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「健康はすべての基本」 ~保健師のチャレンジから見えてきたこと~ ゾーン・ディフェンスからマンツーマン・オフェンスへ
- 2. きっかけ・・・「県内ワースト上位になるおそれ」の報告
すぐに保健師職員グループからヒアリング
急増する医療費・・・・100万円超の患者増加
その実情・実態をデータにもとづき分析
わかってきた犯人・・・・高血圧・脳疾患・腎臓
(例)1人増えた透析→高額の医療費になる
⇒⇒ 1人ひとりを把握した対応が急務であり必須
⇒⇒ マンツーマンの発想
- 3. 入院・入院外別レセプト件数と医療費状況 多久市
平成24年5月診療分国保データから
<図1>受療者数
24年5月診療分受療総数: 4,642件
入院件数
201件 4.3%
1
入院外(通院)件数
4,441件 95.7%
受療総数4,642件のうち入院件数は、201件で4.3%を占める。
<図2>入院・入院外別医療費状況
24年5月診療分医療費総額: 161,604,110円
1
入院医療費 入院外(通院)件数
9,740万円 60.3% 6,420万円 39.7%
4.3%にあたる入院件数(図1)の医療費は、9,740万円で医療費全体の60.3%(図2)にあたる。
- 4. 血圧コントロールが重要
薬より、食事と運動での改善
地域によって食べ方も違い、疾患も違う
(例)バランス良いがカロリー多い食事の習慣
果実産地での糖分過剰摂取傾向 etc
実は日本人は塩を好む民族らしい
血液(異常)・血管(異常)の知識の大切さ
健診指導工夫が必要・・・動かぬ人を動かす
- 5. 『平成21年度~23年度の保健活動実践状況』
下記項目に、数値等を記入ください。 市町名 多久市
保健活動の内容
H21年度 【数値】 H22年度 【数値】 H23年度 【数値】 H24年度 【数値】
<特定保健指導・健診結果説明状況>
特定保健指導実施率:特定保健指 実施数 84 72 89
導終了者/特定保健指導対象者 32.4% 31.0% 39.0% %
(%)(法定報告) 分母(対象数) 259 232 228
健診結果説明(個別):結果説明実 実施数 574 594 649
施人数/特定健診受診者数(%) 32.2% 35.3% 42.7% %
分母(対象数) 1,784 1,685 1,520
<重症化予防対象者への個別 対応状況>
実施数 7 22 6
・高血圧Ⅲ度 70.0% 81.5% 60.0% %
分母(対象数) 10 27 10
実施数 59 74 61
・高血圧Ⅱ度 73.8% 62.7% 71.7% %
分母(対象数) 80 118 85
実施数 49 54 55
・HbA1c7.0%以上 79.0% 69.2% 80.9% %
分母(対象数) 62 78 68
実施数 11 13 9
・尿蛋白2+以上等 (CKD対象者) 44.0% 56.5% 60.0% %
分母(対象数) 25 23 15
<訪問による個別対応状況>
特定健診関係訪問指導人数 215人(実) 279人(実) 438人(実) 人(実)
(地域報告「要指導」分)
432人(延) 332人(延) 539人(延) 人(延)
<見直し、中止または開始した事業>
事 業 名 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
ママパパ教室(母親学級) 中止(母子手帳交付時に個別に健康教育実施)
糖尿病健診事後教室 中止(個別訪問等へ)
ウォーキング教室 中止(自主活動へ)
- 6. 保健師による新たな挑戦
地域担当とし、対象者訪問して指導
住民生活に合わせた指導の推進
啓発事業を思い切って取りやめ
「身体メカニズムがわかるとはじめて変わる」
住民を育てることの大切さ(自覚する市民)
- 7. 血管の傷みから生活習慣病をみる・・・疾病番号 ①~⑲
1
血管の傷みと病気の関係 金額: 一ヶ月または一年にかかる医療費及び手術費(概算)
1次予防 2次予防 3次予防
病気にならないように、普段 から 定期検診などで病気の芽を見つけ、 病気にかかってしまったら、きちんと
健康増進に努めること。 早い段階で摘み取ること。 最後まで治療を受け、機能の
回復・維持を図ること。
潜在的に進行 血管の変化
健康障害
内服のみ
17万円/年間
網膜症( 手術)
③ 糖尿病性 約 1 0 0万円
網膜症
⑰ ( 1 回の費用)
イ 合
高血糖(糖尿病境界域) ン 糖 併
糖尿病性
⑱
( 神経障害
肥満
ス 尿 症
糖尿病性
腹 3ヶ月ごとの検査のみ 2.5万円/年間 リ ⑲
(肥満症) 囲 ① 高血圧 ン 病 H18年度のみ分析 腎臓障害
の ④ インスリン療法
適 男内 7万円/年間 作
正 8臓 用 約 50万円/年間 ⑭ 人工透析
体 5脂 ② 脂質異常症 不
重
㎝肪
、 9万円/年間 足 約 50万円/月
約 600万円/年間
女の ⑮ 腎臓障害
9蓄
0積
㎝ 動 動脈閉塞 ⑯
生 以 メタボリックシンドローム 脈
活 上
) 硬
化 手術した場合
習 ⑤ 高尿酸 血
心筋梗塞・狭心症等 ⑥ 約 220万円~430万円
(1回の費用)
心
慣 7万円/年間
管
疾 不整脈・心房細動等
の
循 患
傷
環 その他
み
器
疾
遺伝的要因
患
約 60万円/月
約 720万円/年間
脳 脳梗塞 ⑨
血
手術した場合
管 脳出血 ⑩ 約 150万円~320万円
疾 (1回の費用)
患 その他
- 8. 健康増進法にもとづくカウントの限界・問題
(会社で健診受けてもカウントされぬ受診率?
ほんとうに政府は生命を守る気があるのか?)
法律ルールだから・・・と放置してよいのか。
実態つかめず形式的啓発に終始する現状ではないか
データにもとづく合理的・科学的アプローチを
そのためにも「共に改善する」を徹底すべき
若年期からの健康知識・教育は重要不可欠
- 9. 平成27年以降導入予定の共通番号の可能性を活かす
マイナンバー制度の可能性
社会保障の一部と税のためだけ良いのか
新たな行政サービスを可能にするインフラ
「1人ひとりの人生を健康で豊かにする」視点
あらゆる行政サービスを「“人生”の視点」で再考
前例なくとも変革する勇気と実践こそが最も重要