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藤澤 等(1997)
「複合システムネットワーク論」
      を読む
    山口大学教育学部
      小杉考司
はじめに
• このスライド(ノート)は山口大学教育学部におい
  て平成22年度、24年度に開講された「集団心理
  学」の講義においてもちいられたものです。
• この講義は、藤澤等著「複合システムネットワー
  ク論」(北大路書房)を読み解きながら、集団力
  学に迫ろうとするものです。
• このノートは、本書の補助資料として提示しまし
  た。重要箇所は赤で、小杉による補足は青で記
  されています。
序章:個人と社会の
複合システム・ネットワーク
P-1 もくろみ
• 従来の社会心理学的手法:
 1.現象の分類,2.構成概念の設定,3.因果的法則の解
   明
 – この方法だと,構成概念を無制限に積み重ねること
   になる→結果,初期の理論と矛盾するか,特異な場
   合を列記するにとどまる
• 解決法1:複雑な現象を複雑なまま扱う
            ☆「複雑系」の発想
• 解決法2:より抽象的なモデルの複雑な振る舞
  いとして現象を理解する
            ☆二次帰納概念
P-1 もくろみ
• システムの取りあえずの定義
   「相互作用する要素からなる全体」=系
• システム論:自己組織系,複雑系,生命系
• 本書のねらいは「システム」+「ネットワーク」
     著者の提唱する「ソシオン理論」
          social(社会) + -on(単位)
     の理論的背景,哲学,展望を示すこと。
P-1 もくろみ
• 社会心理学で扱われる「人間関係」
   →人間関係 personal relationships
  生物学的個人,個人の意識を離れた「関係」
   →対人関係 inter-personal relationships
  個人を中心とした意識-行動的側面
                 ここのハイフンは「≒」の意味。
                 社会心理学では態度の研究が盛んであり,態
                 度とは行動の準備状態,と定義される。


• 本書の社会関係:「関係」を中心として「関係」ネッ
  トワークの比較的定常的な様態を指す
P-2 複雑な社会関係ネットワーク
• 補遺)システムにとって,作用の「ループ」が
  あるとその振る舞いは複雑になる。
      →p.44,1-3-2 自己組織系参照
       例)Xt+1=Xt+e
• 社会関係は3つのループによって形成される
      →p.81 図2-21参照
• 補遺)社会心理学は一次帰納的でしかない
  ので,筆者が本書において扱う社会心理学
  は「社会-心理学」と表記される。
P-2 複雑な社会関係ネットワーク
• 社会関係には2つのモードが存在する
   ・現実の社会ネットワーク      p.10
                   図P-4参照
   ・心の中の社会関係ネットワーク
• 後者は当の個人にしかわからない。かつ,個
  人はこの社会関係しか知り得ない。
P-2 複雑な社会関係ネットワーク
• 観察者と被観察者の問題=認識論
  古くはカントからの哲学の問題
  システム論にとっての「観察者問題」
  AIにとっての「フレーム問題」
• 実態と実在の接点をどこに求めるか?
 – 集団,組織,神,事件,スクリプト,なりゆき,会議,平
   和etc…物理的対象ではないが日常の中心的問題
 – 個人(ひと),社会(びと),物質(もの),事柄(こと)す
   べてが本書の対象になる
 – 心理学においても,民俗的研究,他己,物質的自己,
   モノ依存,ナラティブなど関与してきたところは多い
P-3 システム論の歴史的一瞥
• アメリカ戦時研究グループ
 – ノイマン:情報・数学<コンピュータ,ゲーム論>
 – ウィーナー:情報・数学<サイバネティクス>
 – ローゼンブリュート:心理学
     • マカロックとピッツの<ニューラルネットワーク・モデル>
• その他文系                     p.64 図2-7参照
 –   レヴィン:グループダイナミックス
 –   モルゲンシュタイン:経済学<ゲーム論>
 –   ベイトソン:コミュニケーション論
 –   レヴィ・ストロース:文化人類学<構造主義>
 –   ソシュール:<言語学>の祖
 –   ルーマン:社会学,オートポイエーシスの応用
P-3 システム論の歴史的一瞥
• 理系,特にコンピュータ関係
 – チューリング:ノイマンと共にコンピュータの基礎
 – ニューウェル,ショー,サイモン:一般問題解決機
   (General Problem Solver),人工知能の祖
 – ミンスキー:人工知能,エージェントシステム
 – ヒントン:ニューラルネットワーク・モデル
                                   P.62 2-2参照
 – コホネン:自己組織化マップ
 – ウラム:ライフゲイム,複雑系
                                   並列分散処理
 – ウォルフラム:セル・オートマタ,複雑系
P-3 システム論の歴史的一瞥
• 理系その他(生物,化学,神経科学)
 – ベルタランフィ:生物,一般システム理論
 – プリゴジン:化学,散逸構造論
 – マツラーナとヴァレラ:神経科学,オートポイエー
   シス
 – この三者に限っては,河本英夫「オートポイエー
   シス」青土社の解説が詳しい。システム論の歴史
   的展開でもある。
P-4 ネットワークはシステムか
• 「ネットワーク」は暗黙の内に紐帯となる相互
  作用の普遍性が仮定されている
                    ノード,結節点


            タイ,紐帯(ちゅうたい)

• 補遺)マルチメディア革命はデータ構造の一
  次元化が重要なポイントであった
• システムが複雑になればなるほど相互作用
  の様式は普遍的で単純になる。
P-4 ネットワークはシステムか
• 境界の不在:システムには境界がある。ネット
  ワークはどこまでも広がっていく。
• システムをネットワークとして表現する→○
• ネットワークをシステムとする→×

• 補遺)境界がネットワークからどのようにして
  生まれてくるのか,が本書の,そして本講義
  のポイントの一つ。
P-5 システムの分類
• 河本英夫「オートポイエーシス」では時間軸に
  沿って三段階に分類(既述)
• 本書では構造的側面から三段階に分ける
 – 入出力システム
 – ネットワーク・システム
 – 複合システム
 – 複合システムネットワークシステムへ
第一章 入出力システム

   1,動的平衡系
1-1-1 ホメオスタシス
• 生物の恒常性を保つ性質について
 (外界情報の)         (制御情報の)
           理想点      出力
   入力
                  ホルモン,神
                   経情報等


• 最終的に落ち着く先が定性的(性質として
  あって),アプリオリに(事前に)決定されてい
  るシステム
1-1-2 サイバネティクス
• ホメオスタシスの一般化が目的
• <時間>
 – ニュートン流の可逆的等質的時間:微分・積分が
   できるような連続体上の時間概念。しかも等間隔
   に区分することが可能なものとしての時間。
 – 「事象の生起する統計的な確率密度」としての時
   間,別名ベルグソン時間:離散的であるイベント
   からイベントまでの順序性だけを単位にする時間。
   心理時間に近い概念。
1-1-2 サイバネティクス
• <理想点>:与件(=アプリオリ)ではなく,適
  切なフィードバックによる自己組織化


        フィードバック・ループ


• システムが安定点をとりうる許容範囲を関数
  で表現(一般化)
1-1-2 サイバネティクス
• <ゲシュタルト>:形態を意味するドイツ語。全
  体性,連合性などプレグナンツの法則にあうもの
  が心理学では重要と考える。
• 補遺)ゲシュタルト性は対象の全体性を強調す
  る=何を持って全体とするか=境界設定の問題,
  と大いに関連する。
• <マッハ効果>:縁辺対比による効果(次スライ
  ド)のこと。網膜第四層にある抑制性神経回路網
  が境界の切り出しを行うことに起因する。
1-1-2 サイバネティクス
• マッハ効果    ここの境界が際だって見えること




