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製造現場における静電気トラブル
と解析・対策
~静電気の理論、帯電防止・除電技術、解析手法など~
2018年8月10日
ク コンサルティングクレイン テクノ コンサルティング
Crane techno Consulting.
1章:静電気発生のメカニズム……基本的な静電気理論
1. 静電気とは?
2. 接触帯電
3. 静電誘電による帯電
4. コロナ放電による帯電
5. 人体が帯電したらどうなるか?
1. 静電気とは?
「静電気が発生する」という言葉の意味は、本来は電気的に中性である物体の中で、
正または負のどちらか一方の極性の電荷が過剰になる現象のことである」。この過
剰な電荷そのものを「静電気」といい、そしてこの過剰な電荷が物体に蓄えられる
現象を、「静電気帯電」(単に帯電ともいう)という。さらにその過剰な電荷が空
気中に放出される現象を「静電気放電」(単に放電ともいう)という。
*静電気用語で使用されるESDとは静電気放電(英: Electro-Static Discharge)
の事である。
帯電の種類は色々あるが主な帯電を説明する。
・接触による帯電
・静電誘導による帯電
・コロナ放電による帯電
2. 接触帯電
異種の物体(固体か液体)が接触してのち分離すると静電気が起きる。両物体が初
めは帯電していなくても,分離のときに電子の移動が起きて帯電する。図1は,2つ
の物体が接近し,接触し,分離して帯電する過程の原子モデルの説明である。
原子はマイナス電荷の電子が軌道に存在し、原子核にはプラス電荷の陽子が電子数
と同じだけ存在するので電気的は中性を保っている。
原子には電子を放出しやすいものと電子を受け取りやすいものがあり、両者を接近、
接触させると電子の移動が起こる。
その結果、電子を受け取った原子はマイナスに電子を放出した原子はプラスに帯電
する。
静電気が発生する理由~接触帯電のメカニズム
プラスに帯電しやすい物質
例:ガラス、毛皮
マイナスに帯電しやすい物質
例:テフロン、塩化ビニル
接触時
電子が移動
電子が移動
電子が移動
マイナス帯電 プラス帯電
物帯が接触すると電子が移動し、電子を受け取った側はマイナス、放出した側はプラスに帯電
図1:
帯電列(摩擦による帯電のしやすさ)
テ
フ
ロ
ン
シ
リ
コ
ン
ポ
リ
エ
チ
レ
ン
ウ
レ
タ
ン
セ
ル
ロ
イ
ド
ポ
リ
エ
ス
テ
ル
ア
セ
テ
ー
ト
硫
黄
金錫ニ
ッ
ケ
ル
琥
珀
木
・
ち
り
紙
木
綿
ア
ル
ミ
絹鉛毛
皮
ナ
イ
ロ
ン
人
毛
ガ
ラ
ス
ア
ク
リ
ル
樹
脂人
間
(
皮
膚
)
空
気
プラスに帯電しやすい マイナスに帯電しやすい帯電しにくい⊕ ⊖
3. 静電誘電による帯電
電場の中に導体を置くと、静電気力を受けて、導体内の正電荷は電場の方向へ、負
電荷(自由電子)は電場と逆の方向へ移動します。
これが静電誘導です、誘導帯電は導体の場合に限られる。図2に導体の誘導帯電の
過程を示す。
導体に帯電体が接近すると、導体表面には帯電体の極性と逆の極性の電荷が誘導さ
れ帯電体から離れた表面にはその誘導電荷と逆極性の電荷が現れる。そして導体を
接地すると、帯電体付近の表面にだけ電荷が誘導されたままになる。
これは始めから接地された導体に帯電体を近づけても同じである。次に接地を外し
て帯電体を遠ざけると、導体には電荷が残り帯電した状態になる。この現象は実際
の現場でも十分に注意すべき現象である。
導体電
静電気が発生する理由~静電誘導のメカニズム
導体に帯電体が近づくと静電誘導が発生し、電荷が誘導される。
図2:
プラス帯電
導体を接地すると帯電
帯付近だけ電荷が残る。
帯電体
導体表面に静電誘導で
電荷が誘導される。
プラス帯電
帯電体を離し、接地を外
すと導体はマイナスに帯
電する。
誘電分極とは
絶縁体では図3のように帯電体を近づけると、絶縁体内部で電気双極子が帯電体の方
に向かって整列し分極という状態になる。この電気双極子が整列することを配向する
という。
電気双極子というのは微小距離を隔てた正負電荷の一対である。そのもの自体は電気
的に中性でかつ絶縁体なので電子の授受はないので接地を外して帯電体を遠ざけても
分極している状態からもとに戻るだけである。したがって理想的な絶縁体は誘導帯電
しない。
図3:
プラス帯電
電気双極子が配向する。
プラス帯電
接地しても変化なし。
帯電体
絶縁体
プラス帯電
帯電帯を離すと元のランダムな状
態に戻る。
4. コロナ放電による帯電
物体は導体、絶縁体に関わらず、コロナ放電などで生成したイオンに接触したりする
ことによって帯電する場合がある。空気清浄機がホコリやゴミを帯電させてフィル
ターに吸着させるのはこの現象を利用している。図4に電気集塵の原理を示す。
集塵極 集塵極放電極図4:
5. 人体が帯電したらどうなるか?
たとえばスリッパを履いてカーペットの上を歩くと、カーペットとの摩擦で帯電したスリッパの
電荷は、スリッパを介して人体に電荷を誘起させる。そして少しでも帯電すると、人体の静電容
量は100ピコファラッド程度と非常に小さいので、電位はたちまち数千ボルトから数万ボルト
に上昇するのである。
しかし、人体が数千ボルトに帯電していても、そのままでいれば何も感じない。しかし、導電性
のある物体、特に接地してある導体に手を触れたりすると、高電圧によって放電し、電撃を受け
ることがある。
スリッパの例でいうと、カーペットとの摩擦で底がプラスに帯電したスリッパは静電誘導によっ
て人体の下半身にマイナスの電荷を誘起する。一方では、スリッパとの摩擦でマイナスに帯電し
たカーペットの静電誘導で絶縁性の床の下にある地面や導電性の物体にプラスの電荷が誘起され
る。
カーペット
接地体
ドアノブと指先で放電が生じ、電撃が人体に
伝わる。
摩擦によりスリッパは 、カーペットは⊖に帯電する
カーペットからの静電誘導により接地体は に帯電する。
⊕
⊕
図9:
チェアとの摩擦による人体の帯電
オフイスや作業場で,いすに着座・離座することなどによって人体が帯電する。
現東京都立産業技術研究センターによる実験結果を紹介、実験は,図10のよう
な方法で行われた。人は着座したまま,背当ておよび座面を摩擦したのち立ち上
がり,人体とチェアの電位を測定する。
画像出典先:静電気を科学する 高橋雄造 (著)
図10:
チェア,履物,床材に導電性材料を使用する効果が明瞭に見られる。帯電防止対策チェアは,チェア帯電電圧,人体帯電
電圧ともに一般品チェアの場合よりも小さい。
これらの結果から,導電性材料を使用したチェア,履物,床材の効果があること、チェア,履物,床材のすべてについてこ
のような静電気対策品を使用すべきぐあることがわかる。静電気対策は,チェアであればキャスターやジョイント,靴底に
導電性材料を使用することである。静電気防止用の靴の底には,電気抵抗(リーク抵抗)が106~108Ωの拡散性領域の材
料を用いる。床には,導電性のあるタイルを使用するほか,導電マットを敷く方法がある。
画像出典先:静電気を科学する 高橋雄造 (著)
2章:帯電防止対策の基本
1. 帯電防止とは?
