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デジタルトランスフォーメーションの諸相

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デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革とも略称)が話題である。「基本的には技術ではなく戦略に関わるものである」とか、「デジタル技術とビジネスプロセスをデジタル経済に統合する組織変革である」とかなど、多様な見方が存在する。そのせいもあってか、カバー範囲がもの凄く広く、どこから取り組んだらよいか分かり難い気がする。そのような問題意識から、どのような切り口があるかまとめてみた。

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デジタルトランスフォーメーションの諸相

  1. 1. デジタルトランスフォーメーションの諸相 B-frontier研究所 高橋 浩
  2. 2. 問題意識 • デジタルトランスフォーメーション(= DX(Digital Transformation))が声高に叫ばれる昨今である。 • しかし、どのような形態で変革が浸透して行くかの 情報は不足していないだろうか? • 嘗ても大きな変革の時代はあった。 – 馬車から自動車へ – 第一次産業革命から第四次産業革命へ • このような大きな変化の時代の「変革の力学」は、技 術面以外の側面も大きかった。 • 想定される変化の構造をもっと幅広く知る必要があ るのではないだろうか? • まずはデジタルトランスフォーメーションの諸相を把握 することから始めてみたい。 2
  3. 3. 目次 3 1. デジタルトランスフォーメーションという概念の 登場 2. ビジネス/戦略としてのデジタルトランスフォー メーション 3. 既存大企業にとってのデジタルトランスフォー メーション 4. 制度としてのデジタルトランスフォーメーション 5. デジタルトランスフォーメーションの人間的側 面 6. デジタルトランスフォーメーションのためのダイ ナミックケーパビリティの構築 7. これからの望ましい取り組みとは
  4. 4. デジタルトランスフォーメーション(DX)とは • ストルターマン教授が初提唱(2004年) • デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジ タル技術(IT)が、人々の生活のあらゆる局面で発 生し影響を及ぼしうる変化 • 特に人々がより良い人生を生きられるような変 革 4 1.デジタルトランスフォーメーションという概念の登場 IT ⇒ 良い生活 デジタルトランスフォーメーション E . Stolterman and A . Fors , Information Technology and the Good Life, Information Systems Research , 687-692, 2004. Erik Stolterman Indiana大学教授
  5. 5. IT利用による業務プロセスの強化 • 業務の仕組みや手順、業務プロセスの標準 化を行ない、それを従業員に徹底させるため、 業務プロセスを情報システム化して、現場で これを使うことで、業務の効率化や品質を確 実にさせる段階 5 第1フェーズ 【良い生活】 • 従業員の定型的業務の効率化あるいは回避 により、より良い生活へ移行
  6. 6. IT による業務の置 き換え • 業務プロセスを踏襲しつつも、ITに仕事を代 替させ自動化する段階 • これにより、人間は働くことに伴う労働時間や 安全管理、人的ミスなどの制約を減少させ効 率や品質を一層向上させられる。 6 第2フェーズ 【良い生活】 • 可能な作業は自動化したり一層効率化する ことで働く時間を浮かせ、より良い生活へ移 行
  7. 7. 業務がITへ、ITが業務へとシームレス に変換される状態 • 人間が働くことを前提に最適化していた業務 を機械が働くことを前提に組み替え、更なる 効率化と品質向上を実現する段階 7 第3フェーズ 【良い生活】 • データドリブンの実現で顧客ニーズに最適化し た世界に移行し、顧客、従業員双方で良い生活 へ移行 【デジタルトランスフォーメーションの段階】 • その際、現場をデータで把握し、ITで最適解を見 い出し、それを現場にフィードバックして一層の改 善を図る。ビジネスの現場とITが一体となって業 務プロセスやビジネスモデルを変革する段階
  8. 8. デジタルトランスフォーメーション 概念登場からの示唆 • 第1フェーズ、第2フェーズを必ずしも上手くこ なせなかった企業は、その原因を分析し第3 フェーズに持ち込まない工夫を行うことが必 要である。 • 第3フェーズは不確実性が高い。シナリオプ ランニングなども用い、複数戦略を描いた上 で、環境の変化に柔軟に対応できる体制を整 える必要がある。 8
  9. 9. デジタルトランスフォーメーション戦略 • 組織への破壊的変化が発生している。 • デジタル化が組織の変化を加速させ、環境の 複雑性、変動性、不確実性を増大させている。 • このため企業はデジタルトランスフォーメー ションが不可欠な状態になっている。 • 企業はデジタル戦略を実行するため、戦略的 変革の完全実施を遂行する変革が必要であ る。 9 2.ビジネス/戦略としてのデジタルトランスフォーメーション A. Bharadwaj et al., Digital Business Strategy : Toward a Next Generation of Insights, MIS Quarterly , 37, 471-482,2013.
