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Librahack事件から見えてきたもの
~公共IT調達を中心に~

        NPO法人情報セキュリティ研究所
        京都大学学術情報メディアセンター
        上原哲太郎
        http://uehara.tetsutaro.jp
        uehara@tetsutaro.jp
        Twitter: @tetsutalow
自己紹介
 学生時代、学内の「インターネット」立ちあげ
  ボランティアの一人
 和歌山大学にて「システム情報学センター」に
  勤務、ネットワークと学生向け端末管理
 現在、京都大学学術情報メディアセンターで
  学生用端末の企画運営
 その一方でNPO活動として
  「自治体の情報セキュリティ」支援活動を
私と図書館…
 中学生時代「図書委員長」
 図書館情報システム導入との関わり…
  和歌山大学での「合築→組織統合」
  図書館情報システム仕様策定
  電子ジャーナル問題
 大学図書館の印象として…
  学内地位の高さ
  図書館内IT担当の地位の低さ?
ある数字
和歌山大でも京大でも




実質約2名?
          3名と突っ込まれた(^^;
  参考:京都大学附属図書館概要2010
Librahack事件の提起した問題
 なぜ導入業者、図書館、警察、検察は
  システムの「不具合」を見逃したのか??
 攻撃として捜査開始したとしても、
  なぜ警察は簡単に逮捕に踏み切ったのか?
 なぜ検察は「起訴猶予処分」にしたのか?
 プログラムを作る側からすると何をしておけば
  攻撃と見なされずに済むのか?

これらの議論の多くは今回は扱わない
今回問題にしたいこと
 岡崎市は前回の図書館システム調達に際し
  プロポーザルにより高評価を与え、
  落札しているが…実際は…
  →何故このような調達が起きるのか?

 事件の初期段階において、図書館は
  Webアクセス記録を「任意で」警察に提出
  →図書館の自由宣言はどこにいったのか?
岡崎市立図書館のIT調達の経緯
 平成17年に現システムのプロポーサル開始
 平成18年に旧中央図書館と額田図書館で
  三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)製
  MELIL/CS導入、運用開始
  17年の額田町合併の対応も兼ねる
 平成20年11月、新中央図書館開館に伴い
  MDISと追加の契約を行う
 同年には岡崎げんき館図書室にも導入
 その合計額は…
5年で5億のIT投資!
(前田勝之氏(www.nantoka.com)調べ)




                  ちなみに年間資料購入費は
                  だいたい6000万円
そもそもこれはアタリマエなのか
 三菱総研から発表された
  「図書館のITシステム」に関する調査報告
 初期構築費用の平均は2000万
  資料購入費に対しIT投資は25~50%が多い
  ただし6%ほど資料購入費を超えているところが。
 専任システム担当者がいるところは6%
  担当者なしが41%(全部業務委託?)
 8割が外部IT専門家の支援がない?
 85%はIT人材育成をしていない??
ではMELIL/CSは
   その価格に見合うものだったのか
 岡崎市のプロポーザル集計表によると
  目立つ高評価項目は
  「インターネット蔵書検索業務」
  「セキュリティ対策」
  「個人情報保護に対する内規や社員研修」


 しかし、実際は?
じゃあインターネット蔵書検索は
  優秀なのか
 そもそもアクセシビリティが…
 検索の速度が遅い
  館によっては1文字で検索できない
  (岡崎は修正済み)

