SlideShare ist ein Scribd-Unternehmen logo
1 von 22
Downloaden Sie, um offline zu lesen
書籍解説
 What is EPUB 3?
               &
Accessible EPUB 3

   イースト株式会社 高瀬 拓史
         takase@est.co.jp


   2012/09/21 JEPA EPUBセミナー#14
今日お話しすること
• EPUB 3関連書籍の紹介と解説です。
• What is EPUB 3?
 http://shop.oreilly.com/product/0636920022442.do


• Accessible EPUB 3
 http://shop.oreilly.com/product/0636920025283.do


• IDPFとDAISY Consortium制作
 O reilly Mediaより出版

• いずれも無料で入手できます。
加筆分   2012年末?(有料)
概要
• EPUB 3の概論
• EPUB 3 Best Practices   の第一章
 となる位置づけ

• 歴史、技術、メリット、展望がコンパク
 トに整理されている

• EPUB 3策定中に書かれているため、
 アップデートされるはず
•What Is EPUB 3?
 • EPUB 3 in a Nutshell
   EPUBの概要

 • The EPUB 3 Revision
   EPUB 3への改訂経緯

 • EPUB and Web Standards
   EPUBとウェブ標準の関係

 • The Goodies
   EPUB 3の改良点

 • The Arrival
   EPUB 3普及への展望

                            目次
EPUB 3とは何か
• EPUBは汎用的なフォーマット
 特定の種類の出版物に特化したものではない
 雑誌、オフィス文書、政策文書など様々に利用できる


• ウェブ標準を積極的に取り入れている
 すでに広く利用されている技術やスキルを活用できる


• フリー、オープン
 誰もが制約なく利用できるように設計されている
 シンプルなテキストエディタで制作できる点は普及の大きな要因
EPUB 3への改訂経緯
• 電子出版市場の急速な進化
 E Inkデバイスからタブレットデバイスへ


• EPUB 2への改善要望
 マルチメディア対応
 インタラクティブなコンテンツ
 グローバル言語対応
 アクセシビリティの向上


• EPUB 3で残された課題
 ビデオコーデック(H.264 vs WebM)が統一できなかった
 コミックやマンガの表示方法について試行錯誤が続いている
EPUB 3とウェブ標準
• ブラウザのスタックを採用した理由
 ブラウザのスタック(HTML, CSS, JavaScript)
 リフローに適していた
 長期生存できるフォーマットだった
 ブラウザの描画エンジンを利用してビューワの開発コストを下げられた


• ウェブ標準を利用するデメリット
 標準化されておらずEPUBが自前で用意したもの
  リッチな注釈データ(出版物としてのセマンティクス)
  文書の読み順を定義する仕組み...etc.

 他の仕様の方向性をコントロールできない
  HTML5、CSS3の不確実性
EPUB 3の改良点
• マルチメディア
• メディアオーバーレイ
• スクリプティング
• SVG
• グローバル言語対応
• アクセシビリティ
概要
• EPUBをアクセシブルにするためのベス
  トプラクティス
• アクセシビリティに準拠するためのガイ
  ドラインではない
• どうすれば出版物をアクセシブルにでき
  るのか、観点や考え方を示すのが目的
• WCAGやWAI-ARIAも参考に
 WCAG: Web Content Accessibility Guidelines
 http://www.w3.org/TR/WCAG20/

 WAI-ARIA: Web Accessibility Initiative s Accessible Rich Internet Applications
 http://www.w3.org/TR/wai-aria/
• Accessible EPUB 3
  • Introduction
    高品質なデータとアクセシブルなデータ

  • Building a Better EPUB:
    Fundamental Accessibility
    基礎部分(テキスト、画像等)に
    関するテクニック

  • It s Alive: Rich Content Accessibility
    EPUB 3の新機能(マルチメディア、TTS等)に
    関するテクニック

  • Conclusion
    出版物をアクセシブルにすることのメリット
    ぜひ実践を!

