅が、0・1をまたいでないと、統計学的有意差があることになります。 詳しくは、学びなおしEBMなどの教科書を参考にしましょう。
  74. 先ほど有意差について述べましたが、多くの方が、有意差を気にするでしょう。
  75. ほお、臨床的には、0.8倍ないといけないので、0.62-0.96に含まれているのかなどのように、すぐに、統計学的有意差でなく、臨床の閾値で考える訓練をしている方は少ないのが現状でしょう。
  76. もちろん、統計学的有意差でなく、臨床の閾値で考えることが重要です。 たとえば、この例ですと、上端の0.96という値と、臨床的な閾値との関係が重要となります。 ここで詳しく述べることはできませんが、この時に、臨床の閾値、0.8、と値を決定するのではなく、だいたい、臨床的には、0.8ぐらいまでの値だと、臨床決断ができないので、閾値が、たぶん、0.96から0.8ぐらいまでの範囲の中にあるのだろうと、考えるだけで充分です。
  77. さて、8論文の表にもどると、死亡のアウトカムのメタ分析に結果は、0.62から0.96という95%信頼区間の幅をとることがわかりました。 よく見ると、Guerin 2004のWeightが21.4%であり、もっとも、この区間推定値に影響を及ぼしていることがわかりますね。
  78. このメタ分析の結果を見やすいグラフにするのが、フォレストプロットと呼ばれる、有名な図です。 たとえば、まんなかのシカクの大きさが、計算の時に、症例数とイベント数から計算したウエイトで大きかったり小さかったりすることを知らない方は、ぜひ、一度、勉強すると良いでしょう。
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  80. 流れの表にもどると、次は、ごとにエビデンスの確実性を評価するになります。 細かくは、研究デザインでRCTか観察研究か、グレードダウン5要因、グレードアップ3要因です。 そして、各アウトカムについて、エビデンスの確実性をbody of evidenceで判断します。
  81. 先ほどのメタ分析の結果、0.62-0.96の数字だけを一人歩きさせると、どうなるでしょうか。
  82. このように、間違った使われ方をする可能性がありますよね。
  83. さて、それでは、0.62-0.96の95%信頼区間の数字は、真の値に対して、どの程度の確実性があるのでしょうか。
  84. エビデンスの確実性とは、どういうことでしょうか。 たとえば、バイアスのリスクが少ない研究でも、結果がばらついていたら、どうでしょうか。 たとえば、左のように、ばらばらの値からメタ分析で算出した値と、右のように、ほとんど同じ値から算出した値では、どちらの真の値に対する確実性の程度が大きいでしょうか。 もちろん、右のが、真の値に対する確実性が高いです。
  85. いろいろな議論をへて、確実性を評価するのには、5つの要因をチェックすれば良いのではないかということが言われてきました。 そして、この5つの要因を検討して、エビデンスの確実性という4段階、高・中・低・非常に低、の判定をおこなうことになります。
  86. さて、グレードダウンの5要因を少し見てみましょう。 研究の限界は、もし、そのアウトカムの結果を構成する、いろいろな論文にバイアスが多く存在していたら、とみます。 非一貫性は、もし、論文間で、結果が異なっていれば、とみます。 非直接性、もし、最初に想定した臨床の疑問の患者層と、選択した論文の患者層が異なっていれば、とみます。 不精確さは、もし、症例数の小さな、あまり精確でないデータを、メタ分析と称して、集めて症例数が大きくなって有意差がでただけだったら、とみます。 出版バイアスは、もし、有意差がなかったからと報告されなかった論文や、都合が悪いので論文に書かなかったアウトカムが、たくさんありそうな状況だったら、とみます。
  87. そして、GDT、GRADEproを使って、エビデンスプロファイルを作成しながら、確実性を判定することとなります。これが、そのソフトです。
  88. ここにグレードダウンの5要因の評価結果を入力していきます。
  89. 実際には、いきなり評価するのは困難のため、もう少し詳細に検討したチェックリストを作成して、それをまとめて、それぞれの要因の判定をすることになります。