2. 接地
・・・・2.1 アース線
・・・・2.2 リスト&フットストラップ
・・・・2.3 静電靴、導電靴
3.導電化
・・・・3.1 導電性床&導電性シート
・・・・3.2 導電性素材
・・・・3.3 帯電防止スプレー
4.加湿と静電気
・・・・4.1 相対湿度と静電気帯電量
・・・・4.2 加湿の利点、欠点
・・・・4.3 加湿の問題点
・・・・4.4 加湿の改善
5.シールド
6.除電器
・・・・6.1 電圧印加式除電器の原理
・・・・6.2 電圧印加式除電器の種類
・・・・6.3 除電器のメンテナンス
・・・・6.4 自己放電式除電器
1.帯電防止とは?
静電気トラブルを回避するには、静電気そのものの発生を抑えるか、もしくは静電
気が発生しても帯電しないようにするしかない。物体同士が接触または剥離すると
静電気は発生する、たとえ同じ材質同士でも表面状態などによっては静電気が発生
する。摩擦を少なくしたり、接触面を小さくしたりすることで静電気の発生を少な
くすることはできるが、無くす事はできない。
したがって静電気が発生しても、過剰な電荷をアースへ流したり、電位が上昇しな
いようにしたり、中和したりする方法がトラブルを解消する対策となる。
対策方法には主に接地、加湿、導電化、遮蔽、イオンによる中和等がある。
2. 接地による除電対策
接地は静電気除去の最も基本的な対策である。地球(アース)は巨大な導体であり、
地球上どこでも同じ電位で、電荷の無限の供給源かつ吸収源である。
電線などを使って、地球と電気的に接続することを『接地』という。他にも「アー
ス」、「グラウンド」、「FG」ともいう。
又、帯電する材料を導電化できれば,その材料の一端を接地することによって容易
に電荷を除去することができる。
接地は金属など電荷が流れるものに対しては効果があるが、絶縁体では効果が期待
できない。図11に接地による帯電防止効果の目安を示した。
図11
接地効果大 接地効果中 接地効果 小
・10
12
Ω・m 以上は接地の効果はほとんど期待できない。
・1010
~1012
Ω・mでは、静電気の発生が小さければ接地の効果はある。
・1010
Ω・m 以下では、接地の効果は大きい。
除電対象物が導体の場合~金属等の接地
金属 鍍金した樹脂
金属メッキ
導電材混入材料
図12
除電対象物が不導体の場合~樹脂等の接地
樹脂 導電性クロスを使用に場合
電荷流れない 導電性クロスを拭いた部分
の静電気は流れ去る。
*拭いた後、導電性クロスを離すと接触、
摩擦、剥離により新たな接触帯電が発生。
新たな接触帯電が発生
図13
2.1 アース線
接地には、雷電流を大地に安全に流す為の落雷防止用接地、感電防止を目的とした
電気機器の保安用接地(感電防止用接地)等色々あり、その目的により接地抵抗か
決められています。
いずれも大地の表面が零電位であることを利用したものですが静電気対策の接地は、
摩擦や誘導により発生した静電気を大地に漏洩させ、静電気の蓄積(帯電)を防ぎ、
物体の電位を大地と同電位または最小の電位差にすることを目的とします。
静電気帯電防止を目的とした接地は、保安用接地と異なり常に1MΩ未満を満足すれ
ば、その目的を満足します。したがって静電気対策のために実施する接地も特別の
工夫をする必要がなく、大部分の場合は保安用接地と兼用できます。
*参考:A種(第1種)接地の場合は10Ω以下
IC半田付け作業
落雷防止用接地 感電防止用接地 静電気破壊防止用接地
A種(第1種)接地の場合は10Ω以下 静電用接地の場合は1MΩ未満以下図14
2.2 商品化事例 リストストラップ、フットストラップ
非常に帯電しやすい人体の電荷を大地(アース)逃すには、人体は導体に近いので、
接地がとても有効的な手段になります。
人体の接地するツールとして「リストストラップ」があります。
リストストラップとは、人体より発生する静電気が、作業中に製品に悪影響を与え
ないよう作業者の皮膚を接地することで、人体の電位を逃す為のツールです。静電
気防止を行う上でリストストラップは必ず着用するべきです。
EPA (静電気放電保護区域)を構成する静電気管理製品の最も重要で、古くから使
用されているものがリストストラップです、大航海時代( 15世紀末から17世紀中頃
)には火薬の運搬車にはチェーンが取り付けられていたという記録もあります。
リストストラップ
フットストラップ
保護抵抗として通常1MΩ
の抵抗が入っている。
カフ。
図15
リストストラップの選び方
リストストラップを効果的に使用するためには、カフ部の皮膚接触が最も重要なので、しっかり手首
にフィットし、完全に皮膚と接触するように使用します。
主に選定時の内容としては下記のことを検討する必要があります。
①耐溶剤特性
作業領域内で使用する可能性のある溶剤によって、リストストラップの構成材料が劣化ないこと、特性が変化しないことを確
認します。
②耐汗性
人体の汗が原因でリストストラップの金属製部分に錆や金属腐食に対する耐久性を点検します。
③留め具の構造(着脱性)
リストストラップの着脱加減を点検。リストストラップは着脱が簡単で、作業中にあまり簡単にはずれることのない程度の接
合力が必要です。
④接地ワイヤー(強度、長さ)
接地ワイヤー(リード)の強度は、着脱試験で定めた基準値を上回っているか点検。
⑤寿命、信頼性
ライフ(寿命)試験装置により、リストストラップの交換サイクルを点検します。
⑥電流限界抵抗
電流限界抵抗は、高電圧電源からの電流値をあるレベル以下に設定され、通常1MΩ~800kΩ程度となっています。
⑦使いごごち
作業者に不快感を与えない装着感(違和感)を点検します。
リストストラップの検査
リストストラップは消耗品で、各構成部分は経時変化するものです。そのため、使
用に際しては、定期的に各部品を検査する必要があります。
検査を行うためにリストストラップチェッカーという検査装置が販売されています、
このチェッカーは、手首バンド、接地コード、手首バッドと着用者間接続の電気的
接続などのリストストラップ特性を評価するために古くから使用されていたもので
す。
このチェッカーは、正しく使用すれば、試験時に、リストストラップの接続、ある
いはシステム部品の欠損を発見することができます
図16
2.3 導電靴(静電靴)
静電気帯電防止靴(以下「静電靴」といいます。)は,人体に帯電する静電気を靴
底を通して漏洩させる構造をもった靴をいいます。
静電靴の用途としては,
①爆発,火災,電撃のような事故および災害の防止
②電子素子の破壊などの生産障害の防止
の2種類の用途があります。
静電靴は靴底のゴムやウレタンの材質に導電性物質をブレンドして、人体の静電気
を床に漏洩させる特長を有します。
静電靴、静電シューズの仕組みは図17の構造になっており、中底から靴底を経て
アースする構造の為、内部構造の改造及び絶縁性中敷のご使用は厳禁です。
図17
静電靴の点検
静電靴は床のゴミ、汚れにより導電性が低下しますので定期的に導電性を点検し
なければなりません。
写真は、静電靴が正常に機能しているかを確認する静電靴チェッカーです。この
装置は計測部と靴側電極部からできています。作業者は電極部の上に乗り、計測
部のタッチパネルにさわると、若干の電圧が印加され、電気抵抗値がJlS18
