SlideShare ist ein Scribd-Unternehmen logo
1 von 28
Downloaden Sie, um offline zu lesen
AV画像認識技術とその周辺
UT Startup Gym
2013/02/09
ぱろすけ @parosky0
http://parosky.net
配布物
ぱろすけ. 大規模
大規模AV
AV画像データベースと類似顔画像
画像データベースと類似顔画像
検索を用いた
検索を用いたAV
AV検索システム
検索システム. あの人の研究論文集,
Vol. 3, No. 2, pp. 7-10, 2012. ベストペーパー賞.
オンラインでも手に入ります
http://parosky.net/wordpress/?p=1506
予定
1.自己紹介 ← やや長い
1. 趣味
2. 職歴
3. 研究
2.AV顔画像検索ツール
1. 概要
2. システム詳細
3.関連面白研究 (論文参照)
1. 画像補完
2. スケッチからの写真検索
3. 近年の顔認識
4.まとめ
5.質疑応答
1. 自己紹介
● ぱろすけ
● http://parosky.net
● 東大 情報理工 修士1年
● Activity
– プログラムとか書いてる
– ベンチャーとかやってた
– 研究してる
– 就活してる
1. 1. プログラミング
● 趣味でいろいろ書いてる
● ツール:AV顔画像検索, 人気エロ動画DL, 2chまとめサイト自動生成,
Twitter画像まとめサイト自動生成
● Android: 『赤い配管工』, 『ゴリラ』
● Twitterボット: @parosky1, @anniv_salad, @1000favs_
● その他いくつかの小ネタ
1. 1. 1. ツール
● AV顔画像検索
● 後述
● 人気エロ動画DL
● XVIDEOS からはてブ数が多いものを自動で収集
● 2chまとめサイト自動生成
● 全盛期で 5,000PV / day くらい
● Twitter画像まとめサイト自動生成
● 現在 3,000PV / day くらい
1. 1. 2. Android
● 赤い配管工 (およそ30,000DL)
● タッチで操作する
横スクロール2Dクソゲー
● Androidの練習的な感じで作った
● ゴリラ (およそ700DL)
● 「ゴリラを眺めて癒されよう!」
● いわゆる「鏡」
1. 1. 3. Twitterボット
● @parosky1 (約80,000フォロワー)
● 発言は僕のメインアカウントのコピー
● フォロワーを増やすためのいくつかの工夫
● @anniv_salad (約1,700フォロワー)
● 全自動俵万智
● @1000favs_ (約90,000フォロワー)
● 丸パクリボット @1000favs を丸パクリするボット
1. 2. 職歴
● ベンチャーとかやってた (2011/08 - 2012/10)
● Web系のスタートアップの創業メンバ
● ASCII とか WIRED とかに載ったらしい
● 某社の起業家支援プログラムに採択
● Python/Django, JavaScript, ActionScript とか書いてた
● AWS でサーバの構築と管理とかしてた
● 今も別のベンチャー的なのに一応コミット
2. AV顔画像検索ツール
デモします
2. 1. 1. 反響
● 反響(半月間)
● 85,000PV
● 3,500ツイート
● 1,200はてブ
● 500いいね
● 200本の売上 (=10万円)
● 反響(長期)
● 週刊アスキーに掲載
● UT Startup Gym から
声がかかった
● 論文がベストペーパー取った
● いろんな人と仲良くなった
AVすごい
2. 1. 2. システム概要
● データベースの構築
1. DMM. R18 からAVのサンプ
ル画像を取得(16万タイトル
170万枚)
2. 画像群から顔検出して保存
(35万枚)
3. 特徴抽出 (2.5GB)
4. 主成分分析で圧縮 (70MB)
5. 保存
● 検索
1. 入力画像から顔検出
2. 特徴抽出
3. データベースを近傍探索
4. 結果をタイトルと合わせて表示
特徴抽出: 生データから推定や分析に有用な情報を抽出すること.
(ここでは「1枚の画像を何らかの方法で1本のベクトルに変換すること」)
主成分分析: データの冗長な部分を除いて次元を削減する手法.
近傍探索: 近くにあるデータを探すこと. 総当たりより効率的な方法がある.
顔検出: Viola & Jones の手法が有名.
2. 2. 1. 特徴抽出
● 画像そのままでは扱いづらい
● たとえば類似性はどう判断しよう? -> 全体の色合いを比べるとか?
– 左の画像は 縦22px * 横22px * 3色 = 1,452次元のデータ
– これを [赤, 緑, 青] = [0.2, 0.8, 0] と変換すれば3次元のデータに
● いろんな特徴量が提案されている
– 大域特徴: Color Histogram, HOG, GIST, HLAC, ...
– 局所特徴: SIFT, SURF, LBP, BRIEF, ...
– 局所特徴のコーディング: Bog of Features, Fischer Vector, …
– 今回は HOG を利用
2. 2. 1. 特徴抽出
● HOG (Histogram of Oriented Gradients) [Dalal et al., 05]
● 画像をグリッドで区切って
それぞれで明るさの勾配の
ヒストグラムを計算
● 今回のシステムでは顔画像が
1,764次元のベクトルに
hog = cv2.HOGDescriptor((64, 64), (16, 16), (8, 8), (8, 8), 9)
