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2012年5月4日
      第9回 情報デザインフォーラム

       サービスデザインとワークショップ
       ~サービスデザインの考え方とアイディア発想




                            千葉工業大学 デザイン科学科
                            Chiba Institute of Technology Department of
                            Design
                            安藤 昌也
                            ando@sky.it-chiba.ac.jp
Copyright ©   Masaya Ando
1

   “サービスデザイン”
    サービスデザインは、正しい定義はいまだないが、学際
     的なアプローチである。
              – Service Design helps to innovate (create new) or improve (existing)
                services to make them more useful, usable, desirable for clients and
                efficient as well as effective for organizations. It is a new holistic,
                multi-disciplinary, integrative filled.
                                                                      (Stefan Morits, 2005)


              – Service Design is all about making the service you deliver useful,
                usable, efficient, effective and desirable.
                                                              (UK DESIGN COUNCIL, 2010)


              – Service Design aims to ensure service interfaces are useful, usable
                and desirable from the client’s point of view and effective, efficient
                and distinctive from the supplier’s point of views.
                                                                       (Birgit Mager, 2009)
Copyright ©   Masaya Ando
2

   経済価値の進展としての経験                                               (Pine & Gilmore, 1999)


       差別化 大                                                                        妥当性あり
                                                                       変 革
                                                   カスタマイゼーション         (誘 導)


                                                             経 験
                                          カスタマイゼーション         (演 出)
              競                                                                          消
              争                                                                          費
                                                                     コモディディ化             者
              条                   カスタマイゼーション
                                                    サービス
              件                                     (提 供)                                ニ
                                                                                         ー
                                                                                         ズ
                                            製 品             コモディディ化
                                           (製 造)


                                 コモディティ            コモディディ化
                                 (抽 出)
        差別化 小                                                                       妥当性なし

                            低い                                                 高い
                                                   価格

                                                                          (出所:『(新訳) 経験経済』, p. 178)
Copyright ©   Masaya Ando
3

   経済価値の進展としての経験                                    (Pine & Gilmore, 1999)



       経済価値                 コモディティ    製品       サービス        経験              変革
   経済システム                   農業経済     産業経済     サービス経済      経験経済           変革経済
     経済的機能                   抽出       製造       提供           演出             誘導
   売り物の性質                   代替できる    形がある     形がない      思い出に残る            効果的
     重要な特性                   自然       規格      カスタマイズ       個人的            個性的
                                                          一定期間           長期間
       供給方法                 大量貯蔵      在庫      オンデマンド
                                                           見せる           維持する
                                               サービス
          売り手               取引業者     メーカー               ステージャー             ガイド
                                               事業者
        買い手                  市場       ユーザー    クライアント       ゲスト         変革志願者
       需要の源                  性質      特徴(機能)     便益         感動            資質


                                                               (出所:『(新訳) 経験経済』, p. 186)


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4

   消費の意味の捉え方の変化


      モ
      ノ                     ニーズ     充 足                                             価値
      の
      消
      費                生活における     商品やサービスの                                   価値は企業に
                       不足や不満       選択と購買                                    よって与えられる




      経
      験                     欲 求     実 現                                             価値
      の
      消                生活における     商品やサービスを                                   価値はユーザが
      費                 自己創造       手段とした経験                                   参加して生み出
                                                                               される
                                    (出所:慶應大学 武山政直 教授資料より http://web.econ.keio.ac.jp/staff/takeyama/ee/1.pdf)

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5

   Design for Services
        Society                              (Meroni and Sangiorgi, 2011)



                  オ
                  ー
                  プ
                  ン                                       社会変革として
                  化                      CO-Creation
                  ・                                       のサービス
                  共
                  働                   DESIGN for
                  化
                                      SERVICE             人間中心の関係性の
                                                          実態としてのサービス

                            SERVICE
                                                          “プロダクト”でないもの
                            DESIGN
                                                          としてのサービス




                                                   オープン化・共働化    Design
Copyright ©   Masaya Ando
6

   サービスデザイン思考の5原則
   1. ユーザ中心 (user-centered)
                  • サービスはユーザーの目を通して経験されるものである

   2. 共創 (co-creative)
                  • すべての関係者がサービスデザインのプロセスに関わる

   3. 順序付け (sequencing)
                  • サービスは、相互に関係する活動の連続として可視化する

   4. 根拠に基づいた (evidencing)
                  • 無形なサービスは、物理的な人工物によって可視化する

   5. 全体的な (holistic)
                  • サービスの全体の環境をよく考慮する
Copyright ©   Masaya Ando
7

