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MR 夜ゼミ:第 1 回 (2012.04.23)  

    MR が症例ベースで話せるようになる
            近道は?




                              1
     MR 夜ゼミのコンセプトとデザイン

コンセプト
 薬物療法のコンサルをしたい MR のバックアップ
 すべては、参加してくれる MR のために。

デザイン
 よくある勉強会ではなく、 MR 参加型のディベート
 形式で進行する。
  1 テーマ30分、ディベート 15 分で、 1 コースとする。

  3 日以内にレポートを提出。
 提出がない場合は、次回の参加は不可。     
                             2
仮説:非専門医は、よく分かっていないのでは?

   
   ・ガイドラインの薬物療法には、具体例がない
 


   ・講演会でも、症例経過図を使うことが少ない
 


   ・症例を解説した専門書が、ほとんどない
 


   ・開業医には、症例検討会もない
 


      ・他科の薬剤に関しては、専門医も国試レベル


                         3
従来の情報収集・提供は?

・ Dr が欲しいのは、貴社品の KOL の処方ノウハウ。
 これを意図的に収集し、提供しているメーカーは
 ほとんどない。

・患者によって、どの用量から開始すべきか等の
 データを、ほとんど収集していない。

・症状に応じて、適宜増減のデータが、ほとんどない。

 テーマ1:
  結果として、 MR は、 Dr が欲している情報を、
 ほとんど提供できていない? なぜか?
症例ベースの問題を解けなかった私の理由


1 . 症例経過図のどこに目をつけるべきかが分からなかった。
1.

2 . 治療のフロー、どういう経過をたどるかを予測するだけの
3.
  知識がなかった。

3  検査値のどれを優先して、判断すればいいかが分から
3. .
  なかった。

4  ガイドラインを、症例ベースの話にどう応用するかが
4. .
  分からなかった。

5  暗記しておくことが多すぎるので、イヤになった。
5. .
                             5
病態に合わせた経口血糖降下薬の選択

    2型糖尿病の病態                     経口血糖降下薬

                              種類                  主な作用

        インスリン抵抗性   抵   イ   ビグアナイド薬           肝臓での糖新生の抑制
           増大      抗   ン
                   性   ス
                   改   リ                    骨格筋・肝臓での
                   善   ン   チアゾリジン薬
          +        系
                                            インスリン感受性の改善

    インスリン
    分泌能低下
                                           血糖依存性のインスリン
                   分   イ   D PP-4 阻害薬      分泌促進とグルカゴン分
                   泌   ン                   泌抑制
                   促   ス
                   進   リ
糖                  系   ン
毒   インスリン作用不足              スルホニル尿素薬         インスリン分泌の促進
性


                                            より速やかなインスリン
                           速効型インスリン
                   改 食                      分泌の促進、食後高血糖の
        食後高血糖              分泌促進薬
                   善 後                      改善
    高
                   系 高
    血
                     血
    糖                      α- グルコシダーゼ        炭水化物の吸収遅延、
                     糖
        空腹時高血糖             阻害薬               食後高血糖の改善



                                   「糖尿病治療ガイド 2010 」(日本糖尿病学会編、文光堂)より引用
MR テキスト:糖尿病のケース




                  7
8
9
MR 諸氏の場合は?

    知識詰め込み型なので、習っても忘れてしまう。
1. 1 .
  研修が毎回、新しい内容のため、知識がつながらない
 

   研修は多々受けているが、自社品中心
2.2 .
 

   Drが薬物療法のどの段階で、何を、どう考えている
3.3 .
  が分からないので、どのタイミングで、どんな情報を
  提供すべきかが分からない

テーマ2:
    改定版の認定テキストで、どんな勉強をして
    おけば、症例ベースで話せる近道になるか?
    
                       10
症例経過図で話す際のポイント(糖尿病の場合)
 ● 身体所見: BMI
                        Drは、どの時点で、何を基準に何を考えているか?
 ● 眼障害:網膜症の有無
                        ● インスリン分泌能は保たれているか?
                        ● インスリン抵抗性は?
 ● 神経障害:
                        ● 網膜症、神経障害、腎症、大血管障害はないか?
   下肢振動覚の低下
                        ● 血糖プロファイル(食後高血糖、空腹時)?
   アキレス腱反射低下
                        ● 体重は?
                        ● 併存疾患?
 ● 血管:足背動脈の触知不良
                        ● 管理目標値は?
                        ● 治療歴と用量は?
● 糖尿学的検査
  ・ 75g ブドウ糖負荷試験に
   おける血糖値、インスリン値
  ・空腹時血糖                  ● 症例経過図での有効性の判定の指標
  ・食後 2 時間値                 ・ HbA1c
  ・ HbA1c                   ・空腹時血糖
  ・グルカゴン負荷試験における            ・食後 2 時間血糖値
   血糖値、血清 C ペプチド            ・持続血糖モニター:血糖動揺性
  ・尿中 C ペプチド                ・血糖自己測定:血糖の日内変動
  ・尿中アルブミン                  ・1,5 AG :尿糖と逆相関
  ・尿中アルブミン・クレアチニン           ・血中活性型 GLP-1 の変化
  ・ 24 時間クレアチニンクリアランス       ・インスリン分泌促進効果
  ・ HOMA - R                ・グルカゴン分泌抑制効果
  ・インスリン分泌指数                ・ HOMA - β
                                                   11
  ・自己血糖測定(食前、食後)            ・体重 
Drが、求めている情報


 ・どんな患者にいいのか?どう処方したらいいのか?

  ・KOLは、どう処方しているのか?


  ・効果減弱、無効の場合には、どうしたらいいか?


  ・副作用発現時の処置は、どうしたらいいのか?

                       12
糖尿病診療に自信がつく本




               13
テーマ3:
日常活動で、どういうことをやっていれば、
薬物療法のコンサルになる近道か?




                  14
テーマ4:
症例経過図を作る手順は、これでいいか!

1 . MRが、症例ベースで話せない一番大きな理由は?
•

2 . 従来の研修資材、販促資材の関連マップを作成する。
•
  (情報のつながりを視覚化する)

3 . 薬物療法での判断基準 ( 検査値、効果判定、競合品、
•
    ガイドライン ) が一目でわかる資料を作成する。

4 . 製品での代表的な症例経過図のパターンと、その経過
•
    図を理解するために、問題を作成する。

5 . 症例経過図に、現在のプロモーションの訴求点、差別
•
    化ポイントを織りこめる問題を作成する。    15
新しい治療アルゴリズムになるかも




                   16

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