 これがなぜこんな評価につながるのか?
MDISおよびMELIL/CSの
   セキュリティと個人情報保護
 「大量アクセス」事案に触発された人々が
  MDISの図書館システム(MELIL/CS)の
  欠陥調査・脆弱性調査を始めた結果
  XSS,SQLインジェクション等の
  「簡単な」脆弱性が次々見つかる
  少なくとも専門家の目から見て、Webシステム
   関係はセキュリティに配慮された設計ではない
  これで「セキュリティ」に高評価?!
 その中でこんなことが判った…
なんと一部のMELIC/CS導入館
     のWebサーバが「丸見え」に
 Anonymous ftp状態で全データにアクセス可能
  これによりWebサーバ内のデータが大々的に流出
 MELIL/CS採用館では
  福岡県篠栗町、宮崎県えびの市、北海道栗山町
  実は他システム採用館からも見つかっている…
  図書館システム以外からも偶然見つけたり…
  この中からASPのスクリプトが見つかり
   MELIL/CSの問題点が露わに
 それだけではなく「個人情報漏えい」が明らかに
  岡崎市の個人情報が少なくとも37図書館に流出
  他にえびの市、中野区などからも
なんで個人情報が漏れた?
     「コピペ図書館疑惑」
 実はそれ以前にトップページのHTMLソースの記
  述から、こんなことが推測されていた…
  MELIL/CSは『パッケージ』ということになっているが、
   実は図書館毎に構築されカスタマイズされた後、他館
   に複製されさらにカスタマイズ…を繰り返していたので
   は?
 その痕跡が杉谷智宏氏によって解析されている
  参考:
   http://www26.atwiki.jp/librahack/pages/30.
   html
おそらく、ストーリーは…
 いくつかの契約書によると各館では
  「雛形をMDIS社内に持ち、そこで保守を行い動
  作検証した上で実運用に投入」と説明されていた
  模様
 構築そのものが現地で行われた結果、構築作業
  終了時にその現場環境を逆に社内に巻き取って
  「雛形」にされた模様
 岡崎では実運用開始後も構築作業が行われてい
  た模様で、その時のデータが「雛形」作成時に吸
  い上げられてしまった…
 それが横展開されていた?
 どんな「個人情報保護に関する社内研修」をしたら
 こんな運用が可能なのか!
そもそもの問題
    「公務員システム」とは何か??
 公務員が大事にしているのは「身分」「安定」
  特に「金銭的利益」<「地位の安定」
 評価は基本的に「減点主義」
  何もしないのが最適戦略になってしまう
  いかに面倒な仕事を減らすかが勝負
 加点されるのは…(特に地方公務員では)
  金と人の確保が出来る人 特に「予算はチカラ」
  議会対応がうまい人
 ジェネラリストが出世し専門家は飼い殺される(含IT)
  そもそも異動しまくるので専門性が育たない
 こんな中でどうやってITシステムを管理するというのか?
しかも、公共ITにおける
   「原課調達主義」の弊害
 公務員の縦割りが徹底していると、
  システムの更新は全て原課から提案され…
  予算申請
  仕様策定 調達
  システム導入 運用
 …全てが原課の主導の下で行われる
 ところがITの技術的評価や価格の妥当性は
  この種の人たちには全く理解できない
  かといってIT担当課も業務がよく見えてない場合が
 よって全てが業者任せになってゆく
私が某市で見た例(業務委託)
 某システムの調達・・・「高いなぁ??」
 どうも既存業者への追加調達として随意契約
 内訳見せて下さい…?
  まず人件費積算の根拠が「メートルあたり」?
  なんか上級SEと普通SEがいるらしく「メートル単価」が
   違うのだが単純にかけ算
  よく見ると「メートルあたり」パソコンとソフトの使用料が
   かかる?
  全部足した上に一定割合かけて「諸経費」?
  それを全部足してから一定割合かけて「事務経費」?
 …「半額にして!」 本当に半額に!