img = cv2.imread('face.jpg')
h = hog.compute(img)
Python/OpenCV を使えば
一瞬で計算可能
2. 2. 2. 主成分分析
● あんま意味のない次元を削る (荒っぽい解釈)
● データ量の削減, 「次元の呪い」の回避
● 今回のシステムでは1,764次元 → 100次元に削減
[http://www.nlpca.org/]
pca = sklearn.decomposition.PCA(dim)
r = pca.fit_transform(data);
Python/SciKits を使えば
一瞬で計算可能
2. 2. 3. 近傍探索
● この画像はどの画像と近いか?
→ この画像の特徴ベクトルはどの画像の特徴ベクトルと近いか?
→ ベクトル空間上での距離を見ればいい (今回の実装)
● 普通に総当たりでやってもいい
● が, もっと早い方法がいくつか提案されている
● 今回は FLANN [Muja et al., 09] を使用
[http://www.emeraldinsight.com/cont
ent_images/fig/0870280310006.png]
index = cv2.flann_Index(features, {"algorithm":0})
idx, dist = index.knnSearch(data, n, params={})
Python/OpenCV を使えば
一瞬で計算可能
2. 2. 4. 顔検出
● Viola と Jones による手法が有名
● 詳細は省略
● 「あー, あれね, Haar-like 特徴と AdaBoost で
Attentional Cascade だよね」とか言えば
知ったかぶりできる
hc = cv2.cv.Load("haarcascade_frontalface_alt.xml")
storage = cv2.cv.CreateMemStorage()
img = cv2.imread('person.jpg')
faces = cv2.cv.HaarDetectObjects(img, hc, storage)
Python/OpenCV を使えば
一瞬で計算可能
[http://www.name-
list.net/img/images.ph
p/Linewih_5.jpg]
2. 1. 2. システム概要(再掲)
● データベースの構築
1. DMM. R18 からAVのサンプ
ル画像を取得(16万タイトル
170万枚)
2. 画像群から顔検出して保存
(35万枚)
3. 特徴抽出 (2.5GB)
4. 主成分分析で圧縮 (70MB)
5. 保存
● 検索
1. 入力画像から顔検出
2. 特徴抽出
3. データベースを近傍探索
4. 結果をタイトルと合わせて表示
特徴抽出: 生データから推定や分析に有用な情報を抽出すること.
(ここでは「1枚の画像を何らかの方法で1本のベクトルに変換すること」)
主成分分析: データの冗長な部分を除いて次元を削減する手法.
近傍探索: 近くにあるデータを探すこと. 総当たりより効率的な方法がある.
顔検出: Viola & Jones の手法が有名.
以上, 画像の取り扱いの初歩(?)でした.
これだけだとあまりに偏っているので
いくつか関連研究を紹介します.
3. 1. 画像補完[Hays et al., 07]
● 一部が欠損した画像を自動で補完
● GIST 特徴で類似画像検索 → ポワソン画像合成
● 大量の画像を用意するのがキモ (240万枚)
Retrieval
Input Retrieval Output
3. 1. 画像補完[Hays et al., 07]
Before Clip After
3. 2. 1. スケッチ検索[Shrivastava et al., 11]
1.クエリ画像から HOG を抽出
2.100万枚の画像と比較して画像特有の部分を算出
3.それを用いて近傍探索による検索を行う
3. 2. 2. スケッチ検索 [Zhou et al., 12]
● スケッチ検索に適した特徴量を提案
3. 2. 2. スケッチ検索 [Zhou et al., 12]
● 縦, 横, 斜めの線がどこにどれだけあるか
● 画像中のどこが重要か (←線が密集してるところ)
3. 3. 近年の顔認識
● Wright et al., 09
● 入力画像 = 顔データベース画像の組み合わせ + 誤差
● Yang et al., 11
● あんまりにも誤差が大きい箇所を自動でフィルタリング
Database Query Filter
3. 4. 補足: 画像認識とは
● 画像認識とは, 画像を識別 classification すること
● 手書き文字認識, 顔認識, シーン認識, 一般物体認識, ...
● 画像認識は機械学習を伴うことが多い
● 顔認識: 大量の顔画像の特徴量から「顔の特徴量らしさ」を学習
● 今回の AV 検索は画像認識なのか微妙
● 画像を16万タイトルのどれかに classification する問題
● 近傍探索しているだけであり機械学習していない
– 機械学習するにはデータ数が不足
4. まとめ
● 内容のまとめ
● AV 類似顔画像検索ツールを題材として
コンピュータビジョンの初歩の一部を紹介した
● ついでに関連する研究も少しだけ紹介した
● 伝えたかったこと
● 画像のシンプルな取り扱いでこれくらいはできるよということ
● OpenCV/Python/NumPy/SciPy を使うと楽だよということ
● もう少しこういうスタートアップあってもいいよねということ
● お詫び
● もう少し体系的な話のほうがよかったのかな
5. 質疑応答
何でもどうぞ.

