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個の育成と知的創造する組織
- 11. ❶ 知の探索:OODAループ思考
V C
U A
VUCAフレームワークとOODAループ思考
既知 未知
予
測
可
能
予
測
不
能
変動(Volatile) 複雑(Complex)
不確実(Uncertain) 曖昧(Ambiguous)
わかる
Orient
うごく
Act
みる
Observe
きめる
Decide
わかる
Orient
うごく
Act
みる
Observe
きめる
Decide
わかる
Orient
うごく
Act
みる
Observe
きめる
Decide
わかる
Orient
うごく
Act
みる
Observe
きめる
Decide
OODAループ思考は、常に順繰りに回すことが必要ではなく、VUCA
のステージに応じてスキップして「わかる」をより早く育てる。
まずは、組織のビジョン・ミッション・バリューを言
語化しよう。
メンバーに上記を常に意識しながら、注意深く周
囲を観察し、判断し、行動させよう。
そして、新しく得た学びを常に1on1で確認しフォ
ローしよう。
それが、個人が自律して行動し、自ら学びを得て
成長していくことにつながり、その成長したメンタ
ルモデルが、組織の世界観の土台となっていく。
- 14. ❸ 獲得した知を効率的に引き出す仕組み
① シェアード・メンタル・モデル (SMM)
組織行動論で研究されているメタ知。
「組織内で、どれくらい仕事などに関する情報
や知見に対する整理が、揃っているか」という
定義。
・タスクSMM
組織の業務や、技術・設備などの共有認識。
・チームSMM
メンバーの役割や、好み・強い・弱みなどの共
有
これらが共有されることで、 メンバーの行動を
予見しやすくなり、認知負担が減り、知を引き
出しやすくなる。
② トランザクティブ・メモリー・システム (TMS)
情報の共有は、組織のメンバー全員が同じことを知ってい
ることじゃない。
組織のメンバーの誰が何を知っているか、を知っているこ
と。
ひとの認知には限界があるから、全てを共有することは不
可能。
TMSを高める方法は、直接対話のコミュニケーション頻度
を高めること。
TMSは、極力個人に集約させるのが良い 。
知の引き出しを集約して、そのひとから引き出せる状態を
組織の仕組みとすることが効率的である。
- 32. プロソーシャル・モチベーション(2000年代~) ✕ リーダーシップ
2000年代以降の発展したモチベーション理論が、プロソーシャル・モチベーション( PSM)。
いわゆる「他者視点のモチベーション」で、関心が自分だけでなく他者に向けられ、他人の視点に立ち、他人に
貢献することにモチベーションを見出すもの。
PSMと内発的動機が高いと、他者に貢献することが楽しみと感じられ、高いパフォーマンスとクリエイティビティ
が期待できる。
そこで、個人のモチベーションと組織のリーダーシップを掛け合わせることで
個人が自発的成長と組織への貢献を喜びに感じ、高い品質とパフォーマンスにつながる
内発的動機
プロソーシャ
ル・モチベー
ション
高いクリエイ
ティビティと
生産性
トランス
フォーメー
ショナル・
リーダーシッ
プ
シェアード・
リーダーシッ
プ
高い組織パ
フォーマンス
個人の
モチベーション
組織の
リーダーシップ
- 37. 感情が人・組織にもたらす効果
満足
業績期待 目線
知の探索 知の深化
サーチ
ネガティブ
感情
ポジティブ
感情
1章冒頭で示した 組織意思決定の循環プロ
セスに感情を掛け合わせると左図ようにな
る。
ネガティブとポジティブのバランスをとって、
知の探索・知の深化を促す必要がある。
そのためには感情マネジメントが求められ
る。
感情マネジメントは容易ではないが、
感情の制御メカニズムにある感情ディスプレ
イがこれに当たる。
EI(EQ)自分と他者の感情をうまく取り扱え
る総合能力や、その一部である 感情ディス
プレイ(感情表現) が一助になる。
サーフェス・アクティング:自分の本心とギャップを持ったまま、外にディスプレーする表情を作る
ディープ・アクティング :自分の意識・注意・視点の方向を変化させ、感情そのものを自分が向かいたい方向性に変化させる
当然後者の方が、心理的負担も少なく、周辺に良い影響が波及もしやすい。
例えば、顧客の態度をどう捉えるか。の認知を意図的にずらすことで、同情などの感情に変化し、丁寧な対応が可能になる。