FDA認可済みAI-CADまとめ2020
- 5. 川口 浩和 博⼠(⼯学)
Hirokazu Kawaguchi, Ph.D.
所属:Aillis株式会社(⾊々と取り組んでおります)
ex 某国⽴⼤学
ex 医療画像AIスタートアップ
ex 外資系画像診断医療機器メーカー
新卒で医療機器メーカーに⼊社し、その後の医療画像AIスタートアップ
も含めて企業-⼤学の共同研究周りを⾊々と動いてきました。国⽴⼤学
にて再⽣医療をほんの少しだけかじったのち、2020年9⽉よりAillis株式
会社にjoin。素晴らしき⼈々に影響されながら多岐に渡って活動してお
ります。
01 ⾃⼰紹介
@h_kawag
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- 14. 03 AI-CADについて
定義:(放射線科で)画像解釈プロセスを⽀援するためのコンピュータアルゴリズム
CADe, CADx, CADtなど様々なタイプのCADが提案*され、FDAより認可を受けています。
そもそもCADとは?
https://www.quantib.com/blog/a-101-guide-to-the-fda-regulatory-process-for-ai-radiology-softwareより引⽤、改編
CADt
Computer Aided/Asisted
triage
Patient A: Suspicious
Patient B:
鑑別診断異常検出 トリアージ
*あくまでも便宜上のタイプ分けであり、認可されたCADがどのタイプに属するかは書類上は不透明なこともあります
@h_kawag
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- 15. CADの解説については既に数多くの⽂献・論⽂*,**がありますので、詳細を知りたい
⽅はこちらをご参照頂ければと思います。
そもそもCADとは?
*英語⽂献
[1] Fujita, Hiroshi. "AI-based computer-aided diagnosis (AI-CAD): the latest review to read first.
" Radiological Physics and Technology 13.1, 6-19, (2020).
[2] Hosny, A., Parmar, C., Quackenbush, J. et al. “Artificial intelligence in radiology.” Nat Rev Cancer 18,
500‒510 (2018).
[3] Regge, Daniele, and Steve Halligan. "CAD: how it works, how to use it, performance." European
Journal of Radiology 82(8), 1171-1176, (2013).
[4] Van Ginneken, Bram, Cornelia M. Schaefer-Prokop, and Mathias Prokop. "Computer-aided diagnosis:
how to move from the laboratory to the clinic." Radiology 261(3), 719-732, (2011).
**⽇本語⽂献
[1] 藤⽥広志. “いま進化・多様化するコンピュータ診断⽀援(CAD)” 医⽤画像情報学会雑誌 36(2), 25-29,
(2019).
[2] ⼟井邦雄. “1. 医⽤画像とコンピュータ⽀援診断 〜現状と将来の可能性〜” 映像情報メディア学会誌,
65(4), 427-431, (2011).
また、商業的解説が多くはなりますが⽉刊インナービジョンという商業誌においてもCADの最新動向がたび
たび解説されています。
03 AI-CADについて
@h_kawag
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- 16. ひとえにCADといえど、その使われ⽅も様々定義されています。
CADの使われ⽅は?