Weitere ähnliche Inhalte

Andere mochten auch

深層学習 - 画像認識のための深層学習 ②
深層学習 - 画像認識のための深層学習 ②深層学習 - 画像認識のための深層学習 ②
深層学習 - 画像認識のための深層学習 ②Shohei Miyashita
 
やさしい画像認識教室 ~ゲーム編~
やさしい画像認識教室 ~ゲーム編~やさしい画像認識教室 ~ゲーム編~
やさしい画像認識教室 ~ゲーム編~YSRKEN
 
VIEW2013 Binarycode-based Object Recognition
VIEW2013 Binarycode-based Object RecognitionVIEW2013 Binarycode-based Object Recognition
VIEW2013 Binarycode-based Object RecognitionHironobu Fujiyoshi
 
おりこうさんな秘書 ―画像認識による高機能な艦これユーティリティへの挑戦―
おりこうさんな秘書 ―画像認識による高機能な艦これユーティリティへの挑戦―おりこうさんな秘書 ―画像認識による高機能な艦これユーティリティへの挑戦―
おりこうさんな秘書 ―画像認識による高機能な艦これユーティリティへの挑戦―YSRKEN
 
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 1:チュートリアル
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 1:チュートリアル艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 1:チュートリアル
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 1:チュートリアルYSRKEN
 
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 2:シーン認識編
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 2:シーン認識編艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 2:シーン認識編
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 2:シーン認識編YSRKEN
 
Watson visual recognitionで簡単画像認識
Watson visual recognitionで簡単画像認識Watson visual recognitionで簡単画像認識
Watson visual recognitionで簡単画像認識篤 富田
 
Fisher Vectorによる画像認識
Fisher Vectorによる画像認識Fisher Vectorによる画像認識
Fisher Vectorによる画像認識Takao Yamanaka
 
画像認識のための深層学習
画像認識のための深層学習画像認識のための深層学習
画像認識のための深層学習Saya Katafuchi
 
画像認識の初歩、SIFT,SURF特徴量
画像認識の初歩、SIFT,SURF特徴量画像認識の初歩、SIFT,SURF特徴量
画像認識の初歩、SIFT,SURF特徴量takaya imai
 

Andere mochten auch (11)

深層学習 - 画像認識のための深層学習 ②
深層学習 - 画像認識のための深層学習 ②深層学習 - 画像認識のための深層学習 ②
深層学習 - 画像認識のための深層学習 ②
 
