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東北から災害復旧ボランティア 那智勝浦町
紀伊民報 9月17日(土)17時0分配信

                 台風12号で被害が集中した和歌山県那智勝浦町の井関地区で、東日
                 本大震災を受けて宮城県石巻市で活動していた「石巻ボランティア
                 ベースキャンプ絆」のメンバーが拠点を置き、活動している。濁流にの
                 まれた被災地での作業は津波被害の石巻と共通点も多く、メンバーは
                 「地元にノウハウを伝えたい」と県民のボランティア参加を呼び掛けて
                 いる。

                 「絆」は震災直後から石巻市に駆け付けた全国のボランティアが自然
                 に集まって結成。7月末に新潟、福島県を襲った集中豪雨でも被災地
                 を支援した。今月5日に和歌山入りを決定。6日に井関の民家の一角を
     拡大写真        借りて仮事務所とし、約20人が活動している。
【一般のボランティアを
指揮しながら作業する
「絆」のメンバー(左)=
                 メンバーで建設業の尾崎俊哉さん(42)=和歌山市=は「流木が民家
和歌山県那智勝浦町井       に突き刺さり、基礎だけしか残っていない家もある。まるで石巻」と那
関で】              智勝浦町を訪れて思った。

「土石流は山津波。泥出しの作業は似ている。スコップの種類や使い方などノウハウが生かせ
る。ただヘドロより砂利が多くてスコップが入らないことも。より大変な面がある」と説明する。

当面必要な作業は家屋の泥出しや清掃。「家をつぶすのか、住み続けるのか判断できる状況
をつくる。町がきれいになれば一歩前に踏み出せる」と話す。

作業に必要な道具は各ボランティアセンターが準備している。個人ではくぎを踏み抜かないた
めの鉄板入り安全靴、熱中症対策の飲料水やあめを用意する。被災者の話にじっくり耳を傾
けることも大事な役割という。

尾崎さんは「災害ボランティアは最初の1カ月が重要。先行きが見えず、ニーズに応えるには
人手がいる。被災地は都市部から遠く、一人でも多くの県民に参加してもらいたい。災害現場
を見ることは自身の防災意識向上にもつながる」と呼び掛ける。

「絆」の活動は地域に浸透。ボランティアの依頼は毎日、続々やってくる。支援を受ける那智勝
浦町井関の汐崎光さん(74)は「被災時は住民間でもぎすぎすしがちなのに、気配りができて
いてすんなり受け入れられた。片付けの手順なども教わり、本当にありがたい」と喜んだ。

「絆」は同町の災害ボランティアセンターと連携して、一般ボランティアの指揮も執っている。メ
ンバーで整体師、肥田浩さん(45)=名古屋市=は「活動を通じ、一人一人、自立して動ける人
材を育てたい。そこにまた人が集まる。横のつながりが大きな力になる。地元にそんなノウハ
ウを伝えられれば」と期待している。
最終更新:9月17日(土)17時0分




             那智勝浦町周辺の地図
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