  90. 詳細な基準は、すべて相原先生の教科書にのっておりますので、参考にしてください。 読めば読むほど、味のある良書です。 海外では、これらを、直接、グレードワーキンググループのコアーメンバーの講演や、コクランに詳しい統計学者などから教えてもらえますが、本邦では不可能なので、この本を読むことを薦めます。分厚くて無理と言われる方は、海外の数十万円するワークショップで勉強することになります。それが日本語で1万円以下なのですから、驚きです。 もっとも、実際には辞書代わりに使って、大きな流れは、ワークショップなどで学ぶことをお薦めします。
  91. まず、研究デザインを入力します。ランダム化比較試験か、観察研究かなどです。
  92. 次に、研究の限界となります。覚えていますでしょうか。あのリスクオブバイアスの検討の結果です。
  93. これは、以前にでてきたスライドです。このように、アウトカムごとに、各論文から得られたリスクオブバイアスの結果をグラフなどにしたものより、深刻でない、深刻、非常に深刻の3段階の評価をします。ポイントは、論文に関しては、フォレストプロットのウェイトのところを必ず参考にすることと、ドメインに強弱をつけることです。
  94. WHOのあるグループでは、このなかでも、ランダム化割り付けが行われており、割り付けの隠蔽がないことと、患者やアウトカムイベントの不完全な検討のドメインが重要で、非常に深刻の割合が、メタ分析のウエイトで40%を超えているか超えてないかなどで、評価するようですが、ここでは、その評価の基準でなく、個々の研究、論文から、まとめて、研究の限界を判断する流れを理解してください。
  95. これは、非一貫性です。論文のバラツキをみます。
  96. フォレストプロットでは、この赤丸のところがポイントです。
  97. 次に非直接性です。薬効の差では、あまり人種差はないようですね。人種差にこだわりすぎると間違えることがあることを、少し意識してください。 特に、人種差は、ベースラインリスクに違いはあることが多いですが、それは、ベースラインリスクごとに考えれば良いので、非直接性を下げる要因にはなりにくいです。そして、先ほど述べたように、A薬とB薬の効果の相対的な違い、いわゆる相対危険度などは、人種差が少ないでしょう。もっとも、日本人のエビデンスと言いながら、動物実験とか、risk of biasの大きい観察研究をエビデンスとしては、いけないのは言うまでもありません。
  98. もちろん、詳細な検討は、各論文に戻ることになりますので、サマリーを作っておくと便利ですね。
  99. 次に不精確さです。 これは、システマティックレビューと診療ガイドラインの場合で定義が異なることと、利益と害のバランスを考えないといけないことより、直接、推奨の決定にも使われる判断が求められますので、重要な要因と言えます。
  100. しっかりと、あいはら先生の教科書だけでなく、最新の、JCEの論文も読んで勉強しましょう。 特に、システマティックレビューと診療ガイドラインでは、評価が異なることに注意しましょう。また、信頼区間の上端と下端の意味も考えてみることが大切です。 連続値のimprecisionは、かなり難しいのですが、minimal important difference (MID)を基準に考えてください。
  101. さて、出版バイアスとその他です。 出版バイアスは、目視と統計学的検討となりますが、それより未発表論文が、どれだけあるか。企業に隠されていないかなど、そもそも問題意識がないと評価できないでしょう。
  102. TEDに素晴らしいプレゼンがあるので、探してみると良いでしょう。 GDTの入力では、ここで観察研究で時々使う、グレードアップの3要因も入力できるようになっています。
  103. これが、グレードアップの3要因ですが、グレードダウンした質の低いエビデンスが、この3要因でアップすることではないので注意しましょう。ランダム化比較試験では、ほぼ使うことはありません。
  104. さて、このような要因を考えて、この4段階の判定をします。 ここではいけないのが、非一貫性が、マイナス1、非精確性が、マイナス1、よって、マイナス2となるとの判断ではありません。このあたり、恣意的な要因が入るのかと、短絡的に誤解する人がいますが、相原先生の教科書に詳しく書かれていますので、良く読んでください。