Beyer F. et al. (2007) European radiologyより引⽤・改編
First reader型 Second reader型 Concurrent reader型
読影者 読影者
医用画像 医用画像 医用画像
読影
者
読影レポート読影レポート読影レポート
読影
者
a) First reader型
はじめにCADで解析した後、CADが拾い上げ
た所⾒のみ読影
b) Second reader型
はじめにCADを利⽤せずに読影後、CADで解
析してCADが拾い上げた所⾒を再度読影
c) Concurrent reader型
CADが解析した結果と並⾏して読影
現在FDAに認可されているCADはbとcのみ
(ほとんどがb)
03 AI-CADについて
@h_kawag
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- 21. Head, 15
Abdomen, 11
Heart/Vessel, 11
Chest, 9
Breast, 6
Musculoskeletal
5
Others, 6
Target CT, 35
MRI, 16
US, 8
X-ray, 6
MMG, 6
Others, 1
Modality
同定した64種類のAI-CAD*を解析対象で細分化
US: 超⾳波
MMG: マンモグラフィ
X-ray: 単純X線
H
ead
CT
MRI
Abdomen
CT
MRI
CT
MRI
US
Chest
CT
X-ray
Breast
M
M
G
Musculoskel
etalCT
X-ray
Heart/Vessel
MRI
US
*部位(Target)、モダリティ(Modality)ともに対象が複数あるAI-CADがあります。なお、内視鏡は含まれていません。
CAD解析対象となる部位は全⾝万
遍なく網羅されている印象です。
CAD解析対象となるモダリティは
CTが圧倒的多数で次点がMRI。超
⾳波が想像以上に多い印象でした。
64
AI-CAD
04 FDA認可済AI-CAD2020
@h_kawag
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- 22. Breast MMG, 3
Head CT, 1
4
CADx
CT
Head, 9
Chest, 1
X-ray
Chest,2
Abdomen,
1
Musculoske
letal, 1 Breast MMG, 2
2
Concurrent
Reader
15
Triage
個⼈的に気になった3つのタイプのAI-CADを細分化
全体の1/4がトリアージAIと勢いを感じました。そ
のうち9あるHead CTの対象疾患は全て脳出⾎。
2018年にViz.AI社のContaCTがDe Novoで認可され
たことを受けて認可数を伸ばしていると想像します。
MMGのCADx(+Concurrent Reder型)も認可数を増
やしている印象です。2018年にImagen Technologies
社のOsteoDetectがDe Novo認可されたことを受けて
の増加傾向と想像します。とはいえ絶対数は少ないの
はきっと治験・申請が⼤変だから。
04 FDA認可済AI-CAD2020
@h_kawag
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- 23. 所感
l 頭部
ü CTの脳出⾎トリアージAIが隆盛
ü 単純CTからの早期虚⾎サインをスコア化したASPECTS(Alberta Stroke
Program Early CT Score)を推定するCADxが新たに登場。頭部における
CADxの認可は初
ü MRIの形態解析やPerfusion解析のサポートとしてAIが⽤いられるケースも
l ⼼臓/⾎管
ü 超⾳波画像が主流。⼼機能や⾎流の測定をサポートAIが多い中、冠動脈疾患
診断をサポートをするAI(おそらくCADe)も新たに登場。超⾳波画像解析
におけるCADe認可は初?
04 FDA認可済AI-CAD2020
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 23
- 24. 所感
l 上/下腹部
ü PI-RADS*に基づいた前⽴腺MRI診断のサポートとしてのAIをいくつか確認
ü CTは肝臓の形態解析のサポートとしてのAIが数件確認される中、腹腔内遊
離ガスのトリアージAIが登場
l 胸部(肺)
ü CTについては肺組織のセグメンテーションや容積評価等の解析が多数を占
める中、偶発的肺⾎栓症トリアージAIが初認可
ü 単純X線については気胸のトリアージAIのみ
*PI-RADS, Prostate Imaging Reporting & Data System
04 FDA認可済AI-CAD2020
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 24
- 25. 所感
l 乳房
ü マンモグラフィは昔からCAD開発が盛んな領域であるため、CADxや
Concurrent Reader型AIの認可は他部位よりも数歩先を進んでいる印象
l 筋⾻格
ü CTについてはセグメンテーション等の単純な解析と椎体圧迫⾻折のトリ
アージ⽤AIが認可
ü 単純X線からCTと同等の3D⾻再構成画像を⽣成するAIが認可
l その他
ü 治療計画⽤にMRやCTの画像解析を実施するAIがいくつか認可
04 FDA認可済AI-CAD2020
@h_kawag
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- 27. Established: 2017
HQ: Oxford, UK
https://www.ultromics.com/
ULTROMICS
1.