  10. 10. 新たな戦略が必要な背景 • ビジネス環境の変化と、 • 組織構造の変化の双方の変化が発生 • IT戦略の役割再考の時代へ 10 • IT戦略とビジネス戦略の融合が必要 • デジタルトランスフォーメーション戦略の登 場へ
  11. 11. • 但し、 • デジタルトランスフォーメーションは、デジタ ル技術が変化の速度を加速させ、環境の変 動性、複雑性、不確実性を大幅に増大させ ているので、従来の戦略による変化とは異 なる。 • 戦略的計画機能を構築しデジタル時代に備 えるための組織を構築する必要がある。 • 既に既存企業は、最新のデジタル化の傾向 を予測するセンシング機能の構築で大きな 課題に直面している。 11
  12. 12. 12 デジタルトランスフォーメーション戦略の 主要な推進力 • あらゆるモノが接続化 • 情報爆発 • グローバルサプライチェーン拡大 • IT価格/性能の抜本的向上 • クラウドコンピューティングの成長 • ビッグデータの出現 主なデジタル環境の変化 • 従来のビジネスモデルの限界 • ITの機能を超えた役割の拡大 • ITおよびCIOの新しい任務登場 • ITの習熟度の向上 主な組織構造の変化 1. デジタル変革の範囲 2. デジタル変革の規模 3. 意思決定のスピードアップ 4. 価値創造と価値獲得の源泉 デジタル変革戦略 新たな環境での 企業業績向上 融合 (⇒次ページ)
  13. 13. 13 1.デジタルトランスフォーメーション戦略の範囲 • IT戦略とビジネス戦略の融合と統合の範囲はどの程度か? • どの程度包括的か?(従来の機能やプロセスサイロをどの程度効果的に上回っているか) • 製品とサービスのデジタル化やそれを取り巻く情報をどの程度上手く活用しているか? • 拡張されたビジネスエコシステムをどの程度うまく活用しているか? 2.デジタルトランスフォーメーション戦略の規模 • 企業戦略が戦略的な動的機能を強化できるように、ITインフラストラクチャをどれだけ迅速かつ コスト効率よく拡張できるか? • ネットワーク効果とマルチサイドプラットフォームをどの程度うまく活用しているか? • データ、情報、知識の豊富さをどの程度うまく活用しているか? • アライアンスとパートナーシップを通じてボリュームを拡大する上でどの程度効果的か? 3.デジタルトランスフォーメーション戦略のスピード • 新製品の発売を加速させる上でどの程度効果的か? • 戦略的および運用上の意思決定を改善するための学習のスピードアップにどの程度効果的 か? • ダイナミックサプライチェーンオーケストレーションの速度をどの程度効果的に強化するか? • 補完的機能を提供する新しいビジネスネットワークの形成がどのくらい早く可能になるか? • センスと応答サイクルをどの程度効果的にスピードアップできるか? 4.価値の創造と獲得の源泉 • 情報の価値を活用する上でどの程度効果的か? • 多面的なビジネスモデルの価値を活用する上でどの程度効果的か? • ネットワーク内の調整されたビジネスモデルを通じて価値を獲得する上でどの程度効果的か? • 企業のデジタルアーキテクチャの制御による価値の流用にどの程度効果的か? デジタルトランスフォーメーション戦略の推進力に関する主な質問
  14. 14. 14 デジタルトランスフォーメーション戦略と他の企業戦略との関係 企業戦略 企業(オペレション)戦略 (製品、市場、プロセス) 機能戦略 (金融、人事、IT、…) デジタルトランスフォーメーション戦略 C. Matt et al., Digital Transformation Strategies, Business and Information Systems Engineering, 57,5,339-343, 2015.
