Biz Development, Growth and KPI Analysis / 事業創造、サービスの成長のフェーズとKPI分析の考え方について
1. Biz Development, Growth
and KPI Analysis
事業創造、サービスの成長のフェーズとKPI分析の考え方について
2016/6/23
Hiroyuki Arai / @hiroyukiarai / hiroyukiarai.jp
2. Time Span of Service Growth
サービスの成長は、直線的ではない。大きくわけて2つのステージに別れ、「価値創造」のステージではサービスの成長を追いかけるよりも、価
値仮説の検証に重きが置かれる。その検証に確信が持てた次のステージで「価値最大化」いわゆるグロースハックを実施する。このステージを意
識して仮説検証を実施する必要がある。
2
価値創造
(Lean Startup)
価値最大化
(Growth Hack)
変革
(Pivot/Disrupt)
Time
Scale
3. Phase of Service Growth
2つのステージではそれぞれ、5つ、2つの合計7つのフェーズにわかれる。それぞれ、どんな価値仮説を検証するのかが異なる。複数の仮説検
証を走らせては、定性/定量ともに追いかけるべきKPIが重なってしまうこともあるため、このフェーズを一つづつ確認していくことが必要となる。
3
サービスの
成長
価値創造
(Lean Startup)
価値最大化
(Growth Hack)
Business Idea0
Customer Problem Fit1
Problem Solution Fit2
Solution Product Fit3
Product Market Fit4
Scale Out5
Scale Up6
WHY
WHA
T
HOW
4. Phase 0: Business Idea
事業アイデアを練る際、もっとも重要なのは「本質的にユーザに対して提供したい価値」を明確に言語化することである。いわゆるピボットは、
ただ単に事業の在り方を変更することではなく、ここで明確したWHYに対して最短距離で辿り着くためにそこを軸として事業のあり方を変更する
ことであるため、ここを明確にすることが事業創造の最初のステップとしてもっとも重要である。
4
サービスの
成長
価値創造
(Lean Startup)
価値最大化
(Growth Hack)
Business Idea0
Customer Problem Fit1
Problem Solution Fit2
Solution Product Fit3
Product Market Fit4
Scale Out5
Scale Up6
WHY
WHA
T
HOW
Business Idea
Output/Action
事業アイデアの創出
Key Point
本質的にユーザに対
して、提供したい価
値(WHY)の明確化
5. Phase 1: Customer Problem Fit (1)
次に行うべきは「ペルソナ」の明確化である。これは、B2Bであったとしても、最終的にそのサービス/ソリューションに触れるユーザを想定する
必要がある。ペルソナは極力細部まで(生活行動など)詰めるべきだ。なぜならば、例えば、単純に30代男性といっても、都会に住んでいるのか、
地方に住んでいるのかといった違いや、仕事環境の違いによって行動が変わるからだ。
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サービスの
成長
価値創造
(Lean Startup)
価値最大化
(Growth Hack)
Business Idea0
Customer Problem Fit1
Problem Solution Fit2
Solution Product Fit3
Product Market Fit4
Scale Out5
Scale Up6
WHY
WHA
T
HOW
Customer
Problem Fit
Output/Action
・ペルソナの設定
・課題/ニーズ/ペイ
ンの設定
Key Point
誰のどんな課題を解
決するサービスなの
かを定義
6. Phase 1: Customer Problem Fit (2)
ペルソナの想定では、キャズム理論を意識する。どんな事業であっても、イノベーターは存在する。ペルソナに設定すべきは、イノベーターでは
なくアーリーアダプターを主役とする。そして、その利用体験をみて共感することで利用を開始するアーリーマジョリティ(+レイトマジョリ
ティ)を脇役・端役とする。最終的にリーチしたい層をしっかりと意識することが大切である。
6
主役 脇役・端役
共
感
7. Phase 2: Problem Solution Fit
ペルソナとそこに存在する課題を明確化したら、それに対する解決策を策定する。あくまで、「解決策」であり、それはプロダクトやサービスで
はない。その課題をどのように解決するかを定義し、その結果、ペルソナがどういう状態になるのかを抽象的な仮説として定義する。
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サービスの
成長
価値創造
(Lean Startup)
価値最大化
(Growth Hack)
Business Idea0
Customer Problem Fit1
Problem Solution Fit2
Solution Product Fit3
Product Market Fit4
Scale Out5
Scale Up6
WHY
WHA
T
HOW
Problem
Solution Fit
Output/Action
・市場環境の調査
・課題の現状の代替
手段の把握
・解決策の整理
Key Point
課題に対しての解決
策を整理
8. Phase 3: Solution Product Fit
ここまで定義した仮説を実際のプロダクトへの落としこみを行う。UXおよびユーザーストーリーを定義し、WHYを中心とした価値仮説を検証可
能な最小限のプロダクトを設計し、開発する。ここで重要なのは、多機能化したり複数のペルソナのニーズを満たすものを作るのではなく、あく
まで本質的な価値(WHY)が、仮説にそってペルソナに受け入れられるかどうかを検証することである。
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サービスの
成長
価値創造
(Lean Startup)
価値最大化
(Growth Hack)
Business Idea0
Customer Problem Fit1
Problem Solution Fit2
Solution Product Fit3
Product Market Fit4
Scale Out5
Scale Up6
WHY
WHA
T
HOW
Solution
Product Fit
Output/Action
・UX、ユーザース
トーリー
・MVP
Key Point
設定した仮説を実証
することを前提とし
たMVPを開発
9. Phase 4: Product Market Fit (1)
プロダクトが完成したら、マーケットへリリースする。リリース直後では、売上や利益を追求するのではなく、あくまで本質的な価値(WHY)を定
義した上で開発したMVPが、ペルソナに受け入れられるかということと、受け入れられた上でビジネスモデルとして成立するかのみを検証する。
そのためには、ユニットエコノミクスを意識することが必要である。
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サービスの
成長
価値創造
(Lean Startup)
価値最大化
(Growth Hack)
Business Idea0
Customer Problem Fit1
Problem Solution Fit2
Solution Product Fit3
Product Market Fit4
Scale Out5
Scale Up6
WHY
WHA
T
HOW
Solution
Product Fit
KPI
・ユニットエコノミ
クスの検証
Key Point
ビジネスモデルの検
証
10. Phase 4: Product Market Fit (2)
ユニットエコノミクスとは、1顧客あたりの経済性のことである。1顧客を獲得するためにかけた費用に対して、その顧客のLTVがリクープ可能な
状況かどうか、であり、LTVがCACの3倍が適正値となる。顧客に受け入れられるかどうかは、DL数、アクティブUU、リテンション率で図ること
ができるが、それに加えてユニットエコノミクスを確認することで、今後Scale Out、Scale Upにすすめてよいかどうか判断できる。
10
Unit Economics = 1顧客あたりの経済性
LTV
Lifetime Value
生涯顧客価値
ARPA
Average MMR per Account
顧客あたり月平均売上
CM
Contribution Margin
変動費率
ACL
Average Customer Lifetime
平均顧客寿命
= × ×
CAC
Customer
Acquisition Cost
顧客獲得単価
Payback Period
CAC回収期間
※ LTV / CAC > 3 が最適な値
Average CAC
Average
Customer Acquisition Cost
平均顧客獲得費用
= ÷
Average MRR
Average
Monthly Recurring Revenue
平均月間売上 ※ 6~12ヶ月が最適な値