  105. さて、左上のスライドが小さくなりましたね。個々の論文の、あるアウトカム、ここでは死亡のアウトカムでしたが、ここから始まって、このような4段階への評価となる一連の流れを、しっかりと理解してください。
  106. これで、やっと、メタ分析の数字に、エビデンスの確実性という紐を付けることができました。
  107. と言っても、これらが見やすい表になってなければ、使い勝手が悪いです。よって、エビデンスプロファイルとか、エスオーエフ表という表を作成します。
  108. これらの要因の一覧を横に並べて、表にしたのが、エビデンスプロファイルと呼び、メタ分析の結果とエビデンスの確実性(エビデンス質)のみを紐付きにして、抜粋したのが、エスオーエフ表と呼びます。コクランでよく見るのが、このエスオーエフ表ですね。数字は、相対的な評価だけでなく1000人中何人の改善というように絶対的評価も重要とされております。
  109. このエビデンスプロファイルは、たとえば、BMJやAnnals of Internal Medicineなど、他の有名な雑誌でも、記載されております。
  110. さて、このエビデンスの確実性、みなさまが良く聞く、エビデンスレベルと違うの、という疑問を持っているかたもいると思います。
  111. これは、有名なオックスフォードのEBMセンターの表です。 本邦の多くのエビデンスレベルの表が、この表を参考にしているはずです。 この表、良く見て下さい。 何かあるでしょ。
  112. そうなのです、脚注に、こんなことが書かれています。 試験間での不一致、または絶対的な効果量がきわめて小さいと、レベルは試験の質、不正確さ、間接性、試験のPICOが質問のPICOに合致していない、に基づいて下がることがある。効果量が大きいか、または極めて大きい場合には、レベルは上がることがある。 すなわち、グレードダウンの5要因と、ほぼ同じことが書かれているのです。 ところが、これを無視したり、都合良く簡略化して、エビデンスのレベルというものを作っています。
  113. まとめると、本来は、 エビデンスレベル とエビデンスの確実性は、同じ概念であったが間違って使われることが多いです。 たとえば、1つの研究のみで決定できない、エビデンスレベルという用語を、個々の論文の後ろに、エビデンスレベルと書いていたら、 作成方法を誤解していると判断してよいですね。 これは、世界でも誤解されています。そこで、エビデンスの質と呼ぶことにしたのですが、これも、研究の質と混同しやすいので、GRADEアプローチでは、エビデンスの確実性 という用語を使うようになっています。
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  116. 次に、各アウトカムの相対的な重要度を再評価して、合意形成を行います。そして、各アウトカムをあわせて、そのCQの全体のエビデンスの確実性を判定します。
  117. 概念としては、このように、各アウトカムのエビデンスの確実性から、このCQ全体としてのエビデンスの確実性を判定します。その判定の詳細は、相原先生の教科書を参照してください。
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  119. 重要なので、しつこく、ここまでの流れを、死亡のアウトカムで復習しましょう。 まず、研究を選択します、8個ありました。
  120. そのリスクオブバイアスを検討します。
  121. すべての研究のリスクオブバイアスをまとめて図にします。
  122. そこから、1つのリスクオブバイアスの判定を3段階評価で行います。これが、5要因の1つとなります。 そして、残りの4つの要因も検討していきます。
  123. 5つの要因から、そのアウトカム、死亡ですが、そのアウトカムにおけるエビデンスの確実性を4段階で判定します。
  124. それを、アウトカムごとに行い、そのアウトカムごとのエビデンスの確実性から、このCQ全体のエビデンスの確実性を判定します。