03(静電気帯電防止靴)を満たしているかを測定します。適合しているかどう
かは、「ピッ」という音とともに良否判定LEDに表示されます。
図18
リストストラップ&静電靴点検の標準化
日期 担当 承认
测定目的∶为测定静电套和静电鞋子的电阻 ①
②
③
1.电源打开 1.电源打开
1.電源を入れる 1.電源を入れる
2.将静电套的鳄鱼夹夹在WRIST触片上 2.被测人员站在平台上
2.リストバンドのワニ口をWRISTCORD穴に挿入する 2.被測定者が台に乗る
3.转换开关打到静电套 3.转换开关打到静电鞋子
3.SWをWRIST CORDにする 3.SWをFOOTPLATE側にする
4.手按不锈刚圆片 4.手按不锈刚圆片
4.ステンレスの丸いボタンを指で押す 4.ステンレスの丸いボタンを指で押す
5.可测出静电套电阻值 5.可测出静电鞋子电阻值
5.リストバンドの抵抗値が測定される 5.静電靴の抵抗値が測定される
6.测试OK时发光绿色灯亮二极管并伴有语音(OK) 6.测试OK时发光绿色灯亮二极管并伴有语音(OK)
6.良い時はLEDランプが緑に点灯しOKと声がする 6.良い時はLEDランプが緑に点灯しOKと声がする
7.将测定结果要填写在静电记录表上 7.将测定结果要填写在静电记录表上
7.測定結果は静電気記録表に記録する 7.測定結果は静電気記録表に記録する
8.测试NG的时红色二极管灯亮并伴有蜂鸣 8.测试NG的时红色二极管灯亮并伴有蜂鸣
8.NGの時はLEDランプが赤に点灯しブザー音が鳴る 8.NGの時はLEDランプが赤に点灯しブザー音が鳴る
NG的原因大概是静电套线的断线和接触不良修理或是换新的以后再测试 NG的原因大概是静电鞋子的污垢,因此用抹布擦干净后再测量试
NGの原因はリストバンドコードの断線、接触不良と考えられるので NGの原因は静電靴の汚れ等と考えられるので雑巾等で
アースバンド修理、交換後再度、測定を行うこと。 静電靴の汚れを除去後再度、測定を行うこと。
测试OK的时绿色二极管灯亮
测试OK的时绿色二极管灯亮 測定がOKの時は半導体領域のLEDが緑色に点灯
測定がOKの時は半導体領域のLEDが緑色に点灯 测试NG的时红色二极管灯亮 电源开关
测试NG的时红色二极管灯亮 电源开关 測定がNGの時は絶縁体領域のLEDが赤色に点灯 POWER SW
測定がNGの時は絶縁体領域のLEDが赤色に点灯 POWER SW
图示
东关东英电子工业有限公司 中国工厂 承认 制作 品质保证 技术设计 生产技术 作成
PE - - - - 作成日 2004年2月20日管理号码
測
定
器
○作业指导书(A)·检查指导书(A) ☆每天作业以前一定要确认作业指导书!如果不明白请问生产技术部
变 更 履 历
静电用电阻测定器
静电套测试时 静电鞋子测试时 机型:SLD-697A机型:SLD-697A
測
定
器
NG
OK
判定
測定
填写静电记录表
INSULATIVE
WRIST CORD
FOOTPLATE
WRIST CORD
CONDUCTIVE STATIC DISSIPATIVE
绝缘体
静电套
静电套
静电鞋子
传导体
半导体
排除原因
NG
OK
判定
測定
填写静电记录表
INSULATIVE
WRIST CORD
FOOTPLATE
WRIST CORD
CONDUCTIVE STATIC DISSIPATIVE
绝缘体
静电套
静电套
静电鞋子
传导体
半导体
排除原因
3. 導電化
帯電する材料を導電化できれば,その材料の一端を接地することによって容易に
電荷を除去することができるから,導電化は重要な帯電防止手法である導電化の
方法としては,材料の表面を導電化する方法と,体積内部を導電化する方法に分
かれる。
表面導電化
金属皮膜の形成:化学めっき,真空蒸着,スパッタリングなど
導電性塗料:塗料に導電性材料の微粉を混入
表面の親水化:界面活性剤
体積的導電化
高分子材料の体積的な導電性を増すための最も一般的な方法は,導電性材料を高
分子材料中へ混入することである。導電性材料としては,金属粉,カーボンブ
ラック,カーボン繊維などが用いられる。
3.1 導電性床&導電性シート
静電気管理を行う上で、管理領域の床帯電は、移動する人間や機器類に静電気を
発生させる大きな要因となります。床の静電気防止管理を大きく2つに分けると、
まず、“作業者との接触においての帯電を抑制する”帯電防止の考え方と、“発生し
た電荷を穏やかに拡散する”接地の考え方があります。
次の表は、静電気防止床材料とその構造的な特徴や利点などを比較した表です。
図19
静電気防止床材料と構造的な特徴
製品名 利点 問題点 電気特性
カーペット 見栄え・快適さ
電子産業工場用途では使
用しない。
通常は約1010Ω
フロアマット
①導電型
②静電気防止型
設置容易
最適な静電気防止特性
既存の床に使用可能
局所的保護
カールしやすい
温度依存性あり
コンタミの発生あり
107Ω以下
109~1012Ω
静電気防止塗布床
①導電型
②塗布床型静電気防止
剤
③床用静電気防止剤
普通の床に使用可能
良好な静電気防止特性
処理が簡単・コスト安
処理が簡単・コスト安
コンタミ耐久性
ライフ、特性
バラツキ、温度依存、
保守/再処理
107以下
109~1012Ω
109~1012Ω
静電気防止張床
静電気防止特性が良い
耐久性・永続性が良い
一部クリーンルームに使
用できるものがある
コスト
既存設備への取付
105Ω程度
静電気防止床材 評価方法
現在、床材の帯電防止性能の評価方法としては、表面抵抗、漏洩抵抗、床の帯電
防止性能評価値、人体帯電電位などが一般に用いられている。そのうち、表面抵
抗においてはNFPA99で規定されている所定の金属電極を用い、電極間距離を
91cmとして測定することが一般的である、規格値としては表面電気抵抗値は1
×107MΩ以下、定期的に静電防止床材の測定を実施することが必要である。
NFPAとはNational Fire Protection Association(米国消防庁)の規格で
NSI/NFPA99 を指す。床材の表面の電気抵抗や、表面からアースまでの間の電
気抵抗を、絶縁抵抗計測器によって測定する試験方法。
図20
3.2 導電性材料
ESD (静電気放電) 対策の為に 床、作業デスク、包装材、ツールなどに静電気対策用に導電性材料
が用いられることがある。導電性材料として色々あるがその導電性 (抵抗率) によって 大きくいく
つかに分類することができる。表面抵抗率による分類の1つは、次のようなものである。
この分類では抵抗率の幅が非常に大きい (同じ分類の中で 100,000倍もの差がある) こともあり、
一概には言えないものの
導電性 ―― 帯電した物体が接触した場合に激しい ESD を起こす可能性があるほど 高い導電性
(低い抵抗) を持つもの
静電気拡散性 ―― 帯電した物体が接触した場合に激しい ESD を起こすことなく、 かつその帯電
を比較的すみやかに消散させられる程度の導電性を持つものの、 静電場を遮蔽できるほどの導電
性は持たないもの
帯電防止 (静電気防止) ―― それ自身の帯電をある程度防止できる程度の導電性は持つものの、
帯電した物体の静電気をすみやかに消散させられるほどの導電性はないもの
分類 表面抵抗率の範囲(単位:Ω/sq)
導電性 ~105 Ω/sq
静電気拡散性 105~109 Ω/sq.