  15. 15. IT戦略とビジネス戦略の融合とは • 企業のオペレーション戦略(製品、市場、プロ セス)と、 • 機能戦略(金融、人事、IT、…)の両方 • 双方の同時考慮によって、新しい環境におい て発生する企業境界を越えた新たな活動に よる機会への対応を的確に実施する。 15
  16. 16. デジタルトランスフォーメーション戦略の 4つの側面 • テクノロジーの使用 • 価値創造の変化 • 構造的変化 • 財務的側面、と • 4つの変換次元のバランスの確保 16 (⇒次ページ)
  17. 17. 17 デジタルトランスフォーメーションフレームワーク: 4つの変革の次元のバランス テクノロジーの使用 価値創造の変化 構造的変化財務的 側面 デジタルトランスフォーメーションでは、テクノロジーの使用、 価値創造の変化、構造的変化、および財務的側面の4つの 異なる次元を厳密に調整することが不可欠になる。
  18. 18. ビジネス/戦略としてのデジタルトランス フォーメーション(中間まとめ) 18 デジタル変革 の範囲 デジタル変革 の規模 意思決定のス ピードアップ 価値創造と価 値獲得の源泉 • デジタル技術は新しいビジネスインフラストラクチャを形 成し、企業内および企業間の新しい組織化論理と調整 パターンに影響を与えている。 • 前述の4つのテーマ(下図)は、そのような環境を追跡 および評価する際の中間指標として役立つ。 • また、企業が4つの次元(前ページ)をすべて評価しバ ランスさせると、デジタルトランスフォーメーション戦略 の実施に役立つ。
  19. 19. 既存大企業はデジタルトランスフォーメー ションにどのように取り組むべきか? • 新しいデジタル技術は(デジタル化以前で成 功を収めた)大企業にとって機会と脅威の両 方をもたらす。 • GAFAなど新たに誕生したデジタルパイオニア は、強力な「巨大企業」に成長し、既存企業の 存続を脅かす「新世代の競争」を生み出して いる。 • 長い間業界を支配してきた企業は伝統的価 値提供に脅威を感じている。 19 3.既存大企業にとってのデジタルトランスフォーメーション I. M. Sebastian et al., How Big Old Companies Navigate Digital Transformation, MIS Quarterly Executiv, 197-213, 2017.
  20. 20. • 「大企業のほとんどのリーダーは、自社の既 存の強みとデジタル技術によって提供される 機能の両方を活用することで、企業がリー ダーシップのポジションを維持できる」と信じ ている。 • ほとんどの収入は伝統的製品やサービスか ら得られている。ほとんどの既存企業のデジ タル変革は初期段階にあり、どのようなタイ ムスケジュールでデジタル変革を実施すべき か悩んでいる。 • そして、これはデジタル変革の戦略的課題を 完全に理解すること無しに行なわれている傾向 がある。 20
  21. 21. デジタル変革を成功させる 3つの重要な要素 1. SMACIT*1に触発された価値提案を定義す るデジタル戦略 2. 運用の卓越性を促進する運用バックボーン 3. 迅速なイノベーションと新しい市場機会への対 応を可能にするデジタルサービスプラットフォー ム 21 SMACITとは、ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウド、モノのインター ネット[IoT]テクノロジーのこと *1:
  22. 22. デジタル戦略とは? • 「強力ですぐにアクセスできる技術(SMACITな ど)の機能に触発されて、絶え間なく変化す る市場に対応する方法で独自の統合ビジネ ス機能を提供することを目的としたビジネス 戦略」と定義 22 • デジタル戦略の典型例 ⇒顧客エンゲージメント戦略 or/and デジタルソリューション戦略
  23. 23. 顧客エンゲージメント戦略 • 優れた革新的な、そしてパーソナライズされ 統合された顧客体験を提供することで、顧客 の忠誠心と信頼を築くことを目的とした戦略 (Ex. Amazonの顧客リコメンデーションや使い易いオンラインインタラク ションの導入、など) • これにより、顧客はいつでもどのチャネルから でも一貫した方法で、注文、問い合わせ、支 払い、および簡単に受け取るなどのサポート を受けることができる。 23