                                    目次
イントロダクション
基本的な考え方
• 高品質なデータ
  =構造化されたデータ
 =アクセシブルなデータ
• リッチで使い回しの効くコンテンツを制
  作すること
• あらゆる人によりよい読書体験を与える
  こと
基礎テクニック
• スタイルの分離
 視覚情報に頼らず読者に意味を伝えられるようにする
 スタイルシートを除去しても内容が失われないかチェック


• セマンティクスの追加
 epub:type属性を追加してビューワのユーザビリティを向上させる


• コンテンツへの言語属性の指定
 音声読み上げや点字表示の精度が向上する


• 読み順への重要度の指定
 linear属性を利用して重要ではない箇所をスキップできるようにする

 <itemref idref="chapter1"/>
 <itemref idref="chapter1-note" linear= no /><!-- skippable -->
基礎テクニック
• 段落間の空きをマークアップする
 場面や文脈の変化を<hr>要素によって示す


• リスト
 <ol>、<ul>、<dl>要素を適切に利用する


• 図版、表、コード
 <figure>要素でグループ化しておく


• 表: <table>
 画像化は非推奨。ヘッダやセル同士の関係を適切にマークアップする
 <th>要素、<thead>要素、scope属性、header属性の利用
基礎テクニック
• 画像: <img>
 <img>要素を詳細に説明するための試案
   ・<figcaption>要素の中で<details>要素を使う?
   ・<a>要素で説明用のHTML文書にリンクさせる?
 意味のない画像にaltテキストは不要


• 画像: SVG
 拡大縮小に強く、タイトルや説明文が入れられる
 スクリプトの利用はアクセシブルではない
 http://www.w3.org/TR/SVG-access/ を参考に


• 数式: MathML
 alttext属性に説明テキストを入れることを推奨
 高度な説明が必要なら<annotation-xml>要素内にXHTMLで記述
基礎テクニック
• 脚注
 epub:type属性とハイパーリンクで本文との関係を記述する

 <p>…<a epub:type="noteref" href="#n1">1</a> …</p>
 <aside epub:type="footnote" id="n1">
 …
 </aside>



• 原本のページ番号
 同じ教室で紙の教科書と電子教科書が併用される際に有用
 epub:type属性によってコンテンツの中に改ページ箇所を記述する

 <span xml:id="page361" epub:type="pagenumber">361</span>

 原本はパッケージ文書に<dc:source>要素で示す
 <dc:source>urn:isbn:9780375704024</dc:source>
リッチコンテンツ
• オーディオ、ビデオ
 選択するビデオコーデックの問題(H.264 vs WebM)は解決できない
 →同じ内容を2種類のコーデックで用意するのは1つの方法

 controls属性によって再生を制御できるようにする
 <video controls= controls >



• 字幕の追加
 <track>要素を利用してマルチメディアにテキストと表示タイミング
 を指定することはアクセシビリティ上有用
 画像の説明テキスト同様わかりやすいものにすること

 <track kind="captions" src="video/captions/en/v001.cc.vtt"

  srclang="en" label="English"/>
リッチコンテンツ
• メディアオーバーレイ
 seq要素とpar要素を適切に使って構造化する
 epub:type属性を加えて内容がわかるようにする

 メタデータに再生時間を記述する(仕様)
 読み上げ箇所がわかるように専用のスタイルを用意する
  パッケージ文書
 <meta property="media:active-class">-epub-media-overlay-active</meta>
  CSS
 .-epub-meia-overlays-active { background:yellow; }


 DAISY制作ソフトTobiがメディアオーバーレイ入りEPUB 3を出力できるように
 なる予定
 http://www.daisy.org/tobi/blog/tobi-2.0-support-epub-3-media-overlays-roadmap




• TTS
 PLS、SSML属性、CSS3 Speech…。今回の発表では省略します。
まとめ
• EPUBの解説書は少なくないが、
  設計思想や背景を知ることのできる
 本書は貴重。
• 制作マニュアルとして読まれるべきでは
  ない。
• EPUBの尊重するもの、目指すものを
  理解すると、制作者としての視野が広が
 ります。
ご清聴
ありがとうございました

Weitere ähnliche Inhalte

Was ist angesagt?

