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自作LSIコミュニティの可能性
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Junichi Akita
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2017/4/22 組み込みエンジニアフォーラム。Make、エリンギ、MakeLSI:、ARMでLチカ。
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1.
Interface Device Laboratory,
Kanazawa University http://ifdl.jp/ 自作LSIコミュニティの可能性 秋田純一(金沢大・電子情報学類) akita@ifdl.jp @akita11
2.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 自己紹介 名古屋生まれ→博士号(‘98)(イメージセンサ) 金沢大(’98~’00・’04~) 公立はこだて未来大(’00~’04) ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員 本業:(機能つき)イメージセンサ +半導体を使うデバイス・システム(←電子工少年) 好きな半田はPb:Sn=60:40 好きなプロセスは0.35μm(半導体) LSI(イメージセンサ)のレイアウト図 (プロッタ出力して目視チェック) チップと基板をつなぐ ワイヤーボンディング 基板設計 はんだ部屋
3.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 自己紹介(おまけ)
4.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 最近の秋葉原(あきば) 4 ※客層が変わってきている(こっちの) (昔)ロボコン高専生・電子工作マニア(おっさん) (今)↑+テクノ手芸女子、親子連れ、美大生 西餅「ハルロック」・1Ωより (週刊モーニングで連載/単行本)
5.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Make: 理工離れ?どこの世界の話? “Maker”の活動の広がり 実はみんな「作るのが大好き」 FabLab(レーザーカッター、3Dプリンタ等の 加工機をコアにしたコミュニティ) いままでは「技術が手元になかった」だけ 道具・技術が「民主化」されて、 使えるようになった MakerFaireTokyo2013の様子 「ハルロック」1巻1Ωより
6.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ “Maker”から産業へ ロングテール:嗜好の多様化+それに応える産業 「本当に欲しいもの」が手に入る 実際に製造業でも Industry4.0も背景 小規模製造業、高い技術力 熱心なユーザ・ファン、ユニークな製品 市場調査+資金調達=CrowdFunding サプライチェーン・製造技術の活用 製造業におけるロングテールの具現化 「ハードウエア・スタートアップ」が続々 「大量生産型」の補完として定着 (C.アンダーソン「ロングテール」,早川書房 (2009)) 全体の40%
7.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ なぜMakerが生まれたのか? 製造技術が「普及(道具化)」したから 技術がこなれてきた ノウハウがたまった ユーザの「幅」が広がった 生態系(ecosystem)を形成(事業として成立) Arduino←→無数のマイコンボードの違い? 使いやすさ+ユーザコミュニティ(主にオンライン) 7 ArduinoUno
8.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が「道具」になるには? 1993年頃に生まれる →2003年頃から普及(10年) 当初:食べ方??? 料理番組・雑誌等での 調理例→定番キノコに 料理の「道具(素材)」になった (Wikipediaより) (農林水産省「平成20年度 農林水産物貿易円滑化推進事業 台湾・香港・シンガポール・タイ における品目別市場実態調査(生鮮きのこ)報告書」(林野庁経営課特用林産対策室 )より)
9.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が「道具」になるステップ 開発/発明される お店で買えるようになる 使い方が知られるようになる みんなが使うようになる それが「道具」となって、次のステップへ プロのみ マニア(ハイレベルアマチュア)向け だれでも
10.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「技術の普及」の結果:深圳の華強北 10 山寨(ShanZhai)の例(“iPhone nano”) ※FakeCopyではなく、プロダクトの 進化系。これが2週間で量産される 無限に続くパーツ屋/築地のような活気 “Used Mobile Phone Shop”の実体 パーツに分解 (BGAも) 路上で解体 店頭でリペア ※BGAも手はんだ ※ボール再生機あり ShenZhen HuaQiangBei 基板製造 + 部品(サプライチェーン) + ハードウエアスタートアップ + VC/アクセラレータ 深圳の生態系
11.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体の進化の歴史:ムーアの法則 ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm 傾き:×約1.5/年 G.Mooreが1965年に論文[1]で述べる→C.Meadが「法則」と命名→「予測」→「指針(目標)」へ 素子を微細化する=いいことがたくさんある(性能↑、消費電力↓などなど) [1] G.E.Moore, "Cramming more components onto integrated circuits," IEEE Solid-State Circuit Newsletter, Vol.11, No.5, pp.33-35, 1965.
