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DiGRAJ-GD 07/17/2011 ケネス・チャン

既存のゲームデザイン研究の全体像がどうなっているか?どのような問題を抱えているのか?産業側とのコミュニケーションギャップがなぜ存在するのか?海外究事例を紹介することを通して以上の3つの質問をアプローチし、今後ゲームデザインの研究者は何に向けて進めばよいのかを考察していきたい。

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DiGRAJ-GD 07/17/2011 ケネス・チャン

  1. 1. ゲームデザイン研究 どこから来たのか? どこに向かっているのか?   ケネス・チャン 東京工科大学 [email_address] @chankenneth
  2. 2. 第一部: ゲームデザイン研究の三本柱
  3. 3. ゲームが人にどのような影響を与えるかを解明する分野 ゲームの「意味」、「定義」を議論する分野 ゲーム製作における技術、手法を研究する分野 サイエンス: 哲学: 製作手法:
  4. 4. サイエンス分野の研究 <ul><li>アンケート、実験、統計学などを通して、 客観性 のあるデータに基づいた結果を求める分野 </li></ul><ul><li>80 年代から社会学の研究が盛ん、近年では認知科学が人気 </li></ul><ul><li>近年では開発側の注目を集めている </li></ul><ul><li>社会学、心理学、経済学などが主な学術分野 </li></ul>
  5. 5. サイエンスの研究事例① <ul><li>フォーカス:ゲームによって人の社会的行為の変化に関する研究 </li></ul><ul><li>2011 年 9 月に出版される論文 (Engelhart ら ) では: </li></ul><ul><ul><li>暴力表現に慣れていない人の脳波 EPR の P3 値 (暴力表現に反応しにくさを示す値) が比較的に低い </li></ul></ul><ul><ul><li>この反応は暴力的振る舞いを抑える効果がある </li></ul></ul><ul><li>参考論文: C.Engelhart et. al., This is your brain on violent video games: Neural desensitization to violence predicts increased aggression following violent video game exposure. 2011, Journal of experimental social psychology 、 v47. issue 5, p1033-1036 </li></ul>
  6. 6. サイエンスの研究事例② <ul><li>フォーカス:現実世界で人の行動をゲーム( MMO )でシミュレーションし、予測する研究 </li></ul><ul><li>2005年に人気 MMORPG 、 World of Warcraft の中に 伝染病( HP がどんどん減っていくデバッフ)が広がり、やがてサーバーリセット+ロールバックを招いたバグがあった </li></ul><ul><li>本物のアウトブレークが起きた場合、人の行動パターンをこの事件をベースに数多くの研究が進められてきた </li></ul>
  7. 7. サイエンスの研究事例③ <ul><li>フォーカス:ゲームの中の表現手法が招く生体反応に関する研究 </li></ul><ul><li>2007 年に出版された論文 (Kallinen ら ) では: </li></ul><ul><ul><li>表現手法として一人称は三人称より脳波から計算された没頭度が高い </li></ul></ul><ul><ul><li>一方で、一人称は三人称より愉快さが低・不愉快さが高い </li></ul></ul><ul><li>参考論文: K. Kallinen et al., Presence and emotion in computer game players during 1st person vs. 3rd person playing view: evidence from self-report, eye-tracking, and facial muscle activity data </li></ul>
  8. 8. サイエンス分野のまとめ <ul><li>客観的データから人間がゲームとインタラクションをした場合何が、なぜ起こるかを研究する分野 </li></ul><ul><li>ゲーム内のあるピンポイントなところのみを対象に、実験を重ねてデータを分析することが多い </li></ul><ul><li>ゲームデザインの研究分野では「証拠」、「根拠」を与えてくれる </li></ul>
  9. 9. 哲学分野の概要 <ul><li>ゲームとは何か?などの議論 </li></ul><ul><li>一番歴史が長い分野 </li></ul><ul><li>近年では論文が少なくなってきている </li></ul><ul><li>この分野は 2000-05 当たりの間一旦二つに分かれた: </li></ul><ul><ul><li>ナラトロジー (物語論) </li></ul></ul><ul><ul><li>ルードロジー(遊び論) </li></ul></ul>