やさしい画像認識教室 ~ゲーム編~
やさしい画像認識教室 ~ゲーム編~やさしい画像認識教室 ~ゲーム編~
やさしい画像認識教室 ~ゲーム編~
 
VIEW2013 Binarycode-based Object Recognition
VIEW2013 Binarycode-based Object RecognitionVIEW2013 Binarycode-based Object Recognition
VIEW2013 Binarycode-based Object Recognition
 
おりこうさんな秘書 ―画像認識による高機能な艦これユーティリティへの挑戦―
おりこうさんな秘書 ―画像認識による高機能な艦これユーティリティへの挑戦―おりこうさんな秘書 ―画像認識による高機能な艦これユーティリティへの挑戦―
おりこうさんな秘書 ―画像認識による高機能な艦これユーティリティへの挑戦―
 
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 1:チュートリアル
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 1:チュートリアル艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 1:チュートリアル
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 1:チュートリアル
 
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 2:シーン認識編
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 2:シーン認識編艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 2:シーン認識編
艦これ支援ツール『おりこうさんな秘書』解説 2:シーン認識編
 
Icml2017 overview
Icml2017 overviewIcml2017 overview
Icml2017 overview
 
Watson visual recognitionで簡単画像認識
Watson visual recognitionで簡単画像認識Watson visual recognitionで簡単画像認識
Watson visual recognitionで簡単画像認識
 
Fisher Vectorによる画像認識
Fisher Vectorによる画像認識Fisher Vectorによる画像認識
Fisher Vectorによる画像認識
 
画像認識のための深層学習
画像認識のための深層学習画像認識のための深層学習
画像認識のための深層学習
 
画像認識の初歩、SIFT,SURF特徴量
画像認識の初歩、SIFT,SURF特徴量画像認識の初歩、SIFT,SURF特徴量
画像認識の初歩、SIFT,SURF特徴量
 

Ähnlich wie AV 画像認識とその周辺 - UT Startup Gym 講演資料

2016年2月4日 空間OSのためのビッグデータ技術基盤
2016年2月4日 空間OSのためのビッグデータ技術基盤2016年2月4日 空間OSのためのビッグデータ技術基盤
2016年2月4日 空間OSのためのビッグデータ技術基盤aitc_jp
 
Kashiwa.R#1 画像解析とパターン認識における R の利用
Kashiwa.R#1 画像解析とパターン認識における R の利用Kashiwa.R#1 画像解析とパターン認識における R の利用
Kashiwa.R#1 画像解析とパターン認識における R の利用nmaro
 
20180605 azure antenna_workshop
20180605 azure antenna_workshop20180605 azure antenna_workshop
20180605 azure antenna_workshopMiyuki Mochizuki
 
201209 Biopackathon 12th
201209 Biopackathon 12th201209 Biopackathon 12th
201209 Biopackathon 12thSatoshi Kume
 
論文読み会 発表資料 SPMモデル
論文読み会 発表資料 SPMモデル論文読み会 発表資料 SPMモデル
論文読み会 発表資料 SPMモデルWEBFARMER. ltd.
 
はじめての人のためのDeep Learning
はじめての人のためのDeep Learningはじめての人のためのDeep Learning
はじめての人のためのDeep LearningTadaichiro Nakano
 
Python 機械学習プログラミング データ分析演習編
Python 機械学習プログラミング データ分析演習編Python 機械学習プログラミング データ分析演習編
Python 機械学習プログラミング データ分析演習編Etsuji Nakai
 
画像処理でのPythonの利用
画像処理でのPythonの利用画像処理でのPythonの利用
画像処理でのPythonの利用Yasutomo Kawanishi
 
オープンソースで作るスマホ文字認識アプリ
オープンソースで作るスマホ文字認識アプリオープンソースで作るスマホ文字認識アプリ
オープンソースで作るスマホ文字認識アプリ陽平 山口
 
MS COCO Dataset Introduction
MS COCO Dataset IntroductionMS COCO Dataset Introduction
MS COCO Dataset IntroductionShinagawa Seitaro
 
機械学習 / Deep Learning 大全 (1) 機械学習基礎編
機械学習 / Deep Learning 大全 (1) 機械学習基礎編機械学習 / Deep Learning 大全 (1) 機械学習基礎編
機械学習 / Deep Learning 大全 (1) 機械学習基礎編Daiyu Hatakeyama
 
