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トリムを考慮した小型翼胴融合型旅客機の翼型空力設計

Associate Professor at Tokyo Metropolitan University um Tokyo Metropolitan University
26. Mar 2013
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トリムを考慮した小型翼胴融合型旅客機の翼型空力設計

  1. 1 日本航空宇宙学会北部支部2013年講演会 JSASS-2013-H009 トリムを考慮した小型翼胴融合型旅客機の 翼型空力設計 ○埴田 亮(首都大・院) 村山光宏(JAXA/APG), 野村聡幸(JAXA/APG) 山本一臣(JAXA/APG), 金崎雅博(首都大)
  2. 2 1. 研究背景  将来型旅客機候補の一つ 翼胴融合形態(Blended Wing Body) http://silentaircraft.org/sax40 空力性能の向上 機体騒音の低減 比較的大型機向けの検討(250-800 席)に基づく X-48C 2012年 小型とした際の空力的問題を検討する必要性 首都大,JAXA 150席級小型翼胴融合形態機 NWB機体 (Novel-Wing-Body) を検討中 CFDによる詳細な検討は少ない NWB  翼胴融合機におけるトリム安定性 C.P. 無尾翼を想定→胴体でトリム確保 トリム考慮した胴体形状の設計の必要 C.G.
  3. 3 1. 研究背景 • 小型翼胴融合機の問題点
  4. 4 2.目的  150席級NWB機体のトリムを考慮した翼型空力設計 – 3次元計算に基づく外翼翼型最適設計 – トリムを考慮した機軸断面形状設計 ① アフトによる反転キャンバーによるトリム確保 ② ノーズ形状設計によるトリム確保
  5. 5 先行研究について  先行研究(平面形の最適設計*について) – 平面形定義法の再検討 – 捩じり下げ定義法の再検討 – 定義断面翼型の再検討 *による最良個体(Baseline) L/D 巡航 重量 BaseLine AoA (kg) 21.1 1.24 71700 3次元性が顕著 3次元性を考慮したNWB向けの BaseLineとして 翼型の設計が必要 比較に用いる *埴田,他,「Kriging法による翼胴融合型旅客機の空力形状最適設計」,第49回飛行機シンポジウム, JSASS-2011-5044,金沢市,11月2011年.
  6. 6 4. 三次元計算に基づく翼型最適設計 5.トリムを考慮した機軸断面形状設計
  7. 7 外翼翼断面最適設計について 内翼  外翼翼断面最適設計  翼型のベースはNASA-SC(2)series翼厚分布を適用 外翼  内翼にはNASA-SC(2)0012の翼厚を変化させて使用 (機軸断面15.87%,キャビン断面14.7%,30%semispan断面12%) 0.1 NASA-SC(2)翼厚分布 0.1 NASA-SC(2) 0012 0.05 0.05 0 0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 -0.05 -0.05 -0.1 -0.1 ベースとなる翼型の曲率を共通 スパン方向への勾配を適正化
  8. 8 翼型表現法 修正PARSEC法 翼型を 厚み分布 と キャンバー の足し合わせにより定義  前縁半径の中心が常にキャンバー上  厚み分布 はPARSEC法で対称翼を表現.  キャンバー はxの高次関数で表現 厚み分布 6 キャンバー 2 n1 z t   an  x 5 2 zc  b0  x   bn  x n n 1 n 1 + PARSEC法による対称翼 5次関数 5.5次関数
  9. 9 設計対象と設計範囲 設計変数は計15変数 設計断面はmid,70%,tipの3断面 設計範囲にNASA-SC(2)seriesを含むよう設定 変数 単位 Min Max rle - 0.005 0.015 SC(2)0710 SC(2)0410 dte deg. -0.5 6.0 rc_mid - 0.000 0.001 xc_mid - 0.25 0.45 zc_mid - 0.00 0.02 zxxc_mid - -0.4 0.1 mid zte_mid - -0.015 0.01 (翼胴接合部) ate_mid deg. 5.0 17.5 rc_tip - 0.000 0.001 70%semispan xc_tip - 0.25 0.45 tip zc_tip - -0.01 0.02 zxxc_tip - -0.4 0.2 zte_tip - -0.015 0.01 Ω : 70%の翼型のPARSEC修正法 パラメータに対する重みづけ変数 ate_tip deg. -5.0 17.5 - 0.1 0.9 pr(70%)=pr(mid)× Ω+ pr(tip)× (1-Ω) Ω
