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これからSpringを使う開発者が知っておくべきこと

  1. 1 これからSpringを使う開発者が 知っておくべきこと 2018/10/31 日本Springユーザ会 土岐 孝平 ハッシュタグ: #sf_11
  2. 自己紹介 • 土岐 孝平 • Springを使用したシステム開発の支援 • JavaやSpringの研修の講師 • 書籍の執筆 2 [改訂新版]Spring入門
  3. はじめに • 想定する聴講者 – Springを使ったプロジェクトに参加しているけれど、 Springの「おまじない」が何のためなのか分かっていない • @Serviceって何?@Autowiredって何? • 一応動いているけど、おかしな使い方になってないだ ろうか? • 発表の趣旨 – Springの初心者が疑問に思ったり、おかしな使い方をし てしまいがちなところをピックアップして説明。 – 実プロジェクトで活かしてほしい。 – Springを学習するとっかかりになってほしい。 3
  4. アジェンダ • 「おまじない」がやっていること – @Serviceや@Autowiredがやっていること – @Transactionalの裏側 • おかしな作りになっていませんか? – スレッドセーフになっていますか? – トランザクションの入れ子はうまくできていますか ? – トレースログを明示的に出力していませんか? 4
  5. 「おまじない」がやっているこ と 5
  6. 「@Service」の意味 • 「Springにオブジェクトを作ってもらって、DIコンテナ※1で管理 してほしい」と宣言するアノテーション • DIコンテナ起動時に、DIコンテナで管理された状態になる。 • DIコンテナで管理されたオブジェクトのことを、Beanと呼ぶ。 6 DIコンテナ FooServiceオブジェクト ※1:DIコンテナ Springが提供するオブジェクトの入れ物。DIコンテナでオブジェクトを管理す ると、DIやAOPの機能を利用することができる。 @Service FooServiceクラス Bean
  7. 似たようなアノテーション 7 • @Service以外にも、Beanにしてもらえるアノテーションがあ る • これらのアノテーションのことを、「ステレオタイプアノテーショ ン」という。 • コンポーネントスキャン※がどこかで指示されてる必要がある 種類 付加機能 使い分け @Controller Spring MVCと連携できる Controllerの役割のクラスに付 与する @Service なし Service(業務ロジック)の役割の クラスに付与 @Repository スローした例外を、Springの 例外に変換してくれる データアクセス(Daoなど)の役割 のクラスに付与 @Component なし 上記以外の役割のクラスに付与 ※コンポーネントスキャン:ステレオタイプアノテーションが付いたクラスを探すSpringの 行為。指定されたパッケージ配下を探す。
  8. ≪参考≫Beanにしてもらうための手段 • ステレオタイプアノテーション • JavaConfig • XML 8 DIコンテナ FooServiceオブジェクト 結果は同じ!!
  9. 「@Autowired」の意味 • よくある「誤った」認識 – FooDaoのオブジェクト(依存するオブジェクト)を、 @Autowiredで「生成」している。 9 FooServiceオブジェクト FooDaoオブジェクトfooDao new演算子 @Autowired
  10. 「@Autowired」の「正しい」認識 • 「他のBeanをインジェクションしてほしい」と宣言す るアノテーション • インジェクション:依存するオブジェクトを、自分で作 ったり探したりせずに、誰か(Springの場合だとDIコ ンテナ)に渡してもらうこと。 10 FooServiceオブジェクト FooDaoオブジェクト fooDao DIコンテナ オブジェクトを生成している訳 ではない @Autowired
  11. 複数のBeanにインジェクションも可能 11 BarServiceオブジェクト fooDao FooServiceオブジェクト fooDao FooDaoオブジェクトDIコンテナ @Autowired @Autowired
  12. 「@Transactional」の意味 • 「このクラスの持ってるメソッド(private以外)で、DBのト ランザクション制御をしてほしい」と宣言するアノテー ション※ 12 FooServiceオブジェクト abcメソッド()FooControllerオブジェクト DB begin commit /rollback ※個別のメソッドに@Transactionalを付けることも可能
  13. トランザクション制御の仕組み • SpringのAOPによってトランザクション制御を行う「Proxy」が自動生成されている • 「Proxy」は、Serviceと同じメソッドを持っている。 • Controllerにインジェクションされてるオブジェクトは、Proxyである。 13 abc Controller Proxy Service Dao データアクセ ス機能 abc SQL ThreadLocal Connection connect、begin commit/rollback、close SQL
  14. ここまでのまとめ • @Service – 「オブジェクトを作ってDIコンテナで管理してほしい」とお 願いするアノテーション – 「ステレオタイプアノテーション」の1つ • @Autowired – 「依存するオブジェクトをインジェクションしてほしい」とお 願いするするアノテーション • @Transactional – 「DBのトランザクション制御をしてほしい」と宣言するアノ テーション – 内部では「Proxy」が生成されている。 14
  15. おかしな作りになっていません か? 15
  16. スレッドセーフになっていますか? • スレッドセーフとは? – 複数のスレッドで同時に処理されても安全なこと。 • Bean(Springが管理するオブジェクト)は原則シングルトン※1 なので、複数のスレッドが1つのオブジェクトのメソッドを呼び 出す。 16 スレッドB オブジェクト abcメソッド ※1:シングルトン 1つのオブジェクトを使いまわすこと 複数のスレッドが1つのオ ブジェクトのメソッドを呼び 出す
  17. Webアプリケーションの場合 • 1つのController・Service・Daoのオブジェクトが複数のリク エストの処理を同時に行う。 • リクエストごとに別のオブジェクトが使われる訳ではない 17 FooController FooService FooDaoリクエストB リクエストA リクエストB リクエストC FooController FooService FooDao FooController FooService FooDao FooController FooService FooDao
