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売れる本を作るために編集ができること

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500円台から5000円台まで、ITの入門書・専門書やビジネス書などを作ってきた経験をもとに、おもに出版業界の新人の方に向けてまとめました。

※日本書籍出版協会2019年度新入社員研修会でお話した内容のスライドです。

タイトル、デザインについては、以下3冊を例として挙げさせていただきました。

●たった1日で即戦力になるExcelの教科書
http://gihyo.jp/book/2014/978-4-7741-6808-1

●「いい写真」はどうすれば撮れるのか?
http://gihyo.jp/book/2016/978-4-7741-8031-1

●職場の問題地図
http://gihyo.jp/book/2016/978-4-7741-8368-8

Veröffentlicht in: Marketing
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売れる本を作るために編集ができること

  1. 1. 売れる本を作るために 編集ができること 技術評論社 傳 智之(でん ともゆき) 2019/04/11 日本書籍出版協会 2019年度新入社員研修会
  2. 2. ■お話しするのは こんな人です 技術評論社 書籍編集部 500円台から5000円台まで ITの入門書・専門書や ビジネス書などを 作ってきました ※写真は2017年2月07日~3月31日に開催していただいた くまざわ書店相模大野店様の傳フェア
  3. 3. ■編集の仕事って? ・発掘する ・アドバイスする ・直す、時に自分で書く どれもまちがいではないけれど
  4. 4. ■才能が可視化されやすい時代 ・影響力が大きい ・知識はかなわない ・文章力もあったりする より“売れる”ために どんなことに貢献できるか?
  5. 5. ■だれにもできそうだけど、 できない・しないことはある ・きっかけを作る ・興味を惹く ・デザインを最善のものにする ・つながりの中心となる
  6. 6. ■きっかけを作る □興味を惹く □デザインを最善のものにする □つながりの中心となる
  7. 7. ■すべては企画からはじまる ・だれかが動かないとなにも起こらない (0→1とまでいかなくても、0→0.1にはなる) ・だれでもできる≠だれかがやる ・「売れる根拠」は編集者の主観や思い込み?
  8. 8. ■とにかく人に会う ・出版は人がすべて ・「企画を考える」の限界 (「思いつき」「アイデア」「企画」の違い) ・価値の源泉は社外にしかない ・紹介や偶然を大事に (「だれかのきっかけ」を受け止める)
  9. 9. ■“やらなきゃ”と“やりたい”の両立へ ・企画ができれば編集の仕事は必ず楽しくなる ・ノルマは「その分いい投資先を見つけよう」 というミッションを数字化したものと考える ・キャリア年数と企画力は必ずしも比例しない
  10. 10. □きっかけを作る ■興味を惹く □デザインを最善のものにする □つながりの中心となる
  11. 11. ■タイトルや見出しは編集者が 最終案を出す場合が多い ・長文を書ける ≠魅力的なタイトルやコピーを書ける ・自らアウトプットしない(できない)分、 全体を見ることに注力する
  12. 12. ■タイトル案によくある指摘 ・長い(区切りがわかりにくい) ・堅い ・ありきたり、インパクトがない、そそられない ・煽りすぎ、釣りっぽい ・辛気臭い ・意味がわからない(知りたいとも思えない) ・内容と合ってない
  13. 13. ■タイトルの要件1 「読みたくなる」 ・得られるメリットが明確になっている ・自分でもできると思える ・自分ごとに思える(煽り系も含む) ・共感できる ・興味をそそられる ・新規性がある(要件すべてに関係)
  14. 14. ■タイトルの要件2 「知ってもらいやすい」 ・書店で目的の棚に置いてもらいやすい (意図しない棚に置かれない) ・検索キーワードにヒットしやすい ・覚えやすい/思い出しやすい (そのために省略しやすい)