  10. 10 計算手法(設計探査手法) ラテン超方格法によるサンプリング 実験計画法の 一種 EI値(統計低空間誤差を考慮した指標) の適用  データマイニングによる分析
  11. 11 計算手法(空力計算) Navier-Stokes solver •乱流モデル: Spalart-Allmaras model 時間積分: LU-SGS陰解法 流束評価 : HLLEW法 非構造格子 格子点数 約400万点 計算条件 マッハ数 0.80 レイノルズ数 6.6×107 (Cref =S/b)
  12. 12 最適化問題(目的関数) • 単目的:空力性能 Sref  L/D (巡航): 最大化 • 参照面積は投影全面積(右図) • 巡航状態を想定 – 下式により巡航CLを計算 W CFD Polar curve CL  qSref 0.03 L/D at cruise W : 重量 0.02 q : 動圧 CD Sref : 投影面積 0.01 CL at cruise 0.00 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 CL *重量Wは統計式により算出
  13. 13 計算結果 L/D Initial samples Add samples SC(2)0410 SC(2)0710 DesA 25.0 L/D最大 23.67 20.0 L/D 15.0 10.0 5.0 0.0 サンプル数 NASA-SC(2)seriesの翼型を適用した個体よりL/D  初期サンプル50個体 が大きいサンプルが多く得られた  追加サンプル20個体 L/D(SC(2)0410) 22.39 キャンバーの小さいものが有効 L/D(SC(2)0710) 18.62
  14. 14 サンプル結果の解析 ANOVA(L/D)  接合部の設計変数の寄与が大部分を占 zc-mid 2% zc-mid,ztemid めている. 2% xc-mid 胴体近くの3次元性が強い断面が重要 16% ate-mid 3% zc-mid,zc-tip 3% 49% rle  特に接合部の最大キャンバーzc_midが大 4% zc-tip きな寄与 14% bte 7% other L/D上位5個体  接合部でのxc_mid(キャンバ最大位置)が 前方にある傾向  接合部でのキャンバーは1%弱ほどに傾 向が寄っている. スーパークリティカル翼型とは異なる.
  15. 15 DesAとBaseLineとの比較 Upper | Lower Upper | Lower DesA BaseLine L/D 巡航 L/D 巡航 勾配:小 AoA 勾配:大 (平面形最適設計 最良個体) AoA 23.6 0.91 21.1 1.23 DesAでは前縁からの加速が緩やか DesAは形状変化が小さい 翼胴接合部翼型  L/Dの向上 衝撃波の改善 NWBの外翼翼断面は前縁 から緩やかなキャンバーが有望
  16. 16 4. 3次元計算に基づく翼型最適設計 5.トリムを考慮した機軸断面形状設計
  17. 17 内翼断面形状表現 内翼断面形状表現 PARSEC修正法2 7次関数 5次関数 0.1 ノーズ アフト 0.05 後縁角 z_rle 0 角度θ -0.05 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 -0.1 任意の座標 任意の終点x座標 x=xcp x=x_end y=ycp 7 設計変数 計5変数 y   an  x n •座標点( xcp,ycp) n 0 •xcpでの 角度θ 端点はの2次導関数まで連続 •終点 x_end •前縁半径の中心のy座標(z_rle) DesAの機軸断面に適用しパラメトリックスタディを行い性能検証 •ノーズ形状とアフトでの後縁角による反転キャンバーによりトリムを確保 •アフトでの反転キャンバーのみ適用する個体(Des0)と比較
  18. 18 設計変数 5ケースによる性能検証を実施(DesAがベース) Des0 0.1 内翼断面形状設計変数 0 xcp ycp θ(deg.) x_end z_rle 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 -0.1 Des0 なし Des0 なし なし Des1 なし なし Des2 Des1 0.1 Des1 0.1 -0.04 5 0.2 0.015 0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Des2 0.1 -0.05 5 0.2 0.015 -0.1 Des3 0.1 -0.04 15 0.2 0.015 Des2 0.1 Des4 0.1 -0.05 15 0.2 0.015 0 Des3 Des4 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 -0.1 アフト後縁角(PARSEC修正法) Des3 (deg.) 機軸 キャビン断面 30%semispan 0.1 (15%semispan) 0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Des0 -8.0 -5.5 -5.0 -0.1 Des1 -5.0 -4.5 -4.0 Des4 0.1 Des2 -5.0 -4.5 -4.0 0 Des3 -5.0 -4.5 -4.0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 -0.1 Des4 -5.0 -4.5 -4.0