[DL輪読会] Realtime Multi-Person 2D Pose Estimation using Part Affinity Fields
[DL輪読会] Realtime Multi-Person 2D Pose Estimation using Part Affinity Fields [DL輪読会] Realtime Multi-Person 2D Pose Estimation using Part Affinity Fields
[DL輪読会] Realtime Multi-Person 2D Pose Estimation using Part Affinity Fields Deep Learning JP
 
JAWS-UG Nagoya 20130406 物体認識システムを支えるAWS
JAWS-UG Nagoya 20130406 物体認識システムを支えるAWSJAWS-UG Nagoya 20130406 物体認識システムを支えるAWS
JAWS-UG Nagoya 20130406 物体認識システムを支えるAWS陽平 山口
 
【2017.06】 cvpaper.challenge 2017
【2017.06】 cvpaper.challenge 2017【2017.06】 cvpaper.challenge 2017
【2017.06】 cvpaper.challenge 2017cvpaper. challenge
 
【IISAテクニカルカンファレンス2014】 オープンデータ×オープンソース ~WEB上でのインタラクティブ可視化手法について~
【IISAテクニカルカンファレンス2014】 オープンデータ×オープンソース ~WEB上でのインタラクティブ可視化手法について~【IISAテクニカルカンファレンス2014】 オープンデータ×オープンソース ~WEB上でのインタラクティブ可視化手法について~
【IISAテクニカルカンファレンス2014】 オープンデータ×オープンソース ~WEB上でのインタラクティブ可視化手法について~中洞 友希
 
SSII2014 チュートリアル資料
SSII2014 チュートリアル資料SSII2014 チュートリアル資料
SSII2014 チュートリアル資料Masayuki Tanaka
 
Log解析の超入門
Log解析の超入門Log解析の超入門
Log解析の超入門菊池 佑太
 
これからのコンピュータビジョン技術 - cvpaper.challenge in PRMU Grand Challenge 2016 (PRMU研究会 2...
これからのコンピュータビジョン技術 - cvpaper.challenge in PRMU Grand Challenge 2016 (PRMU研究会 2...これからのコンピュータビジョン技術 - cvpaper.challenge in PRMU Grand Challenge 2016 (PRMU研究会 2...
これからのコンピュータビジョン技術 - cvpaper.challenge in PRMU Grand Challenge 2016 (PRMU研究会 2...cvpaper. challenge
 

Ähnlich wie AV 画像認識とその周辺 - UT Startup Gym 講演資料 (20)

2016年2月4日 空間OSのためのビッグデータ技術基盤
2016年2月4日 空間OSのためのビッグデータ技術基盤2016年2月4日 空間OSのためのビッグデータ技術基盤
2016年2月4日 空間OSのためのビッグデータ技術基盤
 
Kashiwa.R#1 画像解析とパターン認識における R の利用
Kashiwa.R#1 画像解析とパターン認識における R の利用Kashiwa.R#1 画像解析とパターン認識における R の利用
Kashiwa.R#1 画像解析とパターン認識における R の利用
 
20141008物体検出器
20141008物体検出器20141008物体検出器
20141008物体検出器
 
20180605 azure antenna_workshop
20180605 azure antenna_workshop20180605 azure antenna_workshop
20180605 azure antenna_workshop
 
201209 Biopackathon 12th
201209 Biopackathon 12th201209 Biopackathon 12th
201209 Biopackathon 12th
 
論文読み会 発表資料 SPMモデル
論文読み会 発表資料 SPMモデル論文読み会 発表資料 SPMモデル
論文読み会 発表資料 SPMモデル
 
ロボット用Open Source Software
ロボット用Open Source Softwareロボット用Open Source Software
ロボット用Open Source Software
 
はじめての人のためのDeep Learning
はじめての人のためのDeep Learningはじめての人のためのDeep Learning
はじめての人のためのDeep Learning
 
Python 機械学習プログラミング データ分析演習編
Python 機械学習プログラミング データ分析演習編Python 機械学習プログラミング データ分析演習編
Python 機械学習プログラミング データ分析演習編
 