• メカニズム                      明るい
      暗い

  視覚細胞
  (手前の層)

   視覚細胞
   (奥の層)
                     伝達の際に隣に抑制をかける
1-1-2 サイバネティクス
• 側抑制によって得られるエッジング
      0    0    0    0    0    0    0     0    1    1    1    1    1    1    1
   0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 -0.30 1.30 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00
            1.4

            1.2
X(n)=1.6Y(n)-0.3Y(n-1)-0.3Y(n+1)
              1

            0.8

            0.6                                                            系列1
            0.4                                                            系列2

            0.2

              0
                   1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13
            -0.2

            -0.4
1-1-3 動的平衡系
• <一般システム論>:各種システムの振る舞
  いをシステム一般の特徴として捉える
 – 一般化の方法としての数学(連立微分方程式)
  •   複数の要素
  •   相互作用を連立微分方程式に    一般的に解ける
                       (要素Qは何でも良い)
  •   解を求める
  •   (非明示的な限界として)nは有限,固定的
 – 補遺)杉万(1992)は全体の挙動Gを連立方程式
   の中に入れる「かや理論」を提唱した
1-1-3 動的平衡系
• 開放系と閉鎖系Open and Closed System
 – 生物は本来開放系のハズだが,統合する目的の
   ために「閉鎖系」の前提を置かなくてはならなかっ
   た。
• その結果無視されたモノ
 – 複雑な目的/自己増殖/自己修復/自己創出
 – 困難であるが可能ではあるとされた連続変量に
   よる連立微分方程式を選んだ(p25,L1)
1-1-4 社会心理学における平衡状態
         の構造
• <家族システム論>:家族をシステムとして
  捉え,成員の異常行動は成員自身に原因が
  ないとする臨床的アプローチ・哲学
• <認知均衡理論群>:Heiderのバランス理論
  にはじまり,Festingerの認知的不協和の理論
  を含む「頭の中の構成要素の安定」を考える
  モデル。三項関係におけるバランス状態を定
  義する。
1-1-4 社会心理学における平衡状態
         の構造
• <多変量解析>:因子分析や主成分分析に
  代表される,多くの変数を要約する手法。
 – 構造は明らかになるが,途中で変数が増えること,
   関係が(質量共に)変わることなどが想定されてい
   ない=静的な要素間関係としての構造
• レヴィンの考えた集団力学は動的挙動の中
  にある秩序であり,因子分析的アプローチで
  解明し得ないものであることは間違いない。
第一章 入出力システム

   2,記号論理系
記号論理系?
• 補遺)普通これを「系」と呼ぶことはない。
• 冒頭「我々は記号を記憶し,記号を想起し,
  記号を操作することで思考する動物である。
  したがって,人間を思考機械だと見なす限り,
  それは記号を入出力する記号操作システム
  だと考えることができる」
1-2-1 チューリングマシーン
• チューリングマシーンは実態を持たない架空
  の,数学的理想上のコンピュータ。
• 数学者アラン・チューリングの功績は,「アル
  ゴリズム」という概念を確立したこと。
• アルゴリズム=計算手続き
• 計算可能(記号操作可能)であれば,どのよう
  な問題でも解くことが出来る
1-2-1 チューリングマシーン
• 「機械」は様々な,しかし有限個の内部状態を取り得る。
 – 心は様々な,しかし有限個の状態になりうる。喜,怒,哀,楽,
   愛,寂,辛,幸….
• 操作するアルゴリズムは複雑であるが,これもまた有限
  である。
 – 心は様々な働きかけをするが,これも有限である。接近,回
   避,比較,投影,防衛,卑下,懇み…
• 計算結果はテープに書き込み,読み出したりすることが
  出来る。
 – 心のはたらきを日記に書き込むことが出来る
• テープが無限にあれば,あらゆる計算をすることが出来
  ることを数学的に証明した。
 – 無限の時間とノートがあれば,あらゆる心の状態を形成,再
   現することができる
1-2-1 チューリングマシーン
• 余談)現在のパソコンはチューリングマシーン
  (アルゴリズムで動く)であり,テープとアルゴ
  リズムのいずれもメモリ上で動かすというノイ
  マンのアイディアとあわせて顕現化された。
• チューリングマシーンの限界
 1. 記号しか扱えない
 2. 操作自体を操作することが出来ない
 3. 自らを停止させることが出来ない
          全てシステム論の中心問題である/になる
1-2-2 知識システム
• 膨大な知識と操作があれば,コンピュータを
  人間のように振る舞わせることが可能なので
  はないか?というところからスタート。
 – 知識システムは「もしAならBしろ(If A then B)」とい
   うつながりを無限につなげていけば人間になる,
   と考えている。
   • 心理学における行動主義と同じであることに留意
   • S→R連合
1-2-3 人工知能システム
• 知識をリスト化し,if-thenルールだけでもちっ
  とも人間っぽくならない。なんでか?
 – ソシュールによる言語学:言語の恣意性
   • シニフィアンとシニフィエのつながりに根拠はない
 – キリアンによるネットワーク表現:名辞から連結へ
   • P33.図1-9のa→bの違いを見よ
 – Tree構造,ネットワーク構造による知識の表現,
   巨大な知識データベースによるエキスパートシス
   テムなど,本質的な解決が得られない
1-2-3 人工知能システム
• 「人間っぽくない」ことから逆にわかること(p.34)
 – 直線的因果関係だけではない
 – システムの要素は固定的ではない
 – システムの作動は流れ図的論理(フローチャート的
   アルゴリズム)だけではない
 – システムの目的は第三者が設定するものではない
1-2-4 エージェント・システム
• これまでの人工知能の考え方は,一個の統
  合された「知能」「意識」にこだわっている
• ミンスキーは「複数の小さな心の単位」を考え,
  エージェントと呼ばれるそれの社会が心なの
  だと考えた。(ミンスキー著「心の社会」)
• P36.l.5 ミンスキー自身が限界を示したパー
  セプトロン云々については,ニューラルネット
  ワークのところで改めて触れる
1-2-5 心理学と記号論理系
• 心理学における機能主義(S-R連合)の要件:
 – 法則は時間的に可逆でなければならない
   • A→BであればB→Aと推論できなければならない
 – 同じ刺激に対しては同じ反応が常に得られること
   を保障する
   • S-Rの対が固定化されている
 – TOTE: Test – Operate – Test – Exit
 – PDCA: Plan – Do – Check – Act
                             人間はそんなもんか?
1-2-5 心理学と記号論理系
• If-then思考に隠された仮定
1. 対象が明確な個物であるか,その延長とし
   ての記号であること:心は有限か?
2. 比較的少数の論理操作と可逆的時間に支
   えられていること:時間は無限で直線的か?
3. 入力と出力が独立であること:フィードバック