  24. 24. デジタルソリューション戦略 • 製品、サービス、データの組み合わせを統合す ることで、企業の価値提案を再構築することを目 的とした戦略 1. 顧客のニーズに対応するというよりは、予測するこ とを目指すR&Dの取り組みによって推進 2. 常にセンサーを通じて収集されたデータの使用と分 析を包含 3. 多くの場合、企業の収益を製品販売から継続的な サービスからの収益にシフト (Ex.シンドラー・グループの建物を超えたモビリティソ リューション(「アーバン・モビリティ・ソリューション」)の提供、な ど) 24
  25. 25. デジタル戦略の選択 • 多くのビジネスリーダーは、デジタル化の成功に は顧客の関与とデジタルソリューションの両方が 含まれると考えている。 • 最良の戦略は戦略的な選択と運用上の決定の 両方を導く。 • 2つのデジタル戦略(顧客エンゲージメント戦略とデジタ ルソリューション戦略)間には自然の相乗効果があ る。 • しかし、この相乗効果にもかかわらず、どちらか 一方のデジタル戦略に優先的に取り組む方が、 リーダーにとってリソースの割り当てに関する難 しい選択などを回避できるメリットがある。 25
  26. 26. デジタル戦略実施に必要の2つの資源 ① 運用バックボーン ② デジタルサービスプラットフォーム 26 ① 運用バックボーン • コアオペレーションの効率、スケーラビリティ、 信頼性、品質、予測可能性を保証する技術と ビジネス機能 ②デジタルサービスプラットフォーム • ビジネスの俊敏性と急速な革新をサポートす る機能
  27. 27. 27 運用バックボーン デジタルサービスプラットフォーム 経営目標 業務効率と技術の信頼性 ビジネスの俊敏性と迅速なイノ ベーション アーキテクチャ 原則 標準化されたエンドツーエンド のビジネスプロセス; システム の透明性; データアクセス プラグアンドプレイのビジネスと 技術コンポーネント データ トランザクションデータの単一 の信頼できる情報源 センサー/ソーシャルメディア/購 入データの大規模なリポジトリ キープロセス ロードマップ; アーキテクチャレ ビュー 機能横断的な開発; ユーザー中 心のデザイン 提供方法 高速ウォーターフォール/定期 的なソフトウェアリリース/ SaaS の採用 アジャイルとDevOps; MVP(最低 限実行可能な製品)の概念と継 続的な機能強化の使用 資金 主要なプロジェクト/プログラム への投資 事業主による継続的な資金調達 但し、運用バックボーンとデジタルサービスプラット フォームは管理慣行が根本的に異なる
  28. 28. 既存大企業にとってのデジタルトラン スフォーメーション(中間まとめ) • デジタル戦略(主に2つ)のいずれを選ぶか の選択は結構難しい。 • 2つの同時選択はリソースの割り当てに問題 があるかもしれない。 • デジタル戦略をサポートする資源(2つ)は両 方あるべきだが、管理手法が異なる。 • 多様な選択のバランス維持と課題克服が求 められる。 28
  29. 29. デジタルトランスフォーメーションとは • 「組織および分野の既存ルールを変更、脅迫、 置換、または補完する、新しいアクター、構造、 慣行、価値、信念をもたらすいくつかのデジタル イノベーションの複合効果」と見做せる。 • 不可欠な3つのタイプの新しい制度的アレンジメ ントを識別 1. デジタル組織フォーム 2. デジタル機関インフラストラクチャ 3. デジタル機関ビルディングブロック 29 4.制度としてのデジタルトランスフォーメーション B. Hinings et al., Digital innovation and transformation: An institutional perspective, Information and Organization, 28, 52-61, 2018. 制度として見た・・ (⇒次ページ)