  15. 15. ■タイトルの作り方 1. 強みや特徴を表すキーワードをリストアップする。 2. リストアップしたキーワードに優先順位をつける。 3. キーワードを軸に、方向性と理由を考える。 ・メリット訴求型 【例】たった1日で即戦力になるExcelの教科書 ・問題提起型 【例】「いい写真」はどうすれば撮れるのか? ・コンセプト型 【例】職場の問題地図 4. 方向性をもとに、価値(実利、安心感など)を 訴求する言葉やその組み合わせ方を考える。
  16. 16. ■メリット訴求型 ●たった1日で即戦力になる Excelの教科書 ・「1日で実務直結」の セミナーをわかりやすく ・魅力を強調し、語感を調整 ・安定感のある言葉で締める
  17. 17. ■問題提起型 ●「いい写真」はどう すれば撮れるのか? ・マニュアル・教科書に 逆張り ・読者の気持ちを代弁 ・サブタイトルで説明
  18. 18. ■コンセプト型 ●職場の問題地図 ・著者の実績の集大成を見た 第一印象をそのまま言葉に ・言葉のかけ算でオリジナルに ・サブタイトルで説明と キーワードを盛り込む
  19. 19. ■タイトルづくりの注意点 ・あくまで「読みたくなる」かどうか ・サブタイトルに逃げない ・全部タイトルで表現しようとしない (コピーにメッセージを分散させるのも手) ・本の全体像や“らしさ”を大事にしつつ 「読者の心に届くかどうか」を優先する
  20. 20. ■目次にはどういう要件が必要か ・独自性(意外性、おもしろさ) ・実用性(読むべきメリット) ・網羅性 ・検索性(引きやすさ) ・共感(納得感)
  21. 21. ■目次の要件は満たすには1 「見出しのタイプを使い分ける」 ・メリット訴求 ・リスク訴求 ・問いかけ ・あるある ・メッセージ(概念提示) ・内容の要約
  22. 22. ■目次の要件は満たすには2 「演出を考える」 ・全体におけるタイプの比率を調整する ・統一感を出すか、出さないか (マニュアルなら統一、読み物なら変化を) ・用言止め、体言止めを使い分ける ・見出しの頻度を調整する (見開きに最低1つ~なるべく入れない)
  23. 23. ■目次の良し悪しを 判断するうえでの前提 ・あとから変わる(変えざるをえない) ・ストーリー性は完全には表現できないが、 流れは意識する必要がある ・流れは必ずしもつながっている必要はなく、 並列関係でもいい (ただし、それを意識して作る必要はある)
  24. 24. ■なぜ、その内容を、 そのタイミング(順番)で? ・前の章からの流れをどう受け止めるか? ・節と節の関係はどういうものか? ・項と項の関係はどういうものか? ※そのうえで「その項の中で、何を、どういう 流れで解説するのか?」も意識する
  25. 25. ■流れの作り方はいろいろ ・起承転結 ・序破急 ・ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則) ・ハリウッド式三幕構成 ・PREP(Point, Reason, Example, Point)/ AREA(Assertion, Reason, Evidence or Example, Assertion) ・問題提起→原因分析→解決策 ※『職場の問題地図』など ・BEAF(Benefit, Evidence, Advantage, Feature) ・FUD(Fear, Uncertainty, Doubt)→希望
  26. 26. ■ドラえもんメソッド 1. ふりかかる問題(ジャイアン) 2. こうしたい・こうなりたい(泣きつき) 3. 理想と現実つなげるための要件(前ふり) 4. 要件を実現する手段(秘密道具) 5. 手段を実行する方法(道具の使い方) 6. 手段を実行した結果(のび太勝利) 7. 手段の副作用・トレードオフ(ジャイアン逆襲) 8. 教訓(ドラえもん締め)
  27. 27. ■疑問を投げかける ・「足りない内容があるのでは?」 ・「出だしが魅力的でないのでは?」 ・「ここで解説しなくてもいいのでは?」 ・「そもそも解説がいらないのでは?」 ・「内容は残すとしても、 見出しとしてはいらないのでは?」
  28. 28. □きっかけを作る □興味を惹く ■デザインを最善のものにする □つながりの中心となる
  29. 29. ■発注はだれでもできるようで難しい ・好みと売れ行きは必ずしも一致しない ・「探す」のはめんどうくさい ・「伝える」のはラクではない ・「決める」のは神経を使う
