1. 「共感の環」を広げる 「ちいきをつくるって」どういうことか一緒に考えてみましょう 平成23年3月27日（日） ㈱藤井基礎設計事務所 地域戦略研究所 白石 絢也 1

2. １．自己紹介 1 名前 白石 絢也（しらいし じゅんや） 2 年齢 30歳（昭和55年4月10日 生） 3 出身 島根県大田市 4 職業 コンサルタント 主に“まちづくり” “地域振興”を 目的とした活動・団体をサポート ■主なエリア 隠岐の島町／浜田市弥栄町 2

3. １．自己紹介 5 仕事上の関心事 どうすれば地域は元気になるのか どうすればそこに住み続けたいと思えるのか どうすれば地域運営はうまく機能するのか 3

4. ２．今日、紹介する事例について 1 隠岐の島町 風待ち海道倶楽部 ・観光産業を何とかしなければ島は沈没する！ という危機感のもと、イベントからスタートし、 現在はエコツーリズム、ジオパーク推進の原動力 ＠歩夢（あっと！ふ～む） ・人口減、高齢化が進む地域で住民が主体的に地域を 運営していくための組織を新たに設立。島出身者へ のふるさと小包便など多様なプロジェクトを実施中 隠岐×学生プロジェクト ・大学生と地域の子ども両方に隠岐を好きになっても らうためのプロジェクト 4

5. ２．今日、紹介する事例について 2 浜田市弥栄町 弥栄らぼ ・「限界集落」と呼ばれる地域の維持・活性化につい て外部人材が“繋ぐ”役割を担う効果を検証 - 地域内の人を“繋ぐ” - 地域と都市を“繋ぐ” 5

6. ３．隠岐の島町で活動する組織 1 風待ち海道倶楽部 ひとつの目的にバラバラに向かうのではなく、一体となって向かう 以前：各組織がバラバラに行動するため、 力も効果も分散 以後：各組織のトップを束ねる形で倶楽 部を組織化->力を結集し効果的に B A C グループA B C D E F 風待ち海道倶楽部 地域活性化 D E F 地域活性化 6

8. 人数 約60人 うち実働部隊は約10名程度

9. 実働部隊 役場職員、個人事業主が中心、年齢層は40～50代中心2002年頃 公共事業推進の際に住民の意見を抽出するためにワークショップ実施 「地域活性化」への思いは官民一緒であることに気づく 2003年 官民一体となったまちづくり組織「風待ち海道倶楽部」設立 西郷港周辺の賑わい創出を目的に「朝市」を実施 2004年 引き続き朝市事業実施。西郷港を活用した「みなとの楽校」事業など実施 2005年 まちづくりを進めるには住民が地域をよく知ることが大事であると考え、 「風待ち海道エコツーリズム大学」を開校（以後、現在も継続実施中） 2006年 7

10. ３．隠岐の島町で活動する組織 1 風待ち海道倶楽部 活動年表 2002年頃 公共事業推進の際に住民の意見を抽出するためにワークショップ実施 「地域活性化」への思いは官民一緒であることに気づく 2003年 官民一体となったまちづくり組織「風待ち海道倶楽部」設立 西郷港周辺の賑わい創出を目的に「風待ち海道あおぞら市」を実施 2004年 引き続き朝市事業実施。西郷港を活用した「みなとの楽校」事業など実施 2005年 まちづくりを進めるには住民が地域をよく知ることが大事であると考え、 「風待ち海道エコツーリズム大学」を開校（以後、現在も継続実施中） 東京大学、関西大学を会場に、エコツーリズム大学の出前講座を実施 2006年 情報発信としてブログ開設。「通り名」命名による周遊促進事業実施 日本風景街道に登録される。長崎県立大学にて出前講座を実施 2007年 まちめぐりナビプロジェクト実施。携帯電話を利用した情報提供サービスの構築 2008年 ジオパークに向けた動きが活発化。地域資源活用シンポジウム開催 2009年 隠岐ジオパーク推進協議会設立 隠岐ジオパークが「日本ジオパーク」の認定を受ける 2010年 日本ユネスコ協会連盟による「日本未来遺産」に風待ち海道倶楽部が登録される イオンによる「隠岐ワオンカード」等提携スタート 2011年 未来遺産運動として、隠岐高校生徒と隠岐ジオパークを紹介する紙芝居制作 現在は、世界ジオパーク登録に向けて活動展開中 8

