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千葉工業大学デザイン科学科におけるエンカレッジメントプログラムの実施と効果
- 1. 2012年11月26日
第4回学部教育シンポジウム~口頭発表
デザイン科学科における
エンカレッジメントプログラムの実施と効果
千葉工業大学 デザイン科学科
Chiba Institute of Technology Department of Design
安藤 昌也
ando@sky.it-chiba.ac.jp
Copyright © Masaya Ando
- 4. 3
コンビニで棚の前に立ち飲料を手
に取るまで3秒で人の目を奪えな
ければ負けだ。
(コカ・コーラ東京研究開発センター岩下寛昌さん)
いくら味を工夫しても、目にとま
らなければ、わかってもらえない。
品質実感を持たせることも大事。
(キリンビバレッジマーケティング部松永美彩さん)
Copyright © Masaya Ando (出所:2006/10/07 日経プラスワン)
- 5. 4
1200人に“持ちやすさ”を評価
くびれ具合を決めるのに10~70代
の男女のべ1200人にボトルを握っ
てもらい、飲むときの筋肉の使い方
や力加減を測定。
データから最も手になじむ太さと傾
斜をはじき出し、独自のくびれを造
形。
(出所:2006/10/07 日経プラスワン)
Copyright © Masaya Ando
- 10. 9
1
エンカレジットメントプログラムにおける
デザイン評価ワークショップの実施
Copyright © Masaya Ando
- 11. 10
平成24年度 エンカレッジメントプログラムの概要
実施日: 2012年1月28日(土)
対象者: AO創造型入試・推薦入試合格者 99名
うち、参加者97名
目 的: ・デザイン科学科の教育目標を理解する
・授業体験を通して入学に向けた心構えを養う
実施内容:
1) デザイン科学科の教育目標の説明
2) デザイン評価に関するワークショップの実施
3) デザインに関する読書課題と感想文の提出 (後日提出)
• 課題図書5冊から1冊を読み感想文を提出(2000字程度)
• 約1カ月後に提出させ、入学後にメンターの指導に活用
Copyright © Masaya Ando
- 12. 11
デザイン評価ワークショップの概要
ペットボトルのデザイン解析ワークショップ
ワークショップを通して、
目的
デザインを学ぶことへの興味・モチベーションを高める
共に学ぶ仲間との連帯意識を芽生えさせる
“技能”としてのデザインの具体的イメージを持たせる
狙い
日常的なモノをデザイン的視点で観る重要性の理解
ユーザー中心デザインの基本的視点の理解
メンバーとの協働による発見やアイディア創出の体験
Copyright © Masaya Ando
- 13. 12
ワークショップ設計上のポイント
評価軸を予め2つ設定
❶手に取ってみたくなる形 ~ 市場での新奇性・審美性
❷キャップを開ける時の持ち易さ ~ 使い易さ・機能性
② 1位 ① 1位 ② 5位 ① 5位
(9グループ) (12グループ) (9グループ) (19グループ)
同じ製品でも観点が違えば製品評価は異なる
天然水
サンベネデット アクアパンナ ボルビック ナチュラルミネラル
ウォーター
より多様な観点から観る重要性を理解させる狙い
Copyright © Masaya Ando
- 14. 13
実施プロセス
デザインの比較評価 評価結果の考察 ① 評価結果の考察②・発表
個人 個人 グループ
2つの評価軸について 1位と5位を取り上げ デザインする立場にな
順位付け評価 理由を3つ以上挙げる りさらに理由を考察
グループ グループ 全体
順位を集計しグルー KJ法で理由を整理 8つのグループが
プの順位を決定 有力なもの3つに絞る 代表して結果を発表
Copyright © Masaya Ando
- 15. 14
ワークショップ上の工夫
2色のポストイットを使い分け
– 色の意味を指定しアイディアを出し易く・まとめやすくした
右上に評価軸の
番号を書く
他の人が読みやすいよう、マーカーで大きく書く
Copyright © Masaya Ando
- 17. 16
ワークショップの成果の例
Copyright © Masaya Ando
- 18. 17
ワークショップの参加者評価
Copyright © Masaya Ando
- 19. 18
ワークショップ終了後の評価
ワークショップ終了時に、参加者に振返りシートを配布し
て記入を求めた (回答87件:回答率89.7%)
( 60 53
件
) 50
40 34
30
20
10
0 0
0
理 で だ で な 理
解 き い きあ か 解
で た た なま っ で
き い かり た き
た っ
た
デザイン評価ワークショップの理解度
Copyright © Masaya Ando
- 20. 19
ワークショップ終了後の評価
ワークショップ終了時に、参加者に振返りシートを配布し
て記入を求めた (回答87件:回答率89.7%)
件
代表的な自由記述:
( 60 53
) 50
「何気なく見ているものが実は様々な使い勝手が
40 34
関係していることに気づくことができました」
30
20
「デザインとは見た目だけでなく使う人・消費者こ
10
0 0
とを考えて計画を立ててモノづくりを行うというこ
0
理 で だ で な理
とを学んだ」
解 きいた
きあ
な
か解
で たい ま っ で
き かり たき
た っ
た
デザイン評価ワークショップの理解度
Copyright © Masaya Ando
- 21. 20
ワークショップ終了後の評価
ワークショップ終了時に、参加者に振返りシートを配布し