12.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「LED点滅(Lチカ)」のパラダイムシフト コスト面:マイコン○(「もったいなくない」) 機能面:マイコン○(多機能・仕様変更も容易) 「半導体(LSI)の低価格化」が起こした 「コンピュータ=部品」へのパラダイムシフト マイコン使用 部品点数=1 コスト:100円 発振回路(555) 部品点数=4 コスト:150円 while(1){ a = 1; sleep(1); a = 0; sleep(1); } ※さすがにPCではちょっと・・・
13.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 集積回路は「道具」になっているか? 高性能な「汎用品」:道具になった (マイコン、FPGA、オペアンプ、・・・) 「専用品」(カスタムLSI)は?:現状、無理 例:学部1年生にLSIを作らせる? 「高いんだぞ・・・」「失敗したらシャレにならんぞ」 「ツールの使い方が難しいぞ」 「基礎知識(回路理論など)をいっぱい勉強しろ」 「ちゃんと動かすのは難しいぞ」 TATが長い(=チップが届くころには忘れている) 作れない→経験できない→学べない 13
14.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体は「道具」になっているか?:調査 https://www.youtube.com/watch?v=A188CYfuKQ0 http://www.nicovideo.jp/watch/sm23660093 CMOS 0.18um 5Al 2.5mm x 2.5mm RingOSC x 1001 T-FF (Div)
15.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ LチカLSI動画:ニコ動でのコメント こっから? ニコ技界のTOKIO ゲートの無駄遣い ここから!!? ひでえ、勿体ない使い方wwwww マジかよ。レジストレベルの設計とか ガチすぎる。 無駄遣い過ぎるだろw 贅沢というかなんというか え?まじでここからかよ」wwww」」 IC版FusionPCB的なところが現れれば・・・ (FPGAでは)いかんのか? 俺はFPGAで我慢することにする いや、そこまでは必要ないです 量産品すらFPGA使う時代に専用LSI・・・ アマチュアはFPGAで良いんだよなぁ・・・w
16.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体を「つくる」ためのハードル 設計CAD 市販の業務用CAD: 高すぎ、高機能すぎ 製造方法 高すぎ、時間かかりすぎ(1000万円・半年) NDA(設計ルールなどのアクセス制限)が厳しすぎ ユーザ・コミュニティ 参入障壁:現状は専門家ばかり “How”の専門家は多いが、”Why/What”は皆無 例:IoT時代のTrillion Sensor←経済的な方策(設置・運用)は? 例:エナジーハーベストで動く永久センサノード←いずれ故障する
17.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体を道具にするために: MakeLSI: 情報収集・整理 フリーCADなど(けっこうある) NDAフリー・OpenSourceの環境で 仲間さがし 参加条件:特になし(アツい心) けっこういる(120名程度) プロ・経験者〜SWエンジニア〜主婦 http://ifdl.jp/make_lsi フリーのCAD
18.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ MakeLSI: まずはやってみた 2015年7月~8月&2016年7月~8月 参加: 2015年:8人・9種類@2チップ(高専生~ギーク~元プロ) 2016年:11人・13種類@2チップ(高専生~プロ~主婦) IP蓄積が異様に速い(オープンソース/Github) Linuxのような、オープンソース&分散型IP開発の可能性?
19.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「道具」としての半導体を持つこと ふつうの情報工学の研究・・・「あるもの」を使う カメラ、Kinect、マイコン、FPGA、HoloLens・・・ 新技術で、一気にパラダイムが変わることがある 「LSIをつくれる」という道具 =「いまできること」という発想から脱却 Microsoft HoloLens
20.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「DIYマイコン」はどうか? ARM Cortex-M0 DesignStartプログラム 誰でも申請OK、評価目的でCortex-M0のHDLソース
21.