  30. 30. ■人選を決める ・デザインは人選8割、依頼2割 ・「“で”いい」ではなく 「“が”いい」でお願いする ・「安くお願いできるから」で決めない
  31. 31. ■イメージをできるだけ持っておく ・「探す」前に「知っておく」 ・ジャンルを問わずに常にチェック (大扉の裏、目次、奥付など) ・本のイメージをキーワードにしておく ・会社としての統一感に縛られすぎない
  32. 32. ■1冊ごとにゼロベースで考える ・「その方がその本に最適か?」を考える ・記憶のストック×今の感性で決める ・書店をまわりながらひっかかる例を見つける ・迷ったら新規の方に(知見も深まる)
  33. 33. ■逆張りしつつも 王道感を ●たった1日で即戦力になる Excelの教科書 (水戸部功さん) ・既存の本への個人的不満 ・Mr.シンプル、引き算の名手 ・新しい定番をめざして
  34. 34. ■主役を 主役らしく ●「いい写真」はどう すれば撮れるのか? (戸倉巌さん) ・写真を活かせる方に ・執筆前に写真を決定 ・カラーでなくていい
  35. 35. ■言葉の強さを やさしく包む ●職場の問題地図 (石間淳さん、白井匠さん) ・20代でも自分ごととして 読んでもらえるように ・重さの中に遊び心を ・文字を引き立て雰囲気を出す
  36. 36. ■依頼で気をつけたい5つのポイント ・連絡は早く ・「なぜ、お願いしたのか」を説明する ・自社の説明も忘れずに ・会わずにすませない ・なるべく先方のオフィスに伺う (表に見えない作品や仕事の環境を拝見する)
  37. 37. ■力を引き出す ・「想像力を生かす」のが基本 ・「このとおりにやってほしい」と言わない ・細かい口出しはなるべくしないように ・案を複数出してもらうのが最善とは限らない ・タイトルとコピーを確定させておく
  38. 38. ■齟齬をなるべく減らす ・「これだけはやめてほしい」を考えておく (タイトルの可読性、色使い、特殊加工など) ・ブレないために最低限イメージを固めておく ・サンプル(≠ラフ)を用意しておく (“シンプル”は“そっけない”かもしれない)
  39. 39. □きっかけを作る □興味を惹く □デザインを最善のものにする ■つながりの中心となる
  40. 40. ■依頼はもちろん販促面でも 編集者が軸になりうる ・「営業に営業する」のは編集者の仕事 ・動きまわり、いろいろな人とつながっておく ・ソーシャルネットで情報を発信/拡散する (自分のフォロワー数がすべてではない) ・裏話を語れるのは編集者
  41. 41. ■「うまくつなげる」前に コミュニケーションの基本を大事に ・必要以上に色をつけない ・誤解をなくす ・流れを止めない その先に、質と速度を求めていく
  42. 42. ■自分の個性(偏見)に向きあう ・自分の「いい」を疑い、見直し、信じる ・聞く、三角測量する ・異分野に興味をもつ
  43. 43. ■「人によって変わる」前提で構える ・標準的な答えが相手にも“正解”とは限らない ・メールですべて伝わると思わない ・「電話のほうが丁寧」とは限らない ・「とりあえず会う」が最善とは思わない
  44. 44. ■「事情は変わる」前提で構える ・話はよくあとから変わる (本人の性格もあれば、外部要因もある) ・許諾や名義など、必ず毎回確認する
  45. 45. ■「完璧でない」前提で考える ・「そんなつもりじゃなかった」は日常茶飯事 ・相手がきちんと説明できるとは限らない (深堀りするとじつは違う意図だったり) ・違和感を噛み殺さない
  46. 46. ■「連絡が届かない」可能性を考える ・メールはエラーでなくても届いてない場合も (迷惑メール、サーバーでのフィルタリング) ・既読でも「読んだ」とは限らない (たまたま開いてそのままに、など) ・返事がこなければ、ほかの手段で確認
  47. 47. ■自分の状況を共有する ・「あれ、どうなりましたか?」の最小化へ ・対応できなくても受領のお知らせはすぐに ・「いつまでに」も添えられると理想的 【参考】メール署名やSNSプロフィールに記載 https://www.dropbox.com/s/6y5jz16umkgr4w h/den_workstyle.txt?dl=0