2017年 オックスフォード⼤学からスピンオフして会社設⽴
2018年 Oxford Sciences Innovation主導で1000万ポンド資⾦調達
2019年 超⾳波から⼼機能測定を⾏うAI医療機器 EchoGo CoreがULTROMICSとして初
のFDA認可
2020年 Oxford Sciences InnovationとMayo Clinic主導で1000万ドル資⾦調達
超⾳波から冠状動脈疾患の予測を⾏うAI医療機器 EchoGo ProがFDA認可
超⾳波に特化したAI開発を⾏うスタートアップ。英国の国⺠健康サービスであるNHSとも
組んでおり、超⾳波AIの地位を確⽴させようとチャレンジしているようです。これまで
「計測」が主体だった超⾳波AIに「疾患予測」というブレークスルー技術を導⼊したこと
で、今後の超⾳波AIを盛り上げていく⽴役者となりそうな予感。
こちらを紹介
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 27
- 28. Established: 2017
HQ: Oxford, UK
https://www.ultromics.com/
ULTROMICS
1.
デバイス名:EchoGo Pro
ü 対象疾患:冠状動脈疾患
ü 搭載機能:疾患リスク予測
ü 類似機器:未確認
ü 対象画像:⼼臓超⾳波画像
ü 性能試験:オックスフォード⼤とNHS(英国の国⺠保険サービス)主導のEVAREST試
験*の中で性能評価が実施されている模様(未確認)
ü コメント:英国の死因第1位である⼼疾患(ちなみに⽇本だと腫瘍、がん)にターゲッ
トを絞り開発された世界初の冠状動脈疾患予測AI。英国では60,000件のうち約12,000件
の⼼臓超⾳波スキャンで誤診が発⽣しているそうで、不必要な⼿術と再発患者の治療に
6億ポンドの費⽤がかかっているとか。NHSはその費⽤抑制に貢献する企業のうちの1
社としてULTROMICS(特にEchoGo Pro)を選出している模様。
認可サマリーが未リリースのため未確認情報多めです
*EVAREST試験(clinicaltrial.gov)
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 28
- 29. Established: 2015
HQ: Beijing, China
https://global.infervision.com/
InferVision
2.
2015年 中国深圳市に会社設⽴
2016年 Innoangel FundとPowercloud Venture Capital主導で2000万ドルの資⾦調達
(シリーズA)
2017年 Sequoia Capital主導で750万ドルの資⾦調達(シリーズA)
Qiming Venture Partners主導で1800万ドルの資⾦調達(シリーズB)
InferVision Japan設⽴
2018年 Sequoia Capital主導で4700万ドルの資⾦調達(シリーズC)
2019年 超⾳波から⼼機能測定を⾏うAI医療機器 EchoGo CoreがULTROMICSとして初の
FDA認可
2020年 InferRead CT PneumoniaがCOVID-19診断関連でPMDA認可
InferRead Lung CT.AIがFDA認可(PMDAもFDAもInferVisionにとって初認可)
個⼈的にAI-CADのアジアの雄という認識ですが、それでも初のFDA認可が2020年であること
から、アジアのAIスタートアップにとってFDA認可の壁が⾮常に⼤きいことを改めて実感しま
した。なお、FDAとPMDAどちらの認可も受けているAI-CADがこのInferVision社とSIEMENS
社の2社のみであることは、⽇本と⽶国における環境の違いが浮き彫りにされているように感
じられ、また他のFDA認可済みAI-CADの今後の⽇本での動向も(様々な意味で)気になります。
こちらを紹介
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 29
- 30. デバイス名:InferRead Lung CT.AI
ü 対象疾患:無症候性の肺結節
ü 搭載機能:肺結節検出
ü 類似機器:ClearRead CT
ü 対象画像:胸部CT画像
ü 性能試験:メリーランド⼤学にて治験を実施。参加者250名(陽性数不明)で、AUC、
感度、特異度、PPV、NPVをプライマリエンドポイントとして設定し、AIの使⽤で肺結
節検出能が有意に向上しただけでなく、読影時間の短縮効果も得られていた。
ü コメント:肺結節検出CADは多数存在していますが、意外にも本製品が深層学習を⽤い
た初のAI-CADとして位置付けられるようです。⽶国で最も死亡率の⾼いがんが肺がん
ですが、様々な理由から⽶国での肺がん検診受診率は⾮常に低いそうです(~1.0%程
度?)。 InferVisionはそこに⾵⽳を開けようとチャンレンジしている模様。
Established: 2015
HQ: Beijing, China
https://global.infervision.com/
InferVision
2.