   The Customer Journey Canvas   (“This is Service Design Thinking”より)




Copyright ©   Masaya Ando
8

   The Customer Journey Canvas            (“This is Service Design Thinking”より)

                  サービス前・期    サービス期                           サービス後・期
 情
 報
 の                                                            カスタマー
 可                  広告・PR
 操
 作
                                                              リレーション
 性                                                            マネジメント
                   ソーシャル
                    メディア       顧客のサービス経験
                                                           ソーシャルメディア
                                タッチポイントごとの
                       口コミ      クリティカルな感情


 情
 報                                                               口コミ
 の
 信                過去の経験
 頼
 性




                    事前予期             経験                      満足/不満足


Copyright ©   Masaya Ando
9

   サービスデザインの4つのステップ
    サービスデザインは4つのステップの繰り返し設計であ
     る。




    EXPLORATION              CREATION    REFLECTION   IMPLEMTNTAION
    <調査・探索>                 <立案・制作>     <評価・振返り>         <実施>

              調査            コンセプトデザイン   プロトタイピング          実行




Copyright ©   Masaya Ando
10

   AT-ONE project               (Simon Clatworthy, 2011)


              A             Actors
                            一緒にサービスを提供するアクターの新しい組み合わせ



              T             Touch points
                            顧客とサービスのタッチポイントのコーディネートと開発



              O             Offerings
                            サービスが本当に提供していることのデザイン


                            Needs
              N             サービスが満たすべきニーズ



              E             Experience
                            サービスが顧客に提供する経験
                                                       http://www.service-innovation.org/
Copyright ©   Masaya Ando
11
   サービスデザインの観点から見た
     サービスにおけるユーザー体験と組織の提供価値の変化の対応関係
      サービスデザインの進展      ユーザー体験と組織の提供価値
 Society



                                                                                 組織の提供
                                                       UXの拡大
                                                                                 価値の変化
                                 CO-Creation
                                 社会変革としての      意識 参画 価値                             機会
  オ                                サービス
  ー                                                                       機会を提供することで
  プ                                                                       組織の価値が高まる
  ン
  化                    DESIGN for SERVICE
  ・
  コ
  ラ                         人間関係の実態            欲求               実現                 価値
  ボ                         としてのサービス
  レ                                                                      価値はユーザが参加
  ー                                                                      して生み出される
  シ
  ョ
  ン           SERVICE DESIGN
  化           “プロダクト”でないもの
                としてのサービス
                                               ニーズ             充足                  価値
                                                                         価値は組織によって
                                                                         与えられる


                            オープン化・コラボレーション化     ユーザー体験デザイン                  価値基盤デザイン
                                     Design     E   xperience   N eeds    O ffering T ouch A ctors
                                                                                     Point
Copyright ©   Masaya Ando

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サービスデザインとワークショップ~サービスデザインの考え方とアイディア発想