 いずれも社会-心理学には当てはまらない
第一章 入出力システム

   3,自己組織系
補遺)1-3を始めるに当たって
• P.15の図にあるように,自己組織系は入出力
  システムの一部としても考えられるし,ネット
  ワーク系の一部としても考えられる。
• 時系列的には,入出力系から一歩進んだ第
  二世代システムとして考えられることが多い
  (河本)
 動的   記号   自己   セル   ニュ   複雑   人工   自己
 平衡   論理   組織   系    ーロ   系    生命   創出
 系    系    系         系         系    系
1-3-1 5つの接近
• 補遺)この節は読みにくい
• システム論的発想が行き渡りつつ,新たな問題
  意識が提起され始めた頃の話。
• システムの(簡単な)定義は「相互作用する要素
  からなる全体」であるが,
 – 要素同士の結びつき=相互作用のありかたは誰が
   どのように決めるのか
 – 相互作用した結果「全体」が現れてくるのはどこから
   か
という問題意識の発展がその根底にある。その
アプローチの仕方が5方向からなる,ということ。
1-3-1 5つの接近
• 全体主義的で関係的な科学論
 – 要素還元主義のアンチテーゼが全体還元主義に
   なると,それはオカルトチックになりがちである
• 分岐問題を扱う応用数学
 – くだらないたとえとして「男と女のすべてのことは
   数学でわかる」柳谷晃(著)をあげておく
 – 本気で気になる人は,「カオス入門」山口昌哉
   (著)をどうぞ
 – 三体問題のシミュレーションも見てみよう
1-3-1 5つの接近
• 分岐問題を扱う応用数学
 – ポイントは「状態が突然変異すること」を数学的に
   説明する,というアプローチから来ている。
 – 突然変異のキーとなるのは,自己参照にある。
• 化学の動的非平衡系
 – 部分的には安定しないけど全体的に安定してい
   る「散逸構造」by I.プリゴジン
 – BZ反応を見てみよう
1-3-1 5つの接近
• 生物学
• 並列分散処理←このあとN.N.の話で出てくる
• これらがもたらした新しい観点
 – 均質なユニットからなるネットワーク
 – 自己参照と平均場を含む円環性
 – ゆらぎ,カオスなどによる予測不可能性
 – 多安定,周期解,局所安定,ストレンジアトラクタ
  • 解のパターンが四種類あること!
1-3-1 5つの接近
• 複雑なものには二種類ある(ウィーバー)
 – 非組織的複雑:ランダムネス。全く規則性がない
 – 組織的な複雑:
  カオス:規則性はあるんだろうけどわからない
  フラクタル:図形の部分と全体が自己相似になっている
1-3-2 自己組織系
• コンピュータの発展→離散数学の発展
   =微分方程式→差分方程式
• (補遺)微分と差分の違い
  微分可能であるには,関数が連続体上になけ
  ればならない。時間が連続であれば微分可
  能。「整数」のように非連続であれば微分でき
  ないし,最初の小さな違いが大きく拡大され
  て分岐していくという問題が生じる。
           例)ロジスティック写像
1-3-3 散逸構造系
• 以下の3つのポイントに絞って読もう
• P.46 11行目:自らの状態と周囲の(分子の)状
  態によって次の状態が決定されることで,全体と
  しての構造が決定される,という化学現象がある
• P.47 3行目:要素の状態はダイナミックに変化す
  るが,全体としての構造は安定均衡する場合が
  ある
• 6行目:システムに全体と部分という明確な階層
  構造を持ち込むことになった
1-3-4 カオス複雑系
• 1行目: 自己参照を含む平均場
補遺)平均場のイメージ
      場:力の及ぶ範囲
      周囲の平均(加算)
      として自らの状態を決める
• P.48 8行目:自己回帰関数では,初期の微小
  な性拡大され,全く異なった状態を生み出す
     例)バタフライ効果
第一章 入出力システム

 1-4,入出力システムの論理
1-4.入出力システムの論理
• 1章のまとめとなる節です。ポイントは,p.49の
  2行目です。
 – 入出力システム=機械に代表される
  • 物理的
  • 機能単位なので操作可能
  • 工学的目的のためには有用
 – それゆえにシステム自身に制限や限界を設ける
   ことになりやすい。
1-4-1 ブラックボックスと機能等価性
• 補遺・巻末注より)サールの中国人の部屋

   中国語ネイティブ   中国語が全くわか
              らないが辞書で会
              話できる人の間




                    翻訳の結果からは
                    違いがわからない
1-4-1 ブラックボックスと機能等価性

• 機能的に等価であれば同一のシステムだと
  見なされる(考え方である)。

     入力        ?       出力


          「人間」を考えるときにこれでよいのか?と筆者は問う

• 成立条件:観察者とシステムの独立性
• システムの機能は外部の操作者によってア
  プリオリに(事前に)仮定されている
1-4-1 ブラックボックスと機能等価性

1. 入力から出力への単純な一対一対応を求
   める単一系
2. 出力の一部を入力に再帰させることで,自
   律的安定を求めるフィードバック系
3. 複数の入力に対する複数の出力をシステム
   内部の自己回帰に求める自己組織系
• 予想外の作動=操作不能;知識システムの
   限界に如実に表れている
1-4-1 ブラックボックスと機能等価性

• 安定の形も様々;自己組織系は「カオス」や
  「ストレンジアトラクタ」のような予測不可能な
  形にするのではなく,何らかの形で定常解,
  あるいは少なくとも数種類の周期解に持ち
  込む必要が生じた。
• 我々には「固定」「定常」「均衡」「平衡」「単純
  周期」しか理解できない。
• このアプローチによる行動科学の限界
1-4-2 複合要素単一系
• 一つの機能単位についてのシステム論で
  あった。
 – 記号論理系は「扱いうるものは全て安定した記
   号」に限定。力技。
 – 自己組織系は「どこかで安定していてくれ」とい
   う操作軽減の方略
• P.52,2行目:暗黙の内に入出力システムとシ
  ステム操作者という2つのシステムを仮定さ
  れている
第二章 ネットワーク・システム

     ネット=網=構造
   ワーク=はたらき=機能
     構造の挙動の学
第二章 ネットワーク・システム

   1,セル・ネットワーク
2-1.セル・ネットワーク
• 補遺)セル・ネットワークは作者の造語
• セル=細胞


                             一次元セルオートマトン


                  二次元セルオートマトン

一般的なネットワークの図:     セル・ネットワークの図:
要素間のつながりだけが重      要素が整然と並んでいる&つながりが周辺に
要で,距離は関係ないため      限定。
に自由に位置を取る
                いずれもノードが等質(等機能)であることが前提
2-1-1.ノイマンの夢
• セル・ネットワーク前史の話
• 補遺)オートマトン=自動機械
 – 単数形;Automata
                     ジョン・フォン・ノイマン
 – 複数形;Automaton        (1903-1957)
                    数学・物理学・工学・経済
 – 生き物のような機械       学・計算機科学・気象学・心
  •   自律           理学・政治学に影響を与え
                   た。第二次世界大戦中の原
  •   自己修復         子爆弾開発や、その後の核
                   政策への関与でも知られる。
  •   自己複製
  •   自己増殖
2-1-2.セル・オートマタ
• ノイマンのセル・オートマタは二次元。
• 各セルは29の状態をもち,周囲の4セルと10
  種類のコミュニケーションをする。
• P55.最後の行から
 – 均質なユニットの組み合わせ
 – セル→器官→全体(万能機械)
 – 万能=チューリングマシン
                    二次元セルオートマトン
2-1-3.ライフ・ゲーム
• ノイマンの4セル29状態に比べて,かなり簡
  素化されたモデル
• ライフ・ゲームは8セル2状態
• これで万能機械になることが数学的に証明
  された(タッカー)
• 経緯とルールを以下簡単に。

