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相対性理論入門23

  1. オンライン天⽂学講座「相対性理論⼊⾨」 〜⼀般相対論概略〜 2023年2⽉7⽇ 島袋隼⼠(云南⼤学・SWIFAR、名古屋⼤学) d2 xλ dr2 + Γλ μν dxμ dr dxν dr = 0 Rμν − 1 2 gμνR + Λgμν = 8πG c4 Tμν ds2 = − ( 1 − 2GM c2r ) c2 dt2 + dr2 1 − 2GM c2r + r2 (dθ2 + sin2 θdφ2 )
  2. 特殊相対性理論の復習 •特殊相対性理論は「光速度不変の原理」と「特殊相対性原理」を指導原理として構築された理論。 x′  = x − vt 1 − (v/c)2 ct′  = ct − (v/c) x 1 − (v/c)2 •慣性系はローレンツ変換で結び付けられる。 •エネルギーと質量は等価である。 E2 (t) = m2 0c4 + c2 p2 (t) •物理量はテンソルで表され、テンソルで書かれた物理法則は慣性系に依らずに成り⽴つ。 m dw dτ = f □ Aμ − ∂ν ∂νAμ = − μ0 jμ
  3. ⼀般相対性理論への道のり F = GMmg r2 F = mIa 万有引⼒の法則 運動⽅程式
  4. ⼀般相対性理論への道のり F = GMmg r2 F = mIa 万有引⼒の法則 運動⽅程式 •地球の引⼒によって測られる質量を重⼒質量という。重⼒質量は物体固有の質量、あるいは 重さとして感じるものである。
  5. ⼀般相対性理論への道のり F = GMmg r2 F = mIa 万有引⼒の法則 運動⽅程式 •地球の引⼒によって測られる質量を重⼒質量という。重⼒質量は物体固有の質量、あるいは 重さとして感じるものである。 •運動⽅程式によって定義される質量を慣性質量という。慣性質量が⼤きいほど、物体は運動しづら い。すなわち慣性の⼤きさを表している。
  6. ⼀般相対性理論への道のり F = GMmg r2 F = mIa 万有引⼒の法則 運動⽅程式 •地球の引⼒によって測られる質量を重⼒質量という。重⼒質量は物体固有の質量、あるいは 重さとして感じるものである。 •運動⽅程式によって定義される質量を慣性質量という。慣性質量が⼤きいほど、物体は運動しづら い。すなわち慣性の⼤きさを表している。 •アインシュタインは、「重⼒質量と慣性質量が等しい」と考えるところから出発した。
  7. 等価原理〜アインシュタインの⽣涯最⾼のひらめき •エレベーターが⾃由落下する場合を考える。 •この時、重⼒の⽅向とは逆に慣性⼒が働いて 重⼒を打ち消し、無重量状態になる。 mgg = mIa → g = a •すなわち、重⼒と慣性⼒は⾒分けがつかない。 「慣性質量と重⼒質量は同⼀なものであり、加速度によって⽣じる⾒かけの⼒(慣性⼒)と重⼒ は原理的に区別ができない(等価原理)」 •加速度系に移れば、重⼒の影響を打ち消す座標系(局所慣性系)を選ぶことができる。 (ただし、局所的な座標系であり、全時空に渡って重⼒を打ち消す加速度系は存在しな い)
  8. 等価原理〜アインシュタインの⽣涯最⾼のひらめき •エレベーターが⾃由落下する場合を考える。 •この時、重⼒の⽅向とは逆に慣性⼒が働いて 重⼒を打ち消し、無重量状態になる。 mgg = mIa → g = a •すなわち、重⼒と慣性⼒は⾒分けがつかない。 「慣性質量と重⼒質量は同⼀なものであり、加速度によって⽣じる⾒かけの⼒(慣性⼒)と重⼒ は原理的に区別ができない(等価原理)」 •加速度系に移れば、重⼒の影響を打ち消す座標系(局所慣性系)を選ぶことができる。 (ただし、局所的な座標系であり、全時空に渡って重⼒を打ち消す加速度系は存在しな い)