制作者の視点での EPUB 3 オーサリング最前線
制作者の視点での EPUB 3 オーサリング最前線制作者の視点での EPUB 3 オーサリング最前線
制作者の視点での EPUB 3 オーサリング最前線Youji Sakai
 
社内メール効率化
社内メール効率化社内メール効率化
社内メール効率化Kenzo Nagahisa
 
DBFluteハンズオンで学んだこと etc.
DBFluteハンズオンで学んだこと etc.DBFluteハンズオンで学んだこと etc.
DBFluteハンズオンで学んだこと etc.Masato Tokuda
 
HTML初心者向け勉強会
HTML初心者向け勉強会HTML初心者向け勉強会
HTML初心者向け勉強会SakiKomuro
 
EPUB3 固定レイアウト徹底解説
EPUB3 固定レイアウト徹底解説EPUB3 固定レイアウト徹底解説
EPUB3 固定レイアウト徹底解説Youji Sakai
 
ClubDB2 Xmas2014 BizOneToOne
ClubDB2 Xmas2014 BizOneToOneClubDB2 Xmas2014 BizOneToOne
ClubDB2 Xmas2014 BizOneToOneMasahiko Kubo
 
Libx家庭版
Libx家庭版Libx家庭版
Libx家庭版genroku
 
Dbfluteshow fes2014-lonely-lt-jflute
Dbfluteshow fes2014-lonely-lt-jfluteDbfluteshow fes2014-lonely-lt-jflute
Dbfluteshow fes2014-lonely-lt-jfluteMasahiko Kubo
 

Was ist angesagt? (12)

IDPF、W3Cのデジタル教科書、教材関連標準化動向
IDPF、W3Cのデジタル教科書、教材関連標準化動向IDPF、W3Cのデジタル教科書、教材関連標準化動向
IDPF、W3Cのデジタル教科書、教材関連標準化動向
 
Phpのはなし
PhpのはなしPhpのはなし
Phpのはなし
 
制作者の視点での EPUB 3 オーサリング最前線
制作者の視点での EPUB 3 オーサリング最前線制作者の視点での EPUB 3 オーサリング最前線
制作者の視点での EPUB 3 オーサリング最前線
 
社内メール効率化
社内メール効率化社内メール効率化
社内メール効率化
 
EDUPUB fxl
EDUPUB fxlEDUPUB fxl
EDUPUB fxl
 
DBFluteハンズオンで学んだこと etc.
DBFluteハンズオンで学んだこと etc.DBFluteハンズオンで学んだこと etc.
DBFluteハンズオンで学んだこと etc.
 
HTML初心者向け勉強会
HTML初心者向け勉強会HTML初心者向け勉強会
HTML初心者向け勉強会
 
EPUB3 固定レイアウト徹底解説
EPUB3 固定レイアウト徹底解説EPUB3 固定レイアウト徹底解説
EPUB3 固定レイアウト徹底解説
 
ClubDB2 Xmas2014 BizOneToOne
ClubDB2 Xmas2014 BizOneToOneClubDB2 Xmas2014 BizOneToOne
ClubDB2 Xmas2014 BizOneToOne
 
読書会Vol6
読書会Vol6読書会Vol6
読書会Vol6
 
Libx家庭版
Libx家庭版Libx家庭版
Libx家庭版
 
Dbfluteshow fes2014-lonely-lt-jflute
Dbfluteshow fes2014-lonely-lt-jfluteDbfluteshow fes2014-lonely-lt-jflute
Dbfluteshow fes2014-lonely-lt-jflute
 

Ähnlich wie 書籍解説 “What is EPUB 3?” & “Accessible EPUB 3”

Markdownでドキュメント作成
Markdownでドキュメント作成Markdownでドキュメント作成
Markdownでドキュメント作成Yasuyuki Fujikawa
 
JEPA 4月度定例会資料 0412
JEPA 4月度定例会資料 0412JEPA 4月度定例会資料 0412
JEPA 4月度定例会資料 0412Takuya Hayashi
 
JEPA 4月度定例会資料0409a
JEPA 4月度定例会資料0409aJEPA 4月度定例会資料0409a
JEPA 4月度定例会資料0409aTakuya Hayashi
 
電子教科書の技術動向とEDUPUB
電子教科書の技術動向とEDUPUB電子教科書の技術動向とEDUPUB
電子教科書の技術動向とEDUPUBYasuhisa Tamura
 
DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書
DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書 DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書
DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書 mayuhamada
 
インプレスR&D:出版ワークフローのデジタル化/見える化
インプレスR&D:出版ワークフローのデジタル化/見える化インプレスR&D:出版ワークフローのデジタル化/見える化
インプレスR&D:出版ワークフローのデジタル化/見える化Japan Electronic Publishing Association
 
EPUB3以降とReadium
EPUB3以降とReadiumEPUB3以降とReadium
EPUB3以降とReadiumMakoto Murata
 
「DAISY / EPUBをめぐる内外の最新情報
「DAISY / EPUBをめぐる内外の最新情報 「DAISY / EPUBをめぐる内外の最新情報
「DAISY / EPUBをめぐる内外の最新情報 mayuhamada
 
Ocs2013 tokyo spring_plone
Ocs2013 tokyo spring_ploneOcs2013 tokyo spring_plone
Ocs2013 tokyo spring_ploneManabu Terada
 
Art.woorks企画書 120601版
Art.woorks企画書 120601版Art.woorks企画書 120601版
Art.woorks企画書 120601版WOORKS Inc.
 