                  ライフ・ゲームの
                 近傍(ムーア近傍)
2-1-3.ライフ・ゲーム
• ライフゲームは,1970年代、ジョン・コンウェイが開
  発したもので、簡単なルールながら生き物がうごめ
  いているような世界を作り出すことに成功。
• ライフという命名のとおり、これは生物の集団が生
  まれ増殖して繁栄し、やがて過密で衰退していく様
  を、極度に単純化したモデルともいえる。
• 8bit時代のパソコンゲームとして愛された。
補遺)ライフ・ゲームのルール
• カバーストーリーで理解しよう
 – 各セルは、人が生きている(オン)か死んでいるか
   (オフ)、のどちらかの状態(2状態)。
 – 人口が過密でも過疎でも生き残れない。ちょうどよ
   い密度のときに子供がうまれ、繁栄する。
 – ある人が生きているとき、その周囲8つのセルに、
   2人または3人いれば生き残る。
 – セルが死んでいるとき、周りにちょうど3人いれば、
   次のターンで生まれる。
補遺)ライフゲームのルール
過密だと死んでしまう。
補遺)ライフゲームのルール
過疎でも死んでしまう。
補遺)ライフゲームのルール
三人いると生まれる。




         デモを見てみよう!
2-1-3.ライフ・ゲーム
•   ライフゲームは「面白い」「なんか変」。
•   特に変なパターンはグライダー
•   他にも様々なおもしろパターンがある
•   詳しくはW.パウンドストーン「ライフゲイムの宇宙」を
    参照。
• 広大な領域が必要とされるものの,グライダーのパ
  ターンでAND/OR/NOTを実現=チューリングマシン
2-1-4.アダム・ループ
• ラングトンのアダム・ループを見てみよう
• ラングトンは,パターンが自ら自己組織的に
  自己増殖することを目的としてセルの振る舞
  いを考えたのである。
• アダム・ループはパターンのシステム

• <<重要>>パターンは,システムか?
2-1-4.アダム・ループ
• コンウェイ,ラングトンのやり方は「ある推移
  規則の時はパターンが生まれる」という考え
• ウォルフラムはどんな推移規則なら,(複雑
  な)パターンが生まれうるか?と考えた。
• →一次元セル・オートマタに単純化する

  一次元セルオートマトン
  近傍は左右の2つだけ。
  自分をいれても23=8パタン

                   8パタンから次の一手が決まる(0/1)ので,28=256
                   通りで全部の規則を検証することになる。
2-1-4.アダム・ループ
• 実際に見てみよう。>ルール30,90,214他
• 4パターンにわかれる
 – すぐにパターンが消滅する(固定)
 – 同じパターンの繰り返しになる(パターン)
 – 不規則なパターンになる(カオス)
 – 複雑なパターンになる(複雑)
• カオスの淵The edge of Chaosにこそ生命現象
  のバランスがあるのでは,という考えに。
2-1-5 個人と社会への連絡橋
• セル・ネットワーク系の制限
 –   1~3次元の空間に限定されていること
 –   近傍をアプリオリに固定していること
 –   セルの取りうる値も多くは2値
 –   近傍との結合強度が1に固定
                    人間関係と比較せよ
• 個々のセル=個人,全体のパターン=社会と考
  えると,セルの推移規則は個人の態度変容に,
  形成されるパターンは集団の比喩となる
第二章 ネットワーク・システム

  2,ニューラル・ネットワーク
2-2-1.ニューラル・システム
• 補遺)元になったの
  は神経回路網。
    ニューロン→
シナプス↓
2-2-1.ニューラル・システム

         神経回路網のうまいしくみ

         1. 軸索の隙間を(電気)信号
            が飛び移る!(跳躍伝導)
         2. 全無法則で電気のロスを
            なくす!
         3. 学習はシナプスにおける
            伝達効率の変化(デジタ
            ルとアナログの融合!)
2-2-1.ニューラル・システム
• マッカロとピッツのモデル




• P.64まで,シグモイドモデル,ボルツマンマシーン,
  アダラインモデルなど複数のモデルがあるが筆
  者はこれを平均場モデルと呼んでいる。
2-2-1.ニューラル・システム
• 補遺)平均場モデル,というのも著者の造語
• 平均場モデルの特徴は,
 – 複数のユニットと結合し,
 – ネットワークを形成し,
 – 全体としてシステムを構成する
 – 各ユニットは結合している周囲の平均的状態を
   取ることを目的としている
 こと。
• 逆平均場モデル(造語)については後ほど。
2-2-1.ニューラル・システム
• これらのシステムの前提:結合強度は個別的
  で変化(=学習)しうる。
• 入出力システムとの違い
 1. ユニットが複数で,相互に連結している
 2. すべてのユニットが均質である
 3. 情報がネットワーク全体で閉じている


• いずれも神経回路網の驚くべき特徴
2-2-2.パーセプトロン,アソシアトロン,
         コグニトロン
• 補遺)
 – Perception;知覚
 – Association;連合
 – Cognition;認知
• パーセプトロンはマッカロ・ピッツのモデルを
  そのままモデル化したもの
                       重みを学習によって調整

        入力層              出力層
               ・・・




                     →学習が済むと,正しい反応をするように
                     なる。=外部入力を理解する!
2-2-2.パーセプトロン,アソシアトロン,
         コグニトロン
• 補遺)パーセプトロンの考え方と多変量解析
 – 多入力,1or少出力という意味では同値
 – 異なるのは,学習によって結合強度を変えるとこ
   ろ。多変量解析は代数的に解を出すので,再現
   可能だが,パーセプトロンは重みを再現しない
 – どういう学習であれ,結果が出れば良い,という
   考え方でもある。
2-2-2.パーセプトロン,アソシアトロン,
         コグニトロン
• 補遺)第一次N.N.ブームの終焉
• M.ミンスキーがパーセプトロンでは線形非分
  離な問題が解けないことを指摘

       ←解ける。線形分離可能。

       解けない。線形分離不可能。→
2-2-2.パーセプトロン,アソシアトロン,
         コグニトロン
• 補遺)N.N.ブームの復興
• 中間層を置けば,先程の問題は解ける!




              ・・・
        ・・・



                    出力層
              中間層
       入力層
• 多変量解析における,多相データの分析と同じ
2-2-2.パーセプトロン,アソシアトロン,
         コグニトロン
• アソシアトロン,コグニトロンも基本的に同じ
  マッカロ・ピッツモデルの応用
• アソシアトロンはパーセプトロンの相互結合
  型モデルだと考えればよい。次のホップフィー
  ルドネットワークと似ている
• コグニトロンのポイントは,階層性+側抑制。
  抑制することでエッジを効かせる。
2-2-2.パーセプトロン,アソシアトロン,
         コグニトロン
• 補遺)アソシアトロンやホップフィールドネット
  ワークの「連想」
                         ある入力ベクトル(x1~x4)
     x1                  の情報から,ある出力パ
                         ターン(y1~y3)をみちびく
     x2                  ように重み付けを学習させ
                         る=連想する
     x3
     x4                  連想したものから,さらに
                         連想を重ねることも可能。

