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確率ロボティクス
F^3RCにどのように活用できるか
2018/6/19 安田 森川
F^3RC
各ロボットの動き
自動機
• ガチアサリをガチアサリ
置き場に持っていく
• ゴールエリアにアサリを持っていく(10個以上)
手動機
• アサリを回収
⇒ガチアサリを作る
• ハマグリをハマグリ台に持っ
ていく
チャンスタイム
ノックアウト 勝利
自動機
自動機
自
ガチアサリの
受け取り
自動機
ガチアサリ
を置く
自
ガチアサリの
受け取り
自動機
ガチアサリ
を置く自
アサリを拾う
ガチアサリの
受け取り
自動機
ガチアサリ
を置く
自
アサリを拾う
アサリを置く
ガチアサリの
受け取り
自動機
ガチアサリ
を置く
自
アサリを拾う
アサリを置く
ガチアサリの
受け取り
移動が多い
正確な位置に
移動する必要がある
自動機
移動が多い
正確な位置に
移動する必要がある
不確実さに対応
する必要がある
相手の妨害
フィールドの誤差
センサの測定ミス
など
が使えそう
あとは 安田 君 に任せます。
ここまでの復習
(2章、3章、4章)
確率ロボティクス(ここまでの内容)
2章(再帰的状態推定)(今回は割愛)
・ベイズフィルタ
3章 (ガウシアンフィルタ)
・カルマンフィルタ
・EKF(拡張カルマンフィルタ)
・UKF(アンセンデットカルマンフィルタ)
・情報フィルタ
4章 (ノンパラメトリックフィルタ)
・ヒストグラムフィルタ
・パーティクルフィルタ
カルマンフィルタ
・線形ガウス型モデル。
・状態遷移確率と計測確率がガウス雑音を足した線形関数で、
初期信念が正規分布。
利点
・ガウス関数のパラメータのみで計算が行えるため、計算効率が
いい。
欠点
・状態遷移や計測が線形であることは滅多にない。
EKF(拡張カルマンフィルタ)
・カルマンフィルタを非線形に拡張する。
・変換後の確率密度関数はガウス分布に従わないため、テイラ
ー展開を用いて、線形近似をする。
・テイラー展開をする段階でヤコビ行列の計算を行う。
利点
・計算効率がいい(カルマンフィルタとあまり変わらない)
欠点
・単なる線形近似なので時間がたっていくと不正確になっていく。
・局所的非線形性に近似性能が左右される。
UKF(アンセンテッドカルマンフィルタ)
・線形化の方法としてアンセンテッド変換を使う。
・シグマ点がガウス分布から抽出される。
利点
・ヤコビ行列を計算しなくてよい。(微分なしフィルタ)
・非線形系では精度の良い結果がでる。
欠点
・計算コストが高い
情報フィルタ
・情報行列、情報ベクトルでガウス分布を表現する。
・カルマンフィルタと双対をなすフィルタで、互いに直交する
利点と欠点をもつ。
利点
・計測更新が簡単で、計算効率がいい。
欠点
・予測ステップで逆行列を2回計算するため、計算に時間がか
かる。
ヒストグラムフィルタ
・ノンパラメトリックフィルタ
・確率密度関数をヒストグラムで近似する。
利点
・ヒストグラムの解像度を調整すると、正確さと計算効率を調節
できる。(ツリー表現)
欠点
・動的離散化は効果的だが実装が難しい。
パーティクルフィルタ
・ノンパラメトリックフィルタ
・状態空間にパーティクルを撒いて、状態遷移を予測。
・確率分布を計算して、尤度の低いパーティクルを高いパーテ
ィクルの位置に撒き直す。(リサンプリング)
利点
・ガウス分布に近似しているわけではないので非常に精度が高い。
欠点
・パーティクルの数が多く必要なので、計算コストが高い。
どれを使おうか?
UKF
が良さそう
UKFを選んだ理由
・テイラー展開をするときに必要なヤコビ行列をそもそも
計算しなくていい。
・アンセンテッド変換はテイラー展開の2~3次程度の近似精度
があることがわかっている。
・システムの動特性に微分できない非線形性が含まれていても
そのまま利用できる。(微分なしフィルタ)
・非線形系に対して、精度はEKFと同じかそれ以上で、計算時間
はわずかに負けるが大差ない。
もしF^3RC で使うなら
・自動機に搭載
・壁からのロボットの距離を計測として測距センサで読み取る。
・オドメトリでロボットを制御。
・計測値を測距センサの値、制御をオドメトリとして、UKFで
つなげる。
実際はEKFのほうが多く使われているらしい(なぜ?)

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