  30. 30. 30 デジタルイノベー ション 定義 典型的な例 デジタル組織 フォーム 新規のデジタル組織形態は、組織のコアを 構成する実践、構造、および価値のデジタ ル化された配置で構成され、特定の制度的 コンテキストに適している。 • AirBnb, • Uber デジタル機関イン フラストラクチャ エコシステム、分野、または産業における多 数のアクターの行動と相互作用を可能にし、 制約し、調整する標準設定のデジタルテク ノロジー • 製品プラットフォー ム(例. Apple) • ブロックチェーンと Bitcoin デジタル機関ビル ディングブロック 組織を運営または作成するためのデジタル テクノロジーのセットを含む、一般に受け入 れられている既製またはカスタマイズ可能 なモジュール • ERPシステム • Square • Wordpress 制度的視点からのデジタルイノベーションの概要 ① ② ③
  31. 31. 新しいデジタル組織フォーム • 特定のコンテキストに適した組織 – 例:Airbnb, Uber • ユーザーの目には、Airbnbは個人の家を借り たり滞在したりする合法的サービス – Airbnbの推定市場価値が主要ホテルチェーンの 市場価格を上回り、金融面でも肯定的な評価を 共有 • デジタルイノベーションの1つの形態 • しかし、新しい組織形態は正当性を獲得しな ければならない。 31 ①
  32. 32. 新しいデジタル機関のインフラストラク チャ • 多数の関係者の行動と相互作用を可能にし、 制約し、調整する標準設定のデジタル技術 – 例:Appleの製品プラットフォーム(Appstoreなど)、 ブロックチェーンとBitcion – エコシステム内の複数アクター(アプリ開発者な ど)が、新しいイノベーションの創出、サービス生 産において異なる役割を担当 • 特定のイノベーションと組織を超えたインフラ ストラクチャの構築を必要とする。 32 ②
  33. 33. デジタル機関のビルディングブロック • 組織を運営または作成するデジタル技術の セットで、 • 一般的に受け入れられている既製またはカス タマイズ可能なモジュール – 例:ERPシステム、Wordpress • 2つのことが際立つ 1. 革新的なパターンを確立できるため、真の変革 の可能性を高める。 2. 新しい制度的取り決めが生じた場合、集団的正 当性に寄与する。 33 ③
  34. 34. 34 デジタル化された新しい制度的取り決め 新しいデジタル組織形態 新しいデジタル制度インフラ 既存の制度的取り決め 既存の組織形態 既存の制度インフラ 新規と既存の組織形態/制度インフラの相互作用 • デジタルトランスフォーメーションによる急激な変化は社会文化的 な正当性を競い合う状態に! • その把握には新旧の相互作用が常にあることを想定する必要がある。
  35. 35. 制度としてのデジタルトランスフォー メーション(中間まとめ) • 「デジタル化された新しい制度的取り決め」と 「既存の制度的取り決め」の共存状態および 移行の過程ではかなりの緊張状態が発生す る。 • この緊張状態の中で移行に関する多様なア クションが試みられる。 • (これは後述するダイナミックケーパビリティと も深く関係する。) 35
  36. 36. 人間的側面が重要な背景 • 社会文化的正当性の新旧の競合には、 • 技術と組織の両面が関係する。 • そして、組織は人間の側面に深く関わる。 • デジタルトランスフォーメーションの人間的側 面の探求が必要になる。 36 5.デジタルトランスフォーメーションの人間的側面 O. Kohnke, It’is Not Just About Technology: The People Side of Digitization, Shaping the Digital Enterprise, -Trends and Use Cases in Digital Innovation and Transformation -, Gerhard Oswald Michael Kleinemeier Editors, Splinger, 70-93, 2016.