帯電防止 109~1014 Ω/sq.
導電性材料を用いた商品
静電気帯電防止作業服
半導体工場で用いる服に無塵衣とか、防塵服と呼ばれるものがあります。
これは人体からでるホコリを防止するものですが、同時に静電気対策でも
あります。繊維中に細かい金属繊維が織り込んであり、これが導電性を帯
びています。
そして人体が静電気を発電しても、衣服がそれを外部に漏洩させ、帯電し
ないようにし、半導体を静電気から守っているのです。
静電気帯電防止作業服の洗濯
図21は、洗濯回数による上着の特性劣化を示したものです。縦軸には、減衰時間、
横軸は洗濯回数を示しました。図中の直線がESD管理時の劣化予想曲線で、この
例では、1種類のみが合格していました。
試験方法については、測定上着を絶縁性のハンガーにつるして、5000Vを加えた後
の接地後の減衰時間を測定したものです。この減衰測定の秒数および劣化の許容範
囲などは、作業により異なるためにさまざまなデータの蓄積が必要になります。
図21
3.3 帯電防止剤~界面活性剤のメカニズム
静電気防止対策として、絶縁体の表面に界面活性剤をスプレーで塗布する方法があります。界面
とは、2つの性質の異なる物質の境界面のことをいいます。
界面には水と空気の界面、水と汚れの界面、汚れと衣類の界面などがあり、界面活性剤はこのよ
うな境界面に慟いて、表面の性質を変える物質のことをいいます。界面活性剤は洗剤や石けんな
どにも使われ、水にくっつきやすい成分を持つことが特徴です。
図22
4.加湿と静電気
湿度(相対湿度)が低いほど静電気が発生しやすくなります、日本で静電気が冬場
に問題になるのは相対湿度が低くなるためで、温度が低くても湿度が高ければ静電
気は発生しにくくなります。
相対湿度 絶対湿度
ある温度の空気中に含みうる最大限の水
分量(飽和水蒸気量)に比べて、どの程
度の水分を含んでいるかを示す値%RH
で表します。一般的に湿度を表す時に使
用します。
湿り空気(一般に存在する空気)中の乾
き空気(全て水分を含まない空気)1kg
に対する水蒸気の重量割合を示し、
<kg/kg'>で表します。
空気中の
飽和水蒸気量
空気中の
水分の割合50%
1kg 空気
空気中の水分
の量12g
4.1相対湿度と静電気帯電量
乾燥時(相対湿度:10~20%)及び湿潤時(相対湿度:65~90%)の発生要因別
の帯電量は下記のグラフが示すように圧倒的に20倍以上、乾燥時に帯電量が多くな
ります。
図23:
静電気帯電量の変化点は相対湿度50%付近であり、50%を切ると急激に帯電量
が高くなります。
図24:
日本では50%を切る時期は少なく静電気が起きやすい気候ではないですが冬場に
は静電気が発生しやすいと思われています、大きな原因は室内の暖房です。冬場、
外気温が低下して室内を暖房すれば気温が上昇し、それに伴いその気温の飽和水蒸
気量が上昇して相対湿度が低くなります。
次の図の例にように温度10℃、相対湿度が50%の室内の場合、暖房して気温が
25℃になると相対湿度は20%に大きく低下、静電気が発生しやすくなる。
図25:
4.2 加湿の利点、欠点
加湿は古くから知られる静電気除去方法です。とくに広い工場全体に分布する静
電気を除去する時などに用いられてきました。空気を加湿し湿度を65%以上に
すると、物体の表面が湿気を帯び、表面に導電性が現れて静電気は流失するとさ
れています。
しかし、材料によってバラツキがあり、加湿しても静電気が抜けないこともあり
ます。たとえばナイロンの場合、湿度を80%にしても静電気は抜けません。こ
のように、対象とする材料によって効く場合と効かない場合があるので注意を要
します。
また、加湿するとしても、空間全体の湿度を均一にすることは難しく、あちら
こちらで結露が発生しやすくなります。結露が発生すると、次のようなさまざま
な問題が発生します。
4.3 加湿の問題点
電子部品が錆びる:
半導体のピン(足)が錆びてハンダ付け不良が
発生。
リレー、コネクターの接点部が結露、酸化し接
点不良を発生。
塗装工場:塗装ムラが発生し、また、換気がで
きなくなる。
機械設備が錆びる:
工作機械の摺動部に錆を発生させ、動作不良が
発生。
射出成形用の金型が錆びます。とくに鏡面仕上
げ(きれいに磨き上げた)した金型は結露によ
る錆はNG。
印刷工場:
紙の腰がなくなり、しわが発生します。
紙がべ夕つき、供給(給紙)エラーや機械詰ま
りが起きる。
カビが生える:製紙業や繊維業では高温多湿状
態では保管中にカビが発生し、製品不良の原因
になります。
食品工場:
高温多湿により細菌を繁殖させることの原因に
もなります。
静電気&結露が発生しにくい湿度管理がキーポント
4.4 加湿の改善
湿度管理を適正に実施すれば高価な除電器を購入せずに済む。
相対湿度50~60% 静電気&結露発生しにくい。図26:
5.静電気シールド~静電気遮蔽による帯電防止
帯電したモノを導電で遮蔽して静電気の影響を外部に与えないようにする静電気
方法であり、静電気シールドとも呼んでいる。
但し、この方法は帯電した電荷を除去している訳でないのでシールドされた空間か
らでた帯電物は帯電したままである。
導体
導体
外部に+帯電物があっても接地しても、
しなくても導体内部の電荷はゼロ!