  19. 19 表面圧力分布比較 Upper | Lower Upper | Lower L/D 巡航AoA L/D 巡航AoA Des0 Des1 21.69 1.18 21.46 1.11 Des2 L/D 巡航AoA Des3 L/D 巡航AoA 22.06 1.12 21.72 1.12 L/D 巡航AoA  巡航迎角が上がり外翼に衝撃波が発生 Des4 22.10 1.12  Des0と比べ他の形状は巡航迎角が小さい  Des1~Des3ではノーズ下面に衝撃波  Des4では内翼下面前縁で衝撃波が見ら れない. 滑らかなconcave形状が有望
  20. 20 CL-CMc.g.と揚力分布比較  Des1~Des4ではほぼピッチングモーメ 巡航時 ントの傾向が変わらない. ノーズの形状に依存しない  Des1~Des4では頭上げが過大であり, Des0では頭下げが過大. 今後後縁角の緩和により 性能上昇の可能性  Des1~Des4ではDes0と比べ0~10%付 近の揚力が増加.  DesAとの分布に差 捩じり下げなどの調整により 改善の可能性
  21. 21 6.まとめ  外翼断面最適設計 – 外翼で発生していた衝撃波の改善 – 3次元性の強い翼胴接合部における設計が重要 – 外翼には前縁から緩いキャンバーをもつ形状が望ましい.  トリムを考慮した機軸断面形状設計 – アフトのみを修正する形状と比べ性能向上が見られた. – 前縁での形状は出来るだけ滑らかである事が望ましい. – 後縁角の調整によりさらに性能が向上する可能性.
  22. 22 ご静聴ありがとうございました。
  23. 23
  24. 24
  25. 25 4.設計手法(翼型) PARSEC法 翼型を 上面 と 下面 に分けて定義 翼型の上下面ともに高次関数で表現 スーパークリティカル翼型を得るためのパラメータ設定 前縁半径の中心をx軸上と仮定 変数の数は11 6元連立方程式をガウスの消去法で解く upper surface 6 2 n1 zup|low   an  x 2 n 1 lower surface 上面,下面ともに5.5次関数
  26. 26 4.設計手法(平面形) AR 8.2 TR(Ctip/Croot) 0.193 kr(Ckink/Croot) 0.277 Λ(後退角) 34.5 cle(主翼取り付け位置) 0.556 z1(ベジェ制御点) 0.096 z2(ベジェ制御点) 0.272 z3(ベジェ制御点) 0.425 w1(接合部捩じり下げ) 0.31 w2(翼端捩じり下げ) 1.89
  27. 29 1. 研究背景  小型機の問題点 遷音速旅客機への要求 快適性、利便性 環境適合性 http://www.boeing.com/ →低排出ガス(NOX,CO2), 低燃費, 低騒音 X-48B  将来型旅客機候補の一つ 2007年 翼胴融合形態 空力性能の向上 http://silentaircraft.org/sax40 機体騒音の低減 比較的大型機向けの検討(250-800 席)に基づく 小型機のCFDによる詳細な検討は少ない X-48C 2012年 小型とした際の空力的問題を検討する必要性  JAXA,TMU 小型翼胴融合形態機 NWB機体 NWB (Novel-Wing-Body) を検討中
  28. 30 5. 計算手法(重量推算) 離陸総重量 = 構造 + 燃料 + ペイロード 統計式による推算 Wing, gear, engine nacelle  従来と同様の計算式を使用 Cabin and aft  NWB形態向けの推算式を使用 構造重量 Wwing : Wing  bref  0.55  bs tr  Wgear : Landin gear Wwing  k w bs 1  nult  W S WTO 0.75   bs   TO  Wnacel : Nacelle  Wgear  k gear A  BWTO 3/4  CWTO  DWTO 3/ 2  Wcabin : Cabin Wnacelle  0.065TTO Waft : Aft area Wcabin  1.8032 WTO  Scabin  0.166552 1.061158 Ref.) Egbert Torenbeed, Delft University Press Kluwer Academic Publishers, 1982 Waft  0.53(1  0.53N eng ) Saft (WTO )0.2 (0.5  aft ) Ref.) Kevin R. Bradley, NASA/CR, 2004