達人出版会のご紹介(技術編)
達人出版会のご紹介(技術編)達人出版会のご紹介(技術編)
達人出版会のご紹介(技術編)masayoshi takahashi
 
20141023 Research for UK
20141023 Research for UK20141023 Research for UK
20141023 Research for UKTomoki Ueno
 
20101110 Tech 01 クライアントとネットワークの計画
20101110 Tech 01 クライアントとネットワークの計画20101110 Tech 01 クライアントとネットワークの計画
20101110 Tech 01 クライアントとネットワークの計画kumo2010
 
Ocs2012 tokyo/spring plone
Ocs2012 tokyo/spring plone Ocs2012 tokyo/spring plone
Ocs2012 tokyo/spring plone Manabu Terada
 
Azureのサーバーレスで限界を超えよう~スマートスピーカースキル開発を題材に~
Azureのサーバーレスで限界を超えよう~スマートスピーカースキル開発を題材に~Azureのサーバーレスで限界を超えよう~スマートスピーカースキル開発を題材に~
Azureのサーバーレスで限界を超えよう~スマートスピーカースキル開発を題材に~拓将 平林
 

Ähnlich wie 書籍解説 “What is EPUB 3?” & “Accessible EPUB 3” (20)

Markdownでドキュメント作成
Markdownでドキュメント作成Markdownでドキュメント作成
Markdownでドキュメント作成
 
Day3 edupub tokyo_tamura
Day3 edupub tokyo_tamuraDay3 edupub tokyo_tamura
Day3 edupub tokyo_tamura
 
JEPA 4月度定例会資料 0412
JEPA 4月度定例会資料 0412JEPA 4月度定例会資料 0412
JEPA 4月度定例会資料 0412
 
JEPA 4月度定例会資料0409a
JEPA 4月度定例会資料0409aJEPA 4月度定例会資料0409a
JEPA 4月度定例会資料0409a
 
EDUPUB Phoenix 2015 報告
EDUPUB Phoenix 2015 報告EDUPUB Phoenix 2015 報告
EDUPUB Phoenix 2015 報告
 
電子教科書の技術動向とEDUPUB
電子教科書の技術動向とEDUPUB電子教科書の技術動向とEDUPUB
電子教科書の技術動向とEDUPUB
 
DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書
DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書 DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書
DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書
 
インプレスR&D:出版ワークフローのデジタル化/見える化
インプレスR&D:出版ワークフローのデジタル化/見える化インプレスR&D:出版ワークフローのデジタル化/見える化
インプレスR&D:出版ワークフローのデジタル化/見える化
 
EPUB3以降とReadium
EPUB3以降とReadiumEPUB3以降とReadium
EPUB3以降とReadium
 
「DAISY / EPUBをめぐる内外の最新情報
「DAISY / EPUBをめぐる内外の最新情報 「DAISY / EPUBをめぐる内外の最新情報
「DAISY / EPUBをめぐる内外の最新情報
 
APL EPUB WG報告
APL EPUB WG報告APL EPUB WG報告
APL EPUB WG報告
 
Ocs2013 tokyo spring_plone
Ocs2013 tokyo spring_ploneOcs2013 tokyo spring_plone
Ocs2013 tokyo spring_plone
 
Art.woorks企画書 120601版
Art.woorks企画書 120601版Art.woorks企画書 120601版
Art.woorks企画書 120601版
 
達人出版会のご紹介(技術編)
達人出版会のご紹介(技術編)達人出版会のご紹介(技術編)
達人出版会のご紹介(技術編)
 