11. ３．隠岐の島町で活動する組織 1 風待ち海道倶楽部 2003 風待ち海道あおぞら市 9

12. ３．隠岐の島町で活動する組織 1 風待ち海道倶楽部 2005～ 風待ち海道エコツーリズム大学 座学の様子 野外講座の様子 新酒の試飲 公民館活動と連携 10

13. ３．隠岐の島町で活動する組織 1 風待ち海道倶楽部 2005～ 風待ち海道エコツーリズム大学 長崎県立大学にて出前講座 緊急時のためのAED講座 11

14. ３．隠岐の島町で活動する組織 1 風待ち海道倶楽部 2005～ 風待ち海道エコツーリズム大学 12

15. ３．隠岐の島町で活動する組織 1 風待ち海道倶楽部 2006～ 日本風景街道（国土交通省HPより） 13

17. 生態系

18. 人びとの生活・文化ジオ（地球）をまるごと楽しむ公園 14

23. ３．隠岐の島町で活動する組織 1 風待ち海道倶楽部 「賑わい創出」 -> 地域の資源に光を当てる活動へ 朝市イベントによる「賑わい創出」 観光振興 2003 気づき 観光客に喜んでもらうためには住民が地域に誇りを感じなければ意味がない 地域資源に「気づき」、「学び」、「伝える」 風待ち海道エコツーリズム大学 2005 日本風景街道 2006 ジオパーク 2008 未来遺産 2009 19

24. ３．隠岐の島町で活動する組織 2 ＠歩夢（あっと！ふ～む） 設立の目的 布施地区 武良地区 人口減少 高齢化 担い手不足 地域の垣根を超えた連携 新しい地域運営の仕組み 20

25. ３．隠岐の島町で活動する組織 2 ＠歩夢（あっと！ふ～む） H22年度 布施地区の活動計画 21

31. ３．隠岐の島町で活動する組織 2 ＠歩夢（あっと！ふ～む） H22年度 武良地区の活動計画 27

32. 武良新原始人学校創設 生きる術調査 新原始人になるための講習機会創出 新原始人たる技術を持つ人を発見 武良カレンダー 防災マップづくり 情報を発信 地域で生きる感覚を養成 しらしま祭り参加 苗木贈呈 情報誌の発行 新原始人プロジェクト概要図 ３．隠岐の島町で活動する組織 2 ＠歩夢（あっと！ふ～む） H22年度 武良地区の活動計画 28

35. ３．隠岐の島町で活動する組織 3 隠岐×学生プロジェクト プロジェクトの背景と目的 31

36. ３．隠岐の島町で活動する組織 3 隠岐×学生プロジェクト プロジェクトの背景と目的 32

37. ３．隠岐の島町で活動する組織 3 隠岐×学生プロジェクト 活動概要 33

38. ３．隠岐の島町で活動する組織 3 隠岐×学生プロジェクト プロジェクトの流れ 34

39. ３．隠岐の島町で活動する組織 3 隠岐×学生プロジェクト フィールドワーク・事前の関係者ミーティング 35

40. ３．隠岐の島町で活動する組織 3 隠岐×学生プロジェクト 学生の企画を詳細に検討・必要な道具類の準備 36

41. ３．隠岐の島町で活動する組織 3 隠岐×学生プロジェクト 学生発の企画を実施 37

42. ３．隠岐の島町で活動する組織 3 隠岐×学生プロジェクト 医学部も連携 38

43. ３．隠岐の島町で活動する組織 3 隠岐×学生プロジェクト プロジェクトを通じて得たもの感じたことを学生が報告 39 山陰中央新報（平成23年2月13日）

44. ３．隠岐の島町で活動する組織 40 3 隠岐×学生プロジェクト 参加学生の反応は良好 参加のきっかけはいろいろ 1 「地域の人との交流」が学生に好評 2 プロジェクトを通じて多くの学生が隠岐を好きになった 3