画像処理でのPythonの利用
画像処理でのPythonの利用画像処理でのPythonの利用
画像処理でのPythonの利用
 
オープンソースで作るスマホ文字認識アプリ
オープンソースで作るスマホ文字認識アプリオープンソースで作るスマホ文字認識アプリ
オープンソースで作るスマホ文字認識アプリ
 
MS COCO Dataset Introduction
MS COCO Dataset IntroductionMS COCO Dataset Introduction
MS COCO Dataset Introduction
 
機械学習 / Deep Learning 大全 (1) 機械学習基礎編
機械学習 / Deep Learning 大全 (1) 機械学習基礎編機械学習 / Deep Learning 大全 (1) 機械学習基礎編
機械学習 / Deep Learning 大全 (1) 機械学習基礎編
 
[DL輪読会] Realtime Multi-Person 2D Pose Estimation using Part Affinity Fields
[DL輪読会] Realtime Multi-Person 2D Pose Estimation using Part Affinity Fields [DL輪読会] Realtime Multi-Person 2D Pose Estimation using Part Affinity Fields
[DL輪読会] Realtime Multi-Person 2D Pose Estimation using Part Affinity Fields
 
JAWS-UG Nagoya 20130406 物体認識システムを支えるAWS
JAWS-UG Nagoya 20130406 物体認識システムを支えるAWSJAWS-UG Nagoya 20130406 物体認識システムを支えるAWS
JAWS-UG Nagoya 20130406 物体認識システムを支えるAWS
 
【2017.06】 cvpaper.challenge 2017
【2017.06】 cvpaper.challenge 2017【2017.06】 cvpaper.challenge 2017
【2017.06】 cvpaper.challenge 2017
 
【IISAテクニカルカンファレンス2014】 オープンデータ×オープンソース ~WEB上でのインタラクティブ可視化手法について~
【IISAテクニカルカンファレンス2014】 オープンデータ×オープンソース ~WEB上でのインタラクティブ可視化手法について~【IISAテクニカルカンファレンス2014】 オープンデータ×オープンソース ~WEB上でのインタラクティブ可視化手法について~
【IISAテクニカルカンファレンス2014】 オープンデータ×オープンソース ~WEB上でのインタラクティブ可視化手法について~
 
SSII2014 チュートリアル資料
SSII2014 チュートリアル資料SSII2014 チュートリアル資料
SSII2014 チュートリアル資料
 
Log解析の超入門
Log解析の超入門Log解析の超入門
Log解析の超入門
 
これからのコンピュータビジョン技術 - cvpaper.challenge in PRMU Grand Challenge 2016 (PRMU研究会 2...
これからのコンピュータビジョン技術 - cvpaper.challenge in PRMU Grand Challenge 2016 (PRMU研究会 2...これからのコンピュータビジョン技術 - cvpaper.challenge in PRMU Grand Challenge 2016 (PRMU研究会 2...
これからのコンピュータビジョン技術 - cvpaper.challenge in PRMU Grand Challenge 2016 (PRMU研究会 2...
 