  10. 10. 黎明期のルードロジー研究事例 <ul><li>研究目的の例:ゲームを分析するためのゲーム構造 </li></ul><ul><li>2002 年の研究( Konzack ら)では: </li></ul><ul><ul><li>ソウルキュリバーを例に、ゲームを 7 つの概念的「階層」に分けた </li></ul></ul><ul><ul><li>ハードウェア、コード、システムの反応、ゲームプレイ、意味、照合性、ソーシャル面 </li></ul></ul><ul><li>参考論文 :   L. Konzack et al., Computer Game Criticism_A Method for Computer Game Analysis, Proceedings of the Computer Games and Digital Culture Conference, 2003 </li></ul>
  11. 11. ナラトロジーの研究事例 <ul><li>研究目的の例:??????? </li></ul><ul><li>実はナラトロジーを提唱したものが いなかった! </li></ul><ul><li>自称ルードロジスト達がゲームを新しいメディアとして捕らえるべく、自ら敵対する分野を想像してしまった </li></ul><ul><li>ナラトロジー vs ルードロジーこの議論(?)が 2005 前後に収まった </li></ul>
  12. 12. 近年の哲学分野事例 <ul><li>研究目的の例:インターフェースとゲームプレイの境目とは? </li></ul><ul><li>2009 年の研究( Juul ら)では: </li></ul><ul><ul><li>ゲームのインターフェースの「使い易さ」と問いかけた </li></ul></ul><ul><ul><li>使いやすいインターフェースは必ずしもゲームを「遊び易く」するとは限らないと議論した </li></ul></ul><ul><li>参考論文 :   J. Juul et al., Easy to use and incredibly difficult: on the mythical border between interface and gameplay. Proceedings of the 4th International Conference on Foundations of Digital Games, 2009 p107-112 </li></ul>
  13. 13. 哲学分野のまとめ <ul><li>思想、論理的な議論を基に「ゲームとは?」を追いかける分野 </li></ul><ul><li>客観性を重視しないため基本的に実験、データ分析などを行わないか、緩い実験環境を基に得たデータを主観的に分析することが多い </li></ul><ul><li>結論は出さない </li></ul><ul><li>ゲームデザインの研究分野では「コンテキスト」を与えてくれる </li></ul>
  14. 14. 製作手法分野の概要 <ul><li>より「いい」、「おもしろい」ゲームを作ることを最終目的とする分野 </li></ul><ul><li>主に既存ゲームの構造を解明し、体系化することを目的としている </li></ul><ul><li>近年ではもっとも盛んな研究分野である </li></ul>
  15. 15. 製作手法の研究事例① <ul><li>研究目的の例:既存のゲームの構造をデータベース化し、ゲームデザインのオントロジーの開発に関する研究 </li></ul><ul><li>2003 に出版された論文 (Bjork ら ) では: </li></ul><ul><ul><li>既存のゲームのメカニックをパターン化し、ゲームデザインパターンのデータベースの構築を提唱した </li></ul></ul><ul><ul><li>2005 年時点では数百個のパターンがデータベースされた </li></ul></ul><ul><li>参考論文: S. Bjork et al., Game Design Patterns, Proceedings of Level Up: Digital Games Research Conference, 2003, pp .180-193 </li></ul>
  16. 16. 製作手法の研究事例② <ul><li>研究目的の例:既存のゲームのレベル構造を体系化し、現場の感性を生かしてステージの自動生成を目指す研究 </li></ul><ul><li>2008 年で出版された論文 (Smith ら ) では: </li></ul><ul><ul><li>既存の2 D プラットフォームゲームを分析し、レベル構成をリズムグループという概念で説明した </li></ul></ul><ul><ul><li>リズムグループとはレベルの中にプレイヤーに一連の動きを要求する場所である </li></ul></ul><ul><li>参考論文: G. Smith et al., A framework for analysis of 2D platformer levels, In Proceedings of the 2008 ACM SIGGRAPH Symposium on Video Games, pp. 75-80, 2008. </li></ul>