45. ４．弥栄町で活動する組織 41 1 弥栄らぼ 設立の背景と目的 地域外にマネージメント能力を持った人材を期待 1 人口減少 高齢化 地域外から人を設置し、住民とコミュニケーションを取りながら活性化等の取り組みを展開 2 担い手不足 地域の垣根を超えた連携 島根県立大学および学生との連携 3 「弥栄らぼ」が住民、行政、大学、都市住民等とのパイプ役となることで、新しい風を提供 4 新しい地域運営の仕組み

46. ４．弥栄町で活動する組織 1 弥栄らぼ 耕作放棄地の再生 42

47. ４．弥栄町で活動する組織 1 弥栄らぼ 耕作放棄地の再生 43

48. ４．弥栄町で活動する組織 1 弥栄らぼ クマ対策が体験型ツアーの素材？ 44

49. ４．弥栄町で活動する組織 1 弥栄らぼ 伝統行事のお手伝い 45

50. ４．弥栄町で活動する組織 1 弥栄らぼ やさかショップ 余剰生産品を浜田市街地で販売 46

51. ４．弥栄町で活動する組織 1 弥栄らぼ 作業支援活動 冬は除雪作業が大変な仕事 47

52. ４．弥栄町で活動する組織 1 弥栄らぼ 弥栄らぼがパイプ役になることでさまざまな関係性が生まれた 48

54. 風待ち海道倶楽部の中では、「共感」され、いろんなことが共通認識

55. 少しずつ倶楽部の外にも「共感」する人が 現れてきている 49 現状と課題 B A C D E F 風待ち海道倶楽部 倶楽部員だけである程度のことができてしまう 1 「共感」を得るために力を割くより、今しなければならないことに注力 2 地域活性化 新たな共感者が地域から出てこない傾向 3 何をしたいのか、力を借りたいのか、思いを伝えていくことが必要 4

57. 地域活動には「攻め」と「守り」

58. 「守り」は従来からしてきた活動や、新しいことでも暮らしを守っていく視点の活動（例：独居高齢者の見回り活動、弁当宅配など）

59. 「攻め」は新しい活動で、外部へと積極的に働きかけていく活動（例：ふるさと小包便・やさかショップ）

60. アイディアを活かすも殺すもマネージャー次第。だから理念が必要「攻め」には特に専属で動ける人が必要 1 人材が見つからない。いても人件費が払えない 2 人材の確保と人件費の確保 50 3

62. 100点満点にはならない企画でも「とりあえず」やってみることで、動きが生まれる（事例：隠岐×学生PJ）

63. 若者、子ども、学生、年長者、女性・・・ いろんな人が気軽にアイディアを話せる雰囲気が重要

64. そこから何を取捨選択するかは、マネージャーの役割（前ページ）地域住民が、部外者に期待していない（若者、女性、学生への低い評価） 1 かと言って、地域の中で積極的に動ける人を見つけることもない 2 アイディアをどれだけ出すか、いくつ具体的に実践していくかが重要 3 気軽に「とりあえず」と行動に移せるためのサポート（行政等）も重要 51 4

65. ６．おわりに 1 年齢を超えた関係性 初対面の学生とおばあちゃんが普通に会話できる関係性 52

66. ６．おわりに 2 好きなことば ニッコロ・マキャベリ 人の運のよしあしは、 時代に合わせて行動できるか否かに、 かかっているのである 53