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  127. どうでしょうか、説明できますか。個々の研究、アウトカムごとのリスクオブバイアス、アウトカムごとのグレードダウン5要因、アウトカムごとのエビデンスの確実性、そして、アウトカムをあわせて、そのCQの全体的なエビデンスの確実性となります。 ここからわかることがあります。
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  133. これ、おかしいですね。理解できるようになりましたか。
  134. 次に、推奨の強さ、方向の評価に進みます。
  135. たとえば、エビデンスの確実性、その利益のメタ分析の効果推定値がわかっていても、それだけではだめですよね。たとえば、害があれば。
  136. ポイントしては、まず、利益と害のバランスです。これは、非精確性の検討でも行いました。
  137. そして、いわゆるEBMの4つの輪と同じように、医療判断を行う、すなわち推奨を決定するということになります。
  138. これは、良く見る図ですよね。
  139. どうでしょうか。最初にもでてきたスライドですが、この意味がよくわかるようになっていれば嬉しいです。
  140. さて、患者の価値観や好みはどうか、今回のCQでは、たとえば、ばらつきは小さいものと考えられる。 患者の価値、バリューに関する実態調査のエビデンスがあるとさらによいですね。 コストや資源はどうか、基本的な処置であるため、新たな資源は必要とせず、コストも増加しないですが、コストエフェクティブ研究があるとさらによいですね。 以上などを考慮して臨床判断する必要があります。
  141. やはりポイントは、臨床で有用な閾値は、どの程度かと、死亡という害がないかですね。 とりあえず、重大なアウトカムの中でもさらに重要性があるアウトカムの最良の推定値である点推定値の値が、推奨の方向の仮置きになります。
  142. たとえば、これは違う例ですが、死亡のアウトカムが、0をまたぐ、すなわち、有意差がないということです。 この有意差がない場合、死亡のアウトカムの場合は、特に注意が必要なのです。 すなわち、95%信頼区間が、介入を行うことで、死亡数が増えると言うことを示しているのです。 もちろん、点推定値の38人の利益よりは、58人の死亡という害のおこる頻度は少ないかもしれません。しかし、まれには、58人もの死亡という害が生じる可能性のある介入なのです。 よって、この利益と害のバランスは不確実と言えるでしょう。 もちろん、これが、極めて症例の少ない非精確性が極めて深刻なエビデンスならば、今後の研究によって、エビデンスが変わる可能性がある、すなわち、エビデンスの確実性が、きわめて低いとなるため、死亡の可能性の確実性も、きわめて低いとなります。
  143. このように、ともかく、エビデンスに基づいてしっかりと考える必要があるのです。 と言うことは、よりベストで、確実性の高いエビデンスでないと、このようにエビデンスに基づいて考えられませんので、頑張って、ベストエビデンスを探す、いや、作る必要もあるかもしれませんね。 重要な考え方なので、後ほどもう一回、仮想例を使って具体的に説明します。
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  145. 次に、このような議論をへて、推奨草案を作成することになります。
  146. そして、パネリストに提示します。
  147. ところで、今回の、腹臥位管理ですが、それぞれの立場によって、その重要度というか、重要視するポイントが異なることが予想されます。
  148. すなわち、いろいろな立場の関係者が集まって作成することが重要となります。 患者代表をどのにように選ぶのかは、試行錯誤です。少なくとも2名は必要ですね。でも、注意が必要なのは、患者団体が、企業からのCOIがある場合です。