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 30
- 31. デバイス名:InferRead Lung CT.AI
ü 対象疾患:無症候性の肺結節
ü 搭載機能:肺結節検出
ü 類似機器:ClearRead CT
ü 対象画像:胸部CT画像
ü 性能試験:メリーランド⼤学にて治験を実施。参加者250名(陽性数不明)で、AUC、
感度、特異度、PPV、NPVをプライマリエンドポイントとして設定し、AIの使⽤で肺結
節検出能が有意に向上しただけでなく、読影時間の短縮効果も得られていた。
ü コメント:肺結節検出CADは多数存在していますが、意外にも本製品が深層学習を⽤い
た初のAI-CADとして位置付けられるようです。⽶国で最も死亡率の⾼いがんが肺がん
ですが、様々な理由から⽶国での肺がん検診受診率は⾮常に低いそうです(~1.0%程
度?)。 InferVisionはそこに⾵⽳を開けようとチャンレンジしている模様。
Established: 2015
HQ: Beijing, China
https://global.infervision.com/
InferVision
2.
なお、今回得た個⼈的な知⾒として…
類似機器として指定されているClearRead CT
ですが、肺結節の検出機構はInferReadとは⼤
きく異なります。というのもClearRead CTは
肺⾎管やその他の正常な肺組織構造の信号を
“抑制”した上で肺結節を強調・検出します。それでも、InferReadがClearRead CTを類
似機器として引⽤・⽐較する際に「〜という点で異なるが装置の使⽤⽬的や安全性、有
効性に影響を与えるものではない」と記述することで、同等性を主張していました。
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 31
- 32. HQ: Erlangen, Germany
www.siemens-healthineers.com
https://www.nanox.vision/
Nano-X
Imaging Ltd
HQ: Chicago, Illinois, US
www.gehealthcare.com
3.
SIEMENS
Healthineers
GE Healthcare
SIEMENSとGEについては、認可されたAI-CADを紹介するというよりも、その承認戦略に
ついて紹介したいと思い、記載しています。というのも、2020年にFDA認可されたAI-
CADの数がともに5つずつ、計10も存在しており、⾮常に効率的に承認プロセスを回して
います。勿論どちらも歴史ある⼤企業で、確固たる組織のもと承認サイクルを回している
とは思いつつも、今回両企業の認可サマリーをみて気づいたのは、AI-CADを510(k)の申
請をする際、その類似機器には⾃社製品(AI⾮搭載)をあてがっています(薬事界隈にい
る⽅々にとっては普通のことかもしれないのですが)。認可サマリーには「Artificial
Inteligence」や「Deep Learning」という機械学習絡みの⽂⾔の記載が全くないにもかか
わらず、HPには「Software based on AI」と明らかにAI医療機器であることが記載されて
いたりします(もしかすると申請書の何処かには記載されているのかもしれませんが)。
認可サマリーでのAI⾮搭載類似機器との⽐較表を確認すると、1) あくまでも⾃社製品の機
能拡張であり、2) 機能拡張による有効性と安全性は変わらず、3)機能拡張により意図した
使⽤⽅法は不変である、これらを述べることで、機能拡張によりAIが搭載されてもあくま
でも製品の本質は不変であることを⽰すことで、臨床研究の必要性を回避しているようで
す。裏を返せば、両企業からは“⾰新的”なAI-CAD(トリアージAIやCADx)はリリースさ
れておらず、従来のCADの延⻑のようなAI-CADの開発をメインに⾏なっていると捉える
こともできそうです。つまり、“⾰新的”なAI-CADのFDA認可をえるためには、⽶国での臨
床研究が必須、ということでもありますね…という、以上、単なる私の所感でした。
AI-CADの製品紹介も全くせず⻑々とスミマセン…
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 32
- 33. Established: 2012
Location: UK
https://www.rapidai.com/
RAPID AI
4.