20141023 Research for UK
20141023 Research for UK20141023 Research for UK
20141023 Research for UK
 
Idpfボルドー会議報告
Idpfボルドー会議報告Idpfボルドー会議報告
Idpfボルドー会議報告
 
20101110 Tech 01 クライアントとネットワークの計画
20101110 Tech 01 クライアントとネットワークの計画20101110 Tech 01 クライアントとネットワークの計画
20101110 Tech 01 クライアントとネットワークの計画
 
Ocs2012 tokyo/spring plone
Ocs2012 tokyo/spring plone Ocs2012 tokyo/spring plone
Ocs2012 tokyo/spring plone
 
EPUB 3.1の制定と 国際規格化
EPUB 3.1の制定と国際規格化EPUB 3.1の制定と国際規格化
EPUB 3.1の制定と 国際規格化
 
Azureのサーバーレスで限界を超えよう~スマートスピーカースキル開発を題材に~
Azureのサーバーレスで限界を超えよう~スマートスピーカースキル開発を題材に~Azureのサーバーレスで限界を超えよう~スマートスピーカースキル開発を題材に~
Azureのサーバーレスで限界を超えよう~スマートスピーカースキル開発を題材に~
 

書籍解説 “What is EPUB 3?” & “Accessible EPUB 3”

  • 1. 書籍解説 What is EPUB 3? & Accessible EPUB 3 イースト株式会社 高瀬 拓史 takase@est.co.jp 2012/09/21 JEPA EPUBセミナー#14
  • 2. 今日お話しすること • EPUB 3関連書籍の紹介と解説です。 • What is EPUB 3? http://shop.oreilly.com/product/0636920022442.do • Accessible EPUB 3 http://shop.oreilly.com/product/0636920025283.do • IDPFとDAISY Consortium制作 O reilly Mediaより出版 • いずれも無料で入手できます。
  • 3. 加筆分 2012年末?(有料)
  • 4.
  • 5. 概要 • EPUB 3の概論 • EPUB 3 Best Practices の第一章 となる位置づけ • 歴史、技術、メリット、展望がコンパク トに整理されている • EPUB 3策定中に書かれているため、 アップデートされるはず
  • 6. •What Is EPUB 3? • EPUB 3 in a Nutshell EPUBの概要 • The EPUB 3 Revision EPUB 3への改訂経緯 • EPUB and Web Standards EPUBとウェブ標準の関係 • The Goodies EPUB 3の改良点 • The Arrival EPUB 3普及への展望 目次
  • 7. EPUB 3とは何か • EPUBは汎用的なフォーマット 特定の種類の出版物に特化したものではない 雑誌、オフィス文書、政策文書など様々に利用できる • ウェブ標準を積極的に取り入れている すでに広く利用されている技術やスキルを活用できる • フリー、オープン 誰もが制約なく利用できるように設計されている シンプルなテキストエディタで制作できる点は普及の大きな要因
  • 8. EPUB 3への改訂経緯 • 電子出版市場の急速な進化 E Inkデバイスからタブレットデバイスへ • EPUB 2への改善要望 マルチメディア対応 インタラクティブなコンテンツ グローバル言語対応 アクセシビリティの向上 • EPUB 3で残された課題 ビデオコーデック(H.264 vs WebM)が統一できなかった コミックやマンガの表示方法について試行錯誤が続いている
  • 9. EPUB 3とウェブ標準 • ブラウザのスタックを採用した理由 ブラウザのスタック(HTML, CSS, JavaScript) リフローに適していた 長期生存できるフォーマットだった ブラウザの描画エンジンを利用してビューワの開発コストを下げられた • ウェブ標準を利用するデメリット 標準化されておらずEPUBが自前で用意したもの  リッチな注釈データ(出版物としてのセマンティクス)  文書の読み順を定義する仕組み...etc. 他の仕様の方向性をコントロールできない  HTML5、CSS3の不確実性
  • 10. EPUB 3の改良点 • マルチメディア • メディアオーバーレイ • スクリプティング • SVG • グローバル言語対応 • アクセシビリティ
  • 11.
  • 12. 概要 • EPUBをアクセシブルにするためのベス トプラクティス • アクセシビリティに準拠するためのガイ ドラインではない • どうすれば出版物をアクセシブルにでき るのか、観点や考え方を示すのが目的 • WCAGやWAI-ARIAも参考に WCAG: Web Content Accessibility Guidelines http://www.w3.org/TR/WCAG20/ WAI-ARIA: Web Accessibility Initiative s Accessible Rich Internet Applications http://www.w3.org/TR/wai-aria/