目利きがいないとすぐにこういうことが行われる
自治体IT調達における
   IT版ストックホルム症候群
 業者と原課が(特に贈収賄関係もなく)癒着
  原課にとっては業者は…
    ITという「予算の理由」を持ってきてくれる人
    ITを使って自分の仕事を楽にしてくれる人
     特にトラブったときに臨時に助けてくれる人
      逆にいうと逃げられると自分の仕事が回らなくなる
  業者にとって原課は…
    業務内容に関して注文はうるさいが技術的なことはいわない
    積み上げた予算の妥当性が判断できない
    公務は「莫大な損害賠償」を請求されるリスクが割と低い
 システム移行は原課の恐怖、業者のチャンス
  →同一業者に更新することでWin-Winの関係に
   (いわゆるベンダロック状態)
自治体は大事なことを忘れてない
   か
 業者は金銭的利益を追究する:
  予算が最初に確定する公共調達では
  「落札したら全力で手を抜けば利益率が上がる」
  そして「しょせん原課には何も判断できない」と…
 ベンダロックはSIerの必勝方程式
  機器を入札で取って保守を随契に持ち込むのは常道
 ITゼネコンは「奴隷商人」に過ぎない
  名のあるベンダも実は技術者がいない
  下請、孫請と、3~5割中抜きしつつ丸投げされる
  結局、払った対価にとても見合わない人が来る
    ならば最初からその人を直接雇用するべき
公共IT調達はどうあるべきか
 原課調達主義からの脱却
  予算への財政課からのチェックと同様に
   IT担当課が調達に最初から関われるように
   相応にIT担当課の増強が必要
 自治体が仕様書を作るチカラを
  適切な競争に持ち込む
  ベンダロック排除の仕組みを入れる
 必要ならば外部の目を
  仕様書策定やシステム監査を外部から
  うまくやれば地域産業振興にもなるはず
今回もう一つ残念だったこと
 図書館の自由はどこにいったのか
  なぜ図書館は簡単にWebアクセスログを
   警察に任意提出したのか      任意ではない
   いわば入退館記録を渡すようなもの   捜査事項照会書が
                       きているそうです
  個人情報漏えい事案において、
   なぜ「督促リスト」が漏えいしたことが
   話題にならないのか
   機微性が議論されていない
 あとはパネルで…
最後に、図書館関係者の
   皆さんへ
 ITを「魔法」扱いしないで 恐れないで
  IT調達適正化から電子書籍対応まで
   今後はますます重要になるのに
 いまこそ「無料貸本屋」から脱却を
  電子書籍の時代は必然的に図書館の姿が
   改めて問われるはず
  その際本当に残るのは
   リファレンス力しかないのでは?