AV 画像認識とその周辺 - UT Startup Gym 講演資料

  • 3. 予定 1.自己紹介 ← やや長い 1. 趣味 2. 職歴 3. 研究 2.AV顔画像検索ツール 1. 概要 2. システム詳細 3.関連面白研究 (論文参照) 1. 画像補完 2. スケッチからの写真検索 3. 近年の顔認識 4.まとめ 5.質疑応答
  • 4. 1. 自己紹介 ● ぱろすけ ● http://parosky.net ● 東大 情報理工 修士1年 ● Activity – プログラムとか書いてる – ベンチャーとかやってた – 研究してる – 就活してる
  • 5. 1. 1. プログラミング ● 趣味でいろいろ書いてる ● ツール:AV顔画像検索, 人気エロ動画DL, 2chまとめサイト自動生成, Twitter画像まとめサイト自動生成 ● Android: 『赤い配管工』, 『ゴリラ』 ● Twitterボット: @parosky1, @anniv_salad, @1000favs_ ● その他いくつかの小ネタ
  • 6. 1. 1. 1. ツール ● AV顔画像検索 ● 後述 ● 人気エロ動画DL ● XVIDEOS からはてブ数が多いものを自動で収集 ● 2chまとめサイト自動生成 ● 全盛期で 5,000PV / day くらい ● Twitter画像まとめサイト自動生成 ● 現在 3,000PV / day くらい
  • 7. 1. 1. 2. Android ● 赤い配管工 (およそ30,000DL) ● タッチで操作する 横スクロール2Dクソゲー ● Androidの練習的な感じで作った ● ゴリラ (およそ700DL) ● 「ゴリラを眺めて癒されよう!」 ● いわゆる「鏡」
  • 8. 1. 1. 3. Twitterボット ● @parosky1 (約80,000フォロワー) ● 発言は僕のメインアカウントのコピー ● フォロワーを増やすためのいくつかの工夫 ● @anniv_salad (約1,700フォロワー) ● 全自動俵万智 ● @1000favs_ (約90,000フォロワー) ● 丸パクリボット @1000favs を丸パクリするボット
  • 9. 1. 2. 職歴 ● ベンチャーとかやってた (2011/08 - 2012/10) ● Web系のスタートアップの創業メンバ ● ASCII とか WIRED とかに載ったらしい ● 某社の起業家支援プログラムに採択 ● Python/Django, JavaScript, ActionScript とか書いてた ● AWS でサーバの構築と管理とかしてた ● 今も別のベンチャー的なのに一応コミット
  • 11. 2. 1. 1. 反響 ● 反響(半月間) ● 85,000PV ● 3,500ツイート ● 1,200はてブ ● 500いいね ● 200本の売上 (=10万円) ● 反響(長期) ● 週刊アスキーに掲載 ● UT Startup Gym から 声がかかった ● 論文がベストペーパー取った ● いろんな人と仲良くなった AVすごい
  • 12. 2. 1. 2. システム概要 ● データベースの構築 1. DMM. R18 からAVのサンプ ル画像を取得(16万タイトル 170万枚) 2. 画像群から顔検出して保存 (35万枚) 3. 特徴抽出 (2.5GB) 4. 主成分分析で圧縮 (70MB) 5. 保存 ● 検索 1. 入力画像から顔検出 2. 特徴抽出 3. データベースを近傍探索 4. 結果をタイトルと合わせて表示 特徴抽出: 生データから推定や分析に有用な情報を抽出すること. (ここでは「1枚の画像を何らかの方法で1本のベクトルに変換すること」) 主成分分析: データの冗長な部分を除いて次元を削減する手法. 近傍探索: 近くにあるデータを探すこと. 総当たりより効率的な方法がある. 顔検出: Viola & Jones の手法が有名.
  • 13. 2. 2. 1. 特徴抽出 ● 画像そのままでは扱いづらい ● たとえば類似性はどう判断しよう? -> 全体の色合いを比べるとか? – 左の画像は 縦22px * 横22px * 3色 = 1,452次元のデータ – これを [赤, 緑, 青] = [0.2, 0.8, 0] と変換すれば3次元のデータに ● いろんな特徴量が提案されている – 大域特徴: Color Histogram, HOG, GIST, HLAC, ... – 局所特徴: SIFT, SURF, LBP, BRIEF, ... – 局所特徴のコーディング: Bog of Features, Fischer Vector, … – 今回は HOG を利用
  • 14. 2. 2. 1. 特徴抽出 ● HOG (Histogram of Oriented Gradients) [Dalal et al., 05] ● 画像をグリッドで区切って それぞれで明るさの勾配の ヒストグラムを計算 ● 今回のシステムでは顔画像が 1,764次元のベクトルに hog = cv2.HOGDescriptor((64, 64), (16, 16), (8, 8), (8, 8), 9) img = cv2.imread('face.jpg') h = hog.compute(img) Python/OpenCV を使えば 一瞬で計算可能