  48. 48. ■自分の言葉で話す ・だれかの意向に従わざるをえないことはある ・それでも、主語を自分に (社外の人にはあなたが会社の代表)
  49. 49. □ □ □ □ ■おわりに
  50. 50. ■だれかの力をお借りして はじめて成果を出せる ・1人ではできないことを実現させてもらえる、 そのことに感謝を ・信用を積むのは大変、なくすのは一瞬 ・“つなげる”のスペシャリストとして貢献する
  51. 51. ■「自分ができること」を広げていく ・結果が出るまでは苦しいけれど ・最初うまくできなかったことでも、 努力によってかんたんになっていく ・偶然を味方につけられるか
  52. 52. □ □ □ □ □ ■参考資料
  53. 53. ■編集者の価値の参考 ・デザイナーという視点から見る、編集者のあり方 (TYPEFACE渡邊民人さん) http://www.ajec.or.jp/%E6%B8%A1%E9%82%8A%E6% B0%91%E4%BA%BA%E3%81%95%E3%82%93%E3%82 %A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A 5%E3%83%BC/ ・【創作・投稿】編集者必要論(随時更新) https://togetter.com/li/1194910
  54. 54. ■編集の考え方・実践の参考 ・AJEC(日本編集制作協会)編集教室レポート http://www.ajec.or.jp/special_interviews_archive/ ・「クリエイティブな人たち」とうまく付き合う 方法を学ぶ、海外ノンフィクション (アップルシード・エージェンシー栂井理恵さん) https://honto.jp/booktree/detail_00005687.html
  55. 55. ■日本の出版業界の参考 ・出版状況クロニクル(小田光雄さん) http://odamitsuo.hatenablog.com/archive/category/%E5%87%BA %E7%89%88%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%82%AF%E3%83%AD% E3%83%8B%E3%82%AF%E3%83%AB ・新文化 https://www.shinbunka.co.jp/ ・文化通信 https://www.bunkanews.jp/news/news_list.php
  56. 56. ■電子書籍など新しい動向の参考 ・HON.JP(鷹野凌さん) https://hon.jp/news/ ・マガジン航(仲俣暁生さん) https://magazine-k.jp/
  57. 57. ■コンテンツづくりの参考 ・コンテンツ・デザインパターン(技術評論社) https://gihyo.jp/book/2017/978-4-7741-9063-1 ・すべての企業に眠っているはずの、 「もったいない」素材リスト →個人に置き換えれば、通常の打ち合わせでも有用 https://note.mu/yu_pf/n/nb4432ffcb42a
  58. 58. ■デザインの参考 『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』編集つぶやき (日経BP中川ヒロミさん) ・四六かA5か、それが問題だ https://comemo.nikkei.com/n/nf551eedddb47 ・カバーデザインはこうして決まった(1) https://comemo.nikkei.com/n/n27f949108309 ・カバーデザインはこうして決まった(2)赤と青とどっち? https://comemo.nikkei.com/n/nac77613bb9ba
  59. 59. ■本研修の補完 ・売れる本の作り方、見せ方 https://www.slideshare.net/TomoyukiDen/ss -78215546 ・出版鬼十則(「電通鬼十則」パロディ) https://www.facebook.com/dentomobook/po sts/179666698753543

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