て記入を求めた (回答87件:回答率89.7%)
( 45 40 40
件
件
代表的な自由記述
) ( 40
60
53 :
) 35 50
「何気なく見ているものが実は様々な使い勝手が
30
40
25 34
関係していることに気づくことができました」
20
30
15
20
10 6
「デザインとは見た目だけでなく使う人・消費者こ
10
5 1
0 0
とを考えて計画を立ててモノづくりを行うというこ
00
参理 ま で で 進
で だ で な理
とを学んだ」
進
加解 で あ
きい
きま た
きあ
き
なあ
な
きん
か解
な
ん
でで たい
たあ ま っ で
で
で
きき かり
か たき
か参
たた っ
っ っ 加
た
た た
グループワークへの参加の積極度
デザイン評価ワークショップの理解度
Copyright © Masaya Ando
- 22. 21
ワークショップ終了後の評価
ワークショップ終了時に、参加者に振返りシートを配布し
て記入を求めた (回答87件:回答率89.7%)
( 45 40
代表的な自由記述
件 : 40
件
代表的な自由記述
) ( 40
60
53:
) 35
「積極的に自分の考えを発言したり、人の考えを聞
50
「何気なく見ているものが実は様々な使い勝手が
30
くことによって、様々な視点を知ることができること
40
25 34
関係していることに気づくことができました」
を学んだ」
20
30
15
20
6
「人と何かをすることの大変さと面白さを改めて感
10
「デザインとは見た目だけでなく使う人・消費者こ
10
5 1
じた」 0 0
とを考えて計画を立ててモノづくりを行うというこ
00
参理 ま で で 進
で だ で な理
とを学んだ」 加解 で あ
「自分の意見をわかりやすくはっきり言うことが大
進 きい
きま
きあ
きあ
なま
きん
か解
なで
ん
でで たた
たあい
な っ で
たき
で
きき かり
か か参
事だと思った」 たた っ 加
た
っ
っ
た
た
グループワークへの参加の積極度
デザイン評価ワークショップの理解度
Copyright © Masaya Ando
- 23. 22
入学後・半年経過後のプログラム評価
思全 そと
入学後の前期終了時点で、プログラム参加者に半年後 わく
なそ
うて
思も
の評価を実施した 1 2 3 4 5
い う う
(7/27実施、回答66件、対参加者回答率68.0%)
思全 そと
く
事前に集まる機会があったのでわ そ うて
な 3.8 思も
入学後に良い効果があった い う う
1 2 3 4 5
デザインのワークショッ プがあったので
事前に集まる機会があったので
3.5
3.8
入学後に良い効果があった
入学後に良い効果があった
デザインに関する読書課題があった
デザインのワークショッ プがあったので
2.93.5
ので入学後にも良い効果があった
入学後に良い効果があった
プログラムに対する入学後評価(平均)
デザインに関する読書課題があった
2.9
Copyright © ので入学後にも良い効果があった
Masaya Ando
- 24. 23
入学後・半年経過後のプログラム評価
思全 そと
入学後の前期終了時点で、プログラム参加者に半年後 わく
なそ
うて
思も
の評価を実施した 1 2 3 4 5
い う う
(7/27実施、回答66件、対参加者回答率68.0%)
と
思
思全
全 そて そと
わく
わく うもうて
事前に集まる機会があったので なそそ 思
な う
い 3.8 う 思も
入学後に良い効果があった い う う
11 2 2 3 3 4 4 5 5
デザインのワークショッ プがあったので
事前に集まる機会があったので
身の回りの製品への
3.5
3.8
4.0
入学後に良い効果があった
入学後に良い効果があった
見方は変わったと思いますか
デザインに関する読書課題があった
デザインのワークショッ プがあったので
入学後演習科目での理解に 2.93.5
ので入学後にも良い効果があった
入学後に良い効果があった 3.6
役立ったと思いますか
プログラムに対する入学後評価(平均)
ワークショップへの入学後評価(平均)
デザインに関する読書課題があった
2.9
Copyright © ので入学後にも良い効果があった
Masaya Ando
- 25. 24
代表的な自由回答
プログラム全体について:
– 入学前に友達もでき、入学後の不安が一つ消えた
– 学科の雰囲気がよくわかった
– 一度顔を合わせているので入学後自然に会話が生まれた
– どういう人がデザイン科学科にいるか理解した
ワークショップについて:
– デザイン科学なんだっていう自覚ができた
– 大学でどのようなことをやるのか、体験できて良かった。
入学後へのモチベーションも上がった
– デザインに対する心構えができた
– 自分の考えをまとめるコツをつかむことができた
Copyright © Masaya Ando
- 26. 25
携帯のアドレス
交換が各所で・・・
Copyright © Masaya Ando
- 27. 26
成果と今後の課題
エンカレッジメントプログラムではワークショップは有効
– 共同作業により、より自然に友達作りを促進。入学時の不安
解消、円滑な大学生活のスタートに寄与できる
デザイン評価WSはデザインの基礎的視点の獲得に効果
– “身の回りの製品を見る姿勢”や“入学後の科目の理解に役
立った”などの効果があった
– 評価の観点を変えることで、デザイン以外の学科での適用可
能性も
さらに効果を高めるための見直しを検討
– 学科として効果を高めるため、内容を見直しつつ、一般入試
の合格者に対しても、何らか実施できないか検討予定
Copyright © Masaya Ando