図27:
5.静電気シールド~静電気遮蔽による帯電防止
遮蔽を利用して帯電体が外部に静電気現象の影響を与えないようにする対策用品が
ある。例えば、プラスチックペレットの空気搬送で使用されるホースはプラスチック
ペレットが内壁に衝突するため帯電する。ホースが帯電することによって、外部導
体へ放電するなどのトラブルが発生する。図28に帯電モデルを示す。
ホースに金属網を巻きつけて接地したり、金属製ワイヤー入りホースにしたりする
ことで、帯電したプラスチックペレットの影響が外部に出ない。またホース内部の
電位の上昇が抑えられるので静電気トラブルは発生しにくくなる。図29に金属製ワ
イヤー入りのホースの例を示す。
図28:
樹脂ホース
外部導体
ホースが帯電して外部導体に
放電
タイガースポリマー株式会社 クリスタルホース静電W型
図29:
6.除電器~イオンによる中和
除電器はコロナ放電によって空気中にイオンを生成する「コロナ放電タイプ」と、
X線などの高エネルギー線を空気中に照射することで、空気を電離させてイオンを
生成する「電離放射線タイプ」に大きくふたつに分けられる。更にコロナ放電タイ
プでは針形状の電極などに電圧を印加する「電圧印加方式」と、帯砲物の電圧が上
昇すると利用する「自己放電方式」に分かれる。
又、電離放射線タイプでは光の分類によって「軟X線方式」、「紫外線方式」、
「α線力式」に分かれる。
除電器
コロナ放電
式
電圧印可
式除電器
自己放電
式除電器
電離放射
線式
軟X線除電
器
紫外線除
電器
α線除電器
図30:
6.1 電圧印加式除電器の原理~コロナ放電
針形状のような尖った電極に高電圧を印加して、先端には強い電界を生じさせ
る。この電界によってコロナ放電が発生し、空気中の分子がイオン化される、こ
のイオンを気流や電界(クーロンカ)を用いて帯電物に供給して除電を行う。
+電極
+電極の周辺の空気がイオン化されてマイナ
ス電荷を失った+イオンが発生。
マイナスに帯電された帯電物に+イオンが近
づき、電気的に中和される。
図31:
e-
e-
e-
+電極
気体分子から電子が奪われる
電子が奪われプラスイオン化した気体分子
6.2 電圧印加式除電器の種類
電圧印加式除電器はイオンの搬送方法、搭載している高圧電源、電極の種類に
よって分類できる。
イオン搬送
方法
電界搬送 気流搬送
ダウンフ
ロー
エアーパー
ジ
ブロア
高電圧電
源
DCタイプ
SSDC
パルスDC
ACタイプ
商用周波
数
高周波AC
パルスAC
電極材料
タングステ
ン
シリコン ステンレス
6.2.1 イオン搬送の分類
6.2.1.1 電界によるイオン搬送
電界中にイオンを置くと電荷は力を受けて加速する、電極と同様なイオンは電極
から斥力(せきりょく)を受ける、逆に帯電体の付近ではイオンは引力を受ける。
この両方の力によってイオンは帯電体に供給される。
+電極
帯電体
引力斥力
図32:
電界搬送と気流搬送の能力差
図33に電界搬送と気流搬送(エアパージ)での除電時間の違いです。
設置距離が約50mm付近では、電界によるイオンの搬送が支配的で、搬送方法
による除電時間の差はないが除電対象との距離が離れるほど電界搬送による除電
時間は急激に長くなり、搬送方法による差が大きくなる。
軽い部品や乾燥前の塗装面など気流を嫌うものを除電するときは、近距離に除電
器を設置して電界搬送で除電する。
図33:
6.2.1.2 気流によるイオン搬送
気流によるイオン搬送では主にダウンフロー、圧縮空気(エア)、ファンや
フロアという3つの方法がある。
1)ダウンフロー
ダウンフローとは、装置上部や部屋の天井から空気を一定速度で噴出し、床
画から排出させる空気の流れである。ダウンフロー環境下での除電器の設置の例
を図34に示す。ダウンフロー流れにイオンを乗せて、広い範囲を除電する。除電
器と対象’物との距離(除電距離)は約2m程度である。
図34:
除電対象
除電距離:1~2m
天井
床
ダウンフローのエアー流れ
放電電極
ダウンフロー有無の差
除電器と対象物との距離(除電距離)は約2m程度である。図35にダウンフ
ローの気流搬送を使用したい場合の除電時間の例を示す。
図35:
2)圧縮空気(エア)
除電器に圧縮空気を供給して(エアバージ)して電極付近のノズル穴からエア
を噴射させる、噴射したエアはイオンをのせて遠くまで届く。このタイプの除電器
は近距離に除電器を設置できないときや圧縮空気の力を利用してゴミやホコリを吹
き飛ばして除去するときに用いる。商品としてはガンタイプ、バータイプ等がある。
ガンタイプ除電器
バータイプ除電器
エア流量と除電時間
エア流量が多いと除電器からの設置距離が1m以上離れていても除電時間は短く、効果が
ある。
図36:
3)ブロア(ファン)
除電器に内蔵したファンやフロアの風力によってイオンを搬送する。この夕イプの
除電器は、エア設備が必要ないこと、特別な電気工事や設置工事を必要としないこ
とから、セル生産の作業台(屋台)に使用されることが多い。下図にブロアタイプ
除電器を使用する例とブロアタイプ除電器の例を示す。
ブロア除電器 使用例
ブロア除電器
ブロア除電時間
フロアタイプ除電器を使用した場合の除電時間の例を図に示す。 フィンの回転速
度を調整する機能があると風速や風量を変えることが出来る。図37のグラフはファ
ンの回転速度の設定を弱-強に変えて除電時間を測定した結果である、除電時間は
風速や風量によって異なる。
図37:
6.2.2 高圧電電源による分類
1)SSDC型除電器
SSDCとは、Steady Slate(安定状態) DC(直流)の略である、プラス、マイナス
の直流電圧が印加される電極がそれぞれ備わっている。放電開始電圧以上の直流電
圧が印加されプラス、マイナスイオンは常時生成している。図40にSSDCタイプ除
電器の構成を示す。
図40 SSDC型除電器の構造 印加電圧イメージ
SSDC型除電器の特徴
電極にはプラスとマイナスの直流電圧を印加している。それぞれの電極で生成した
イオンは電極と同極性なので、反発して空間に拡散する、 プラスとマイナスのイ
オンが同時に生成しているのでイオンはお互いに引き合いすぐに消滅してしまう。
そのためイオンを電界搬送によってより遠くへ搬送するためにはプラスとマイナス
の電極問距離を大きく離した構造にしなければならない。図40は電極間距離と除電
距離の関係を示した実験で電極間距離が50㎜と250㎜の除電器を比較している。電
極間距離が大きい除電器の方が遠い距離まで短時間で除電できる。
図40
2)パルスDC型除電器
基本構成はSSDCタイプと同一である、 SSDCタイプとパルスDCタイプとの違いはプラス
電圧とマイナス電圧を切り替えてパルス状の波形の電圧を印加している点である 図がパルス
DC型除電器の電圧印加イメージです。
図41
パルスDC型除電器の特徴
片側の極性の電圧が印加されているときに、もう片方の極性の電極には電圧が印加されてい
ないので、イオンの消滅が少なく、発生したイオンは電極と反発して拡散する。電界搬送で除
電をする場合は、印加する電圧の切替え時間(動作周波数)を調整することで、除電距離に応