2012年 スタンフォード⼤学から画像解析技術プラットフォームであるRapid
technologyを買取り、会社設⽴(当初の社名はiSchemaView)
2013年 CT灌流画像解析のRapid CTPとDWI/MR灌流画像解析のRapid MRIが
FDAより認可(認可名:Ischemaview Rapid)
2018年 脳⾎管の⾮対称性を検出するRapid CTAがFDAより認可
(認可名:Ischemaview Rapid)
2020年 Lennertz&Co主導で2500万ドルの資⾦調達(シリーズB)
脳出⾎トリアージAIのRapid ICH、⼤⾎管閉塞トリアージAIのRapid LVO、
早期虚⾎サインをスコア化したASPECTSを推定するCADxのRapid ASPECT
これら3つのAI-CADがFDAより認可
AI-CADスタートアップの中では古株ですが、2020年になって⼀気にトリアージAIx2と頭
部CTに対するCADxというインパクトのある認可を得ました。Rapid LVOについては(後述
する)NTAP適⽤医療機器にもなるようなので、これまで以上に注⽬を集めそうです。
iSchemaView, Inc.
こちらを紹介
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 33
- 34. Established: 2012
Location: UK
https://www.rapidai.com/
RAPID AI
4.
iSchemaView, Inc.
デバイス名:Rapid ASPECTS
ü 対象疾患:MCAまたはICA閉塞による
早期虚⾎(6時間以内のみ検証済)
ü 搭載機能:ASPECTSに基づく初期の
虚⾎性変化のスコアリング
ü 類似機器:QuantX
ü 対象画像:頭部CT画像
GEのCT(Lightspeed VCT)のみ対応*
ü 性能試験:早期虚⾎50症例の脳画像に対して、幅広い専⾨領域を持つ3⼈の読影者(⾮
神経放射線科医)がスコア付け(同時読影試験)を⾏い、神経放射線科医の読影との⼀
致度を検証。AIを併⽤することで、神経放射線科医の読影結果との⼀致度が有意に向上
しただけでなく、⾮専⾨医間の読影⼀致度も向上した。
ü コメント:そもそも頭部CTのCADxを510(k)で申請通したのが凄いです…!その⼀⾔。
*最近ベンダー指定のAI-CADが⽬につくようになった気がします
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 34
- 35. Established: 2012
Location: UK
https://www.rapidai.com/
RAPID AI
4.
iSchemaView, Inc.
デバイス名:Rapid ASPECTS
ü 類似機器:QuantX
*最近ベンダー指定のAIが⽬につくようになった気がします
なお、今回得た個⼈的な知⾒として…
類似機器として指定されているQuantXは、そもそも乳房
MRI造影(ダイナミック)画像から腫瘍の両悪性を⽰唆
するスコアリングを⾏うCADxになります。そのため、
Rapid ASPECTSとは疾患/臨床⽤途が⼤きく異なります。
しかし⾮常に興味深いことに、下記のようなQuantXとの同等性(共通性)を主張した上で、
・CADxの⼀般的な定義
・放射線科医(臨床医)の画像内における形態学的特徴の評価・スコア化を⽀援
・ROIの解析⽅法(セグメント化→解析)
・抽出された特徴をAIによって臨床基準スコアとして出⼒
・QuantXは既知のデータベース、Rapid ASPECTSはASPECTSアトラスに基づいてスコア化
最終的には「 2つのCADの臨床的な焦点は異なるが、そのアプローチは⼀般的にCADxの指定範囲内に収
まっているため、Rapid ASPECTSはQuantXと実質的に同等」という主張で締めくくっていました。そ
して、認可された訳です。以上、これが薬事戦略か、と思わせてくれた認可サマリーでした。
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 35
- 36. Established: 2016
HQ: Israel
https://www.aidoc.com/
Aidoc
5.