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20110110日本図書館研究会

  • 1. Librahack事件から見えてきたもの ~公共IT調達を中心に~ NPO法人情報セキュリティ研究所 京都大学学術情報メディアセンター 上原哲太郎 http://uehara.tetsutaro.jp uehara@tetsutaro.jp Twitter: @tetsutalow
  • 2. 自己紹介  学生時代、学内の「インターネット」立ちあげ ボランティアの一人  和歌山大学にて「システム情報学センター」に 勤務、ネットワークと学生向け端末管理  現在、京都大学学術情報メディアセンターで 学生用端末の企画運営  その一方でNPO活動として 「自治体の情報セキュリティ」支援活動を
  • 3. 私と図書館…  中学生時代「図書委員長」  図書館情報システム導入との関わり…  和歌山大学での「合築→組織統合」  図書館情報システム仕様策定  電子ジャーナル問題  大学図書館の印象として…  学内地位の高さ  図書館内IT担当の地位の低さ?
  • 4. ある数字 和歌山大でも京大でも 実質約2名? 3名と突っ込まれた(^^;  参考:京都大学附属図書館概要2010
  • 5. Librahack事件の提起した問題  なぜ導入業者、図書館、警察、検察は システムの「不具合」を見逃したのか??  攻撃として捜査開始したとしても、 なぜ警察は簡単に逮捕に踏み切ったのか?  なぜ検察は「起訴猶予処分」にしたのか?  プログラムを作る側からすると何をしておけば 攻撃と見なされずに済むのか? これらの議論の多くは今回は扱わない
  • 6. 今回問題にしたいこと  岡崎市は前回の図書館システム調達に際し プロポーザルにより高評価を与え、 落札しているが…実際は… →何故このような調達が起きるのか?  事件の初期段階において、図書館は Webアクセス記録を「任意で」警察に提出 →図書館の自由宣言はどこにいったのか?
  • 7. 岡崎市立図書館のIT調達の経緯  平成17年に現システムのプロポーサル開始  平成18年に旧中央図書館と額田図書館で 三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)製 MELIL/CS導入、運用開始  17年の額田町合併の対応も兼ねる  平成20年11月、新中央図書館開館に伴い MDISと追加の契約を行う  同年には岡崎げんき館図書室にも導入  その合計額は…
  • 8. 5年で5億のIT投資! (前田勝之氏(www.nantoka.com)調べ) ちなみに年間資料購入費は だいたい6000万円
  • 9. そもそもこれはアタリマエなのか  三菱総研から発表された 「図書館のITシステム」に関する調査報告  初期構築費用の平均は2000万 資料購入費に対しIT投資は25~50%が多い  ただし6%ほど資料購入費を超えているところが。  専任システム担当者がいるところは6% 担当者なしが41%(全部業務委託?)  8割が外部IT専門家の支援がない?  85%はIT人材育成をしていない??
  • 10. ではMELIL/CSは その価格に見合うものだったのか  岡崎市のプロポーザル集計表によると 目立つ高評価項目は  「インターネット蔵書検索業務」  「セキュリティ対策」  「個人情報保護に対する内規や社員研修」  しかし、実際は?
  • 11. じゃあインターネット蔵書検索は 優秀なのか  そもそもアクセシビリティが…  検索の速度が遅い 館によっては1文字で検索できない (岡崎は修正済み)  これがなぜこんな評価につながるのか?
  • 12. MDISおよびMELIL/CSの セキュリティと個人情報保護  「大量アクセス」事案に触発された人々が MDISの図書館システム(MELIL/CS)の 欠陥調査・脆弱性調査を始めた結果 XSS,SQLインジェクション等の 「簡単な」脆弱性が次々見つかる  少なくとも専門家の目から見て、Webシステム 関係はセキュリティに配慮された設計ではない  これで「セキュリティ」に高評価?!  その中でこんなことが判った…
  • 13. なんと一部のMELIC/CS導入館 のWebサーバが「丸見え」に  Anonymous ftp状態で全データにアクセス可能 これによりWebサーバ内のデータが大々的に流出  MELIL/CS採用館では 福岡県篠栗町、宮崎県えびの市、北海道栗山町  実は他システム採用館からも見つかっている…  図書館システム以外からも偶然見つけたり…  この中からASPのスクリプトが見つかり MELIL/CSの問題点が露わに  それだけではなく「個人情報漏えい」が明らかに 岡崎市の個人情報が少なくとも37図書館に流出  他にえびの市、中野区などからも