  9. 等価原理〜アインシュタインの⽣涯最⾼のひらめき •エレベーターが⾃由落下する場合を考える。 •この時、重⼒の⽅向とは逆に慣性⼒が働いて 重⼒を打ち消し、無重量状態になる。 mgg = mIa → g = a •すなわち、重⼒と慣性⼒は⾒分けがつかない。 「慣性質量と重⼒質量は同⼀なものであり、加速度によって⽣じる⾒かけの⼒(慣性⼒)と重⼒ は原理的に区別ができない(等価原理)」 •加速度系に移れば、重⼒の影響を打ち消す座標系(局所慣性系)を選ぶことができる。 (ただし、局所的な座標系であり、全時空に渡って重⼒を打ち消す加速度系は存在しな い)
  10. •特殊相対性理論では、「慣性系」同⼠の変換を考えたが、加速度系を含む座標変換を考えれば、 重⼒を取り込んだ理論を作ることができるのでは?? •また、特殊相対性理論では、任意の慣性系で物理法則は同じ形で表され(特殊相対性原 理)、また慣性系間はローレンツ変換で結ばれると考えてきたが、これを拡張して、「任意の 座標系」で物理法則は同じ形で表され、任意の座標間は⼀般座標変換で結ばれると考える(⼀ 般相対性原理) •加速度系(エレベーター)の中では光の経路は放物線に ⾒える。 •すなわち、光が重⼒の影響で曲がった様に⾒える。 •このことから、アインシュタインは光や物質は重⼒と結び つくと考えた。 等価原理〜アインシュタインの⽣涯最⾼のひらめき
  11. ⼀般相対性理論への道のり •特殊相対性理論では、世界距離は慣性系に依らず不変であった。 あるいは、 ds2 ≡ dx2 + dy2 + dz2 − c2 dt2 ds2 = ημνdxμ dxν η00 = − 1,η11 = η22 = η33 = 1 •⼀般相対性理論はこれが拡張されて、 となる。 ds2 = gμν(x)dxμ dxν • は時空の幾何学を決める「計量テンソル」と呼ばれる量である。 gμν •時空の曲率は計量テンソルの関数である曲率テンソル(あるいは、リッチテンソル) で 記述される。 Rμν(gμν) Rμνρσ = 1 2 (gμσ,νρ − gνσ,μρ − gμρ,νσ + gνρ,μσ) + ΓβμσΓβ νρ − ΓβμρΓβ νσ Γμνσ = 1 2 (gμν,σ + gμσ,ν − gνσ,μ)
  12. 重⼒場中の物体の運動⽅程式 •局所慣性系では重⼒が無い場合と同じなので、運動⽅程式は d2 x̄μ dτ2 = 0 •⼀⽅、重⼒場中での運動⽅程式は測地線⽅程式と呼ばれ、次の形で表せる。 d2 xλ dτ2 + Γλ ρσ dxρ dτ dxσ dτ = 0 •計量が含まれた式となっており、時空の幾何学を取り⼊れた⽅程式となっている。 •重⼒レンズ効果も、光の経路の計算は測地線⽅程式 を⽤いて⾏う。
  13. 重⼒場の⽅程式 •測地線⽅程式は、重⼒が存在する場合での物体の運動⽅程式を与えた。では、そもそも重⼒は どうやって決まるのか?? •⼀般相対性理論では、重⼒は物質の分布で決まる。より正確には、計量テンソルは物質の 分布によって決定される。 Rμν − 1 2 gμνR + Λgμν = 8πG c4 Tμν 時空の幾何学 物質の分布 •特殊相対性理論で、エネルギーと質量が等価であることを⾒たので、右辺はエネルギー分布 (エネルギー運動量テンソル)を表している。 •「アインシュタイン⽅程式を解く」とは、計量テンソルの形を決定すること。
