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ITフォーラム2021 先端IT活用推進コンソーシアム(6/7)
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空間OSによるエージェント連携
2021年2月3日
先端IT活用推進コンソーシアム
ビジネスAR研究部会
コンテキスト・コンピューティング研究部会
日本総合システム株式会社 中川雅三
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もくじ
• 空間OSの概要
• エージェントの実装
• エージェントの進化
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空間OSの概要
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空間OSとは
• その場所にある様々なエージェント(ロボット)を
連携させる「メタOS」。寿命数十年以上目標。
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空間OS
最初は「家」で実装開始
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空間OSの実装
• 空間OSは「黒板モデル」の黒板
– 空間内のあらゆる情報(コンテキスト)をエージェントが黒板へ書き込む
– エージェントは黒板に書かかれた情報に基づいて動作し、結果を黒板へ書き込む
– エージェントは同じコンテキストを共有して協調動作する
5
空間OS=黒板
空間内のあらゆる情報を保持
RDFストア
+変化通知
+履歴記録
(+権限制御)
エージェント
エージェント
…
エージェント
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実装実験
• Apache JENAを改造したRDFストア
– 変化値を保持する「物理ノード」
• WebSocketで変化を通知
• 値変化の履歴を記録
• キュー型ノードによる包摂アーキテクチャのサポート
– 属性設定によるアクセス権限制御
• 存在を見せない/値は読めないが検索には使える
資料:
– 「LOD の物理世界拡張と空間 OS」
http://aitc.jp/pubs/bizar/SIG-SWO-039-02.pdf
– 「空間 OS によるエージェントのデータ共有と相互運用」
https://aitc.jp/pubs/bizar/SIG-SWO-048-01.pdf
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RDFストアとは:
・グラフDB
・検索言語SPARQL
・名前空間の分離
LOD※で使われている
※ LOD : Linked Open Data
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一般知識・データ
オントロジー、ルール、
気象情報、サービス、…
エージェントメタデータ
クラス定義、機能定義…
「家」での空間OS
空間OS:動的RDFストア (非公開)
LOD (公開)
ローカルナレッジ
家族構成、間取り、契約…
空気を読む・人間API
会話、外部連絡、忖度…
管理エージェント
安全、空調、電力…
認識・解釈エージェント
人・ペット・環境…
センサー・アクチュエータ
温度計、マイク、カメラ、エアコ
ン、掃除ロボット…
プロトコルコンバータ
エージェント
=Web Servcie
他の空間OS
知
識
共
有
黒
板
モ
デ
ル
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確認できたポイント
• プログラムが思い通りに動作する
• 開発しやすい
複数チームが分散作業でデモを実装
– エージェント化による明確な機能分割
– 容易なシミュレーション(仮想と現実のシームレスな接続)
• そこそこのパフォーマンス@JSONテキスト
– 数10バイト:毎秒数万通知(@EC2 microインスタンス)
– 毎秒20フレーム姿勢骨格データ中継:20チャネル程度
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課題
• エージェント設計の難しさ
– 扱う対象が多様で複雑
• エージェントへの分割と、共有する語彙の設計
• 人間とのコミュニケーション
• データ構造の扱いの難しさ
– 例:SPARQLでの高さ可変Treeの検索
• 「1階の、居間の、押し入れの、タンスの、1番目の引出にある爪切り」
– 「1番目の引出にある」は簡単に検索できる
– その引出に辿りつく包含関係の表示は簡単ではない
• 高速ストリームの扱い
– 動画・音声(振動)などはRDFストアで扱うには効率が悪い。
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実現可能性
• ユニバーサルなプラットフォーム
– 標準化済みの技術の集成
– 比較的簡単な実装
– 名前空間の分離
– 「その場所」の限定によるセキュリティの実現
• +空間OSの連携によるスケーラビリティ
↓
インフラ化すれば実現
– あらゆるコンピュータの総連携
– 数十年以上の稼働
– 生活の場でのビジネス・公共サービス
10
技術的には
可能
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エージェントの実装
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空間OSの利用 全手動版
• 最も原始的な使用例
– 空間OSにコンソールをつけて(低レベルな)エージェントを人間が操作する
• 空間OSはリモートコントローラのかたまり
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空間OS
- 13. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
空間OSの利用 ロボ独裁版
• 全自動の空気を読む家
– 空間OSを通してロボットがエージェントを操作する
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空間OS
AmazonEchoや
Google Homeは
これに似ている
- 14. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
「ロボ独裁版」は不都合
• ロボットメーカーに依存することになる
– クラウド上にロボット本体を実装してしまいがち
– メーカーや製品の寿命より人生の方が長い
– メーカーの「利益にならない・反する」機能の不在
– 「多様性」の欠如
• ロボットが単一障害点となる
– 故障していないところは動かす必要がある
– ロボットメーカーはいろいろ免責したがるだろう
• ロボット実現まで待たねばならない
– 何十年?