  37. 37. 人と組織の両方に関わる課題は多い • 緊迫感がない。 • 役割と責任が明確でない。 • ビジョンが欠如している。 • 変化を受け入れられない文化である。 • リーダーシップスキルが欠如している。 37 • デジタルプロジェクトに対する社内のリーダーシップや 才能が欠如している。 • デジタル化の元でのビジネス高速化に対応できない。 • ベストプラクティスの鍵となる実験的な考え方を採用で きない。 • 上級管理職の関与の欠如や現在の慣行を変更する意 欲が欠如している。 • 組織構造がデジタルのために適切に設計されていな い。 調査1 調査2
  38. 38. 調査1: MIT Sloan Management Review and Capgemini Consulting (Fitzgerald et al.2013) 調査 2: McKinsey & Company (Bughin et al. 2015) 1 緊迫感がない 39% 1 デジタルプロジェクトに対する社内のリーダー シップまたは才能の欠如 31% 2 十分な資金がない 33% 2 データの欠如とデジタルトレンドが競争力に 与える影響の理解の欠如 25% 3 ITシステムの制限 30% 3 デジタル化のもとでのビジネスの高速化に対 応できない 25% 4 役割と責任が明確ではない 28% 4 ベストプラクティスの鍵となる実験的な考え 方を採用できない 25% 5 ビジョンの欠如 28% 5 デジタルイニシアチブ専用の資金の不足 24% 6 不明確なビジネスケース 27% 6 デジタルプロジェクトと従来のビジネスとの不 一致または利益相反 23% 7 サイロで独立して実装される ビジネスユニット 24% 7 上級管理職の関与の欠如または現在の慣 行を変更する意欲の欠如 21% 8 変化を受け入れられない文化 19% 8 テクノロジーインフラストラクチャの不足と不 十分なITシステム 21% 9 リーダーシップスキルの欠如 16% 9 デジタルのために適切に設計されていない組 織構造 20% 10 規制上の懸念 9% 10 新しい柔軟性を活用するには柔軟性に欠け るビジネスプロセス 19% 回答者の割合:調査1: 1559人の幹部とマネージャー。 調査2 :最高経営責任者987人 色付けは、人と組織の両方に関連する課題 デジタル化のメリット享受のためのハードルの調査結果 調査1 調査2 調査1 調査2
  39. 39. デジタル化の組織的影響 • デジタルトランスフォーメーションは何よりもま ず企業全体のビジネストランスフォーメーショ ンであり、 • 技術は優先順位の2番目と見なすべきである。 • デジタル化は組織に2つの大きな影響を与る。 ✓ 働き方を変える。 ✓ 組織が直面している変化のスピードを加速させる。 39 • これらは組織が取り組む必要のある3つの主 要な要件につながる。(⇒次ページ)
  40. 40. デジタル化の組織面からの枠組み 40 デジタル技術と アプリケーショ ンの組織全体 への展開: • クラウド • ビッグデー タ • モバイル • ソーシャル メディア デジタル化 影響 要件 結果 デジタル化が 働き方を変える デジタル化が変 化のダイナミク スを増加させる デジタル化には 新しいスキルと 能力が必要 デジタル化には 新しい形のリー ダーシップが必要 デジタル化に は新しい組織 能力が必要 デジタル化は 組織文化を変 える 1) 2) イノベーション
  41. 41. デジタル化の組織的含意に関する命題 1. デジタル化は働き方を変える(影響)。 2. デジタル化は変化のダイナミクスを高める (影響)。 3. デジタル化には新しいスキルと能力が必要 である(要件)。 4. デジタル化には新しい形のリーダーシップが 必要である(要件)。 5. デジタル化には新しい組織能力が必要であ る(要件)。 6. デジタル化は組織文化を変える(結果)。 41