  • 13. • Accessible EPUB 3 • Introduction 高品質なデータとアクセシブルなデータ • Building a Better EPUB: Fundamental Accessibility 基礎部分(テキスト、画像等)に 関するテクニック • It s Alive: Rich Content Accessibility EPUB 3の新機能(マルチメディア、TTS等)に 関するテクニック • Conclusion 出版物をアクセシブルにすることのメリット ぜひ実践を! 目次
  • 14. イントロダクション 基本的な考え方 • 高品質なデータ =構造化されたデータ =アクセシブルなデータ • リッチで使い回しの効くコンテンツを制 作すること • あらゆる人によりよい読書体験を与える こと
  • 15. 基礎テクニック • スタイルの分離 視覚情報に頼らず読者に意味を伝えられるようにする スタイルシートを除去しても内容が失われないかチェック • セマンティクスの追加 epub:type属性を追加してビューワのユーザビリティを向上させる • コンテンツへの言語属性の指定 音声読み上げや点字表示の精度が向上する • 読み順への重要度の指定 linear属性を利用して重要ではない箇所をスキップできるようにする <itemref idref="chapter1"/> <itemref idref="chapter1-note" linear= no /><!-- skippable -->
  • 16. 基礎テクニック • 段落間の空きをマークアップする 場面や文脈の変化を<hr>要素によって示す • リスト <ol>、<ul>、<dl>要素を適切に利用する • 図版、表、コード <figure>要素でグループ化しておく • 表: <table> 画像化は非推奨。ヘッダやセル同士の関係を適切にマークアップする <th>要素、<thead>要素、scope属性、header属性の利用
  • 17. 基礎テクニック • 画像: <img> <img>要素を詳細に説明するための試案 ・<figcaption>要素の中で<details>要素を使う? ・<a>要素で説明用のHTML文書にリンクさせる? 意味のない画像にaltテキストは不要 • 画像: SVG 拡大縮小に強く、タイトルや説明文が入れられる スクリプトの利用はアクセシブルではない http://www.w3.org/TR/SVG-access/ を参考に • 数式: MathML alttext属性に説明テキストを入れることを推奨 高度な説明が必要なら<annotation-xml>要素内にXHTMLで記述
  • 18. 基礎テクニック • 脚注 epub:type属性とハイパーリンクで本文との関係を記述する <p>…<a epub:type="noteref" href="#n1">1</a> …</p> <aside epub:type="footnote" id="n1"> … </aside> • 原本のページ番号 同じ教室で紙の教科書と電子教科書が併用される際に有用 epub:type属性によってコンテンツの中に改ページ箇所を記述する <span xml:id="page361" epub:type="pagenumber">361</span> 原本はパッケージ文書に<dc:source>要素で示す <dc:source>urn:isbn:9780375704024</dc:source>
  • 19. リッチコンテンツ • オーディオ、ビデオ 選択するビデオコーデックの問題(H.264 vs WebM)は解決できない →同じ内容を2種類のコーデックで用意するのは1つの方法 controls属性によって再生を制御できるようにする <video controls= controls > • 字幕の追加 <track>要素を利用してマルチメディアにテキストと表示タイミング を指定することはアクセシビリティ上有用 画像の説明テキスト同様わかりやすいものにすること <track kind="captions" src="video/captions/en/v001.cc.vtt" srclang="en" label="English"/>
  • 20. リッチコンテンツ • メディアオーバーレイ seq要素とpar要素を適切に使って構造化する epub:type属性を加えて内容がわかるようにする メタデータに再生時間を記述する(仕様) 読み上げ箇所がわかるように専用のスタイルを用意する  パッケージ文書 <meta property="media:active-class">-epub-media-overlay-active</meta>  CSS .-epub-meia-overlays-active { background:yellow; } DAISY制作ソフトTobiがメディアオーバーレイ入りEPUB 3を出力できるように なる予定 http://www.daisy.org/tobi/blog/tobi-2.0-support-epub-3-media-overlays-roadmap • TTS PLS、SSML属性、CSS3 Speech…。今回の発表では省略します。
  • 21. まとめ • EPUBの解説書は少なくないが、 設計思想や背景を知ることのできる 本書は貴重。 • 制作マニュアルとして読まれるべきでは ない。 • EPUBの尊重するもの、目指すものを 理解すると、制作者としての視野が広が ります。