じて最適化できる。つまり、距離が近ければ高い動作周波数、距離が遠ければ低い動作周波数
にする。 SSDCタイプと異なり除電器構造の制約によって除電距離が制限されない。
またSSDCタイプと同様にプラスとマイナスの電極が固定されているためイオンの分布がで
きる。パルスDCタイプ除電器は特に対象物の配置や、周波数と設置距離に注意して使用する
必要がある。
図42
3)商用周波数(AC)タイプ
商用周波数のAC100Vを昇圧して電極に印加することからACタイプとも呼ば
れる。すべての電極に同じ電圧を印加しており,ひとつの針からプラスイオンとマ
イナスイオンの両方を生成する、周波数は商用周波数で固定されている。大きく重
いトランスが必要で電源の小型化は困難である。通常高圧電源と除電器部分が分離
されている。
図43にACタイプ除電器の構成と電圧印加イメージを示す。
図43
商用周波数(AC)タイプの特徴
DCタイプのようなプラスとマイナスのイオンの分布はない。ただしパルスDCタイ
プのように近距離で使用する場合はイオンバランスの脈動に注意する。
同じ電極からプラスとマイナスのイオンを交互に発生させているので、イオン同上の
再結合によって除電器から遠ざかるとイオンは減少する。図43にACタイプ除電器の
イオン分布のイメージを示す。
イオンを電界搬送する場合には、周波数が50Hz-60Hzでは除電距離は200mm程
度が限界である。これ以上に遠い場所を除電する場合は気流搬送を行う。ACタイプ
除電器は特に設置距離とエアの使用に注意して使用する。
図43
4)高周波ACタイプ
高周波ACタイプ除電器は、周波数が数kHZ一数10kHzの高周波高電圧電源を
搭載している。高周波電圧電源として圧電トランスを使用しているものはイオン生
成のための電源が小さい。図44に高周波ACタイプ除電器の構成と電圧印加イ
メージを示す。
図44
高周波ACタイプの特徴
高周波ACタイプ除電器は、プラスとマイナスのイオン生成を短い周期で切り替える
ため、再結合によるイオンの消滅が多く電界搬送では近距離しか除電できない。
このタイプの除電器は気流搬送が必須となる。
圧電トランスは機械的な共振を利用しているので、小型で高効率である。しかし圧電
トランスには制約があり出力電圧を高くできない為に電極摩耗、汚れにより除電能力
が劣化しやすい。
図に高周波ACタイプ除電器のイオン分布のイメージを示す。
図45
5)パルスACタイプ
プラスとマイナスの直流高電圧電源を組み合わせて、一つの電極からプラス
とマイナスのイオンを生成する。動作周波数や電圧値、またはプラスとマイ
ナスのイオン生成期間などを任意に設定できることから、近年急速に除電器
に取り入れられるようになった。図46にパルスACタイプ除電器の電圧印加
イメージを示す。
図46
パルスACタイプの特徴
パルスACタイプは、一箇所の電極からプラスとマイナスのイオンを生成できるの
で、イオンの空間分布は均一である。
電界搬送で除電をする場合は、印加する電圧の切り替え時間(周波数)を調整する
ことで除電距離に応じて最適化できる。つまり距離が近ければ高い動作周波数、距
離が遠ければ低い動作周波数にする。ただし近距離で使用する場合、不適切に低い
動作周波数にするとイオンバランスの脈動による問題が生じる場合がある。
図47 近距離、高動作周波数 図48 遠距離、低動作周波数
6.2.3 電極材質による分類
1)電極材料の要求基準
①高融点
極先端部はコロナ放電による電流が集中しているため高温になる、この温度に耐える電極材料が
必要である。
②耐スパッタ性
電極はイオンや電子のスパッタを受けて磨耗する、原子量の大きい物質はスパッタされにくい。
③耐化学反応性
大気中で安定であること、腐食が進行するような金属(鉄等)は電極材料として扱いにくい。
④低コスト
材料が高価な金属であったりするとコストは高くなるため採用できない。
このような要求からタングステン、ステンレス、シリコンがよく用いられる。
図49
6.3 除電器のメンテナンス
コロナ放電方式の除電器を運用すると、電極へのゴミ付着や、電極の磨耗により
徐々に除電能力が低下する。これは物理現象として避けられないことなので、
チャージプレートモニタ(除電器の除電能力を測定する測定器)など、除電能力
を測定する機器を使って定期的に検査する必要がある。
除電能力が低下し管理基準を満たせなくなった場合は、電極の清掃や電極の交換
などのメンテナンスが必要になる。
またコロナ放電方式の除電器は高電圧を扱っている。高電圧による樹脂や電
子部品の劣化のため。高圧電源の交換や高圧ケーブルの交換を必要としている
場合もある。
現象(特性) 要因
除電速度が低下 イオン発生量減少 電極摩耗、異物付着
イオンバランスが悪化 イオン生成バランスが変化 電極摩耗、異物付着
6.3.1 除電器 電極へのゴミ付着
図50のように電極先端に空気中の不純物が付着しイオンの生成に影響する。付着
する物質は除電器を使用する環境の雰囲気によって異なる。 溶剤や薬液または機
械油などを使用する環境ではそれらの揮発成分が雰囲気に漂い、その成分が電極先
端に付着する。
100日後
図50
ゴミ付着
6.3.2 除電器 電極の摩耗
電極の磨耗も、除電性能を低下させる大きな要因である。図51はDCタイプ除電器における電極
の磨耗の様子を表している。プラスとマイナスの電で磨耗の様子が異なる。
電極の磨耗の原因はスパッタ(spatter:撥ねる)であると考えられる。図51に示したように、マ
イナス電極では電子を放出して主にマイナスイオンが生成されている。
プラス電極では電子を吸収することで主にプラスイオンを生成している。つまり電子の衝突を受け
ている。これが電極の極性の違いによる磨耗の違いになっていると考えられている。このように、
電極の極性によって磨耗量に違いがあるため、DCタイプ除電器は長期使用によるイオン生成のバ
ランスが偏りやすい。
図51
6.3.3 除電器 電極の清掃
電極が汚れることによって、イオンの発生量は減少し除電速度が低下する。それだ
けではなくプラスとマイナスのイオンの生成バランスも偏るためにイオンバランス
が悪化し、除電器が「帯電器」に変わる恐れがある。
そのため、除電器の能力を最大限に発揮させるためには電極の掃除が必要不可欠に
なる。
電極のメンテナンスはアルコールを浸した綿棒などで清掃する他に、除電器専用の
クリーニング用具が用意されている場合もある。各除電器の取扱説明書に従い、保
全作業手順書を作成し、正しいメンテナンスをする必要がある。
図51
6.4 自己放電式除電器
帯電体,に例えば針のような先の尖った金属を接近させると,その先端部には誘
導電荷が集中して集まり,先端部の電界が強くなる(図52)。この電界は帯電体
の電荷によって作られるものであるから,帯電体の電荷量が多ければそれに比例
して強くなる。
その結果,電荷量がある値以上になると金属の先端部コロナ放電が発生し,帯電
体が除電されるようになる。コロナ放電が開始すると帯電体電荷と逆極性のイオ
ンが発生し,帯電体に引きつけられてその電荷を中和する。
【除電ブラシの場合】
ブラシ先端で放電、イオン生成図52