                         アソシアトロンはユニットを
                         相互に結合させて実現
          y1   y2   y3
2-2-3.ホップフィールドネットワーク
• 補遺)アソシアトロン同様,パターンを学習さ
  せる→連想,というモデル。
• 細かいことなので覚える必要はないが,その
  特徴は
 – 相互対称結合
 – 非同期更新
 – Hebb則による学習
 など。
2-2-3.ホップフィールドネットワーク
• P.68最終行;したがって,ホップフィールドネットワーク
  は入力パターンベクトルの固有値を中間層が獲得し,
  出力層に固有ベクトルを出力する機械である云々
• →ニューラルネットワークと多変量解析は等価である。実際
  に,線形な統計モデルが組みにくいときに,N.N.で解析する
  統計手法がデータマイニングの業界で利用され初めている
• ボルツマンマシン,PDPモデル(parallel distributed
  processing model,並列分散処理モデル)も基本的に
  は同じ
• 興味がある人は,守一雄(著)「やさしいPDPモデルの
  話」北大路書房を参照
2-2-3.ホップフィールドネットワーク
• P.70三段落目;ホップフィールドネットワークの
  功績は大きい。認識されるパターンがユニット
  間の結合強度の付置(パターン)によって決定
  されるということは,記号の意味や概念を,内
  包でもなく(事物そのもの,実体),外延でもな
  い(内包同士の組み合わせによって形成され
  る複合体),関係として把握できることを示し
  たからである。
2-2-4.コホーネンネットワーク
• 補遺)別名,自己組織化マップ,自己組織化
  ネット,Self-Organization Mapping, SOM.
• 出来ることは「分類」。複数の対象を適切に位
  置づけることが可能。
• ペンフィールドの「ホムンクルス」のイメージ。
  脳は外界からの情報をきれいに並べてマッピ
  ングしている。自己組織的に。
2-2-4.コホーネンネットワーク
• 補遺)これまでのN.N.とは逆に,該当するセ
  ルが周囲を変形させていく=逆平均場
• 統計モデルとしても利用される。
 – 複雑なデータを少ない次元にマッピング
 – 新しいデータのマッピング(プロファイリング)
 – 新しいニッチの発見(マーケティング)
2-2-5.カオス・ネットワーク
• 補遺)目的は不明
• ただ,現実世界はカオス的であり,カオス的な
  データを分析するにはカオスを許容するモデル
  を作っておこう,というところか。
• CAの話のように,どうすればカオスになるか,な
  らないでいられるかが相図として描かれる。
• P.72二段落目;個々のユニットが自己回帰的で
  ありながら,全体として自己組織化も達成すると
  いう,二重の振る舞いを許容する
2-2-5.カオス・ネットワーク
• カオス・ネットワークをはじめとする複雑自己
  組織系が提唱した問題(P.74)
 1.   部分と全体の相互関係(micro-macro dynamics)
 2.   主観ー客観についての新たな枠組み
 3.   直接的因果関係による説明不可能性
 4.   自己組織性と自律性,及び,散逸構造
• 著者の中でもまとめ方が不十分だと思われ
  る。複雑系の研究全体からも,同様の印象
  を受ける。
第二章 ネットワーク・システム

   3.社会関係ネットワーク
2-3-1.「場」理論
•   補遺)集団力学の父,K.Lewin
•   「社会科学における場の理論」(Lewin著)
•   「場(Field)」=力の及ぶ範囲
•   集団は、人間の影響力が及ぶ範囲のこと
•   トポロジー心理学:人間関係は連綿と繋がっている


       A                       AからBへ、力のかかる
                               向きはいくらでもある
                       B


       力の及ぶ範囲=場
       特に「生活空間Life Space」という                 91
2-3-1.「場」理論
• 補遺)場理論の考え方
• 特定の個人の特定の行動は、ある時点で、
  生活空間の中に存在する心理的事実、(行動
  に影響を与えるものや人の状態と条件)の総
  体から説明される。
• 生活空間~グラフ表現~ネットワークの発想
• P.75 生活空間のネットワークの結節は認識
  対象であり,紐帯は相互依存性である

                       92
2-3-1.「場」理論
• P.75 レヴィンは個人の生活空間にとどまらず,
  個人間=集団の生活空間ネットワークにも言
  及し,社会的場も個人的場と同様に考えてい
  ることに注目しなければならない。つまり,個
  人の生活空間も集団の社会的場も同じ相互
  依存ネットワークとして取り扱えるということで
  ある。
  • 個人と社会を同一のネットワークにおける別の様相と
    とらえるアイディアの萌芽
2-3-2.対人(認知)的均衡理論
• 補遺)認知均衡理論とよばれる一連の考え
  バランス状態



  +         +      -         -   +         -   -         +

      +                +             -             -
      (a)              (b)           (c)           (d)
  インバランス状態



  +         +      -         +   +         -   -         -

      -                +             +             -
      (e)              (f)           (g)           (h)

                図1.バランス状態とインバランス状態
2-3-2.対人(認知)均衡理論
• 補遺)バランス理論の系譜
  – Heider(1946)のPOXモデル
  – Newcomb(1953)のABXモデル
  – Osgood and Tannenbaum(1957)のPSCモデル
  – Festinger(1957)の認知的不協和理論
• いずれもネットワークの観点から考えれば,平衡
  状態に向けた推移規則の論理であるといえる
• P.76最終行 しかし(中略),個人を主眼において
  いるため,ネットワーク全体のパターンを問題とし
  なかった。

                                         95
2-3-3 対人関係論とANOVA理論
• 対人関係論はゲーム理論で用いられる利得
  行列を社会心理学的に考察したもの
• 利得行列の例)囚人のジレンマゲーム
                              プレイヤーA
                     協力(C)            裏切り(D)

                         8点             12点
           協力(C)
                   8点             0点
  プレイヤーB
                         0点             4点
       裏切り(D)      12点           4点
2-3-3 対人関係論とANOVA理論
             2        -6            -2   -2       4    -4       0   0
                                =             +             +
             6        -2            2    2        4    -4       0   0


                                    BRC=-2        MFC=4         MBC=0
     8                     12
8                 0
         0                  4
12                4
                                    BRC=-2        MFC=4         MBC=0
             2        6             -2   2        4    4        0   0
                                =             +             +
             -6       -2            -2   2        -4   -4       0   0
2-3-3 対人関係論とANOVA理論
• ANOVA理論は原因帰属の理論である
 – 「Kくんが小杉の授業中寝ている」
  • Kくんはほかのどの授業でも寝ている→人
  • 小杉の授業を受けた人はすべて泣いている→事柄
  • 部屋の温度など?→状況
 – これを検証することによって,人は原因帰属する
• 筆者は,ネットワークの観点から,この原因帰
  属モデルと対人関係論を融合した,状況が推
  移していくゲーム論が考えられる,という提案
  をしている。
第二章 ネットワーク・システム

   4. ネットワークの論理
2-4-1.グラフ理論と2-4-2.ネットワーク構造
 • 補遺)2章に対するまとめの節。
 • グラフ理論というネットワークの数学的基盤
   理論の紹介など。
 • ノード,パス,クリーク,構造同値などのキー
   ワードを押さえておこう。
 • グラフ理論は「静的構造を扱っている」ので,
   変化するグラフを扱えない,という欠点がある
2-4-2.ネットワーク構造
• P.81 「ネットワーク」と呼べるためには,その
  中に少なくともひとつ以上のループがなくては
  ならない。
 – 自己回帰ループ;広がらない
 – 1次元的連結;自己回帰ネットワークは続かない
 – 自己帰還;1次元セルオートマトン型
 – 自己環流;n次元セルオートマトン
 – 階層的自己環流;人工生命などで見られる
2-4-3.ネットワークの機能
• P.82 第二段落;ネットワークが持っている特
  徴は,その部分となるユニットにあるというよ
  りネットワークの全体的特徴であり,全体とし
  ての機能であるということが重要