2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「自作Cortex-M0でLチカ」:概要 0: 23a0 movs r3, #160 ; 0xa0 2: 05db lsls r3, r3, #23 4: 4c0b ldr r4, [pc, #44] 6: 4f0c ldr r7, [pc, #48] 8: 2201 movs r2, #1 a: 601a str r2, [r3, #0] c: 2500 movs r5, #0 e: 6025 str r5, [r4, #0] 10: 2600 movs r6, #0 12: 3601 adds r6, #1 14: 42be cmp r6, r7 16: d1fc bne.n 12 <main+0x12> 18: 3501 adds r5, #1 1a: 2dff cmp r5, #255 ; 0xff 1c: d1f7 bne.n e <main+0xe> 1e: 2200 movs r2, #0 20: 601a str r2, [r3, #0] 22: 25ff movs r5, #255 ; 0xff 24: 2600 movs r6, #0 26: 3601 adds r6, #1 28: 42be cmp r6, r7 2a: d1fc bne.n 26 <main+0x26> 2c: 3d01 subs r5, #1 2e: 2d00 cmp r5, #0 30: d1f8 bne.n 24 <main+0x24> 32: e7e9 b.n 8 <main+0x8> 34: 50000004 38: 0000270f #define GPIO 0x50000000 #define PWMDUTY 0x50000001 #define WAIT 10000 // 3,000,000=0.3s / 256 -> 10,000 void main() { volatile unsigned int w; volatile unsigned int d; while(1){ *(volatile unsigned int *)GPIO = 0x0001; for (d = 0; d < 256; d++){ *(volatile unsigned int *)PWMDUTY = d; for (w = 0; w < WAIT; w++); } *(volatile unsigned int *)GPIO = 0x0000; for (d = 255; d >= 0; d--){ *(volatile unsigned int *)PWMDUTY = d; for (w = 0; w < WAIT; w++); } } } arm-gcc/gas VerilogHDL module imem(clk, addr, data2); input clk; input [31:0] addr; output [31:0] data2; reg [31:0] data, data2; // 0x00000000 - 0x1fffffff : code (0x00000000-0x000000c0: int.vec.) // code memory: little-endian (LSB=1st byte / MSB=2nd byte) wire [31:0] addr2; assign addr2 = {addr[31:2], 2'b00}; always @(addr2) begin case (addr2) 32'h00000000 : data <= 32'h0020000; // insital SP 32'h00000004 : data <= 32'h0000101; // reset (bit[0]=T) 32'h00000100 : data <= {16'h05db,16'h23a0}; 32'h00000104 : data <= {16'h4f0d,16'h4c0c}; 32'h00000108 : data <= {16'h601a,16'h2201}; 32'h0000010c : data <= {16'h6025,16'h2500}; 32'h00000110 : data <= {16'h3601,16'h2600}; 32'h00000114 : data <= {16'hd1fc,16'h42be}; 32'h00000118 : data <= {16'h2dff,16'h3501}; 32'h0000011c : data <= {16'h2200,16'hd1f7}; 32'h00000120 : data <= {16'h25ff,16'h601a}; 32'h00000124 : data <= {16'h2600,16'h6025}; 32'h00000128 : data <= {16'h42be,16'h3601}; 32'h0000012c : data <= {16'h3d01,16'hd1fc}; 32'h00000130 : data <= {16'hd1f7,16'h2d00}; 32'h00000134 : data <= {16'h0000,16'he7e8}; 32'h00000138 : data <= 32'h50000004; 32'h0000013c : data <= 32'd1999; default: data <= 32'h0; endcase end always @(posedge clk) begin data2 <= data; end endmodule 「Lチカ」&「Lほわ」 Thumb命令
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2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「自作Cortex-M0でLチカ」:メモリマップ
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Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「Lチカ専用Cortex-M0」:設計してみた CMOS 0.18um 5Al 0.55mm x 0.65mm ※このチップの設計は、東京大学大規模集積システム設計教育研究センターを通し、 日本ケイデンス株式会社、シノプシス株式会社研究センターの協力で行われたものです。 ※このチップの設計で使用したライブラリは、京都大学情報学研究科 田丸・小野寺研究室の 成果によるもので、京都工芸繊維大学 小林和淑教授によりリリースされたものです。 ※このチップの試作は、東京大学大規模集積システム設計教育研究センターを通し、 ローム(株)および凸版印刷(株)の協力で行われたものです。 Synopsys Design Compiler & IC Compiler
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2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「Lチカ専用Cortex-M0」:製造してみた ※基板はスイッチサイエンスPCBで製造 ※クロック周波数=10MHz
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2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「Lチカ専用Cortex-M0」:動作させてみた 詳細はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=Ptb5kcw3QtY / niconico: sm30093578
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2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ DIYマイコン:どう作る?ミニマルファブ 0.5インチウエハ・局所クリーン化・DLP露光 工程ごとの小型装置群 小ロットのLSI製造 加工寸法:1um程度 単TAT(1〜2日) pMOS, nMOS:OK →CMOS回路へ/MEMS 一部装置は既に販売開始 CMOS製造装置群&製造サービスはあと数年? 基板界での「P板.com」や「スイッチサイエンスPCB」に 似た位置づけ http://unit.aist.go.jp/neri/mini-sys/fabsystem/minimalfab.html
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2017/4/22 Interface Device
Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 1um?0.5in?いえいえ、けっこう使えます 1[um]/3Alプロセス・0.5inウエハに Cortex-M0コアが4ショットは入る カスタムなペリフェラル・アナログ・センサ・MEMS の混載も(これが数万円&1週間@1個から) ※0.18[um]/3Alでの配置配線結果の レイアウトデータ(GDS)を1/0.18=28倍に 拡大して作成
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