2016年 元イスラエル国防軍の3⼈の技術者が会社設⽴
2017年 TLVPartners主導で700万ドルの資⾦調達
2018年 Squarepeg主導で2700万ドルの資⾦調達
(追加投資により2019年までに計4150万ドルを調達)
頭蓋内出⾎トリアージAIのBriefCase(for ICH)がFDAより認可
2019年 肺塞栓症トリアージAIのBriefCase(for PE)、
頸椎⾻折トリアージAIのBriefCase(for Acute C-Spine Fracture)、
⼤⾎管閉塞トリアージAIのBriefCase(for LVO)の3つがFDAより認可
2020年 腹腔内遊離ガストリアージAIのBriefCase(for IFG)、
偶発的肺塞栓症トリアージAIのBriefCase(for iPE)の2つがFDAより認可
2016年設⽴からわずか4年間で既に6種類ものAIのFDA認可を取得しており、個⼈的に
(個⼈的でなくとも間違いなく)AI-CAD界隈のトップリーダー。CTのトリアージAIに特化
し、包括的な全⾝ソリューションの展開を⽬指しています。BreifCAse for LVOが(後述す
る)NTAP適⽤になりそうなので、今後ますます注⽬度が増しそうです。
こちらを紹介
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 36
- 37. Established: 2016
HQ: Israel
https://www.aidoc.com/
Aidoc
5.
デバイス名:BriefCase for iPE Triage
ü 対象疾患:偶発的肺⾎栓症(iPE)
ü 搭載機能:患者のトリアージ/優先順位付け
ü 類似機器:BriefCase (for PE)
ü 対象画像:既存の造影CTプロトコルであればOKで、専⽤のCTPAプロトコルは必要な
い(なので“偶発的”所⾒に対応可能)。ただし、 GEおよびSiemensのCTのみ対応。
ü 性能試験:後ろ向きでの治験を実施。陽性74例、陰性194例で感度・特異度を検証し、
⽬標値超えを達成。そのうち陽性63例を⽤いて、放射線科医が読影を通じてiPE症例に
対して対応するまでの時間をAIの有無で検証したところ、AIにより約200分から約5分
まで短縮、トリアージAIの有効性を証明した。
ü コメント:PEの偶発的有病率は2.6%であるという調査報告をもとに、その偶発的所⾒
をいかに早く拾い上げるかという部分に注⼒。偶発的所⾒を(偽陽性低く)検出可能
なAIを世界で初めて構築し、患者のターンアラウンドタイムを数分に短縮することで
患者アウトカムや医療費削減への貢献が期待されているようです。 @h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 37
- 39. Established: 2018
Location: La Ciotat, France
https://avicenna.ai/
Avicenna.Ai
6.
2018年 医療機器ソフトウェアエンジニアと放射線科医によりフランスで設⽴
2020年 InnovacomとCEMAGInvestより300万ドルの資⾦調達
脳卒中検出に関してCanon Medicalとパートナーシップと締結
脳卒中トリアージAI(CINA)がFDAより認可
CMSよりNTAP適⽤が決定
FDA認可をうけたAI医療機器はCINAただ⼀点のみですが、そのCINAがさっそくNTAP適⽤
医療機器として認定されたことで、今後注⽬度・影響⼒を増していきそうです。
こちらを紹介
こちらを紹介
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 40
- 40. Established: 2018
Location: La Ciotat, France
https://avicenna.ai/
Avicenna.Ai
6.