  • 14. なんで個人情報が漏れた? 「コピペ図書館疑惑」  実はそれ以前にトップページのHTMLソースの記 述から、こんなことが推測されていた…  MELIL/CSは『パッケージ』ということになっているが、 実は図書館毎に構築されカスタマイズされた後、他館 に複製されさらにカスタマイズ…を繰り返していたので は?  その痕跡が杉谷智宏氏によって解析されている  参考: http://www26.atwiki.jp/librahack/pages/30. html
  • 15. おそらく、ストーリーは…  いくつかの契約書によると各館では 「雛形をMDIS社内に持ち、そこで保守を行い動 作検証した上で実運用に投入」と説明されていた 模様  構築そのものが現地で行われた結果、構築作業 終了時にその現場環境を逆に社内に巻き取って 「雛形」にされた模様  岡崎では実運用開始後も構築作業が行われてい た模様で、その時のデータが「雛形」作成時に吸 い上げられてしまった…  それが横展開されていた? どんな「個人情報保護に関する社内研修」をしたら こんな運用が可能なのか!
  • 16. そもそもの問題 「公務員システム」とは何か??  公務員が大事にしているのは「身分」「安定」 特に「金銭的利益」<「地位の安定」  評価は基本的に「減点主義」  何もしないのが最適戦略になってしまう  いかに面倒な仕事を減らすかが勝負  加点されるのは…(特に地方公務員では)  金と人の確保が出来る人 特に「予算はチカラ」  議会対応がうまい人  ジェネラリストが出世し専門家は飼い殺される(含IT)  そもそも異動しまくるので専門性が育たない こんな中でどうやってITシステムを管理するというのか?
  • 17. しかも、公共ITにおける 「原課調達主義」の弊害  公務員の縦割りが徹底していると、 システムの更新は全て原課から提案され…  予算申請  仕様策定 調達  システム導入 運用  …全てが原課の主導の下で行われる  ところがITの技術的評価や価格の妥当性は この種の人たちには全く理解できない  かといってIT担当課も業務がよく見えてない場合が  よって全てが業者任せになってゆく
  • 18. 私が某市で見た例(業務委託)  某システムの調達・・・「高いなぁ??」  どうも既存業者への追加調達として随意契約  内訳見せて下さい…?  まず人件費積算の根拠が「メートルあたり」?  なんか上級SEと普通SEがいるらしく「メートル単価」が 違うのだが単純にかけ算  よく見ると「メートルあたり」パソコンとソフトの使用料が かかる?  全部足した上に一定割合かけて「諸経費」?  それを全部足してから一定割合かけて「事務経費」?  …「半額にして!」 本当に半額に! 目利きがいないとすぐにこういうことが行われる
  • 19. 自治体IT調達における IT版ストックホルム症候群  業者と原課が(特に贈収賄関係もなく)癒着  原課にとっては業者は…  ITという「予算の理由」を持ってきてくれる人  ITを使って自分の仕事を楽にしてくれる人  特にトラブったときに臨時に助けてくれる人 逆にいうと逃げられると自分の仕事が回らなくなる  業者にとって原課は…  業務内容に関して注文はうるさいが技術的なことはいわない  積み上げた予算の妥当性が判断できない  公務は「莫大な損害賠償」を請求されるリスクが割と低い  システム移行は原課の恐怖、業者のチャンス →同一業者に更新することでWin-Winの関係に (いわゆるベンダロック状態)
  • 20.
  • 21. 自治体は大事なことを忘れてない か  業者は金銭的利益を追究する: 予算が最初に確定する公共調達では 「落札したら全力で手を抜けば利益率が上がる」  そして「しょせん原課には何も判断できない」と…  ベンダロックはSIerの必勝方程式  機器を入札で取って保守を随契に持ち込むのは常道  ITゼネコンは「奴隷商人」に過ぎない  名のあるベンダも実は技術者がいない  下請、孫請と、3~5割中抜きしつつ丸投げされる  結局、払った対価にとても見合わない人が来る  ならば最初からその人を直接雇用するべき
  • 22. 公共IT調達はどうあるべきか  原課調達主義からの脱却  予算への財政課からのチェックと同様に IT担当課が調達に最初から関われるように  相応にIT担当課の増強が必要  自治体が仕様書を作るチカラを  適切な競争に持ち込む  ベンダロック排除の仕組みを入れる  必要ならば外部の目を  仕様書策定やシステム監査を外部から  うまくやれば地域産業振興にもなるはず
  • 23. 今回もう一つ残念だったこと  図書館の自由はどこにいったのか  なぜ図書館は簡単にWebアクセスログを 警察に任意提出したのか 任意ではない  いわば入退館記録を渡すようなもの 捜査事項照会書が きているそうです  個人情報漏えい事案において、 なぜ「督促リスト」が漏えいしたことが 話題にならないのか  機微性が議論されていない  あとはパネルで…
  • 24. 最後に、図書館関係者の 皆さんへ  ITを「魔法」扱いしないで 恐れないで  IT調達適正化から電子書籍対応まで 今後はますます重要になるのに  いまこそ「無料貸本屋」から脱却を  電子書籍の時代は必然的に図書館の姿が 改めて問われるはず  その際本当に残るのは リファレンス力しかないのでは?