  42. 42. 組織の変更管理 • 組織の変更管理は、あらゆるデジタルトランス フォーメーションプログラムにとって重要な成功 要因である。 • 組織変更管理は現在の状態から望ましい将来 の状態への移行をサポートする。 • 新しい働き方をするということは、組織のあらゆるレ ベルの人々の心をつかむ問題である。 • デジタル化によって変化のペースと作業方法が 大幅に加速されるため、ニーズを満たす変更管 理を提供できるように適宜最適化させる必要が ある。 ⇒変化に適応の事例(⇒次ページ) 42
  43. 43. 43 主な変化:8ステッププロセス*1(1996年) 加速させる:8ステッププロセス*1(2014) •厳格な、有限の、そして逐次的な(段階 的な)方法での一時的な変化に応答また は影響を与える •ステップを同時に継続的に実行する •小さく強力なコアグループでの変化を推 進する •変更エンジンとして機能させるために、 組織全体にわたって上から下に大規模 なボランティアを編成する •従来の階層内で機能する •従来の階層の外部にあるが、しかし、 それと連動して、柔軟かつ機敏にネット ワーク内で機能させる •時間をかけて直線的な方法で1つの新 しいことを非常にうまく行うことに焦点を 当てる •絶えず機会を模索し、それらを活用す るための取り組みを特定し、迅速かつ効 率的に完了することにより、戦略が動的 な力であるように運用する 1996年と2014年の主な違い Kotterによって導入された、リーダーや組織が彼らの戦略を実行す る際の状況分析プロセスの手法 *1:8ステッププロセス:
  44. 44. 組織変更管理アプローチ例 • 組織変更管理アプローチの一例(⇒次ペー ジ) • デジタル化の変更要件を考慮し、4つの主要 な領域を採用している。 – リーダーシップを合わせる – 組織を動員する – 能力を開発する – 持続可能性を確保する 44
  45. 45. 45 デジタル化のための組織変更管理アプローチ例 リーダーシップを合わせる ・デジタル化の緊急性を創出す る ・説得力のあるデジタルビジョン を開発する ・トップマネジメントのロールモデ リングを徹底する 持続可能性を確保する ・正式な組織を採用する ・KPIとインセンティブシステムを 合わせる ・デジタル適応プロセスを監視す る 組織を動員する ・デジタル化の影響を評価する ・コミュニケーションによるデジタ ル化を推進する ・デジタルチャンピオンのネット ワークを構築する 能力を開発する ・デジタルスキルと能力を提供す る ・テストと学習の機会を提供する ・既存の人事慣行を活用する デジタル変化 を管理する
  46. 46. 既存企業はどのようにダイナミック ケーパビリティを構築するか? 46 6.デジタルトランスフォーメーションのためのダイナミックケーパビリティの構築 • デジタル技術の普及により、ダイナミックケーパ ビリティの本質と目的は変化している。 • ブロックチェーン、クラウド、IoTプラットフォームな どのデジタル技術がダイナミックケーパビリティ の性質を変化させている。 • 組織は従来不可能だった速度、容易さ、コストで 運用を拡大/縮小できるようになった。 • 普及しているデジタル技術の収束性とジェネラ ティビティ*1によって、ダイナミックケーパビリティ 構築が幅広い組織にとって最も重要になった。 ジェネラティビティ:Zittrainによって作られた造語で「規模が大きく、変化した、そして調整されていない聴衆によって駆動さ れる、予期しない変化を生み出す全体的能力」のこと *1:
  47. 47. ビジネスモデルとダイナミックケーパビリティ • 企業がビジネスモデルの進化を確実にする ため、また必要な効率と柔軟性のバランスを 達成するためにダイナミックケーパビリティが 必要である。 • ダイナミックケーパビリティは企業の通常の能 力の変化率を支配し、複製するのが困難であ る。 • (長期的視点の)戦略はダイナミックケーパビ リティ(中期的視点)を設定し、可能なビジネ スモデル(現在または短期的視点)を次のま たは既存の偶然に直面させる。 47K.S.R. Warner, M. Wäger, Building dynamic capabilities for digital transformation: An ongoing process of strategic renewal, Long Range Planning, 52, 326–349 ,2019.