  • 15. 2. 2. 2. 主成分分析 ● あんま意味のない次元を削る (荒っぽい解釈) ● データ量の削減, 「次元の呪い」の回避 ● 今回のシステムでは1,764次元 → 100次元に削減 [http://www.nlpca.org/] pca = sklearn.decomposition.PCA(dim) r = pca.fit_transform(data); Python/SciKits を使えば 一瞬で計算可能
  • 16. 2. 2. 3. 近傍探索 ● この画像はどの画像と近いか? → この画像の特徴ベクトルはどの画像の特徴ベクトルと近いか? → ベクトル空間上での距離を見ればいい (今回の実装) ● 普通に総当たりでやってもいい ● が, もっと早い方法がいくつか提案されている ● 今回は FLANN [Muja et al., 09] を使用 [http://www.emeraldinsight.com/cont ent_images/fig/0870280310006.png] index = cv2.flann_Index(features, {"algorithm":0}) idx, dist = index.knnSearch(data, n, params={}) Python/OpenCV を使えば 一瞬で計算可能
  • 17. 2. 2. 4. 顔検出 ● Viola と Jones による手法が有名 ● 詳細は省略 ● 「あー, あれね, Haar-like 特徴と AdaBoost で Attentional Cascade だよね」とか言えば 知ったかぶりできる hc = cv2.cv.Load("haarcascade_frontalface_alt.xml") storage = cv2.cv.CreateMemStorage() img = cv2.imread('person.jpg') faces = cv2.cv.HaarDetectObjects(img, hc, storage) Python/OpenCV を使えば 一瞬で計算可能 [http://www.name- list.net/img/images.ph p/Linewih_5.jpg]
  • 18. 2. 1. 2. システム概要(再掲) ● データベースの構築 1. DMM. R18 からAVのサンプ ル画像を取得(16万タイトル 170万枚) 2. 画像群から顔検出して保存 (35万枚) 3. 特徴抽出 (2.5GB) 4. 主成分分析で圧縮 (70MB) 5. 保存 ● 検索 1. 入力画像から顔検出 2. 特徴抽出 3. データベースを近傍探索 4. 結果をタイトルと合わせて表示 特徴抽出: 生データから推定や分析に有用な情報を抽出すること. (ここでは「1枚の画像を何らかの方法で1本のベクトルに変換すること」) 主成分分析: データの冗長な部分を除いて次元を削減する手法. 近傍探索: 近くにあるデータを探すこと. 総当たりより効率的な方法がある. 顔検出: Viola & Jones の手法が有名.
  • 20. 3. 1. 画像補完[Hays et al., 07] ● 一部が欠損した画像を自動で補完 ● GIST 特徴で類似画像検索 → ポワソン画像合成 ● 大量の画像を用意するのがキモ (240万枚) Retrieval Input Retrieval Output
  • 21. 3. 1. 画像補完[Hays et al., 07] Before Clip After
  • 22. 3. 2. 1. スケッチ検索[Shrivastava et al., 11] 1.クエリ画像から HOG を抽出 2.100万枚の画像と比較して画像特有の部分を算出 3.それを用いて近傍探索による検索を行う
  • 23. 3. 2. 2. スケッチ検索 [Zhou et al., 12] ● スケッチ検索に適した特徴量を提案
  • 24. 3. 2. 2. スケッチ検索 [Zhou et al., 12] ● 縦, 横, 斜めの線がどこにどれだけあるか ● 画像中のどこが重要か (←線が密集してるところ)
  • 25. 3. 3. 近年の顔認識 ● Wright et al., 09 ● 入力画像 = 顔データベース画像の組み合わせ + 誤差 ● Yang et al., 11 ● あんまりにも誤差が大きい箇所を自動でフィルタリング Database Query Filter
  • 26. 3. 4. 補足: 画像認識とは ● 画像認識とは, 画像を識別 classification すること ● 手書き文字認識, 顔認識, シーン認識, 一般物体認識, ... ● 画像認識は機械学習を伴うことが多い ● 顔認識: 大量の顔画像の特徴量から「顔の特徴量らしさ」を学習 ● 今回の AV 検索は画像認識なのか微妙 ● 画像を16万タイトルのどれかに classification する問題 ● 近傍探索しているだけであり機械学習していない – 機械学習するにはデータ数が不足
  • 27. 4. まとめ ● 内容のまとめ ● AV 類似顔画像検索ツールを題材として コンピュータビジョンの初歩の一部を紹介した ● ついでに関連する研究も少しだけ紹介した ● 伝えたかったこと ● 画像のシンプルな取り扱いでこれくらいはできるよということ ● OpenCV/Python/NumPy/SciPy を使うと楽だよということ ● もう少しこういうスタートアップあってもいいよねということ ● お詫び ● もう少し体系的な話のほうがよかったのかな