  149. だいたい、診療ガイドラインパネリストの選定は、こんな感じでしょうか。 幅広く各分野の専門家、地理上のバランスも必要、客観的・系統的に議論ができる能力、研究者だけでなく、実際の診療に携わる専門家、医療経済学や法律の専門家も必要ならば、医療消費者・患者、など、方法論専門家を除いて、10~12名が適正とされています。もちろん、利益相反などの詳細を先立って提出することは言うまでもありません。 ここでポイントは、これらの人材が2日ぐらいの予定を合わせるのは、大変です。よって、1年前からアポイントを取る必要があります。意外と、大変な事務作業ですので、事務局がしっかりと行わないといけません。こんなことを委員長が行っているようでは、とうてい、診療ガイドライン作成は不可能でしょう。 また、患者だけでなく、一般医なども統計のことなど知らないことがほとんどですので、しっかりとビデオなどで事前学習が必要です。
  150. ここまでは、基本的な考え方です。それでは、もう少し詳細、具体的な評価の過程を説明します。
  151. まず、推奨の強さと方向の意味を確認しましょう。推奨の方向としては、行なうことを推奨と、行なわないことを推奨があります。そして、推奨の強さは、介入による望ましい効果が、望ましくない効果を、上回るか下回るかについて、どの程度、確信できるかを示しています。この程度は連続的なものですが、GRADEアプローチでは、これを、強い推奨と弱い推奨の2つに分けています。 また、ここでポイントなのが、臨床医にとっては、介入を受け入れる場合も、受け入れない場合もあるが、その程度がどの程度確信を持っているかを示しているのであり、推奨は、行なわなくてはならないということを示しているのではありません。
  152. エビデンスを利用することを推進するために作られたDECIDEプロジェクトが、診療ガイドラインの作成支援のために、EtDフレームワークを作成しているので、GRADEアプローチでも、これを使います。
  153. このように、いろいろな項目がありますので、見てみましょう。
  154. GRADEアプローチの基本は、4つです。(1)全体的なエビデンスの確実性、(2)かちかん、(3)望ましくない効果に対し望ましい効果のバランス、(4)コストは正味の利益に見合うかです。 そして、DECIDEプロジェクトは、スライドの項目を提案しています。作成グループでは、必要に応じて、項目を選択することも可能になっています。 細かな、評価方法などは、JCEの論文などをみてください。 MindsのWeb siteにも、GRADE 関連リンク集があります。
  155. そして、実際には、ここで診療ガイドラインパネル会議が開催されて、推奨が強い・弱い・行う・行わないを決定していきます。
  156. 今回は、流れをつかむため、基本の4項目に準じた項目を考えます。
  157. ここからは、仮想例も踏まえて解説していきましょう。ARDS診療ガイドラインから選択しましたが、より理解しやすいように、項目を減らしてあるので、仮想例と考えて下さい。 これは、標準薬に対して、A治療を行うべきかどうか?で行っていきます。 この3つとも、重大なアウトカムとします。もちろん、この重大な3つのアウトカムの中でも、患者によっては、重要性の価値の置き方は変わるでしょう。
  158. 項目は、基本的に、強さを考えますので、その前に、推奨の「方向」(行う・行わない)を考えます。 3つの重大なアウトカムの中でも、再発のアウトカムが、最も大切とします。 すると、点推定値が、A治療が有益なので、「A治療を行う」と仮置きしてみるとわかりやすいかもしれません。
  159. 項目の(3)利益と害ですが、おおざっぱに点推定値がA治療が有益を望ましい効果と考え、そうでないのを望ましくない効果と考えましょう。詳細は、別として、流れをつかむために、ここでは、このように簡単に考えて話を進めますが、絶対に忘れてはならいのは、ここでも、アウトカムの重要度も含めて判断することです。 もちろん、実際に診療ガイドラインを作る時は、さらに詳細な資料を参照してください。 どうでしょうか、望ましい効果は、点推定値がA治療が有益だった、合併症と再発が、望ましい効果と考えて、多そうかな~、しかもこれは、最も大切な再発が含まれていますね。一方、A治療が不利益だった入院期間は、望ましくない効果と考えて、重要度も低いし少なそうですかね。 以前は、すぐに、利益と害のバランスを考えていたのですが、たとえば、再発が有意差がないので、これは、利益がないと、間違った判断をすることがありました。そのため、このように、望ましい効果と望ましくない効果について、考えておくと、バランスを考える時に役立ちます。