【除電ワイヤーの場合】
ワイヤーから飛び出している導体繊維の先
端で放電、イオン生成
帯電物
自己放電式の特徴
自己放電式除電器は電源の供給が不要で、アースに接続するだけでよい。
また比較的安価な装置で取り付けも簡単であるというメリットがある。た
だし帯電物の電位がある程度高くないとイオンは生成されない。
図53に帯電電位とイオン電流の関係の例を示す。帯電物と除電器の距
離は25mmに設置している。イオン電流が大きいほど、電極でのイオン生
成が活発であることを示している。自己放電式除電器は、帯電電位が+5kV
以上または-7kV以下でないとイオン電流が流れていない、つまりイオンが
生成していない。
図53
3章:静電気関連の測定器
1. 静電気の測定
・・・・1.1静電気の測定の繰り返し精度
2. 表面電位測定器
・・・・2.1表面電位測定器の使用時の注意点
3.帯電プレートモニター
・・・・3.1 除電時間の測定方法
・・・・3.2イオンバランスの測定方法
4.湿度計
1.静電気の測定
静電気障害を除くためのデータを得る目的で行われる計測は,計測対象が単純では
ないだけでなく,その計測方法についても定まっていない部分がある。
静電気計測として必要な項目は
① 電荷量の計測
② 電位・電界の計測
③ 材料の静電気的特性に関する計測
④ 静電気放電とその影響に関する計測
⑤ 静電気障害対策用品の性能判定のための計測
などがある。
日本工業規格JIS C 61340-2-2で静電気の帯電特性の測定を定義、標準化していま
す。
1.1静電気の測定の繰り返し精度
帯電性の測定は繰り返しの精度が低い、その理由の一つは,電荷発生の繰り返し性の悪さである。一
定と思われる条件で物体を摩擦片で摩擦すると,発生する電荷はいつも同じ量であるとは限らない。
むしろ発生量だけでなく,電荷の極性まで変化してしまうことがあるほどにばらついてしまうことの
方が多い。
よって測定はかなり多数回繰り返して行う必要がある。
電荷発生の測定結果がばらつく主な原因として,以下の項目があげられる。
① 電荷の発生は表面のわずかな組成・分子配列の違い,汚染などに敏感である。
② 摩擦中に表面が変化する。
③ 摩擦条件を微視的に完全に同一にすることは極めて難しい。
④ 摩擦中,あるいは摩擦を終了し,摩擦片を離す際に静電気放電が起こる。
2.表面電位測定器
静電気の測定中の電荷の測定にはクーロンメータ(電流積分法)やファラデーゲージなどが使用され
ますが原始的な方法のため工場での測定には向いていません。
現在、工場で良く使用されているのが表面電位測定器です。
帯電していない導体は,近くに帯電体が無い広い空間に置かれていればその電位はゼロである。しか
し,この導体に帯電体が接近すると,導体自身に電荷が無いにもかかわらずその電位が変化する。そ
のため,導体の電位を測定することによって,帯電体の電位(あるいは電荷量)を知ることができる。
表面電位測定器の原理
電位計としては、検出電極を電界方向に振動させ交流電圧を起こし、これを増幅整流して直流に変換
し読む振動容量型電位計がよく知られています。
2.1 表面電位測定器の使用時の注意点
電位は帯電体の電荷量だけで決まらずに,その部分の静電容量に依存して決まる。静電容量は帯電体
の置かれた状態によって変化するから、測定ポイントに留意し、場所を記録する事が必要です。
例えば,図に示すフィルムが金属ロールで搬送されている例では,A点のようにフィルムがローラに
接触している所と,B点のようにフィルムが空間にあり,その裏面が物体から離れている所でのフィ
ルムの電位は大変な違いを生じる。当然A点での電位は低くなり,B点での電位は高くなる。
図54
3.帯電プレートモニター
除電器の性能を評価する項目とて発生イオン量があり、測定方法として除電時間を測定する方法、有
効除電電流を測定する方法、空間のイオン個数をカウントする方法がある。
一般的に工場で使用されているのが除電時間を測定する「イオナイザー・パーフォーマンスーテス
ター」という装置です。帯電させるプレートを持つためCPM(チャージ プレート モニター)とよ
ぶこともあります。
電気的に接続のない帯電板に電位を与え、その帯電板が除電され電位が低下し許容範囲内になるま
での時間を測定する。帯電させたものを除電し、その時間をあらわすので直感的にわかりやすい。こ
の測定器はチャージプレートモニタ(CPM)として市販されている。市販されているCPMは
ANSI/ESDSTM3.1で規格化されている。この構成を図55に示す。
図55
3.1 除電時間の測定方法
除電時間の測定は、帯電プレートを帯電し、その帯電電位が10%に減衰する迄のタイムを測定します。
Q[C]=C[f]×V[V]
静電容量Cが変わらなければ、静電気(電荷量)Qと帯電(電位)Vは比例します。つまり、帯電プ
レートで測定した減衰タイムに、静電容量の違いを考慮すれば、静電気の減衰タイムが分かります。
具体的な測定方法は帯電板に1000V以上の電位を与え、1000Vから100Vになるまでの時間を測定す
る。これをプラスとマイナスの両極性について行い、それぞれの除電時間とするものである。
図56
3.2 イオンバランスの測定方法
除電器の性能評価として次に重要なのがイオンバランスです。評価方法は、除電器から出てくるイオ
ン中に電極を置き、電極の静電位を測定します。測定した極性と静電位で、プラスとマイナスのどち
ら側にどれくらいずれているかを調べ、それをイオンバランスとして表現します、イオンバランスは
0Vであるのが理想的です。
除電器の方式によりイオンバランスは異なります。AC型除電器では電源の50/60ヘルツの脈動が
イオンバランスとして出てきます。またDC型除電器では、場所によりイオンバランスが変化しやす
く、パルス型除電器ではパルス周波数がそのまま大きなイオンバランスの脈動として現われます。こ
れらをいかに0Vに近づけるかが除電器の1つの性能評価基準になります。
図57
4.湿度計
昔は良く乾湿計(湿度を乾球温度と湿球温度の温度差から表により求める)が使用
されていたが最近は吸湿材の電気特性の変化をセンサーで測定するデジタル式湿度
計が実用的であり、一般に使用されている。
デジタル湿度計
デジタル式の構造は櫛をかみ合わせたような電極の上に感湿剤を間に挟み、感湿剤
の湿度変化による抵抗値変化を検知する抵抗値タイプ型と静電気容量型があります。
現在、世界的に主流なのは高分子静電容量式になっています。
下記に電気抵抗式と静電容量式の特徴を記載します。
【電気抵抗式】
・構造が簡単で、大量生産が可能、安価である。
・電気抵抗を測定するためにノイズに強い。その為にセンサ部を小型化する事
ができ、センサケーブルも細くすることが可能。
・原理上10~20%以下が測定が出来ない。
【静電容量式】
・応答速度が早い。
・高温・低温度域での使用が可能。
・低湿度測定に優れる。
・静電容量を測定するためノイズに弱い。したがってシールド性が必要で
ケーブルなども太い。
4章:静電気トラブル事例
1.半導体製造工場トラブル事例
・ICパッケージ捺印工程でのIC静電気破壊
2. 印刷工場トラブル事例