   データの                     出力,あるいはネット
   入力                       ワークの状態変化




          ネットワークの工学的利用
          「パターン認識」「マッピング」
          システムとしては閉じている
2-4-4.自己というパターン
• 一体何が複製されるのか?
 – グライダーというパターンの複製
 – 入力情報⇔出力情報という複製
• パターンとは観察者にとってのパターンで
  あって,ユニットにとってのパターンではない
• システム概念はこのままでよいのか?
 – グライダーには要素があり配置=位置関係があ
   り,何度かの変換の後に元に戻る変換群をもつ
 =システムとはパターンのことではないか。
2-4-4.自己というパターン
• 補遺)パターンpattern
 –   【名】〔装飾の〕模様、文様、図案
 –   〔自然や偶然にできる〕模様、繰り返す形
 –   〔原型として使う〕ひな形、模型
 –   〔物を作るときに使う〕鋳型、型紙、元版
 –   〔1着の洋服を作る〕服地
 –   〔手本とすべき優れた〕模範、見本
 –   〔生地などの〕見本、サンプル
 –   〔思考や行動などの〕パターン、様式、決まったやり方
2-4-4.自己というパターン
• P.84 最終段落;ノイマンが考えたネットワーク
  はセル・オートマトン(ユニット)もシステムであ
  り,それからなる「セル・オートマタ(ネットワー
  ク)に出現するパターンもシステムである」
• ユニット=1個人の生命,ネットワーク=社会と
  考えよ。
• ネットワーク上に生まれるパターン(あるやり方
  の繰り返し)はシステムであり,それは自己修
  復し,自己複製し,自己増殖する「生命」である
第三章 複合システム
3章 複合システム
• 補遺)これまでのシステムが単一のシステムを
  扱っていたのに対し,複数の合わさったシステム
  として全体を見る視点。この言葉にすでに,部分
  は部分としてシステムであり,全体は全体として
  (別の)システムである,という階層構造が含ま
  れていることに注意する。
• 歴史的には,階層性にこだわったシステム観と
  いうのはなく,筆者独自の視点といえるが「なぜ
  階層性が必要なのか」についての答え方には繊
  細な注意を払ってみていく必要がある。
3-1.人工生命
• 補遺)レイア,という言葉
• Layer(レイア)は層,という意味。レベル,フェイ
  ズ,とも近い。筆者は物理的なレイアと位相
  的・心理的・抽象的なレイアとの区別をする
• 人工生命の研究で,初めて物理レイアとパ
  ターンレイア(≒位相レイア)との関係性が考
  えられるようになった
• P.87にあるように,この限界は「生命のようで
  あるという感想」に依拠しているところ。
3-1.人工生命
• 読んでおいてください
 – 3-1-1.人工生命とは
 – 3-1-2.自己増殖過程
 – 3-1-3.GA(遺伝的アルゴリズム)
 – 3-1-4.適応地図と階層
 – 3-1-5.NK問題;近傍と全体のサイズの問題
3-1.人工生命
• 3-1-1.省略
• 3-1-2.GA(遺伝的アルゴリズム)
 – プログラムを遺伝子として書き換え(遺伝子バイ
   ト),様々な遺伝子を持つ個体が競争,交配し,
   生き残った遺伝子が拡散する(自然淘汰)ような
   世界をコンピュータ上でつくる
 – 最終的に生き残り,広まった種は,その環境に最
   も適したプログラムになっている。
3-1.人工生命
• 3-1-2.GA(遺伝的アルゴリズム)
  – GAは人工生命に自己組織関数の変更が外から
    与えられることを示した。
  – 外から与えられる=自然淘汰と突然変異
• 3-1-4.省略
• 3-1-5.N/K問題
  – 近傍数Kと全体のセルの数Nの比率を考える
3-1.人工生命
• 3-1-5.N/K問題
  – ライフゲームの近傍は8
  – グライダーは25セル以上
  の空間で飛ぶ
  ボルボックスは1個体が周囲5個体と接触し,16個体
   でユードラとなる
• 3-1-6. 省略

• 本セクションはいずれも示唆的ではあるが,本質的な言
  及ではない(それが人工生命研究の特徴と言えば特徴である)
3-2.複雑系
• 補遺)複雑系とは
• 20世紀末に流行した考え方で,基本は局所
  的相互作用,並列分散処理による複雑な全
  体像の現れ,についての科学的アプローチ。
• サンタフェ研究所には様々な分野の研究者
  が集まっていた。ラングトンやウォルフラムも
  ここに滞在したことがある。
• 詳しくはM.ワルドロップ「複雑系」を参照。
3-3.自己創出系
•   補遺)自己創出系(オートポイエーシス)
•   自己組織→自己修復→自己複製
•   ・・・自己って何?
•   自己を生み出すシステム,という意味で,正面
    から生命・自己をとらえようとする考え方であ
    り,それだけに難解かつ抽象的な理論ではあ
    る。発端は,神経生理学者のマツラーナと
    ヴァレラ。
3-3-1.オートポイエーシス
• 補遺)オートポイエーシスとは
• 次の四つの特徴を持つ「生命」を捉える新し
  いシステム論
 1.   自律性
 2.   個体性
 3.   境界の自己設定
 4.   入出力の不在


• 「なぜ自動車は生きていると言えないのか」
3-3-1.オートポイエーシス
• P.100 オートポイエーシスをベルタランフィ流
  に書けば,
 1. システムは作動プロセスであり,要素は作動に
    よって生成される
 2. 要素間の関係は循環的である
 3. システムの境界は自らが設定する
 4. システム全体の目的関数はシステムを創出す
    ることである
ということになる
3-3-1.オートポイエーシス
• 補遺)理解する際のポイント
• オートポイエーシスはプロセスのシステムで
  ある,ということ。すなわち,物理的実体がな
  い。位相レベルのパターンがシステムである
  と考える。
• 言い換えれば,これまでのシステム論が構造
  を主,機能を従としたのに対し,生命は機能
  が主で構造が従,としたところが新しい。
3-3-1.オートポイエーシス
• 補遺)生命の最も身近な例,自己(自分)で考
  えてみよう
• P.100 個人というシステムは閉じており,内部
  観察者である認識主体にとっては彼の認識
  世界が全てであり,それ以外のものは観察で
  きないのである。
• このよく考えれば当たり前である切ない事実
  (≒独我論)をどのように乗り越えるかを考え
  よう
3-3-1.オートポイエーシス
• 補遺)P.101 部分ー全体の階層構造とシステ
  ム間の関係
• 一段階下のシステムもオートポイエーシス,
  高次のシステムもオートポイエーシスと考え
  れば良い(by河本)
• 下位システムを個人,上位システムを社会と
  考える→ルーマンの社会システム論
3-3-1.オートポイエーシス
• オートポイエーシスが新たに提起した問題
 1. 要素を規定せずにシステム単体をどのようにし
    て分離するのか
 2. システムは自らの境界をどのようにして決定す
    るのか
 3. 要素間関係の質は誰が決定するのか
 4. 部分ー全体の階層関係をどのように規定するの
    か
 →システムとは何か?
3-3-2.社会システム論
• P.102.ルーマンは(中略)コミュニケーションに
  よるオートポイエーシスを「社会」だと規定した
  のである。
• 「個人」はシステムの要素(コミュニケーション
  というプロセス)を生み出す「環境」である,と
  いう考え方。
• 個人は別レベルのオートポイエーシスであり,
  社会を考えるときに個人を同時に扱うことが
  できない。
第三章 複合システム