  160. 各アウトカムより、そのCQ全体のエビデンスの確実性の決定方法ですが、まず、基本は、重大な各アウトカムの中で、最も低いエビデンスの確実性を選びます。 ただし、以下のパターンを利用するとわかりやすいかもしれないです。 ・利益と害のバランスが不確実は、もちろん最も低いものです。 ・利益と害のバランスが確実は2つに分けます。それぞれのアウトカムの推定値の位置を確認し、同じ方向なら、低いものを選ぶ必要が少ないと思われるので最高いもの、違う方向なら、基本の最も低いものとするという感じです。 また、方向性が反対のものがある場合はアウトカムの中で、低いものを基準に考えるが、もし推奨にvery lowのcritical outcomeを使用しない場合、すなわち、作ったけど、結局、そんなに低い確実性のアウトカムを、推奨の判断に、実質使ってないならば、それをはずして、他のアウトカムのエビデンスの確実性でoverallとしてよいでしょう。 このような、研究デザインでなく、エビデンスの確実性について、「質」の高いシステマティックレビューであり、その結果のエビデンスの点推定値が大きくても、「エビデンスの確実性」が低い場合もある、という文章を読んでも、混乱しないならば、しっかりと理解していると言えるでしょう。
  161. 利益と害のバランスが確実とします。 3つの重大なアウトカムが違う方向ですね。ですから、もっとも低いもので、「低」を選びます。 よって、この全体的なエビデンスの確実性は、「低」と判定できることになります。
  162. (5)主アウトカムに置く価値の大きさは、重要な不確実度やばらつきがあるか? この、価値は、しっかりとしたエビデンスに基づいており、確実なのか? また、患者によっては、合併症を最も大切と考えるが、患者によっては、再発を大切と考えるなど、 ばらつくことがおおいか、それとも、多くの患者が、同じ、かちかんを持ってばらつかないか、を考えましょう。 以前は、患者の好みもあったのですが、それですとパネル会議で個人の好みばかりに焦点がいくことがあるし、価値に好みが含まれるので、好みの用語は使わなくなりました。 また、この価値を、ここで考える事で、最後の推奨度を決定するときに、私は、そう思わないという、今さらの価値観の違いによる意見の対立が少なくなるのです。これも、ここで価値を考える重要な点だと理解してください。 ここでは、仮に、少しはばらつくかもしれないと判断して進めて行きます。
  163. (6)望ましくない効果と望ましい効果のバランスは? このバランスは、(3)から(5)を考えて、決定していきます。 どうでしょうか、望ましい効果が、若干、大きいような気もしておりますが、みなさまの判断は、いかがでしょうか、おなじになりましたか。 また、点推定値も大切ですが、95%信頼区間の端も、たとえば、まれには7名再発が増えるが、少なくとも13名は合併症が減ることを考えると、それは、臨床的決断の要因にならないだろうという考え方も身に付けると良いでしょう。
  164. (7)必要とされるコストや資源(Resource use )は、どれだけか? 日本の患者のための診療ガイドラインならば、その患者の直接的なコストを考えます。よって、コストが小さければ望ましい効果、コストが大きければ望ましくない効果など、バランスに含めて考える場合もおおいです。 今回は仮想例のため、日本の保険治療内ならば、コストを考慮しても、望ましい効果が望ましくない効果を逆転するほどのことはないと考える方が多いとして進めます。もっとも、個人向けの診療ガイドラインということで、コストを、推奨度の判断に用いなくても、実際にこの診療ガイドラインを使う時は、その患者のコストを考える、EBMの基本は忘れてはなりません。
  165. ここで、診療ガイドラインパネル会議を開催することになりますが。その開催時期は、作成委員ごとに異なると思います。 まず持ち寄った資料をパネリストに提示します。
  166. 今回のワークショップでは、簡単に、このA治療についての仮想例を(3)から(7)のみで判断しましょう。この状況ですと、すべての項目が大きい・高いでないですね。それを前提に総合的に判断して、推奨の強さは、「弱い推奨」と判断する場合が多いと思われます。また、推奨の方向も、「A治療を行う」、を逆転するほどの要因がないと考え、「A治療を行うことを弱く推奨する」と判断できるのではないでしょうか。