  48. 48. デジタルトランスフォーメーションの再定義 • デジタルトランスフォーメーションと は、デジタル技術の進歩を利用して、 組織のビジネスモデル、協調的アプ ローチ、文化を刷新または置き換え る機能を構築する戦略的更新の継 続的プロセスである。 48
  49. 49. ビジネス モデル デジタルトランスフォーメーション 概念 ビジネス/戦略 既存大企業にとって 制度としてのDX DXの人間的側面 他・・ ダイナミック ケーパビリティ 仲介 広義のデジタルトランスフォーメーション ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 組織 (中期的視点) (短期的 視点) (長期的 視点) (長期的 視点) 前頁の定義に基づく本稿の「諸相」の概念図
  50. 50. ビジネスモデルの進化とダイナミック ケーパビリティ • ビジネスモデルは、企業のダイナミックケーパ ビリティによって制限される。 • ダイナミックケーパビリティは戦略とビジネス モデル間の仲介者で組織の戦略的更新を保 証する。 • 企業がリソースを調整し、ビジネスモデルを 進化させるには、(1)バランスの取れた冗長 性、(2)必要な多様性、(3)認知的裁量、のよ うなダイナミックケーパビリティが必要である。 50
  51. 51. デジタルトランスフォーメーションのための ダイナミックケーパビリティ構築(中間まとめ) • 組織のビジネスモデル、協調的アプローチ、そし て最終的には文化の継続的更新のためのダイ ナミックケーパビリティを構築するプロセスとして、 デジタルトランスフォーメーションを概念化 • 組織がデジタルトランスフォーメーションへの道 筋を構築すると、新しい外部トリガーが発生し、 新しい機会を感知し捕捉する必要性を再調整す る。 • 労働力のデジタル成熟度の向上(人間的側面) はデジタルトランスフォーメーションの基本的な ダイナミックケーパビリティの一種と言える。 51
  52. 52. 新しいビジネス環境についての認識 • ビッグデータが競争力の重要な役割を果たす サービス設計の時代 • 各業界は組織、プロセス、ビジネスモデルの 再設計を開始している。 • ICTで接続されたデジタル統合価値システム がビジネスの新しいライフサイクルモデル • 焦点は、全ての物理資産をエンドツーエンド で接続したバリューチェーンパートナーとのエ コシステムの構築へ 52 7.これからの望ましい取り組みとは E. Martínez-Caroa et al., Digital technologies and firm performance: The role of digital organizational culture, Technological Forecasting & Social Change, 154, 2020.
  53. 53. デジタルトランスフォーメーションの課題 • デジタル技術は働き方や環境との相互作用に重 大な変化を誘発する。 • 新しいビジネスモデルの出現や従来のビジネス/ 戦略の再編成を引き起こす。 • 企業と顧客との関係も変える。 • 古い価値/システム/手順と新しい価値/システム /手順間に緊張を生み出す。 • これは大きな障害になる可能性がある。 • これを克服するには、新しい技術の実装だけで なく、より良い意思決定やイノベーションを実現 する新たな価値創造が必要になる。 • これにダイナミックケーパビリティは大きく関わる。53
  54. 54. デジタル組織文化の役割 • 組織内の労働者と管理者間でも新たな現実 に緊張を強いられる。 • この変化は人々と組織がどのように適応し成 長するかについて疑問を投げかける。 • 組織文化は、企業がデジタル技術を導入し普 及させる際、最終的に影響を与える要因とな る。 • 組織文化は、組織メンバーの行動を形作るこ とによって影響を及ぼす。 • それ故、文化を担う人間的側面が重視される。 • デジタル化では、このような変化をサポートす るデジタル組織文化の醸成が必要になる。 54
  55. 55. これからの望ましい取り組み&まとめ • デジタルトランスフォーメーションへの取り組み は未完成だが、(本稿でも紹介の通り)多様な側面 「諸相」がある。 • 技術に焦点を絞り過ぎてはいけない。 • 「デジタル環境の変化」と「組織構造の変化」を 同時に考慮し、IT戦略とビジネス戦略の融合を 図る必要がある。 • デジタル化時の組織文化の役割を認識し、適切 な「正当化」政策を立案する必要がある。 • 組織変更時は人間的側面も重視し、適切な組織 変更管理アプローチを採用する必要がある。 • 結果として顧客、サービス提供者双方の「良い生 活」実現に寄与する適切なビジョンを維持する必 要がある。 55
  56. 56. デジタルトランスフォーメーションとは・ • 従来にない多方面の変化が発生している。 • 根本的にはSMACITに代表されるデジタル技術 が強力なことがある。 • この延長でサービス指向、顧客中心へのシフト が加速する。 • 結局は各種対応の試みの中で移行して行くしか ないが、複数案からの選択、既存とのバランス、 旧から新への移行管理などで従来にない取り組 みを強要される。 • このような状況を予め想定した柔軟な対応が求 められる。 56

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