・スクリーン印刷インキ不良
3. 樹脂成型工場トラブル事例
・成型品が金型に付着
4. 製本工場トラブル事例
・現象:紙を重ねる時にずれる。
5. 樹脂シート工場トラブル事例
・シートを巻き込む。
1.半導体製造工場トラブル事例:
ICパッケージ捺印工程でのIC静電気破壊の現象、原因
ICパッケージの上面を図58のように捺印する。インキがついた刻印ローラから転写
ローラに文字インキを移し,これを金属レール上を滑ってきたICパッケージに捺印
する。 ICパッケージが転写ローラに入って出てくると接触・剥離が起き,巻き込み
放電と剥離放電が生じ得る。帯電したICは,ピンを通じて静電気が金属レールヘ放
電され不良品になる。
図58
ICパッケージ捺印工程でのIC静電気破壊の対策
この問題への対策としてモールド・パッケージの上面を梨地(微小な突起を持つ
面)にしたところ,これが鏡面である場合に比較して,パッケージの帯電電圧も,
不良発生率も激減した。梨地にすることによって転写ローラとの実効接触面積が減
少したのが改善につながったと推定される。
形の小さい電子部品をプラスチック製バルクカセットに入れて搬送・供給する時、
バルクカセットの内面が電子部品との摩擦により帯電し,電子部品がバルクカセッ
トの内面に付着して供給不良になることがある。この場合も,カセット内面をエン
ボス加工(emboss:浮きだし)して凹凸のある面にすると,改善効果がある。
2.印刷工場トラブル事例:
スクリーン印刷インキ不良の現象
スクリーン印刷では静電気が原因でにじむ、はねる、飛ぶ(下図)示したような印
刷不良が発生することがある。インク(印刷する塗料)がにじむ、はねる、飛ぶな
どのトラブルは、印刷物の外観不良というだけのトラブルではない。半田のクリー
ム印刷や電子部品の微細配線などもスクリーン印刷で形成する技術が普及しており、
このような用途では配線の短絡などのトラブルになる可能性がある。
。
スクリーン印刷インキ不良の原因
スクリーン印刷ではスキージでスクリーンを擦るので摩擦帯電が発生する、スキージはウレタンゴム
製であることが多い。スクリーンはポリエステルなどの化学繊維が基材であったり、半田のクリーム
印刷ではステンレス製であったりする。スキージは非導電性であることが多いが、スクリーンは導電
性も非導電性も両方ある。異なる材質のものをこすり合わせるので摩擦帯電が発生する。図59にスク
リーン印刷での摩擦帯電のモデルを示す。
静電気でインクが
引き寄せられる
図59
インキ
スキージ
スクリーン
スクリーン印刷インキ不良の対策
1.水分含有量の多いインキや,導電性のスクリーンやスキジーが使えれば
改善が可能。
2.除電器を使用する、但しインクは揮発性の溶剤を使用していることが多いので除電器のコロナ放
電によって分解し粒子化して電極に付着し除電器の性能は低下する。したがって電極の針先が汚れる
のを防止する構造を搭載した除電器を選定する。
図60
3. 樹脂成型工場トラブル事例
現象:成型品が金型に付着
成形品が金型から離れずに金型内に残る場合がある。成形品が金型内に残ると次の
成形のときに金型が十分に締まらず、成形不良となったり金型を破損させたりする。
樹脂成形品は年々軽量化や薄肉化の傾向にあり、わずかな帯電によって金型内に残
りやすくなっている。
図61
成型品が金型に付着する原因
金型である金属と成形品である樹脂の異なる物質が接触することで電荷が移動し帯
電(接触帯電)する。射出成形は金型に圧力をかけて樹脂を密着させるため帯電量が
多い。図5-3に金型と成形品との接触帯電のモデルを示す。
図62
成型品が金型に付着する対策案:
1.除電器 使用:
成型品を突きだしピンで突きだした時が除電器が有効に働く
タイミングである、金型と成形品の間の隙間に除電器からの
イオンが入り込み中和される。図63のように突きだしピン
の移動タイミングをずらし、隙間量を多くすることができれ
ば更に除電効果がます。
2.金型表面ブラスト加工:
金型表面をブラスト加工して凹凸をつけて静電気の発生量を
抑える。樹脂の流動性、離形性、断熱性も良くなる。
図64
除電器
金型成型品
金型
成型品
ピン
ピン
図63
4. 製本工場トラブル事例
現象:紙を重ねる時にずれる。
スタッカーバンドラー(印刷機で印刷された紙を積み重ねて結束する機械)で紙を
重ねると、きれいに整わず乱れて丁合いがずれたりする。
丁合いずれ
図65
紙を重ねる時にずれる原因
製本紙には印刷されていたり、コーティングされていたりして表面と裏面はもとよ
り一枚一枚も表面状態が異なる。したがって同じ紙どうしであっても搬送中に摩擦
や剥離を繰り返すと帯電してトラブルの原因となる。帯電傾向が似たような材質ど
うしの接触なので図66のように場所によってプラスになったりマイナスになったり
する。
図66 紙の剥離帯電
接触
帯電 剥離帯電
紙を重ねる時にずれる対策
縦型スタッカーであれば、図67のように紙の移動
方向が変わる場所に除電器をつけるのが効果的である。
紙が向きを変えるとき密着している部分が離れて隙間
ができるので、この部分を狙って除電を行う。
横型スタッカーでは、図68に示したように、紙の
排出部に取り付けるのが良い。この場合は搬送ローラ
ーの近くに除電器を設置することになるのでイオン
バランス性能が重要となる。
図67
図68
除電器
除電器
5. 樹脂シート工場トラブル事例
現象:シートを巻き込む。
樹脂シートの製造ではロール搬送を用いる。シートにはテンションがかかっており、
シートはローラーに押し付けられて密着している。絶縁体であるシートを金属の
ローラーで搬送すると静電気が発生し、その静電気によるクーロンカでたるみや巻
き込みなどのトラブルが発生する。
図69
巻き込み
原因:シートを巻き込む。
シートとローラーが貼り付くと図70のようにシートのたるみが発生する。ローラー
には帯電したシートに誘導された電荷が現れる。ローラーとシートが接している部
分では、シートの帯電電荷はローラーの誘導電荷とペアになり(図中点線部分)見
かけ上の電荷はゼロになる。シートは同極性に帯電しているがたるんだシートが近
づいても反発力は働かない。したがって、たるんだシートがローラーに貼り付き、
シートはローラーに巻き込まれる。
図70
対策:シートを巻き込む。
ローラーとシートが密着している部分にはイオンが
入り込めないために除電が困難である。したがって、
図71のようにローラーとシートが離れた瞬間を狙う必要がある。
除電器からローラーとシートが離れる場所までの距離が近ければ(概ね100mm以
内)イオンの搬送方式にはこだわらなくても良い。近づけることができないようで
あれば気流搬送方式を用いる。図71のような配置ができないようであれば、図72
のように反対面から行うことも可能である。
図71
図72
2018年8月10 日
ク コンサルティングクレイン テクノ コンサルティング
Crane techno Consulting.
https://crane-techno.com/
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