  167. 実際の診療ガイドラインパネル会議では、これらの項目を議論しながら判断します。しかし、CQが多い場合は、すでに判断してある文書をもとに、それの合意を得るだけということもあるでしょう。 このように、診療ガイドラインパネル会議を開催する必要があります。
  168. そして、合意形成します。最近では、推奨するしないを投票するのでなく、推奨草案が適切であるかどうかの合意形成を行うことが多いですね。 ここでポイントを2つ述べます。 1つは、この並んでいる順番ですが、againstから並んでいます。これは、なるべく、無駄な医療を行いたくないということを、診療ガイドラインを作る、最大の目的であるからです。これは、日本に取っても切実な問題でしょう。 2つめは、Conditional recommendation for either the intervention or the comparisonという真ん中のチェックがあります。以前は、ありませんでした。今回のように、A薬と標準薬の比較ならば、これを使うことは、ほとんどないでしょう。しかし、ただしhead to head で介入同士を比較する場合。たとえば2薬の比較、A薬とB薬の効果比較の場合は、真ん中の選択肢をつくって5段階とします。プラセボや介入なしと比較する場合は4段階を使用すると考えると良いでしょう。
  169. さて、このように推奨を作成したら、具体的な文章にして、さらに解説を書きます。
  170. もちろん、こんな、都合のよい論文と都合のよい論文を選択した解説を書くことは、ここまで学んできた方にはありえないでしょう。 この高度なワザの、あさゆ、らのメタ分析で検討された、ゆあさらのランダム化比較試験によるとなどの、文章は、いまだにみかけます。 残念です。ぜひ、皆様が変えていただければと思っています。
  171. 172
  172. そして、外部評価です。
  173. もっとも、外部評価後に、今さら、言われても、と言うことにならないように、方法論をしっかりと学んで作成しましょう。
  174. これらの仮定を保証するのが、GRADEアプローチです。そして、本邦で最も資料が多く、丁寧に作られているのがARDS診療ガイドライン2016Part2です。
  175. さて、ここまでで、GRADEアプローチの概念を把握するための、キーススライドをならべました。
  176. このスライドの、コンセプトを箇条書きすると、このようになります。 都合のよい論文と都合のよいアウトカムを使わないこと。 エビデンスの質を研究デザインのみで決定せずに、その研究が適切に行われたか、研究間に違いがなかったかなどを考慮すること。 利益のエビデンスのみで推奨を決めずに、利益と害のバランス、患者の負担についても考慮すること。 です。
  177. この3つ、実は、イービーエムの3原則とよばれるものです。
  178. 少し、表現が硬くなりますが、 1.最適な臨床決断には入手可能な最適なエビデンス、理想的にはシステマティック・レビューのエビデンスを必要する。 2.イービーエムは、エビデンスが信頼できるものかどうか、すなわち、診断検査、患者の予後、治療選択肢についてどれほど確信をおけるものかを提供する。 3.エビデンスだけでは臨床決断をするのに決して十分ではない。 です。
  179. さて、この3原則、すこし一を変えて、
  180. それに、イービーエムの5つのステップ、5Aを重ねてみます。
  181. 182
  182. 183
  183. 184
  184. 185
  185. 186
  186. 187
  187. 188
  188. もちろん、ステップの図となります。
  189. 今回は、この図を、その原則の概念から理解してください。
  190. さて、ARDS診療ガイドライン2016は、どのような推奨で、どのような解説が書かれているか知りたくなったのではないでしょうか。 さっそく、エビデンスの証拠と、EtD表での判断などに注目しながら、CQ7腹臥位管理の診療ガイドラインを読んでみましょう!