○ 韓国の学校情報化から、何を共有し、何を学ぶのか ○ 韓国と日本の教育情報化における課題について 日本教育工学会産学共同セミナー基調講演（2013. 3. 23）

1. 韓国の教育情報化の進捗
○ 韓国の学校情報化から、何を共有し、何を学ぶのか
○ 韓国と日本の教育情報化における課題について
日本教育工学会産学共同セミナー基調講演
韓国教育学術情報院
曺圭福(CHO, KYUBOK)
2013. 3. 23

3. 自己紹介
● 学歴
韓国弘益大学教育学科（学士）
東京外国語大学大学院地域文化研究科（修士）
東京大学大学院教育学研究科（研究生）
広島大学大学院教育学研究科（博士）
● 職歴
放送大学ICT活用遠隔支援センター（客員研究
員）
韓国教育学術情報院（研究員）（現在）
● 研究テーマ
ICT活用教育
－ デジタル教科書の活用効果
－ サイバー学習の活用実態
－ 学生e-portfolio評価
－ SNS学習履歴
－ 教育情報化政策（韓国、海外）
● 連絡先
ckb@keris.or.kr
www.facebook.com/chokyubok

4. 韓国教育学術情報院の紹介
● 準政府機関（国立）
● 動画参照
http://www.keris.or.kr/download/intro/vod_eng/vod_pop_21_eng.html

5. 国家教育目標とKERIS事業
教育科学技術先進化で世界一流国家へジャンプ
KERISの主な事業 国家教育主な国政指標 KERISの主な事業
(教育部推進課題中関連課題)
創造的な人材育成 大学入試自律化/入試先進化 国家知識共有·流通
スマート教育企画·R&D 学術研究情報(RISS)運営
On-line授業·評価 いい学校と多様な教育課程 大学講義の公開(KOCW)
創造·人性力量強化 教育情報統計サービス
教育情報共有·流通 創造人性教育の定着
情報公示の活性化
先進教育行·財政体制 基礎学力の保証
Clean & Green IT
教育行政業務支援
教育情報国家/国際標準
教育福祉サービス拡大 教員の専門性再考
国家Eラーニング品質管理
教育財政業務支援
私教育費の低減 教育機関の情報保護
行·財政インフラ運営
教育情報化政策R&D 研究支援体制の先進化 グロバール競争力の確
교육정보화 정책 R&D 保
グロバール知識の交流
政策懸案支援
학교정보공시 서비스
グロバール協力の強化 ODA教育開発
教育情報化水準測定研究
인재정책지원 서비스

6. 韓国の教育情報化政策
●教育科学技術情
●教育情報化 ●スマート
報化
3段階総合発展方案
基本計画 教育
推進戦略
1段階 2段階 3段階 4段階
(‘96-’00) (‘01-’05) (‘06-’10) (’10-’14) (‘11-’15)
インフラ ICT活用 教育学術サービス ソフトパワー 教室革命

7. スマート教育推進戦略
● SMART
Self-directed ： 自己制御
Motivated ： 動機付け
Adapted ： 個々に適した
Resource enriched ： 豊かな教授 学習資料
Technology-embedded ： 最新の情報技術
● ５つの領域
教育内容 ー デジタル教科書の開発と適用
教育方法と評価 ー オンライン授業評価を活性化
教育環境 ー
教育コンテンツの自由利用と安全な利用環境づくり
教員研修 ー 教員スマート教育実践力の強化
情報環境 ー クラウド教育サービスの基盤造成

8. デジタル教科書の開発
年度 モデル 学年 科目
学校数
２００８ ２０ 小５ 国、社、科、算、音、英
小６ 国、社、科、算
２００９ １１２ 小３－６ 英（レベル別）
小４ 社、科
中１ 英、科
２０１０ １３２ 小５－６ 社、科（修正）
２０１１ ６３ 小５－６ 国、算（修正）
２０１２年のモデル学校数は４６

9. e-教科書の開発とデジタル教科書の普
及 すべて無償（税金）が前提
種類 年度 学年 科目 媒介
e-教科書 ２０１１ 小１－高 国、英、数 CD
２０１２－１ 小１－高 CD
２０１２－２ 小１－高 ダウンロード
２０１３ 中ー高 英 ダウンロード
デジタル ２０１４ 小３－４ 社、科、英 Platform
教科書 中１－３
高１－３
２０１５ 小３－高 社、科、英、＋ Platform
３ その他

10. e-教科書とデジタル教科書のホームペー
ジ
http://book.edunet.net http://www.dtbook.kr

11. e-教科書の紹介動画
● 概要 http://book.edunet.net/ebookSamplePopup.do
● 製作 http://www.youtube.com/watch?v=LhphNg9a3Hk
● 英語教科 http://www.youtube.com/watch?v=E2wJESTsQOs

12. デジタル教科書のPlatform
● 紹介動画
http://www.facebook.com/photo.php?v=564913786866619
・ 利用手続き
・ 学校と出版社のDT管理
・ 本棚
・ ノート管理
・ コミュニティ
・ モバイル

13. デジタル教科書のPlatform-初期画面
SITEMA
P
DTとは？ 検索
ログイン
DTダウンロード
スマート教育
ガイドライン 活用案内
スマート
Q&A 教育とは？
FACEBOOK
コミュニティ
学習コミュニティ