 4.複合システムの論理
3-4.はじめに
• オートポイエーシスは出発点
 – 作動と境界が問題の全面に出てきた
 – 複合システムが明示的に扱われるようになった
• しかしその問題点は
 – 全体の理論構造が完全ではない
 – 数学的既述がない
 – 問題の性質が混在している
• これらに注意して読み解いていく
3-4-1.閉システム性
• システムには「入力も出力もない」?!
• オートポイエーシスは「生命」をテーマにして
  いるのでこういう考え方になる。従来の工学
  的システム論との相違に注意せよ。
• 下から2行目;オートポイエーシスは物理的実
  体を問題にしているのではなく「作動」と「作動
  プロセス」のみを問題としている。
• 実体の問題ではなく,実在の問題に変わって
  いることに注意しないと理解できない。
3-4-1.閉システム性
• P.105,L7;我々は外的物理世界の情報を入力して
  いるのではなく,心的作動に固有の特徴的プロセ
  スによって内的な創出作動を行っているにすぎな
  い。
• その下の,「心」についてのとらえ方について,諸
  君も一考してみよ。なぜ心理学を学ぶに当たって,
  物理学を専攻しなかったのか?
• ネットワークシステムには元々入力も出力もなく,
  ただ個々のユニット状態しかない。→観察者問題
3-4-1.閉システム性
• 観察者問題;システム内観察者にはシステム
  の外部は観察できない。システム外観察者に
  はシステム内部については観察し得ない。
• 観察者=意識主体,認識主体≒私
• 私のことは私しかわからない。あなたのこと
  は,周りから見ていると因果的に推論できる
  が,本当のところは決してわからない。
• 「研究」というアプローチが可能なのか?→7
  章に続く・・・
3-4-2.再帰的作動
• オートポイエーシスでは,要素は作動によっ
  て再帰的に創出される
• 蛙の目には何が見えているか=運動のみ
 – 人間の目も微振動しながらものを見ている。プリ
   チャードの静止網膜像の研究参照。
• われわれもまた,動いているものしか見えな
  いし,それを見るための機構が備わっている
• 心理学的には実体より実在の方が大事。
3-4-2.再帰的作動
• その上で,実在する「要素」とは何であるかを考
  えてみる必要がある。
 – マツラーナは詳細について言及していない
• 「心」を例に取れば,作動とは思考であり,要素
  とは概念や表象だと言うことになる。
• そして継続的,循環的な思考によって概念や表
  象が生まれるのだ,と解釈せざるを得ない。
• オートポイエーシスに沿って考えるとこうなる。
  オートポイエーシス論に不備はないか。様々に
  思考し検証してみよ。
3-4-3.構造的カップリング
• 補遺)構造的カップリングとは,オートポイエーシ
  スシステムの中でシステムと外界との関係に言
  及したキーワードである。外界と接していること
  を「構造的にカップリングしている」と表現する。
• ただし,入出力がなく,境界を自己設定する中で,
  外部環境とどのような関係があるのかについて
  は,「相互に浸透している」としか言及されていな
  い。
• オートポイエーシス論のなかで最もわかりにくい
  概念のひとつ。
3-4-3.構造的カップリング
• 著者の解釈は,「互いが互いに依存し合うこ
  とによって,互いの一部を取り込んだ形でシ
  ステムを形成すること」である。
• システム=個人,自己,私,心のことだと考え
  よ。システムが別のシステムと「互いに依存し
  合うこと」を想起せよ。どのようにして自己が
  成立しうるか。
• 自己を「実体」に勝手に限定しないように。
3-4-3.構造的カップリング
• 著者の解釈は,図3-11にあるカップリング。



• このように接していれば,矛盾なく解釈できる。
• 概念,表象といった要素の上を走る思考(作
  動)からなるシステム,としての自己と他者

             あなた
      私
3-4-3.構造的カップリング
• P.108,下から2行目は階層問題
• 個人と個人の間では互いの境界を共有する
  ことでカップリングが可能であるが,個人と社
  会(集団)の間でのカップリングは不可能。包
  含関係にはなっても,互いの境界を接するこ
  とはないから。
• 自分自身とのカップリング,要素と全体のカッ
  プリングがどのようになされるかが,集団心
  理学の根本問題である。
3-4-4.境界問題
• 「オートポイエーシスは作動によって自らの境界
  を設定する」,というパラドキシカルな定義
• 著者の解決策は
 – 「作動している」レベルと「システムが成立している」レ
   ベルが異なり,かつ
 – 「自己」を「自己」としているのは外観察者である
 と捉えること。
• 河本とルーマンの解決策と著者の反論も一読せ
  よ。マツラーナとヴァレラの解決策である構造的
  カップリングについては既述。
3-4-5.自己創出と自己創発
• 自己創出=オートポイエーシス
• 自己創発=???
• 創発;複雑系のなかでみられる考え方。複雑
  系は単純な要素が並列分散的に,局所的相
  互作用をすることで,大局的なパターンを「創
  発する」。
• 筆者は自己創発というこの言葉を,この節の
  題にしながら文中で触れていない。
3-4-5.自己創出と自己創発
• しかしながら,P.112の文章を読んでいくと,
 – 大局的に創発されたパターンができ,中でも
 – 繰り返し生まれる安定的なパターンが生き残る,
ということを「自己創発」と呼んでいるようである。
• 補遺)複雑系,創発的に生まれるパターンと
  してのシステム=自己,パターンを複製する
  ルール,を自己と社会,個人と集団の問題と
  して捉えることができる。
第四章 システム論再考

  1.システム論の原理
4-1-1.用語
• ゆっくり読みながら用語をはっきり理解しよう



• 適応,進化,発達といった箇所では,他の分
  野での用法との差異を味わおう。
4-1-2.ネットワーク原理とセル・オート
           マタ
• P.117 「1ユニットをセルオートマトンと呼び,
  単なる複数形ではなく1機能パターンをセル・
  オートマタと呼ぶべき」
• パターンはシステムであり,それが一単位
• 電球と電光掲示板のように,部分と全体は相
  が違うと考える
• 「全体は部分の総和以上」というゲシュタルト
  原理に対する著者の回答
4-1-3.コネクショニズムと記号計算論
• P.118 ネットワーク原理とは
 1. 要素ユニットの機能構造的均質性を仮定する
 2. 要素間の関係はネットワークによって不可避的
    に自己参照される
 3. ネットワークの作動は閉システムを形成している
 4. ネットワークの作動が全体パターンを創出する
    ことがある
 5. ネットワークの目的はユニットの安定性ではなく,
    全体パターン安定にある
4-1-3.コネクショニズムと記号計算論
• コネクショニズム
 – 具体例;パーセプトロンやコグニトロン
 – 強調点;並列分散処理
 – 哲学的視点;生得的な知識の原基がある
• 記号論理系
 – 具体例;意味ネット,エキスパートシステム
 – 強調点;記号計算
 – 哲学的視点;経験によって帰納的に知識を重ねる
   ことができる
4-1-3.コネクショニズムと記号計算論

• アプローチの違いによる限界と隠された共通
  の問題点=「パターンと記号」(図4-4)
• コネクショニズムは記号を塊として考えない
• 記号論理系は記号の創出を考えない
• パターンと処理の位相・階層構造の視点を導
  入することで両方の問題がひとつに結実する
4-1-4.人工生命と進化
• 問題点の指摘がP.120下から2つ目の段落
• 「突然変異などの外的な変移は生物(界)の
  一般的特徴なのかもしれないが,少なくともシ
  ステムの中心的特徴ではない」
• 注;突然変異などの外的錯乱はシステム固有
  の特性ではなく,このような外乱がシステムに
  とって不可欠であるとすることはシステム論
  の範疇を超えている。
4-1-5.複合する階層的ネットワーク
• ネットワークの動的な挙動が面白いのは「ある紐
  帯が他の紐帯の関数である」とすることで,三種
  類の円環構造を持つから。
• 人工生命はパターンを参照して自らのパターン
  を変化させる
 – 淘汰に生き残った遺伝子(生き残り方パターン)から
   次の世代を作り出す
• なぜ突然変異が生じ,なぜ適応しようとするのか
  という疑問をシステム論の範疇で回答する
4-2-1.要素
• セル=ユニット(物理レイア)/状態(パターン
  レイア)の二層構造に着目し,個人と社会に
  アプローチする
• 個体や社会的行為は物理レイア
• 個人やコミュニケーションはパターンレイア