  29. 31 5. 計算手法(重量推算) 離陸総重量 = 構造 + 燃料 + ペイロード Boeing NWB  燃料重量 737  ブレゲー式 座席数 150 149 Wi  RC R: 航続距離 巡航距離 1800 1540  exp (nmile) Wi 1 V L D  C: 燃料消費率 V: 巡航速度 ペイロード重量 17,000 17,554 L/D: 揚抗比 (kg)  飛行条件 マッハ数 0.80 巡航距離 1800 nmile(東京―香港 程度)
  30. 32 計算手法(設計探査手法)  EI値(Krigingモデルと空間誤差を考慮した指標導入)による探索  EI値は多峰性を示しやすい事から,本研究ではそのピークのうち期待値 が高いものを追加サンプルとしてピックアップした. Branninn関数(上 手順を4回繰り返し,10サ 初期10サンプルから構 図)による試行 ンプルを追加して構築し 築したKrigingモデル たKrigingモデル Krigingモデルから算出さ 設計変数-EI値空間 れるEI値 のクラスタ分析
  31. 33 計算手法(解析手法) • ラテン超方格法 LHS (Sample individuals) (Latin hypercube sampling: LHS) – 実験計画法の一種 p2 – 設計空間全体からサンプル点を抽出 • Krigingモデルによる分散解析 p1 (Analysis of variance: ANOVA) ANOVA (contributing ratio) – Krigingモデル:地理統計学から着想さ p2 p1 れた解の近似手法 35% 65% – ANOVA:近似解の設計変数について の分散から寄与度を解析 • 並行座標表示 PCP (parameter value) (Parallel coordinate plot: PCP) – 多次元データを 2次元の並行座標で表示する手法 – 設計変数と目的関数の傾向を可視化 p1 p2 p3 p4
  32. 34 3.先行研究について  平面形の空力形状最適設計*について – 平面形定義法の再検討 テーパー翼 ダブルテーパー翼の考慮 – 捩じり下げ定義法の再検討*による最良個体(Baseline) 翼端方向になだらかな捩じり下げの実現 – 定義断面翼型の再検討 L/D 巡航 重量 BaseLine 巡航 重量 空力性能 L/D AoA (kg) AoA (kg) 3次元性が顕著 向上 16.3 2.77 69800 21.1 1.24 71700 外翼前縁にて大きな NWBに適した翼型の検討・空力再 衝撃波の発生 設計により問題の解決が必要 *埴田,他,「Kriging法による翼胴融合型旅客機の空力形状最適設計」,第49回飛行機シンポジウム, JSASS-2011-5044,金沢市,11月2011年.
  33. 35 1. 研究背景 小型機 大型機 胴体厚さに対してキャビンの割合増加 胴体長に対して胴体厚さの増加 小型機では翼厚比 大 小型機 大型機 胴体の厚みが急激に変化 大型機と比べ干渉抵抗の増大 小型機のCFDによる詳細な検討は少ない
  34. 36 機軸での断面Cp分布 ycp:小(-0.04) 1.0 0.70 1.0 0.70 Des0 Des1 0.5 0.5 θ:小(5deg.) 0.50 0.50 0.0 0.0 -Cp -Cp 0.30 0.30 t t -0.5 -0.5 -1.0 0.10 -1.0 0.10 -1.5 -0.10 -1.5 -0.10 0.0 0.5 1.0 0.0 0.5 1.0 ycp:大(-0.05) ycp:小(-0.04) 1.0 0.70 1.0 0.70 Des2 θ:小(5deg.) Des3 0.5 θ:大(15deg.) 0.5 0.50 0.50 0.0 0.0 -Cp -Cp 0.30 0.30 t t -0.5 -0.5 -1.0 0.10 -1.0 0.10 -1.5 -0.10 -1.5 -0.10 0.0 0.5 1.0 0.0 0.5 1.0 ycp:大(-0.05) 1.0  Des1が前縁下面での正圧が最も大きいが 0.70 θ:大(15deg.) Des4 0.5 衝撃波も最も顕著 0.50 0.0 -Cp 0.30 t -0.5 -1.0 0.10  Des4では前縁下面での正圧は小さいが衝 -1.5 -0.10 撃波がみられない. 0.0 0.5 1.0 前縁で出来るだけ滑らかなConcave形状であることが望ましい
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