デバイス名:CINA
ü 対象疾患:頭蓋内出⾎(ICH)と⼤⾎管閉塞(LVO)
ü 搭載機能:患者のトリアージ/優先順位付け
ü 類似機器:BriefCase (for ICH)、ContaCT(for LVO)
ü 対象画像:⾮造影/造影頭部CT画像
ü 性能試験:後ろ向き臨床試験を実施し(ICH患者255例/814例、
LVO患者188例/476例)感度、特異度、トリアージ通知までの
時間の3つが類似機器と実質的同等であることを⽰した
ü 特徴:毎年100,000⼈以上が亡くなり⽶国の主要な死因である
脳卒中をターゲットに据えており、脳卒中の主な原因である
ICHとLVOのトリアージを⾏う。Avicenna.Aiにとって初めての
FDA認可プロダクトでありながら、NTAP適⽤という快挙をな
し遂げた。
次ページへ→
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 41
- 41. Established: 2018
Location: La Ciotat, France
https://avicenna.ai/
Avicenna.Ai
6.
LVOトリアージAIがNTAP償還決定!!
個⼈的に2020年AI医療機器界隈におけるNo.1ニュースです
NTAP(New Technology Add-On Payment)とは?
臨床現場への新技術導⼊を推奨するために医療機関を財政的に⽀援するメディケア(⾼齢
者および障害者向け公的医療保険制度)の診療報酬制度です(いわゆる新技術加算的な)。
なお「新技術」については以下の3つの要件を満たす必要があります;
1. FDA認可もしくは市場導⼊後2~3年以内の新技術である
2. 既存のメディケア重症度分類システム(MS-DRG)では⽀払いが不⼗分である
(新技術適⽤時のコストがMS-DRGで定められたコストを⼤幅に超過する)
3. 既存技術と⽐較して、臨床的アウトカムに⼤幅な改善が⾒込まれる
LVOトリアージAIは全ページの3条件を全て満たし、メディケア受給者のアウトカムを⼤
幅に改善できると判断されたため、AI医療機器として初のNTAP適⽤が決定しました。
(続く)
いきなりの⾒出し
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 42
- 42. Established: 2018
Location: La Ciotat, France
https://avicenna.ai/
Avicenna.Ai
6.
LVOトリアージAIがNTAP償還決定!!
個⼈的に2020年AI医療機器界隈におけるNo.1ニュースです
医療機関に対してNTAPで⽀払われる⾦額は?
脳卒中トリアージAIの場合は1,600ドル/1患者と決定されており、新技術の費⽤の最⼤
65% (最⾼1,040ドル) が医療機関に⽀払われるようです。ただし、NTAPで⽀払いを受ける
ためには、該当患者の⼊院中に脳卒中トリアージAIを使⽤されていなければなりません。
また、NTAP適⽤中の実績によっては将来的な保険償還に繋がることもあるそうです。
今回のNTAP適⽤となるAI医療機器は?
最初にNTAP適⽤が報告されたのはViz.AI社のContaCT(2018年にDe Novoで認可)とこ
のAvicenna.AiのCINAのみでした。が、どうやらNTAPはこの2つだけでなく、NTAPを取
得した製品と「実質的に類似」している他の医療機器にも適⽤されていくようです(払戻
しの対象となるコードが同⼀であればOK)。つまり頭部CTA画像に対するLVOトリアージ
AIをFDAより認可されているAidoc社やRapid AI社も遅かれ早かれNTAPの適⽤対象となる
と考えられます! @h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 43
- 43. Established: 2018
Location: La Ciotat, France
https://avicenna.ai/
Avicenna.Ai
6.
LVOトリアージAIがNTAP償還決定!!
個⼈的に2020年AI医療機器界隈におけるNo.1ニュースです
なお、この⼤ニュースを知った時にも興奮していたようです
@h_kawag
Copyright © Hirokazu Kawaguchi 44