• 従来の社会心理学では明確に区別できてい
  なかったことが問題だったのである!
4-2-1.要素
• P.125 社会心理学が取り扱うべき「個人」は
  個体や行為主体なのではなく,様々な他者と
  の関係の総体なのであって,皮膚に囲まれた
  個体はその物理的表現にしかすぎない

• パターンレイアこそ心理学的事象であるとい
  う主張
4-2-2.関係
• 「個人」という要素は「作動」という円環的関係に
  よって産出される
• 「社会(集団,世間,etc)」もまた個人間の円環的
  関係によってレベルの異なる作動によって生み
  出されるもの
• オートポイエーシスの議論を踏まえていることに
  注意。
 – オートポイエーシスはプロセスのシステム
 – オートポイエーシスの要素(プロセス)は作動(思考)
   によって再帰的に再生産される
4-2-3.目的
• システムの「目的」を意図性と捉えないように
 – 誰の?という話になってしまいがちだから
• システムは基本的に「安定」を目的とする
 – 定常安定だけではなく,周期解,局所安定,微視
   的レベルでは不安定でも巨視的レベルでは安定
   している散逸構造などの形があることがわかって
   いる
 – 相転移することで下位レベルでは安定を放棄して
   いるように見えることもある。(見える,だけ)
4-2-3.目的
• 個人(下位,微視的),集団(上位,巨視的)と
  して読もう
• 個人が安定を放棄し周囲の他者の平均場に
  依存すれば,パターン・システムとしての集団
  は安定均衡するかもしれない
• もっと知りたいのは「個人」の目的関数であり,
  (中略)「社会」にも目的というものがあるのだ
  ろうか,という疑問である。
4-2-4.境界
• 自己の境界をどのように設定するかを問うた
  のがオートポイエーシスの最大の貢献
• これまでは,システムとは何なのかを論じるこ
  となく,システム論が成立していた
• 自己を創出するシステムとしてのオートポイ
  エーシス
4-2-4.境界
• 物理レイアとパターンレイアは補完しあえる
 – ハードウェアでソフトウェアをシミュレーションする
 – ソフトウェアを実現するハードウェアを作れる
• 自己の境界を知りうる3つの方法
 – 自己の原型がある場合
  • DNAによる自己の設計図
 – 自分自身を自己として取り込む場合
  • 複製によって同一性を作る場合
 – 複数の他者によって決められる場合
  • 他者の残余としての自己
4-2-5.階層
• 個人(下位),社会(上位)という階層性
 – 個人の心;思考プロセスのオートポイエーシス
 – 社会のはたらき;コミュニケーションのオートポイ
   エーシス
• 個人と社会が階層関係を持っているのだとす
  れば,そこには同質の要素と同質の作動が
  異なる実現型として働いていると考えなけれ
  ばならない。
 – P.130のオートポイエーシスの矛盾が論拠
4-2-6.定式化
• ここでいう定式化とは数学的現象主義的表現
  をする(数式で表す)ということ
• オートポイエーシス論は数式で書けない
 – ベルタランフィの一般システムは連立微分方程式
   でかける
 – 散逸構造論も化学式の一般化から数式化も可能
 – 自己,円環,階層,複合化を踏まえた数式化は
   無理なのかも・・・
4-3-1.部分-全体論
• 前述の「階層関係」に当たる問題意識
 – 部分(下位レベル)が位相転換して全体(上位レ
   ベル)が成立する,と考えれば,従来の部分-全
   体論の多くは理解できる
 – しかし,「全体と部分の同質性」「位相間相互作
   用」を考える必要が出てきた,と筆者は言う
 – 全体から部分へ,という視点の変化
4-3-2.安定
• 安定はシステムの目的であった
• 複合システムの場合は,単一システムの安
  定ではなく,複数の安定の存在を認めなけれ
  ばならない(単安定から複合安定へ)
 – あるシステムの安定が他のシステムの不安定を
   招来する結果になることも
 – ほかシステムの消失や成長や創出を促すことに
   なったりする(ex.アポトーシス)
4-3-3.システムと自己
• 動的平衡系(ベルタランフィのシステム)はシ
  ステムが変化しないこと=安定であり,自己
  制御系ともいえる
• ネットワーク系は物理レイアの安定ではなく
  パターンレイアの安定を前提している。
• 自己制御系の自己や自己組織系の自己は
  物理レイアの安定
• 自己修復・自己複製・自己創出系の自己は
  パターンレイアの安定を目的としたもの
4-3-3.システムと自己
• ライフゲームやアダムループに見られる自己
  の安定とは,自己と相同なパターンを再生産
  することによる自己安定であった
 – 自己を知るための3つの方法の一つ
 – 生命系にみられる安定のしかた
• 安定の考え方の展開
 – 物理レイアの安定→→パターンの安定→パターン
   の再生産による安定→自己の変化規則の安定
第六章
複合システム・ネットワーク
6-1.複合システム・ネットワークの視座
6-1.システム・ネットワークとは
• システムがシステムとして意味を成すには,
  複数なければならず,ネットワークを形成して
  いなければならない。
• そこでのシステムはオートポイエティックに産
  出され,異なる位相と構造的にカップリングさ
  れている
• 位相間相互作用は,システム全体の中で閉
  じている
6-1-1.システム・ネットワークとは
1. 複数システムからなるネットワークであること
2. 複数システムによって単位体システムが形成・
   消滅可能であること
3. システムは閉じていながら,他システムに開い
   ていること
4. システムの要素がシステム単位体となり得るこ
   と
5. システムは位相の異なる階層構造をもつこと
6. 位相階層間の相互作用があること
7. 位相階層毎に目的が異なること
6-1-2.どこから観察するか(モード)
• ソシオン理論では社会というネットワークの要
  素である個人は,社会を畳み込んで成立する。
• 要素としての個人からの視点であれば,当の
  個人にとって畳み込んだ社会関係ネットワー
  クの一部分だけが全てである。
• 社会からの視点であれば,個人は社会全体
  の一部分でしかなく,しかも多くの場合不正
  確で歪められている
6-1-2.どこから観察するか(モード)
• 問題は小集団である。この場合,我々は個人
  と集団とを同時並行的に観察する必要があ
  る。
 – 集団や組織はそれ自体でシステムであり,した
   がって個人は他者と同様に集団を認識すること
   ができる。
• どちらか一方は幻想になる
6-1-3.何を観察するか(レイア)
• ネットワークの物理的側面?
 – 個人;脳のしくみ,神経回路網
 – 社会;コミュニケーションの音声,身振り,視線量
• 物理レイアが作る比較的安定したパターン?
 – 個人;表象,概念,自己,事件,思想
 – 社会;集団,組織,制度,歴史
• パターンがつくり上げる振る舞いのしくみ?
 – 個人;情緒,認知,行動,物語
 – 社会;役割,勢力,リーダーシップ,規範
6-1-3.何を観察するか(レイア)


    複合システム・ネットワークを
 内部-外部観察者という2つのモードから,
物理-パターンー機能構造という3つのレイアに
   接近しなければならないのである
了(未完)

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