  14. 重⼒場の⽅程式の解 rs = 2GM c2 ds2 = ( 1 − rs r ) c2 dt2 − ( 1 − rs r ) −1 dr2 − r2 ( dθ2 + sin2 θdφ2 ) •球対称な質量分布を持つ場合、アインシュタイン⽅程式を解析的に解く事ができる(計量 テンソルを決定することができる)。このときの解をシュバルツシルト解という。 シュバルツシルト解 • をシュバルツシルト半径と呼び、シュバルツシルト半径より内側は観測することができない (ブラックホール) rs
  15. ⼀般相対性理論と現代天⽂学① •(星質量)ブラックホール 一般相対性理論によると、物質(エネルギー)で時空は曲がる。星も最期には自分の重 さで潰れて時空が極端に曲がる。光さえも逃げられない。 •超巨大質量ブラックホール( S u p e r M a s s i v e B l a c k H o l e ) 太陽質量の 1 0 の5乗から10乗倍程度の質量を持つブラックホー ル。銀河の中心に存在。今年のノーベル賞はいて座 A の超巨大 質量ブラックホールの発見について。遠方宇宙の S M B H 。 E H T によるブラックホールシャドーの撮像 Why?
  16. •重力波 時空のさざなみ。時空の激しい変動による歪みが波として伝わる。長年に渡り未検出 だったが、2015年ついに初検出。現在では50以上のイベントを観測。 重力波は時空の激しい変動によって生じる。 例えば中性子星やブラックホールの合体。 ブラックホールや中性子星の性 質を探る有力な手段。 重力波天文学の幕開け! ⼀般相対性理論と現代天⽂学②
  17. •重力レンズ効果 ⼀般相対性理論と現代天⽂学③ 重力によって時空が曲がると光の経路も曲がる。1919年、エディントンが皆既日食を利用 して光の曲がりを確認。 光では見えない暗黒物質の探索にも使われいる。 弱い重力レンズ効果 強い重力レンズ効果 系外惑星の探索にも使われており、重力レンズ効果は現代の天文学では最重要な効果の一 つ。
  18. ⼀般相対性理論と現代天⽂学④ ( · a a ) 2 + kc2 a2 − c2 Λ 3 = 8πG 3c2 ρ •⼀様等⽅宇宙を仮定すると(計量テンソルを与える)、アインシュタイン⽅程式から フリードマン⽅程式を得る事ができる。 •フリードマン⽅程式は膨張する宇宙を予⾔し、ハッブルに よる観測によって宇宙の膨張が確認された。 •膨張宇宙はビッグバン元素合成へとつながり、また、近年 では宇宙は加速膨張している事が発⾒され、ダークエネル ギーや重⼒理論の修正など、いくつかのシナリオが考えられ ているが、未だに謎が多い。
  19. ⼀般相対性理論と現代天⽂学④ ( · a a ) 2 + kc2 a2 − c2 Λ 3 = 8πG 3c2 ρ •⼀様等⽅宇宙を仮定すると(計量テンソルを与える)、アインシュタイン⽅程式から フリードマン⽅程式を得る事ができる。 •フリードマン⽅程式は膨張する宇宙を予⾔し、ハッブルに よる観測によって宇宙の膨張が確認された。 •膨張宇宙はビッグバン元素合成へとつながり、また、近年 では宇宙は加速膨張している事が発⾒され、ダークエネル ギーや重⼒理論の修正など、いくつかのシナリオが考えられ ているが、未だに謎が多い。
  20. 本⽇のまとめ • 特殊相対性理論では慣性系しか取り扱えないが、任意の座標系を 取り扱うのが⼀般相対性理論 • 等価原理が出発点 • 測地線⽅程式が運動を決め、アインシュタイン⽅程式が重⼒場を 決める • アインシュタイン⽅程式の解の⼀つとして、シュバルツシルト解 がある。 • ⼀般相対性理論は現代天⽂学では必要不可⽋