本研究では深川恒喜が残した史料群である「深川文書」の中に含まれていた「深川ノート」を用いて、1953年に発表された「学校図書館基準」の改訂作業ならびに1959年に出版された『学校図書館運営の手びき』の制作過程について検討を行った。「深川ノート」に含まれる時期の異なる「メモA」と「メモB」を検討した結果、会議に関わった関係者の氏名が明らかになった。また、『学校図書館運営の手びき』については4種類の目次改訂の痕跡が見られたこと、「学校図書館基準」については、学校予算に応じた図書館費の負担を目指すような発言があったことが確認できた。