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クラウドの不都合
は次ページで
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クラウド主体は不都合
• プライバシー
– 局所化必須:「人の所在」「浴室内の映像」…
• リアルタイム応答
– インターネットを経由するだけで数100ms
• 人の「直観」は200ms
• 耐故障
– ローカルサービスの継続
• インターネット・クラウドなしでも動作の継続が必須
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空間OSの利用 マルチエージェント版
– エージェント群が総体として「ロボット」となる
– エージェントは「その場」で動作する(一部はクラウド上での実行もアリ)
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空間OS
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
- 17. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
エコシステム
• ある分野の専門家(事業者)がエージェン
トを作ってビジネスする
– 「その場所」が新たなマーケット
– 新規の「専門分野」
• 複数のエージェントを束ねた新しいサービス
– 能力ある者が「責任」を伴ってビジネスする
– 業者が廃業しても代わりを選べる
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共特化
- 18. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
エコシステム
• 事業者によるエージェント運用
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空間OS
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
供給・補充
健康・医療
給食
家族の
スマホ
行政
みまもり
介護
空調
清掃
電力
警備
快適
空気を読む
- 19. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
階層構造
• 分割して実装する
– 単純なものを組合わせて複雑なものを作り出す
– 一つのものを複数の用途に使う
• 包摂アーキテクチャで進化させる
– 古い(単純な)機能に新しい(複雑な)機能を上乗せする
– 高度な機能が故障しても最低限の機能は動作させる
• 空間OSから独立できるエージェント(ロボット)
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- 20. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
階層構造
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事実
解釈・決定
解釈・決定
解釈・決定
…
抽象
レベル
低
(具象)
高
エージェント
エージェント
エージェント
エージェント
センサー
アクチュエーター
ロボット
認識・解釈
エージェント
ミッション遂行
エージェント
空気を読む系
エージェント
- 21. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
人間の参加
システムにできないことを人間に託す
• 重大な決断の承認を得る
– 例:「救急車を呼んでいいですか?」
• 人にしかできないことを頼む
– 例:「ダイニングの電球を交換してください」
• 人を動かすことに価値がある
– 例
住人:「暑いな」
空気を読む家:「外は涼しいので窓を開けては?」
住人:「開けてよ」
空気を読む家:「最近運動不足ですからご自分で…」
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- 22. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
人間API
• 人間API:人とかかわるエージェント群
– 人間とのコミュニケーション
• 一般エージェントの依頼に基づいて人間へ通知
• 人間の指令をエージェントへ伝える
– 空間OS内に人間モデルを作る
• 位置、姿勢…
• 気分、健康状態…
– 人間にシステム全体が一貫しているようにみせる
• 行為や状況を説明する
• システム擬人化する
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- 23. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
一般知識・データ
オントロジー、ルール、
気象情報、サービス、…
エージェントメタデータ
クラス定義、機能定義…
「家」での空間OS
空間OS:動的RDFストア (非公開)
LOD (公開)
ローカルナレッジ
家族構成、間取り、契約…
空気を読む・人間API
会話、外部連絡、忖度…
管理エージェント
安全、空調、電力…
認識・解釈エージェント
人・ペット・環境…
センサー・アクチュエータ
温度計、マイク、カメラ、エアコ
ン、掃除ロボット…
プロトコルコンバータ
他の空間OS
知
識
共
有
黒
板
モ
デ
ル
ある部分集合を人間
APIとして共通化
- 24. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
エージェントの進化
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- 25. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
実世界起点の開発
• 単純な機能から高度な機能へ
– 空間OS:実現可能な実装を提供し、改良してゆく
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課題: 「知っていること(プログラムされたこと)」しかできない
- 26. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
仮想世界起点の開発
• 単純なモデルから現実的モデルへ
– ゲーム空間で育てて実世界へ
• 複雑なコンテキストの利用
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課題: 推論コストの爆発・安全の確保
- 27. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
人間起点の開発
• 心象から現世へ
– 「知・情・意」のとりこみ
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課題: デジタル表現と処理の方法
- 28. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
3視点の融合
• 実世界起点の開発
– 単純な機能から高度な機能へ
• 使いながら進化させる。
• 仮想世界起点の開発
– 単純なモデルから現実的モデルへ
• ゲーム空間で育てて実世界へ。
• 人間起点の開発
– 心象から現世へ
• 「知・情・意」のデジタル表現
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空間OSで
つなぐ
- 29. Copyright © 2021 Advanced IT Consortium to Evaluate, Apply and Drive All Rights Reserved.
http://aitc.jp
https://www.facebook.com/aitc.jp
ハルミン
AITC非公式イメージキャラクター
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