  18. スレッドセーフではないアプリ • スレッド個別のデータをフィールド(インスタンス変数) で保持している 18 スレッドB FooService totalPrice calclateOrderPriceメソッド ? 【NGな作り】
  19. スレッドセーフなオブジェクトにするには? • スレッド個別のデータをローカル変数で保持すればよい。 – ローカル変数は、メソッドが呼び出される度に個別の変数になる 19 スレッドB FooService calclateOrderPriceメソッド 【OKな作り】
  20. ≪補足≫Beanにすべきではないクラス • SpringのBeanはシングルトンが原則なので、処理 毎にフィールドの値が変わるような役割のオブジェク トはBeanにしない。 – EntityやDTOなど 20 処理の度にオブジェクトが作られて 固有のデータがフィールドに格納される
  21. トランザクションの入れ子はうまくできていますか? • トランザクションの入れ子とは? – ここでは、あるトランザクションの中で、別のトランザクショ ンを制御すること – 利用シーン • バッチ処理で、切りのいい単位でコミットする • 採番テーブルの更新 • アクセス監査テーブルの更新 21 abcメソッド { 処理A 処理B 処理C 処理D } 外側のトランザクション 内側のトランザクション
  22. やってしまいがちな誤り • メソッドを分けて@Transactionalを付与する 22 @Transactional abcメソッド { 処理A defメソッド(); 処理D } @Transactional(propagation =Propagation.REQUIRES_NEW) defメソッド{ 処理B 処理C } しかし、defメソッドを呼び出しても、 別のトランザクションは開始されない。 (外側のトランザクションに含まれてしまう) 理由は次のページ
  23. Proxyが処理を経由できない • 内部メソッドの呼び出しは、Proxyの処理を経由しな いため、新たなトランザクションは開始されない。 23 abc Controller Proxy Service abc connect、begin commit/rollback、close Proxyを経由せずに 呼び出している def
  24. 解決策(1/2) • 解決策A:クラスを分割する 24 @Transactional abcメソッド { 処理A barService.defメソッド(); 処理D } @Transactional(propagation =Propagation.REQUIRES_NEW) defメソッド{ 処理B 処理C } FooService BarService abc Controller ProxyA FooService abc connect、begin commit/rollback、close def ProxyB BarService def connect、begin commit/rollback、close
  25. 解決策(2/2) • 解決策B:TransactionTemplateクラスを利用して、 メソッドの中で明示的にトランザクションを開始・終 了する – 詳細はSpringのマニュアルを参照。 25 @Transactional abcメソッド { 処理A new TransactionTemplate(...).execute( new TransactionCallback(...) { 処理B 処理C } ); 処理D } プログラムのイメージ
  26. ≪補足≫トランザクション制御のログを出力する方法 • トランザクションマネージャーの実装クラスのロガーをDEBUGレベルに する – トランザクションマネージャー:下位レベルのAPIを使って実際にトランザクシ ョンの指示を出すオブジェクト – データアクセス技術によって実装クラスが異なる • DataSourceTransactionManager • JpaTransactionManager など – ログの内容 26 logging.level.org.springframework.jdbc.datasource.DataSourceTransactionManager=DEBUG 【SpringBootのapplication.propertiesで指定した例】
  27. トレースログを明示的に出力していませんか? • ソースコードの可読性が落ちる。 • 異常終了時のログを出力したいがためにtry・catch・ throwを記述している。 – throwを忘れて例外を握りつぶすバグの可能性もでてくる 27
  28. • SpringのAOPを利用する 解決策 28 abc Controller Proxy Service abc ログ出力 ログ出力 ワイルドカードを使って 複数のメソッドに適用 可読性が上がり、 バグも潜みにくい ControllerやDaoに 適用することも可能
  29. ここまでのまとめ • Beanはスレッドセーフにする – フィールドにスレッド個別のデータを保持しない • トランザクションの入れ子に注意 – 内部メソッドを呼び出してもトランザクションは開始されな い • クラスを分ける or TransactionTemplateを利用 • トレースログを個別のクラスで出力しない – AOPを利用する。 29
  30. おすすめの資料 • SlideShare「今さら聞けないDIとSpring」 – https://www.slideshare.net/KouheiToki/dispring • SlideShare「これから始めるSpringのwebアプリケーション」 – https://www.slideshare.net/KouheiToki/springweb-82685380 • SlideShare「Springを何となく使ってる人が抑えるべきポイント」 – https://www.slideshare.net/KouheiToki/spring-66768974 30
  31. 31 ご清聴ありがとうございました
  32. 32 ライセンスについて • JSUGマスコットアイコン(本スライド左下)が残されている場合に限り、本作品(またそれを元にした派生 作品)の複製・頒布・表示・上演を認めます。 • 非商用目的に限り、本作品(またそれを元にした派生作品)の複製・頒布・表示・上演を認めます。 • 本作品のライセンスを遵守する限り、派生作品を頒布することを許可します。
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