  • 1. 2012年5月4日 第9回 情報デザインフォーラム サービスデザインとワークショップ ~サービスデザインの考え方とアイディア発想 千葉工業大学 デザイン科学科 Chiba Institute of Technology Department of Design 安藤 昌也 ando@sky.it-chiba.ac.jp Copyright © Masaya Ando
  • 2. 1 “サービスデザイン”  サービスデザインは、正しい定義はいまだないが、学際 的なアプローチである。 – Service Design helps to innovate (create new) or improve (existing) services to make them more useful, usable, desirable for clients and efficient as well as effective for organizations. It is a new holistic, multi-disciplinary, integrative filled. (Stefan Morits, 2005) – Service Design is all about making the service you deliver useful, usable, efficient, effective and desirable. (UK DESIGN COUNCIL, 2010) – Service Design aims to ensure service interfaces are useful, usable and desirable from the client’s point of view and effective, efficient and distinctive from the supplier’s point of views. (Birgit Mager, 2009) Copyright © Masaya Ando
  • 3. 2 経済価値の進展としての経験 (Pine & Gilmore, 1999) 差別化 大 妥当性あり 変 革 カスタマイゼーション (誘 導) 経 験 カスタマイゼーション (演 出) 競 消 争 費 コモディディ化 者 条 カスタマイゼーション サービス 件 (提 供) ニ ー ズ 製 品 コモディディ化 (製 造) コモディティ コモディディ化 (抽 出) 差別化 小 妥当性なし 低い 高い 価格 (出所:『(新訳) 経験経済』, p. 178) Copyright © Masaya Ando
  • 4. 3 経済価値の進展としての経験 (Pine & Gilmore, 1999) 経済価値 コモディティ 製品 サービス 経験 変革 経済システム 農業経済 産業経済 サービス経済 経験経済 変革経済 経済的機能 抽出 製造 提供 演出 誘導 売り物の性質 代替できる 形がある 形がない 思い出に残る 効果的 重要な特性 自然 規格 カスタマイズ 個人的 個性的 一定期間 長期間 供給方法 大量貯蔵 在庫 オンデマンド 見せる 維持する サービス 売り手 取引業者 メーカー ステージャー ガイド 事業者 買い手 市場 ユーザー クライアント ゲスト 変革志願者 需要の源 性質 特徴(機能) 便益 感動 資質 (出所:『(新訳) 経験経済』, p. 186) Copyright © Masaya Ando
  • 5. 4 消費の意味の捉え方の変化 モ ノ ニーズ 充 足 価値 の 消 費 生活における 商品やサービスの 価値は企業に 不足や不満 選択と購買 よって与えられる 経 験 欲 求 実 現 価値 の 消 生活における 商品やサービスを 価値はユーザが 費 自己創造 手段とした経験 参加して生み出 される (出所:慶應大学 武山政直 教授資料より http://web.econ.keio.ac.jp/staff/takeyama/ee/1.pdf) Copyright © Masaya Ando
  • 6. 5 Design for Services Society (Meroni and Sangiorgi, 2011) オ ー プ ン 社会変革として 化 CO-Creation ・ のサービス 共 働 DESIGN for 化 SERVICE 人間中心の関係性の 実態としてのサービス SERVICE “プロダクト”でないもの DESIGN としてのサービス オープン化・共働化 Design Copyright © Masaya Ando
  • 7. 6 サービスデザイン思考の5原則 1. ユーザ中心 (user-centered) • サービスはユーザーの目を通して経験されるものである 2. 共創 (co-creative) • すべての関係者がサービスデザインのプロセスに関わる 3. 順序付け (sequencing) • サービスは、相互に関係する活動の連続として可視化する 4. 根拠に基づいた (evidencing) • 無形なサービスは、物理的な人工物によって可視化する 5. 全体的な (holistic) • サービスの全体の環境をよく考慮する Copyright © Masaya Ando
  • 8. 7 The Customer Journey Canvas (“This is Service Design Thinking”より) Copyright © Masaya Ando
  • 9. 8 The Customer Journey Canvas (“This is Service Design Thinking”より) サービス前・期 サービス期 サービス後・期 情 報 の カスタマー 可 広告・PR 操 作 リレーション 性 マネジメント ソーシャル メディア 顧客のサービス経験 ソーシャルメディア タッチポイントごとの 口コミ クリティカルな感情 情 報 口コミ の 信 過去の経験 頼 性 事前予期 経験 満足/不満足 Copyright © Masaya Ando
  • 10. 9 サービスデザインの4つのステップ  サービスデザインは4つのステップの繰り返し設計であ る。 EXPLORATION CREATION REFLECTION IMPLEMTNTAION <調査・探索> <立案・制作> <評価・振返り> <実施> 調査 コンセプトデザイン プロトタイピング 実行 Copyright © Masaya Ando
  • 11. 10 AT-ONE project (Simon Clatworthy, 2011) A Actors 一緒にサービスを提供するアクターの新しい組み合わせ T Touch points 顧客とサービスのタッチポイントのコーディネートと開発 O Offerings サービスが本当に提供していることのデザイン Needs N サービスが満たすべきニーズ E Experience サービスが顧客に提供する経験 http://www.service-innovation.org/ Copyright © Masaya Ando
  • 12. 11 サービスデザインの観点から見た サービスにおけるユーザー体験と組織の提供価値の変化の対応関係 サービスデザインの進展 ユーザー体験と組織の提供価値 Society 組織の提供 UXの拡大 価値の変化 CO-Creation 社会変革としての 意識 参画 価値 機会 オ サービス ー 機会を提供することで プ 組織の価値が高まる ン 化 DESIGN for SERVICE ・ コ ラ 人間関係の実態 欲求 実現 価値 ボ としてのサービス レ 価値はユーザが参加 ー して生み出される シ ョ ン SERVICE DESIGN 化 “プロダクト”でないもの としてのサービス ニーズ 充足 価値 価値は組織によって 与えられる オープン化・コラボレーション化 ユーザー体験デザイン 価値基盤デザイン Design E xperience N eeds O ffering T ouch A ctors Point Copyright © Masaya Ando