  17. 17. 製作手法分野のまとめ <ul><li>開発者の知識、経験、感性の生産物を体系化し、分かりやすくかつ共用できるように進めてきた研究 </li></ul><ul><li>理論を基にゲームを制作し、評価実験を行う場合が多くなってきた </li></ul><ul><li>ゲームデザインの研究では「実用化のヒント」を与えてくれる </li></ul>
  18. 18. 第二部: ゲームデザイン研究の呪い
  19. 19. 呪いとは? <ul><li>サイエンス、哲学、制作手法の三つの研究者が根本的に相容れないところがある </li></ul><ul><li>したがって、ゲームデザイン研究分野がバラバラで全般のフレームワークが存在せず、 まとまりがない </li></ul><ul><li>情報のハブがなく、 開発者にとって探りづらい 分野になってしまい、敬遠されてしまう </li></ul><ul><li>研究が開発に生かされず、 産学の間のギャップが広がる一方 </li></ul>
  20. 20. 学術分野間の コミュニケーションギャップ <ul><li>サイエンス、哲学、製作手法の研究者は根本的に相容れないところがある </li></ul><ul><li>それゆえに、お互いに関与せず、分野ごとに独自の進化を遂げてきた </li></ul><ul><li>結果的に、ゲームデザインの研究が拡散し、まとまりのない状態に導いた </li></ul>
  21. 21. 実験データの解析 概念の体系化 開発者の知識の体系化 および実用化 サイエンス: 哲学: 製作手法: 客観性がない ベースとなる概念があやふや 製作に役立つところまで持っていかない 総論にはたどり着かない 根拠がない 客観性がない
  22. 22. 開発者とのコミュニケーションギャップ <ul><li>開発者はどこから調べればいいかが分からない </li></ul><ul><li>研究分野全体に一体感がなく、それぞれ別の目的に向かって走っている </li></ul><ul><li>フレームワークがないため、学術的な意味で開発者にとって明確なメリットをもたらす研究は少ない </li></ul>
  23. 23. 実験データの解析 概念の体系化 開発者の知識の体系化 および実用化 サイエンス: 哲学: 製作手法: 大きな意味での実証・実装を行う 開発者: ピンポイント過ぎて活用しづらい 既存の知識を可視化しただけでは… 総論、概念だけでは具体性が足りない
  24. 24. なぜこのままではだめなのか? <ul><li>ゲームは多くの分野に関わるため、ひとつの分野だけでは到底解明できるようなものではない </li></ul><ul><ul><li>映像表現、ゲーム内外のインタラクション、社会的要素、制作論…など </li></ul></ul><ul><li>学術研究は実用化を目指さなければ、ただの知識で終わってしまい、何の役にも立たない </li></ul><ul><ul><li>開発側とのギャップ=実用化されない、フィードバックがもらえない、知識で終わってしまう </li></ul></ul>
  25. 25. 第三部: ゲームデザイン研究分野の 進むべき道
  26. 26. ゲームデザイン研究の理想像 <ul><li>サイエンス、哲学、制作手法の分野がお互い補い合い 、「根拠」、「コンテキスト」、「応用方」 を含んだ全体像を目指すべき </li></ul><ul><li>これらをもって、開発側と対話することで、概念から実装までの 「ゲームデザイン論」 が始めて可能になる </li></ul><ul><li>研究・対話・実装・評価 を繰り返し、その時代に合った「ゲームデザイン論」を生み出す </li></ul>
  27. 27. 根拠・切り口を提供 コンテクストを提供 実用化のヒントを提供 サイエンス: 哲学: 製作手法: 開発者 実例・実装・フィードバックを提供 知識、理論、手法を提供
  28. 28. 研究者達のすべきこと <ul><li>各自の研究分野で進めながらも、他の分野の研究の意味と現状をある程度把握すること </li></ul><ul><li>自分の研究の自分の研究の論理性、客観性、実用性の足りないところを他分野を以って補えるかを検討すること </li></ul><ul><li>自分の研究がゲームデザインの全体像においてどの意味を持つかを把握した上で、開発側に積極的にディスカッションを求めること </li></ul>
  29. 29. 開発者達にしてほしいこと <ul><li>学術分野にも興味を持ってほしい </li></ul><ul><li>現在のゲームデザイン研究はまだ成長期にあることを理解した上で、積極的に研究者にフィードバックをしてほしい </li></ul><ul><li>3 つの分野を繋げる役割の一部を担ってほしい </li></ul><ul><ul><li>他の分野の知識の重要性を開発側から語ればその効果は大きい </li></ul></ul>
  30. 30. 目指すべきは ゲームデザインの議論のハブ化 <ul><li>学術分野を問わず「ゲームデザイン研究」について研究発表、学術的議論ができる場所を提供する </li></ul><ul><li>学術側、開発側問わずお互い「ゲームデザイン」について語り合える場所を作り上げる </li></ul><ul><li>そのためのゲームデザイン研究会! </li></ul><ul><li>産学のコミュニケーションを活発にするために次回も是非参加してください! </li></ul>

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