Presented at JCBA seminar on 2019-12-18 I apologize in advance if something technically wrong or incomplete exist in the slides. The main point is that PoS consists of many technical aspects and each PoS do different design choises. Understading one PoS impelmentation never means that you understand the others.

1. PoS技術比較
Tezos Japan, DaiLambda, Inc.
Jun FURUSE/古瀬淳
JCBA勉強会, 2019-12-18

2. Agenda
Proof of Stake とは
PoS 構成要素とその違い

3. パブリック・ブロックチェーン
誰でも参加することのできるpermissionless ネット
ワークDB
非中央集権
分散による耐故障、攻撃耐性
トラストレスによる新しい社会信頼

4. シビル攻撃による合意形成阻害
投票による合意形成を多数の
「なりすまし」によって操作、
阻害する。

5. Proof of X
無限のなりすましを禁止して
シビル攻撃を防止する。
合意参加者に有限性リソース所有の証明を提出させる

6. Proof of Work
計算資源という有限リソースの使用
リソース使用と協調行動への対価とし
ての報酬システム
報酬はDB に登録➡ 暗号通貨の誕生

7. Proof of Work の問題
計算資源のためのエネルギーの浪費
マイナーとトークン所有者のインセンティブ不一致
弱小コインへの51%攻撃

8. Proof of Stake
DB に保存されている過去のトークン所有量
(有限リソース) を使ったなりすまし防止
計算資源を浪費する必要がない
バリデータとトークン所有者のインセンティブが一致

9. Proof of Stake の問題
完璧なものはそもそも存在しない
51%攻撃/ 34%攻撃
大量の資金を使ってトークンを買い占め、
権利発生まで保持する必要がある。
所有量が違う過去を作り出す
Nothing at stake 攻撃
Long range 攻撃
様々な防止法(slashing, check-pointing, etc.)

10. 実際のPoS
皆「所有トークン」に比例した「権利」が得られるが
全て/一部の所有トークンに権利が付与されるのか
何の権利なのか
どのように合意に参加するのか
インセンティブ設計
がプロトコルによりそれぞれ違う。
一つを理解したところで他を知っている…
ことにはならない。

11. PoS 構成要素とその違い
合意形成アルゴリズム
バリデータは誰か
バリデータは何を検証するのか
インセンティブ設計
ガバナンス投票
デリゲーション経済設計
おことわり
各プロトコル個々について述べてカドが立つよりは、
各技術について横断的に述べます。分類が間違っていたらごめんなさい。

12. 合意形成アルゴリズム
Nakamoto consensus and variants (Tezos)
BFT (Cosmos, EOS, ..)
BFT では攻撃耐性の閾値が34%に下がる。

13. バリデータは誰か
PoS
Tokenホルダは基本的に誰でもバリデータになれる
例: Tezos, Decred, Ethereum Casper, 他
合意参加者が多いほど安全(Tezos: 約500)
DPoS (Delegated PoS)
極少数のバリデータを選出、合意形成を行う。
例: EOS, Lisk, 他
高速な合意形成による高TPS
極論すると流動的なコンソーシアム・チェーン(EOS: 21)
⚠ DPoS ではないPoS にもデリゲーションの概念が

14. バリデータは誰か: PoS (non Delegated)
Stake に比例した確率でバリデータに選出される。
バリデータになる義務はないが、
無条件なれるわけでもない:
最低stake/補償金量制限/保持期間条件(Tezos, Cosmos)
バリデータ数制限BPoS: (Cardano: 100, Cosmos: 100)

15. バリデータは何を検証するのか
PoS / DPoS
ブロック生成すべて(Tezos, EOS, Cosmos, Cardano, ..)
HPoS
ブロック生成はPoW、生成されたブロックの承認はPoS
(Decred, Eth 2.0)
その他
基本はPoW だが、一部の特殊な操作にのみPoS を使う。
(Masternode (Waves, Dash), etc.)

16. インセンティブ設計
内容
報酬/ 罰則
対象
バリデータ/ バリデータではない一般のtokenホルダ

17. インセンティブ: バリデータ報酬
ブロック提案報酬(Eth 2.0 にはない?)
トランザクション手数料(EOS にはない)
得票報酬(EOS)

18. インセンティブ: 非バリデータ報酬
デリゲーションによる権利貸し報酬(Tezos, Cardano, ..)
ガバナンス投票(EOS, Tezos, Cardano, ..)

19. インセンティブ: バリデータ罰則
補償金とSlashing (不正行為による没収) (Cardanoにはない)
不正行為指摘による報酬
バリデーション不参加による権利喪失

20. インセンティブ: バリデータ罰則
不正行為なんてあるの？あります。(Tezos)
同一バリデータによる同レベルでのチェーンフォークは不正。
PoS ではブロックの生成が簡単なので、
バリデータ環境の誤設定により、悪意なく簡単にチェーンを
フォークできてしまう。
報酬の取りはぐれだけでなく、補償金が没収される。
気づかずにいると、担当レベルで毎回補償金が没収される。

21. インセンティブ設計: 非バリデータ罰則
デリゲート先のバリデーションミスによる報酬機会喪失
デリゲート先不正によるSlashing (Cosmos)
デリゲート先を注意深く選ぶ必要がある

22. ガバナンス投票
対象による分類
プロトコル・アップグレード選択/承認(Tezos, Cardano,
Cosmos)
資金使用先決定(EOS)
ブロック生成はPoWだがPoSのガバナンスを採用する
プロトコルもある。

23. デリゲーション経済: 報酬年率
Staking 報酬は年率で表現されることが多い。
ブロック提案報酬はインフレーション率設計に依存:
年率が高ければいいというものでもない。
(Tezos 6.15%, Cosoms 8.45%, IOST 12.22%, ..)
Staking しなければインフレ率分の税を払うと思った方が…

24. デリゲーション経済: 報酬支払い
Staking 業者に委任した場合、
手数料を引いた報酬が払い戻される:
自動
手動

25. デリゲーション: 報酬支払い: 自動
プロトコルによる(Cardano)
スマートコントラクトが決定(Eth 2.0)

26. デリゲーション: 報酬支払い: 手動
バリデータが約束した報酬を支払う(Tezos)
利率、キャンペーンによるバリデータ差別化が容易
口約束なので不履行例あり
スマートコントラクトによるデリゲーション管理の
サポートを開発中。

27. デリゲーション: カストディ業者による
staking サービス
トークン(つまり秘密鍵)を預かるカストディ業者が、
トークン量に比例したバリデータ報酬金利を払う
(Tezos)
Coinbase 5%
Binance 6.15% (0 手数料!)
Kraken

28. デリゲーション: Staking バランス
現在のTezos staking バランス:
巨大なカストディ業者の参入によりバランスが大き
く変わる可能性がある

29. まとめ: PoS技術比較
合意形成アルゴリズム
バリデータは誰か
バリデータは何を検証するのか
インセンティブ設計
ガバナンス投票
デリゲーション経済設計
PoSといってもプロトコルにより差異がある。
全く違う用語が同じ概念の時もある。
慎重に検討を。