14. スマート教育のコミュニティ
● KERISとスマート教育
http://www.facebook.com/groups/211493705601584/
（1490人）
●教師とスマート教育
http://www.facebook.com/#!/groups/smartlearningkorea/
（1667人）
●スマート教育の公式ホームページ
http://smart.edunet.net/

15. 韓国の主な教育用デジタルコンテンツ
コンテンツ名 主管 特徴
国 デジタル KERIS 著作権のため、
主導 教科書 デジタル教科書モデル学校のみ利用
（関 e-教科書 KERIS 2012年1学期までCD、
与） 2学期から転送可能、無償
サイバー 教育委員会、 教育格差解消の目的、
家庭学習 KERIS 学校の担任と連携、委員会別にある
EDUNET KERIS 1996年開通
カンナム カンナム ソウルしカンナム区役所、中高校向け
インガン 区役所
EBS教材 EBS 著名な講師の講義を放送、大学入試の７割連携
企業 アイスクリム 時空メディア 小学校教師の９割以上が有料会員、
主導 教師のみ活用可能
ドサンドンア ドサンドンア 出版社として教科書、副教材、問題集などの
デジタルコンテンツ開発・販売
教師 インディスクー 教師コミュニ http://indischool.com
主導 ル ティ
教コム 教師コミュニ http://eduict.org/
ティ

17. 韓国と日本の課題-教師
● なぜ授業中にICTを活用する必要があるか。
以下のような批判に対し、教師を中心に問題と克服方法を考えること。
克服方法を考える１つのヒントが反転教育にある。
‘21世紀型能力を育むにも面と向かった話し合い、実際やることが必要である。
今の教室環境で十分であり、ICTを活用することでさらに難しくなるのではないか。
暗記と確かな概念と知識と習得が学習の基本であるが、ICTが必ず必要ではない‘
Analog,
Offline
Digital,Online Digital,Online Digital,Online
＜反転教育＞

18. 韓国と日本の課題-教師
● Digital + Analog, Online + Offline, 知識習得＋21世紀型能力
もう１つのヒントは教室の中の環境を見極めることである。

19. 韓国と日本の課題-教師
● 協同学習 ⊃ 自己制御学習
自己制御学習と協同（協力）学習が対置するのではなく、
自己制御学習が協同学習の一部になる授業を取り組むこと。
それができないと以下の問題が発生する。
・教師主導の孤立された個人学習
・身体性の低下（視線、筆記）
・皮相性、散漫性
・ICT活用中心の教育
・関心・成績の錯覚

20. 韓国と日本の課題-教師
● 教授学習コンテンツをより有効的に活用すること
問題解決学習、個別学習などのためには学習者の学習履歴を大切にする
ことが必要であるが、とても困難であった。ICTはその助けになる。
学習結果（宿題、試験）中心の履歴管理から学習過程まで拡大する。
On-line,Digital
未来
結果 過程
現在
Off-line,Analog

21. 韓国と日本の課題-教師
● 学習活動と行為をより自由で活性化させること
－テキストのデジタル化＋ノートのデジタル化に関する動画
http://youtu.be/ZTiCErW6jxg

22. 韓国と日本の課題-学校
● 学校教育におけるICTの生活化
学校の様々な行事と公的なコミュニケーションの道具としてICTを活用することで
ICT活用協同学習が体得できる上、‘総合的な学習’を促す。
教科学習との連携も可能である。
・ホームページ（学校、学級）
・図書室
・イベント（遠足、運動会）
・通知（お便り）
・相談・学生指導（いじめ）
・学校間交流（姉妹学校）
・文集、新聞、放送
・教務情報化

23. 韓国と日本の課題-企業
● 利益追求＋学校教育に寄与
・学習者1人1台 vs 班毎、移動式（機器中心に走らないようにするこ
・学習者の学習履歴（LMS）の分析
・消費者と市場（成績中心に走らないようにすること）
・教育寄付と福祉
－ 端末機の費用負担
－ 基本無料と追加有料サービス

24. 韓国と日本の課題-国
● 調整＋枠組み作り＋説得＋リダーシップ
・調整（企業、自治体、教師、学生・保護者）
- 特に企業とのパートナーシップ
- 教育用デジタルコンテンツ（教科書）の無償化
・枠組み（法・制度、Platform、専門機関、教育課程）
- 特に著作権：（教科用図書に関する規定の改定）
（韓国例：教科用図書の著作物利用補償金基準の告知の中に書物以外の電子著作物を
含む）
・説得（研究、広報、研修）
- 特にボトムアップ
・リダーシップ（福祉：農村、障害、病院学校、在外国民、多文化）

25. 韓国と日本の課題-参考資料
●21世紀型学力を育むフューチャースクールの戦略と課題
（SGRA 関口グロバール研究会）
http://www.aisf.or.jp/sgra/member/hredu/report/SGRAreport65.pdf
http://www.facebook.com/groups/dkyof/permalink/469708799738025/
（１）ICT活用教育の学習効果があるのか。
（２）ICTを活用すると教授学習が効率的になるのか。
（３）ICTを活用するとICTをまったく活用しない授業ではできないことができるのか。
（４）ICT活用の副作用について
― 思考を皮相的で散漫になる恐れはないのか。
― ICT活用すると依存（中毒）するのではないか。
― 鉛筆で書く、紙を触るなどの身体性と伴う思考が難しくなるのではないか。
（５）なぜICTを授業の中に取り入れる必要（意味）があるのか。

26. は
“教育学術情報化を先導する
世界最高のパートナー”を目指します.
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韓国教育学術情報院 曺圭福
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